通 史 昭和50年(1975) 日薬−県薬−市薬
九州薬事新報 昭和50年(1975) 11月5日号

 九州山口薬学大会薬局部会 大分県薬の保険薬局管理は県と協調

 福岡県神谷氏分業問題を発言す

 九州山口薬学大会の薬局部会(保険調剤・薬局経営)は大会第二日一七日の午前中開かれ、約二百名が出席、七題の研究発表が行われたが、その主なものは次のようである。

 ▽薬の将来=福岡県・成沢哲夫
実在生物科学(be‐bio‐science)…生きているという現象を科学的に明確にするための科学的生物学…について説明、薬剤師の今後の活動の方向づけの一つの方法としてこのような勉強をして自分のものとし、医師は健康管理を、吾々は基本生活の管理を行ない、薬のみに頼ることなく、社会人類のために役立つ医療従事者であり、指導者でありたいと願うと述べた。

 ▽大分県で保険薬局となる過程について=大分県・水之江正
大分県の保険調剤は、金額としては低いが、一枚の処方せんでも大切に、自分で正しく請求することに重点をおいて指導している。県の保険課と接衝して、事故を防止するため保険請求は薬剤師会が指導、チェックすることとし、直接保険課に請求しても受付けぬよう指導して頂いている。

 会では新規に保険薬局の指定を受ける際に必要な遵守事項を作成して支部長並びに保険委員の責任のもとに基本指導、実地指導などを行ない、万全を期すことにしている。そのため入会時には、開設者が管理薬剤師の場合一〇万円、管理薬剤師を雇傭する場合二〇万円を徴収、そのほか県薬会費年額二万五千円並びに支部会費、協同組合(商組)入会金、出資金も併せ相当な額を徴収することになるが、入会すれば請求業務も指導を受けてマスターでき、有利な融資等の紹介も受けられるなどのメリットがあり、受入体制の整備は十分整いつつあるので、明年はこの分業の進展につき報告できると考える。

 ▽保険者コード化に備えて=福岡県・神谷武信
保険調剤請求の整理の迅速をはかるためコンピューターが導入され、コード番号化される方向にあり、明年四月までには総ての保険者名が八ケタの数字に表わされることになるため、このしくみについて詳細な説明のあと、分業の基本問題について概略次のような発言があった。

 本会議の決議文の冒頭に「医薬品の安全性と有効性を追求するために」とあるが、分業をアピールする段階にこの訴えが、昨日からの分科会のなかで足りなかったのは残念に思う。佐賀県は保険薬局数二〇五、請求金額約六千万で、一薬局当り約三〇万、これは全国一の数字で福岡の三倍に近く、大阪の六倍に当る、その佐賀県でさえも耳鼻科、眼科、皮膚科、小児科の順で内科の処方せんが来ないと嘆かれているが、全く処方せんは最終的には内科のものだと考える。

 ある調査によると所得一千万〜一千五百万位の病院が一番処方せんを出しているとあるが、高層ビルの如き病院、開業間もない病院などは無理で、出る可能性の多いのは、あまり大きな構えでなく借入金もない、いわゆる健全経営の医師一人に看護婦二、三人程度の病院に限られると思う。先般の世界医学会総会の声明の中でマイナートランキライザーの使用を自粛しようではないか云々とあったが、最近医師は薬害に対し非常に神経質になっており、同じ薬を長く使用することを避ける方向にある。

 昨日来の質問に医薬分業は医師から多くの薬を揃えさせられたり、リベートを要求されるおそれがあるような発言がみられたが、その時こそ安全性と有効性を盾にアピールすべきである。六月六日の朝日新聞の社説『分業を推進せよ』の中でもハッキリと国民を薬漬けから救うのは医薬分業よりほかにない、とうたっている。このへんをドライに医師にアピールして頂きたい。

 私の地区はベットタウンで三〇の診療所と一〇薬局があるが、私とマンツーマンで分業をしている内科医は医師サイドで内科医へ、私は薬局サイドで互にPRにつとめ、一年を経た現在では一三の内科小児科のうちの五診療所と一皮膚科が大なり小なり処方せん発行に踏み切った。これは全く医薬品の安全性と有効性を強く訴えた結果である。

 マンツーマン分業への批判もあるが、この地区では一応誰かがマンツーマンで始め、これを受けた薬局は備蓄品目等の情報を各薬局へ流し、互に薬品も分け合っているので最近では処方せんが入りくみ、次第に普遍化してマンツーマンの弊害も薄らぎ、本来の理想的な分業に変りつつある。

 しかし、出発点はあくまでマンツーマンと考えるべきで、末端の医師と薬剤師が互にコミニュケーションとDI活動を通してアピールすべきで、分業の進展はこれ以外にはないと考える。おそらく一、二年の間に分業は相当進むと思われるが、これにはメーカーの添付問題が大きなファクターになろう。薬局経営の面からも処方せんを受入れることによって経済的に豊かになり、調剤をやることによって信用度も高まり、OTC薬の売上げも増大すると考えてよいと思う。

 その他▽長崎県の保険調剤報酬請求に関する諸問題=長崎県・油屋宏雄▽医薬協業下における薬局経営=鹿児島県・山形正道▽佐世保地区の分業について=長崎県・坂井透の各氏がそれぞれ今日までの対策、経過、今後の見通し希望などにつき発表した。

 九州山口薬学大会 医薬分業部会 各県分業情況報告

 九州山口薬学大会第一日一六日午前中開かれた医薬分業部会は、約三百名参加者を集めて分業に関する十一題の研究発表があり、時局を反映して質疑応答も盛んに行なわれ、昨年の本大会における分業実例の発表に比べ各県とも分業の進展がうかがえた。その主な内容は次のようである。

 ▽長崎市三師会の中の分業対策委員会について=長崎県・宮崎長二
分業委員会の失敗談と云うべきか、歯科医師会とはスムースに話合いもでき、実績もあがっているが、医師会との話し合いにおいて得たことは医師側の処方せん発行に対するハッキリした意志表示がなければ薬局側としては受け入れることができないことを理解させたにとどまった‐と現況報告。

 ▽福岡市薬分業プロジェクトチームの作業経過=福岡県・荒巻善之助
福岡市は一応の分業先進地区とされているが、これは従来からマンツーマン分業が実施され、これが基本となって広がったこと、三師会が選挙戦を一緒に闘ったり、三師会協調の歴史があったこと、休日急患センターが設置され、職能レベルの話し合いの機会が多いなどに起因すると思う。

 分業は開発であるからまず討論しようということで医師会に呼応して分業プロジェクトチームを結成、討論を行なった結果一応の意識統一に達したのでその共同理解のうえで医師会チームとドッキングしたい考えである。福岡市の保険請求の動向をみてもマンツーマンの重要性は再認識されるべきであるが反面拙速はベターでないこともわかった。現在、医師会側も分業に興味は持っているが、来たるべき分業に対する興味で、今直ちにということでなく、いつかはなだれ現象が起こるものと考えられる。会サイドとしてはマンツーマンを普遍化し、正しい医療制度の確立をめざすことが最重点方策であろう。

 ▽ライセンスの国際的評価=鹿児島県・坂元昭夫
諸外国の薬剤師の実情を報告したあと、日本の薬剤師の地位は諸外国に比べ低く過ぎるし日本の薬剤師免許は外国では通用しない。これらを是正するために@医療制度の創造は薬剤師の手でA薬剤師免許の国際的な自由化を実施するBわが国の薬学教育を国際的水準から見て遜色のないものとする−ことを提唱。

 ▽ブロック対ブロックの分業推進について=福岡県・井上浩一
北九州市若松区は長野県の上田地区同様マンツーマン分業の弊害を排除した地域分業をめざし、三師会館を同額出資で建設、運営するなど昭和三三年から取り組み、長い間に培われた素地があったことが報告され、医師会側の要望により無薬局地域に調剤薬局も設置、基幹薬局の設置も要望に応えて考えられている等数少ない地域分業の実情が報告された。

 ▽医薬分業の推進と実態に関する調査研究=福岡県・藤野義彦
この調査は九州山口薬学会助成金によって行われたもので、処方せん受入れ状況と会員意識を知るためアンケートを二月、七月の二回、同項目について実施し経時変化を観察した。

 二月実施では分業に前向きの意欲が感じられ、七月では意欲のダウン現象が感じられ回答数も下廻った。
回答数は約50%で、主として保険薬局であり処方せん取扱薬局数とほぼ一致した。二月と七月の調査を比べてみると処方せんの枚数については、遅々としてではあるが薬剤師側のアタックの結果が見られ、その他調剤講習会、分業受入れに対する積極化、借入金の希望等大差ないが、分業に対する不安は依然強く、薬局経営を含めた分業ビジョンについて大多数が、定見が乏しい。目標、見通しの不的確さ等に不安を抱いており、薬剤師会の方向指導が要請される。

 分業に対する意欲の項では地域の分業体制に遅れをとらない程度に準備を−が約半数で一番多く、処方せんが継続して来る保証がない−は両回とも回答者の三分の二が不安と思っており医師との話し合いが不慣れで気が重い−の項は前回を更に上廻って会員が一応はアタックしたが医師側の応待が思わしくなく、更に気が滅入った感が非常に強く加えてゾロゾロの巻き返し一般的な処方せんの動きがないなどから七月調査における意欲ダウンが見られる。このようなことを踏えたうえで、マンツーマンの普遍化をどう進めるか、処方せん料五〇〇円が他の医療報酬の中に埋れ、光を失なわない前に、市薬のガイドラインの設定を急がねばならない。

 福岡県学校保健会表彰

 五〇年度福岡県学校保健会功労者表彰で、左記五氏が栄誉をうけた。
▽瀬越寿(福岡)
▽植村鉄郎(小倉)
▽室英夫(若松)
▽宮崎綾子(戸畑)
▽今村武志(浮羽)

 福岡市教育委員会表彰
五〇年度福岡市教育委員会功労者表彰での栄誉賞は左記のとおり。
▽内田数彦(千代中学校、学校薬剤師)

 福岡市学校保健会表彰
五〇年度福岡市学校保健会功労者表彰での栄誉者は左記のとおり。
▽柴田伊津郎(東区馬出)

九州薬事新報 昭和50年(1975) 11月15日号

 九州山口薬学大会 女子薬剤師部会 分業実現に会員の自覚を

 分業先進の佐賀報告を傾聴
九州山口薬学大会の女子薬部会(野川フミ部会長)は、大会第二日一七日の午後、二百五十余名参加のもとに開かれ、田中美代日本女子薬副会長のあいさつのあと各県から八題の研究発表があり、分業は女子薬剤師の協力なしには実現不可能−との自覚のもとに熱気のこもった分科会に終始し熱心な質疑応答が繰り広げられた。最後に次期開催県の沖縄代表から、沖縄では女子薬が未結成のため各県へ協力を求めたあと宮平沖縄県薬会長のメッセージを朗読し、九州ブロック長水民婦而子氏(熊本県)の閉会あいさつで大会の幕を閉じた。

 研究発表の主な内容は次のようである。
病院を退職後一般販売業を開設した河野氏(大分県)は、二年後保険薬局となり始めは歯科処方を受入れ、現在は四六年の五倍、本年に入り小児科、内科の処方も受入れているが、これは歯科処方と違い五分〜一〇分かかる。子供の学校参観日など店を閉め、帰宅後配達するなどして、子供にも継承させたいと誇をもって働いている。将来は販売をやめ駐車場を持った薬局にしたい等、家庭と保険薬局を立派に両立させていることが報告され、今後の研修会や会合はこの実情を考慮して欲しいと述べた。

 眼科処方を受入れている大工園氏(鹿児島県)は、昭和三四年予算の関係で大学病院の処方せんが出たが、第二薬局出現で出なくなり、現在は眼科一、歯科一、肛門科一の処方せん月千枚程受入れているが、これだけでは成り立たないし本当の分業ではない。分業への熱意は在学当時叩き込まれたもので今後勉強しながらもっと積極的にやりたい。分業することにより患者が減るという医師の心配は私の経験では杞憂と云えると述べた。

 奥平氏(佐賀県)は、非常に進んでいる佐賀県下の分業の実情を次のように述べた。佐賀県の処方せん受入れ状況実態のなかで本年一月と八月を比べると千枚以上受入薬局六→一四、二千枚以上〇→七、三千枚以上〇→二になり、件数、枚数、金額共に二倍以上になった。また、上位一四薬局の実働薬剤師数合計は二七名で、そのうち女子薬剤師数は一六名で、いかに女子が活躍しているかがわかる。

 佐賀県下の女子薬の現況は総数二二八名でこれは県下の薬剤師数の約50%、そのうち県薬会員が約30%、職業をもつ者79%、職を持たない者が四五名で20%である。これらを踏えて今後対策をたてねばならないが特に望むことは女子薬剤師の待遇の件で、現在佐賀では調剤が主である場合、新卒10万以上、経験者15万以上、請求事務もする場合は20万の線で紹介している。最近他県から雇傭したためこれを下廻り困った件が起きた例もあるので今後九州全域の問題としてとりあげ薬剤師の責任と義務を完うし、適正な報酬を受けることにより薬剤師のレベルアップをはかり、会がこれらにタッチするようなパターンを現時点で確立する必要がある、と提唱した。

 次に磯崎氏(山口県)は調剤専門薬局の薬局長としての自覚と責任について詳細な報告(後日掲載)を行い、山口氏(宮崎県)は昨年同部会での発表につづいて処方せん受入れの参考に供したいと女子薬主体の調剤薬局の実情を詳細に説明、患者や発行医に対する配慮等についても経験を述べ、積極的に医師に働きかけて一枚でも多く処方調剤をすることを心掛けて欲しい。また、薬剤師の絶対数が不足しているので私も看護婦にまけないよう二人の子供を育てながら頑張って来た。皆さんも自信をもって結婚しても子供を産んでも薬剤師の職能を全うして欲しい、と激励した。

 次に上田氏(福岡県)は福岡県の潜在薬剤師発掘のための研修会並びにその出席者を対象に実施したアンケート結果について説明したあと女子薬剤師会としては今日まで女薬会無用論など云々されたが、今こそ分業の進展に呼応して不足する薬剤師確保のための研修会や潜在薬剤師が気軽るに入って来られる場として、また特に今後起ってくるであろう職業と家庭という大きなテーマと取り組んで行かねばならないと感ずる、と述べて出席者の共感を呼んだ。

 水民氏(熊本県)は熊本県下の分業状況を説明、完全分業にするには女子薬の協力なしにはなし得ない実情を踏えて女子薬の在り方を考え、まず分業に協力できるよう基礎知識から分業実務までの研修を実施することとして毎月勉強会を実施、今後は実習も行う予定である、と述べ、現在分業を阻むものの最大のものはメーカーの悪徳商行為であると声を大にした。

 次に末武氏(長崎県)は医薬分業に対する私の所見と題して処方せんの来ない薬局の立場から(これが大部分の薬局の実情であろう)分業未だしの感想を述べた。

 点滴

 ▼長崎市で開かれた第42回九州山口薬学大会は盛会裡に終了した。学会の在り方が再検討され、終始緊縮ムードの中での大会であったが、その内容は地元関係者の努力と各委員会の企画・指導よろしきを得、なお会員の熱心な参加によって、贅肉のとれた中身の充実したものとなり、大会運営の今後の在り方を示唆するものであった。

 本大会では、開局薬剤師特に調剤薬局の方々が薬学部会で「薬剤業務分析」「シクランデレード製剤の比較検討」等を熱心に聴講、卸業の方が薬剤部長協議会の「温度規制のある医薬品管理の実態調査」を聞き、薬業経済部会の卸の部のパネル会場にメーカーが出席するなど、随所に開局者・病薬・卸・メーカーの交流が特に目立っていたこと、女子薬剤師部会はその発表内容も充実し、女子会員の各部会での発言も活発に行われて本大会を盛り上げたこと等々、全会場に薬剤師職能向上への意図を示していた事は特記に値する。

九州薬事新報 昭和50年(1975) 11月25日号

 福岡県薬理事会 "GPP"に自己規制が必要

 三師会で薬禍の協同防衛など協議

 福岡県薬剤師会(長野義夫会長)は第二四二回理事会を一一月一二日(水)午後一時より、県薬剤師会会議室で開催した。

 当日は、神谷専務理事の司会で開会し、まず長野会長は「本日五時より三師会の各役員全員が一堂に集まって協議会を開くこととなったが、これは画期的な事である。医学協業の進展がここに到ったことは誠に喜ばしい。日本経済の低迷は甚しいが、薬業界にも不況の波がひしひしと迫り、小売業者は経済不安が加わり危機感が高まっているが、この時にこそ我々薬剤師は結束を固くして進まねばならない」と挨拶。次いで議事に入り、報告・協議が行われたが、そのおもな内容は左記のようである。

 ▽報告事項
1、「薬と健康の週間」について=神谷専務理事
一〇月一二日〜一八日に実施された。県が同行事の一環として行う薬事功労者に対する知事表彰は県薬剤師会として一〇名の方々が受賞された。同期間中、各支部毎に広報行事を実施したが、県薬としては薬務課福薬連の協賛を得て一〇月一一日の西日本新聞に広告を行ない、なお同新聞の家庭欄に荒巻善之助氏による薬剤師職能についての記事を掲載した。

 2、会長会議=神谷専務理事
@高田浩運、森下泰両参議院議員が出席し力強い発言があったが?調剤報酬源泉課税については10%は高い次年度より5%に保険医と同様の税率に引き下げる?作業環境測定法の施行に当り、薬剤師は無試験で資格取得ができるよう−など運動中であるとの報告あり。
A「ビスマス塩類を含有する医薬品の取り扱いについて」、厚生省薬務局長から通達が出された。本剤については特に坐薬は投与個数が多いので注意すべきものと思う。通達内容については県薬より各支部長へ連絡する。
B薬局等管理薬剤師の基範について
自己規制が必要(別掲…日薬"GPP"を発表を参照)
C日薬の新年度予算について
日薬としては会費はあげない方針(積立金取崩しにより)が示されたが、物価上昇・郵便料値上げ等があるので反対意見多く、会費はあげるべき‐となった。値上げの方針で代議員会に示すことと決定した。
D日薬の共済制度
継続不能とのことで、中止となる予定。
E薬剤師連盟について
日薬案ではA会員五千円(二千五百円は日薬へ、二千五百円が各県)であったが、五千円には無理があるので、福岡県薬案として三千五百円(千七百五十円を日薬へ)を提案、採択された。なお福岡県では班長制度は設けない。
F医薬分業推進指導者講習会
50年2月7日(東京)、3月6日(広島)の二日間開かれることが薬務局と日薬の協議で決まった。各県より三名出席(薬務課…担当係長級、県薬…分業担当理事、県病薬…大病院の実務指導者各一名)。福岡県は広島会場へ出席する。
G試験センター設置について
現在、全国で一八県が設置している。県薬で設立準備金が積まれた段階で、厚生省からの補助金が出るので、設置の希望が日薬よりあった。

 3、指導者講習会並びに社保委員会=中村副会長
指導者講習会は二カ月に一回程開催してほしいとの希望である。調剤手数料賦課については基本的には諒承、県薬の具体案を示してほしい希望であるので本日の協議で審議願いたい。請求事務については相当な時間をかけて説明を行ったので、今後は逐次伝達していくものと思う。

 4、女子薬研修会=田中常務理事
北九州と福岡の二会場で開催したが参加者三〇〇名にのぼった事は非常な成功である。東京都でも二〇〇名位の参集であるので、全国的にも注目されている。詳細は九州薬事新報に掲載された通りである。

 5、薬局委員会=藤野常務理事
日薬から薬局等管理薬剤師規範と、県薬務課より薬局の管理態勢についての通知が出された事に関し、一一月六日に委員会を開き検討した。当日のおもな検討事項は@名儀貸しの徹底取締りと雇傭されている薬剤師の再教育を行うことによる規制実施A処方箋取扱い月四〇〇万円(日八〇枚)の薬局の薬剤師数については薬剤師会サイドで研究するB薬局の六坪の中での化粧・雑品をどうするか。薬局等管理については第二薬局問題を含め、次回委員会で検討するC薬局勤務薬剤師の名簿の整備・作成と、管理薬剤師の服務規定を作成する−など。

 ▽協議事項
1、手数料賦課について
請求作業を通じて下部組織の活発化が大きな目的であり、手数料賦課は社保委員会で基本的に諒承した点より、なお県内一〇月度の調剤請求が一億の大台にのり更に今後は増加する見通しであるので低目に押える事とし、次のように決定した。一枚一〇円とし、二〇%(二円)を県薬へ。支部では必要なれば支部サイドで別途上積みし徴集すること。県としては上限はつけない。なお、磯田常務理事より九大恵愛園薬局も賦課金については理解を示しているとの報告がなされた。

 2、薬局と管理薬剤師の規範について
調剤薬局勤務薬剤師は薬剤師会に加入すること、なお研修会等に出席を推進。

 3、適配廃止後の管理体制の適正化について
九州薬事新報に掲載すること。薬局委員会で原稿作成し投稿。

 4、県三師会への提案乃至要望について
本日午後五時よりニューハカタホテルで一時間、三師会全役員が集まり協議会を開催する。提案は@医師会=医療トラブルについて協同防衛A歯科医師会=推薦議員についてB薬剤師会=保険請求業務の簡略化‐である。これについて@に関しては堀岡副会長より特にDI等の必要性を強調することと決定した。協議会のあと県知事、民生部長、衛生部長を招きパーティを行なう。

 ▽今年度の調剤業務研修会について=磯田常務理事
神谷専務理事の会長会議報告にあった「医薬分業推進指導者講習会」のため、その前に開くことは当を得てないので、三月以降となる。四月の学会後で、四月末から五月にかけて開催する事となる。

 ▽厚生省保険課の個人指導と団体指導について
(別掲)

 ▽薬業忘年会
受彰者を囲んでの祝賀忘年会は、福薬連を中心に一二月一五日に行う予定。

 武見・石館両会長対談 医療薬学への志向が肝要 開局薬剤師をプロパーに

 武見日本医師会長と石館日本薬剤師会長は、一〇月一八日に薬業時報社企画の対談を行ったが、その内容は次のようである。

 ▽武見会長 製薬会社が自己のプロパーを抱え自分の製品を売ることだけを教えているが、街の薬剤師をプロパーとして活用する道を考えたらどうか。こうしたプロパー活動を通じ、街の薬剤師は医薬品の勉強をし、医師と接触する機会も多くなり、意志の疎通も図れるようになる。日本医師会は副作用情報キャッチが最も早いが、それは医師が第一戦にいて情報をつかんでいるためで地域社会へのサービスとして薬剤師も第一戦で活躍すれば、副作用も早くつかめるし、製品開発の情報を得られることになる。

 ▽石館会長
各社のプロパーの共通教育が必要で、医学の進歩に対応できる態勢づくりが必要である。

 ▽武見会長
医学・薬学教育では、二つの学問が縦割りで進んできた点に問題があり、医師と薬剤師は「医療薬学」を接点にもつと近寄るべきだ。

 ▽石館会長
これからの薬学教育は、基礎薬学に従事する者は薬学士でよいが、医療薬学を志向する者は教育年限を延長するなどして「医療の薬学」を目指すことが肝要で武見会長の意見に賛意を表する。

 両会長はこのほか左記の諸点で意見の一致をみた。
@医師・薬剤師の生涯教育を含めた大学教育のあり方
A学問の進歩に古い法律があわなくなっている現状。
B資源の少ない日本では付加価値の小さい鉄などにエネルギーを浪費するより、付加価値の高い製薬産業等に使うべきである。
C現在の健保法はじめ法律は固定化し老化している。疾病構造の変化に対応するよう改正すべきである。
D保険制度もプランニングとデザインを変える必要がある。