通 史 昭和48年(1973) 日薬−県薬−市薬
九州薬事新報 昭和48年(1973) 12月5日号

 福岡県薬剤師会 古賀治後援で気勢 県下全支部決起す

 福岡県薬剤師会(四島久会長)は、理事会、支部連絡協議会、薬剤師連盟、並びに森下・古賀後援会役員班長合同会議を一一月二八日(水)午後一時半から県薬会館で開催、甘木、田川、三井の三支部を除く全員が出席した。

 当日は諸議案について協議したあと、古賀治県議の福岡三区衆議院補欠選挙立候補について、薬業界の政治力発揮の絶好の機会であるとして、三区を強力にバックアップすることを満場一致で決めた。
当日の主な議題と決定事項は次のとおり

 ▽…薬学講習会の結果は、福岡会場一三三名(申込数の五九・一%)、北九州会場九九名(八四・六%)の出席であった。
 ▽…調剤業務研修は明年二月実施、申込は一二月二〇日まで(詳細別掲)
 ▽…日薬賠償責任保険第二年度契約については、更改期昭和四九年二月一五日、締切期日一月三一日申込窓口は県薬
 ▽…日薬薬制調査委員会の薬事法改正試案の大筋がまとまったが、日薬代議員会で検討されるので、これに対する意見を提出された   い。
 ▽…明年度県薬予算と会費については、鶴原常務から、本年度会費値上げを見合せたため、明年度日薬が値上げすればこれに伴い値   上げも止むを得ぬとの説明があった。
 ▽…古賀後援会については今回の補欠選挙は業界にとって千載一遇の好機到来といえる、日本薬剤師会の薬事法改正の成否のカギは   この勝敗にかかっている。
 ▽…薬業祝賀会・忘年会(12月14日)既報
 ▽…昭和四九年年賀会は従前にもどり九州薬事新報主催、各薬業団体後援により一月四日正午から博多朝日プラザで開催。

 ▽その他…その他覚せい剤取締法が一部改正されたため県薬務課城係長からその説明が行われた。
◆覚せい剤取締法一部改正
覚せい剤取締法の一部改正が10月15日より施行された。これにより覚せい剤原料取扱者指定申請に必要な事項は次のとおり。
@処方箋による調剤は指定申請必要なし。
A薬局製剤46方の許可者中鎮咳剤(エフェドリン、メチールエフェドリン含有)を製造しているものは指定申請必要。
B指定有効期間=五年。
申請手数料=三千円。
C申請者が法人のときは、申請書に定款の写を付すること。
D指定者は、受払簿その他の帖簿を備付けること。
E覚せい剤は錠のかかるところに保管のこと。
(注)エフェドリン、メチールエフェドリンの10%以下の含有物は対象外。

 衆院福岡三区補欠選に 古賀治氏立候補 12月23日投票日

 衆院福岡三区補欠選挙は一二月三日告示、同二三日投票と決まり、古賀治氏(五八才、大牟田市開局、県議)は自民党公認で立候補した。
▽略歴
昭和10年熊本薬専卒
昭和26年4月大牟田市議当選(1期)、昭和30年4月福岡県議に当選以来5期連続当選、農林常任委員、文教副委員長、厚生常任委員長などを歴任

 管理技術料の獲得を 九州山口薬剤部長協議会幹事会

日病薬ブロック会長会議 九州山口薬剤部長協議会幹事会

 一一月二一日(木)一一時半から福岡市はかた会館で堀岡委員長ほか清水、郡司、吉村、秋吉、佐竹、石橋、神代、磯田の各幹事出席のもとに開催された。まず堀岡委員長あいさつの後、過日大分市で開催された第40回九州山口薬学大会における薬剤部長協議会採択議案の処理について審議を行なった。議案および審議結果は次のとおり。

 @病院薬局における品質管理のあり方を検討する件(九州大学病院堀岡正義)=委員会で対策を検討する。
 A固形注射剤の溶解後の安定性を調査する件(飯塚病院清藤英一、九州大学病院峰正俊)=委員会で検討する。
 B入手困難な局方品などを調査し、対策を検討する件(長崎大学病院清水龍夫)=現況を調査し関係方面に要望する。
 C日本薬局方の改正に際し要望する件(大分県病院吉村淳)=年末までに関係方面に要望する。
 D第41回九州山口薬学大会薬剤部長協議会宿題委嘱の件(委員長堀岡正義)=注射薬の配合変化の研究(山口県病薬協同研究班代表  神代昭)。
 E医薬品基準収載にあたって、薬品名と配列順序につき要望する件(熊本逓信病院芹川久夫)=厚生省

 保険局および製薬団体に要望する。 日病薬九州山口ブロック会長会議

 薬剤部長協議会幹事会に引続き同所で一四時から開かれた。当日は日病薬永瀬一郎副会長の出席もあり、福岡県堀岡、佐賀県於保、長崎県清水、大分県郡司、熊本県佐竹、宮崎県本田、山口県神代、各県会長と鹿児島県石橋副会長沖縄県松山代議員、磯田ブロック広報委員ならびにオブザーバーとして福井、末松、三宅、古賀の四福岡県副会長、大分県吉村副会長と秋吉理事が主席。

 まず堀岡ブロック会長のあいさつの後、日病薬永瀬副会長より中央情勢について、入院時薬学的管理技術料の設定等について強力に厚生大臣に要望していること、新卒者の初任給に対し各薬科大学、大学薬学部に対し六万八千円を下廻らないよう要望書を提出、などの報告が行なわれた。

 議題のうち@地方公務員薬剤師の給与改善要望A薬学教育問題に対する病薬の態度B薬効再評価判定の伝達についてその配布先を勤務、開局を問わず薬剤師全員とすべきこと、について真剣な討議がなされた。

 DIを考える 長崎大学病院 前薬剤部長樋口武夫

 退職して既に三年晴耕雨読の生活の中に吾が半生を捧げた病院薬剤師三十年間の人生を時折懐しく回顧しております。朝な夕な硬膏を練り、丸薬を木型で丸め又浸煎剤に汗を流し、アンプールの融閉技術に未熟を嘆き、単発の錠剤器の調整に苦労した事も今では爽やかな思出となりました。その頃製剤技術を誇った薬局も秘伝や手工業では所詮設備の整ったメーカーの量産に太刀討出来ず次第に影がうすれて来た事是非もありません。

 かくして晴れの舞台は散水剤を主体とする調剤に移った訳ですがその頃試験といえば大方配伍変化が取り上げられました。日本薬局方は六法全書みたいなもので、それに収載された薬品は絶対の価値と信頼を持っていました。現在は錠剤、カプセル等数千種の薬品を準備して夫々の症状を知っておらねばならず又新陳代謝も速くて余程の勉強と経験と努力の連続でなければ山積みの処方箋を誤りを正しつつ短時間に処理し又医師の質疑にも対処する事は難しくなりました。私自身も恥かしながら遂にその自信がないままに終りましたにも拘らず他人の飯は白いの諺にもれぬか数年前から、現在の調剤は調剤ではなく数計算であるから薬剤師でなくてもよい、薬剤師が尊敬を得る道はDIであると提唱する人々が現われた事は御承知の通りです。

 それを称える方々は職員数に恵まれた特大病院の薬局長か又は一般病院薬局の仕事の実態を余り御存知ない薬学コンサルタント?であります。DIは文献整理と薬品の新情報を医局に伝達する事と二つに分けられ前者は当然の事ですが後者こそは新時代の病院薬局が積極的に医療に参加する道を開くものとして、日病薬が先頭に立って講習会を各地で開催しております。然しこれには多くの問題点があると思うのです。各メーカーから次々発表される薬品の組成、効能、副作用等を一つ一つ吟味検討し又時には発売後変更される能書類まで見逃さず完全に通達出来るかどうか。

 然し人の良い人達は云うでしょう少しでも治療に貢献できる事なら、たとえ不完全でもやらぬよりはやった方が良かんべさと。ところが日本の現状は如何。百の善行よりも一つのミスをきびしく咎める。善意をもって広場を遊び場に解放しても事故が起れば管理の責任をとわれるのです。薬剤部がDIを吾が業務と認めて服務規定に記載するならば義務と責任が生じて、医局に於ける稀なケースではありますが不慮の薬禍の多くが薬局の通達不履行の罪だといわれる事になります。DIという一大業務を当局の理解もなく、従って人員も得られぬまま店開きすれば、当然ミスの危険にさらされる訳で、この事を深く心に刻んで信念を持って行動されん事を願うものです

 医師はその専門領域にある薬の効能、副作用について自らの努力で精進しておらねば患者に投薬できない筈ですからその過程において薬剤師の知識を必要とするのではないでしょうか。これは清水会長の御指摘になる事ですがメーカーが薬効又は副作用に変更が生じても単に能書を改訂するだけて事足れりとして、それ以前の能書を回収もしないし注意も喚起しないで薬禍が起れば改訂された能書に気付かぬ方が悪いというのでは副作用の危険性は跡を絶たぬでしょう。

 又能書を最初に見るのは薬剤師であるから医師に通達すべきであると、若し言う人があるならばそれはいささか筋違いだと思います。メーカーは薬局より医局の方にしげく足を運んでいる事実をどう見られましょうか。又医師は医学雑誌、学会等を通して薬効や副作用の新情報の把握が薬剤師より速いのが普通でしょう。病院当局が薬剤師に一番期待するものは調剤である事を思えば軽視など思いもよらぬ事益々精進すれば、その奥の深さにやり甲斐を感ぜられると思います。日病薬は厚生省その他各病院当局に積極的にDIの必要性を説き賛同と協力の下に責任のもてるだけの人員確保をはかってもらいたいと思うし、目指すところは医師を含めたDIセンターを各病院に設置する事である。
(長崎県病薬会報より)

 公取委、不当廉売公聴会の内容検討

 不当廉売防止規定の公聴会は一〇月三一日の札幌を最後に終了し、公正取引委員会では現在その内容の検討に入っている。取引課では、焦点となっている六%の数字は大幅に手直しされる可能性は少く、また差別対価の問題も不当廉売防止規定とは別の問題として取り扱うとしている。値幅再販について、業界や厚生省筋では確定再販の余地が残っているという見方をしているが、確定再販として残る可能性はいぜん九九%ないだろうとしている。

 日病薬、厚相に技術評価を要望

 日本病院薬剤師会(上野高正会長)はこのほど斉藤厚生大臣に対し「病院診療所勤務薬剤師の技術評価」の要望を行なった。これによると、薬剤師の業務は多様化、高度化するに伴い量も増大したと訴えこのことからも、@調剤料を入院・外来とも健康保険法に基づく診療報酬点数別表第六調剤報酬点数表の適用A新たに入院時薬学的管理技術料を百四十円、としてほしいとしている。

 卸売販売業の許可基準検討

 日本医薬品卸業連合会の構造設備小委員会(山本功小委員長)は11月14日、東京の東洋経済ビルで委員会を開き、法制化小委員会が先般まとめた薬事法改正による医薬品卸業の身分権確立(案)で問題となる卸売販売業の許可基準について細目を検討。主に構造設備基準(GSP)設定に必要となる検討項目の選定、資料データの収集、検討スケジュールなどについて話し合った。

 薬価研上限硬直性の改善

 世界インフレーションの進行の中で、原材料の不足とコストの高騰を多くの産業は過当競争の自粛、価格引上げ政策でカバーしているが、製薬企業は薬価基準制度のもつ上限硬直性のために価格に転嫁することが困難となり、品目・規格整理や生産の中止、減少を余儀なくされている。原材料の確保、高騰する人件費の吸収、GMPおよび研究開発への投下資本の増大を企業の合理化努力で解決することはもはや限界に達しつつある。「下落する薬価」の常識を破るために医薬品業界では日薬連保険薬価研究会を中心に新しい薬価基準制度の創出をめざし薬価算定方式の再検討を行っている。

 福岡の薬祖神祭 11月22日住吉神社境内で

 福岡の第24回薬祖神祭は筑紫二十日会主催により、住吉神社境内の少彦名神社で一一月二二日午前一〇時三〇分よりおごそかに執り行なわれた。当日は小春日和の晴天にめぐまれ筑紫二十日会会員二一社が参集し、宮司の祝詞、巫女による住吉の舞、玉串奉典などがあって祭典を終り、出席者一同にて神酒を祝った。

 パーラ茶の血糖降下作用

 漢方、健康食品ブームに加えて漢方茶が最近薬局・薬店で積極的に推販されるようになった。全国で約一〇〇万人の糖尿病患者がいるといわれているが、そんな人に朗報がある。

 パーラ(抜仔)は、熱帯アメリカ原産の常緑小木、小灌木。台湾では、二百年前から栽培されており、果実は特有の香りと甘さがあり、果物として賞味され、最近では生ジュースにして飲まれている。また、ジャムとして食卓に供されてもいる。

 このパーラの若い二葉(パーラシン)を煎じて飲むと糖尿病に効果があると、"台湾薬用植物誌"に記されている。中国の広東省潮州地方ではお茶として常用されてきたが、とくに台湾では肥満体、糖尿病の民間薬として古くから用いられていた。台湾医学会や日本の各大学で臨床生化学の面で研究が進められ、脂肪の代謝促進、血糖値降下作用が実証されつつあり、今後、臨床面での研究成果に期待が持てる‐としている。

 薬剤師会の強化と発展を期して 福岡県薬剤師会常務理事 中村里実

 諸会議への参加と役員及び一般会員の責任と義務について ◇本年度の県薬剤師会会合のうち、去る七月の理事・支部長合同会議は、従来例をみなかった殆んど大部分の出席支部長の皆さんから県薬執行部の姿勢、会議の運営、活動(日薬を含む)諸会議等への出席状況その他について活発な建設的な意見、見解、要望、批判等が開陳され、県薬の会勢発展、事業遂行上、大きな期待を抱かしめるものがあった。
◇就いては標題について問題点を提起し、若干の資料を付して、ご批判を仰ぎ、合意と協調、努力により福岡県薬剤師会(日薬)のもとへの結集と活発建設的論義、活動により諸目的の達成を図る参考に供したい。

 1、各種役員等の責任
各階層役員等(県薬役員地方会長、代議員、各種委員会委員等)は構成員たる会員に対しその盛衰をかけた責任を負っていること(代議員は二〇名の会員に対し、地方会長は数百名から二〇名前後の会員に対し)責任感の自覚の多少が諸会議への参加出席率を左右するもっとも大きな要素と考えられる。

 2、一般会員の責任と義務
一般会員は県薬、地方薬剤師会を問わず役員等の苦心努力による諸企画、活動‐総会各種講習会、研修会その他の会合に参加及び各種文書等の精読検討等各階執行部に対する責任と義務を有するものと考えられる。本件は案外、相当数の会員の認識を得ず、軽視されている傾向があり、啓発の要ありと思考される。諸会合への参加出席、文書の精読、内容の検討等周到に準備されたうえでの建設的な批判、要望、建策が望ましい。

 3、各階層役員、代議員、委員等の選任について
会員に対する役員等の責任は大であり、会勢の盛衰は、その責任遂行と能力により左右されること大であるため、人選に当っては有能、適材なることは勿論、特に責任感の強い人材を選任することが肝要である。

 「結び」
1,2,3、各項及び諸会議の運営、各種講習会、研修会その他の内容の一層の検討善処により諸会議、諸会合への参加(出席率)を多くし、会諸事業、諸目的の成功達成率を昂め、会員の会への帰属感を強め会勢の発展、会員増加と会員の便宜利益に繋がるものと思考される。各位のご批判、ご叱正を仰ぎたい。

 凡そ人間が社会生活を営んでいる以上、病気、冠婚葬祭その他突発的事情の為百パーセントの参加出席は至難であるが、最善の努力により諸会議、諸会合への参加を増し他団体(医師、歯医、薬種商等)に劣らない出席率を確保し、会勢の発展に資したいため敢えて愚見を提言致しました。

 「参考」
各会合出席状況
▽昭和48年2月県薬代議員会(出席率)
福岡地区63%(27中17出席)北九州地区79%(24中19出席)筑後地区50%(16中8出席)筑豊地区百%
▽県薬理事会(47年度)
47年度中常務理事会4回全体理事会12回開催中4回以上欠席者4名
▽地方連絡協議会(支部長会)出席状況(47年度)
9回開催中8回以上出席者8名、4回以下出席者8名
▽県薬各委員会(47年度)
常置の9委員会及び特別委員会全般について数委員会を除き全般的に出席率が低い。
▽県薬主催各種講習会、研修会等も他団体に比し低調
▽日本薬剤師会代議員会(47年2月)は全員出席(他の通常代議員会、臨時代議員会の場合もここ数年出席率90%以上)
▽昭和43年福岡県薬・福岡県歯共催「歯科薬物、歯薬協定処方研修会出席状況(県内4地区で開催)薬剤師(保険薬局のみ)出席率50%弱、歯科医師約75%
なお、医師会、歯科医師会薬種商協会等の各種会合への出席率は平均80〜90%である。

九州薬事新報 昭和48年(1973) 12月15日号

 九州山口三者懇談会 第二市場問題一応の結論 次回は新構想で

 第二市場問題に端を発し昨年より隔月に開催されてきた九州山口三者懇談会は一一月三〇日午後二時から福岡県薬剤師会館において小売側は白木太四郎(福岡)、木元金次郎(佐賀)、山村実治(鹿児島)、矢田部政雄(宮崎)、益田学(大分)の各県理事長並に事務局として藤野義彦専務理事が出席、卸側は大黒南海堂社長、吉村薬品社長、コーエー小倉薬品社長ほか四社、メーカーは家庭薬八社も含め二〇社が出席した。

 まず議長団に白木・山村両理事長、大黒社長、村上武田薬品支店長を推して懇談した結果本懇談会の課題である流通問題に関する件はメーカー会並に卸の努力により一応の歯止めを果し、現金卸に対しては漸減方式を実施、末端価格についても三者が互に連繋をとり維持され、小康を得たので一応終止符をうち、今後は定例合同会議を年二回開催するほか必要に応じて小委員会を開くこととし、メーカー側の出席者は原則として支店長とし、懇談の内容は研究会のような形にすることが望ましいなどを決定、次回開催時期を明年三月下旬と決め、内容については当日小売側より説明のあった小売薬業経営問題委員会(委員長隈治人)の答申に対する意見をまとめて来ることとし、四時散会した。
なお、懇談会での三者の意見並に懇談会にさきだち開かれた諸会議とその結論は次のようなものであった。

 小売
小売側の意見は全商連の小売薬業経営問題委員会の答申にまとめられているのでこの線に沿い推進する。
本会は流通の行き過ぎ是正で懇談してきたが、漸減方式で可成の成果をあげたので、今後は問題が起きた時点で必要に応じ小委員会を開き、全体会議は年二回位開催し、九州地区で処理できない問題については中央に持ち込むこととする。

 卸
本懇談会の成果は一〇〇%満足ではなかったとしても歯止めの役割は果したといえる。時局は非常に流動的で、今後、良いもの悪いものの選別が起ってくるであろうとし、これが今後の大きな課題となろう。
経営問題委員会の答申(別掲)の内容は業界の問題を網羅しているのでその勉強会あるいは研究会的な立場で年二回位は開くべきであろう。

 メーカー
全く同感である。吾々としても本会についてはそれなりの成果があったと考える。また答申の内容には考えさせられる点が多々ある。

 母子ミルク問題
国の社会福祉事業の一環として行れている母子ミルク入札問題については、四九年度は▽基本的に受給券発行に持って行く▽市町村別に商組担当者を決め窓口とする▽事務費的なものについては検討する。

 かぜ薬流通問題
かぜ薬流通問題については、かぜ薬四社(興和、三共、武田、田辺)と商組理事長との間で協議の結果、第二市場への流通は漸減方式を実施して相当の効果をあげたので、今後もこの方向で、中央とも並行して努力を続けることとなった。

 医薬全商連 小売薬業の経営問題について 小売薬業経営問題委員会答申

 本号別掲の三者懇談会記事中の、医薬品全商連小売薬業経営問題委員会(委員長隈治人)より荒川理事長へ提出した「小売薬業の経営問題についての答申」は左記のとおり。

 小売薬業の経営問題について答申

 標記の件については、われわれ林巌、浜野吉彦、吉田順司、藤本盛治、隈治人の五名が委員の依嘱をうけ去る七月四日(第一回)および七月二六日(第二回)の両回にわたり協議の結果当面後記の事項について小売の主張を推し進め、これが実現を期することが重要であるとの見解について、意見の一致を見たので答申します。貴職がこの答申を尊重され、有効適切な施策を講ぜられるよう要望します。

 小売薬業の経営に関する重要項目
一、小売薬業のマージンについて
このことについては、現行大衆薬のABC価体系を改訂し、小売マージンが増額されるようメーカーにつよく要求すべきである。

 1、大衆薬はこんごマスコミ広告がきびしく規制される形勢にある。またマスコミ広告に乗って大衆薬が消費されてゆく時代は終りつつある。大衆薬は説明相談販売の時代に移り、消費者の多数もまた薬局薬店に対し納得のいく説明を求めている。薬局薬店は@薬効A安全性B症状と体質に対する適合性C使用上の注意D保健衛生指導(食事療法、環境改善)等について説明指導を行ないE品質管理についての責任を負わねばならぬ。大衆薬という「物」そのものではなく「物の中にある価値」を引き出しそれを消費者に提供する義務がある。すなわち「付加価値」を重視する方向である

 2、現行のABC価は十年前のマスコミ宣伝最盛時、激しい廉売競争の渦中で暫定的に設定され、それ以後もそれにならっている。そこには廉売抑制のため小売マージンを最小限に抑えるという考慮があった。従って現状では実情に適しないものが多い。小売薬業は十年前とは比較にならないくらい、変化した環境を抱えこみ、特に販売の姿勢を根本的に正すという重要な課題を積極的に推し進めなければならないから、その意味で小売マージンの増額は是非必要である。

 3、最近の情勢として、消費者物価の大幅な騰勢と給与生活者の所得の上昇とはすでに顕著である。薬局薬店もまた生活費の九九%強について物価上昇の影響をきびしく受ける。医薬品という特殊な商品を取扱い、消費者の保健衛生に広く奉仕している小売業者のマージン率が他業種に比べて極端に低いという事実を重視する必要がある。小売のマージンは引き上げることが正当である。

 二、流通について

 1、大衆薬の流通を単純明確に正常化するようメーカー、卸につよく要求すべきである。そのためには変則流通の整理と排除を図らなければならない。変則流通は@差別対価対策の温床となっており一般小売を冷遇する禍根である。また、A小売市場の乱売の原因をつくる。B流通における医薬品管理を相俟にしている。C再販制度についてはメーカーの道義的責任が故意にボカされてしまっている。変則流通はメーカー自らが支援し維持しているものであるから、メーカーの責任において@変則流通市場に対する物心両方面の支持態勢を解除するA販売促進費の悪用による量販過剰優遇政策を停止するBメーカー相互間の協力と連帯によって変則流通業者の報復に抵抗し歯止めする‐ことによって来るべき昭和五十年の流通業種自由化の時期までに変則流通整理の作業を終了せしむべきである。

 2、メーカーに対しその量販第一主義からの脱却を徹底して要求すべきである。メーカーの販売姿勢は経済成長の初期から一貫して量販主義であった。その弊害はますます顕著になっている。量販主義のための不当な差別対価の強行が、小売薬業の廉売競争を煽動し薬局薬店間の収益格差を拡げ小売の販売姿勢をスポイルしてきた。メーカーの押しこみや圧力をもってする攻撃的販売は自粛させなければならない。小売業者としてはメーカーの量販店優遇と一般店圧迫を極力排除しつつ、その自律主体性の恢復を図らなければならない

 3、大衆薬の返品交換は原則的には自由であるべきである。但し在庫管理の放漫や経営努力の怠慢によって生ずる返品交換の無駄(社会的損失)はこれを極力防ぐよう配慮すべきことは当然である。返品交換の無駄とメーカーの押込みとは密接に関係している。押込みが小売の計画仕入を阻害し商品管理体制の放漫化を招いていることは周知の事実である。メーカーは独善的な返品交換規制政策を撤回すべきである。と同時に小売りもまたメーカーコンプレックスから脱出し、その不当な圧力を排除する姿勢を固めて行くべきである。

 三、不当な差別の排除について

 1、メーカーの「不当な差別」とは、量販に対し販売促進のため「公開された規定を越えるリベートを提供し、または現品現金の添付」を行うことをいう。現在この明らかな差別が適用されているのは@量販スーパーA変則流通市場である。メーカーはヤミのリベート制度や過大な添付商法を廃止し、すべて公然と決定された制度に従うべきである

 2、累進リベート制による最恵対価と一物対価との隔差については、メーカー毎に一定の基準を設け、一般店を不当に冷遇しないという保証を明らかにすべきである。このための小売の監視体制を強化する必要がある。またいわゆる販売促進費なるものの乱用の歯止めについても同様の監視が必要である。

 四、小売薬業経営の効率化について
このことについては次の項目が重要であると思われる。

 1、在庫管理の適正化
掛け率に惑わされて経営体質にそぐわぬ大量の在庫を抱えこむ風潮が依然として根強い。商品回転率を重視し、極力死蔵在庫を整理するべきである。掛け率攻勢による無理な買いこみを消費者に押しつけ、その選好を無視するときは顧客の信頼を失う。

 2、価格安定、乱売鎮静施策への協力
医薬品のいたずらな安売りが有害であることは、いまや消費者といえどもよく知っている。乱売屋の繁栄は永続もしないし発展もしない。価格安定は小売薬業にとって至上命令である。

 3、個々の立地条件、経営方針によって差異はあるが医薬関連商品の拡充を図ることは有意義である。一般的には医薬品、同関連商品を主柱とする「健康相談」の経営を確立することが望ましいのではなかろうか。

 4経営意欲の昂揚とメーカーコンプレックスの排除
小売薬業をめぐる情勢は決してゆるやかではない。きびしさを増す情勢の中では、経営意欲を高め非効率性から脱却することが重要である。現在ややもすればメーカーの圧力の前に萎縮し、その意のままに操縦され、メーカー商策の好餌となっている傾向が見うけられる。もっときびしい姿勢でメーカーと対立し、小売の唯一の武器である「メーカー選択の自由」を十分に活用するよう研究すべきであると思う。それが自主性恢復の唯一の方途ではなかろうか。

 五、流通業種自由化(昭和五十年一〇〇%)への対応について

 流通業種の一〇〇%自由化によって外資系百貨店スーパー等の国内進出は活発となり医薬品部が併設され医薬品をおとりとして顧客誘引商策が展開されるおそれが濃厚である。これによって小売薬業の安定が脅やかされるであろう。これへの対応として国内のルールを確立することが必要である

 1、不当廉売の規制
@公正取引委員会に効果的な「医薬品の不当廉売規制」を実施するよう要請する必要がある。
A医薬品公正競争規約を景品規制にはいっさい触れることなく、表示規制一本にしぼってこれが実現を図る必要がある。

 2、医薬品小売の広告宣伝規制具体案を確立し実行に移すべきである。
この件については医薬全商連広告委員会の作業を急ぐべきである。

 3、適正配置条令をこれ以上弱体化させないように、各都道府県商組は抵抗すべきである。

 4、変則流通市場は外資系量販の廉売活動の温床となるおそれが強い。すみやかに収縮整理すべきである。

 5、小売価格維持安定の方策として@再販の防衛A価格推奨制の検討Bメーカーの不当差別商策の排除等について研究する必要がある

 六、再販について

 再販の防衛については客観的にはきびしい情勢が出ているが、医薬全商連理事長はその責任において、具体的効果的な運動方法を適宣適切に立案し着々と実行を進めていかれるよう要望する。

 1、日本においては医薬品の再販指定を維持存続すべきである。医薬品の再販制が医薬品の価格をつり上げているという事実は全くない。医薬品はその保健衛生的性格から安売り、大量売りによって過用、乱用を奨励すべきものではない。むしろ、いつでも、どこでも、便利に、用に応じて購入が出来るよう、全国的にほぼ同一物、同一価格であることが望ましい。もともと医薬品は安売りをされることによって需要の増大する商品ではないから、価格競争を抑制することが業界にとって必要であり、価格競争が激化すれば乱用の弊害が現われるから、消費者にとっても安売りによる量販傾向は歓迎すべきことではない。そのために医薬品の再販は存続すべきである。

 2、非再販品の価格安定を図るため、推奨価格制の研究、広告規制、メーカーの不当差別対価政策排除等々すでに述べた諸方策の推進を図るべきである。

 あとがき
小売薬業者の使命は、消費者に医薬品を提供することによって、その保健衛生に奉仕することにある。そのためには「その消費者のその時に」最も適合する医薬品を選択してやる義務乃至責任がある。有効であり安全であることは勿論、使用上の注意を喚起し、食事環境についての指導助言も行うことも必要である。それを行うためには保健衛生の奉仕者という自覚とモラルとが要請される。また消費者自信の選好ということも重視すべきである。「良心的な選択」と「消費者の選好」とが矛盾違和することも?々であろう。その場合の調整には根気と努力が必要となる。しかし、その根気と努力を怠ってはならないと考えられる。良心的な経営をするためには、ふつうでさえ消費者志向との間に矛盾も生じやすい。従って営利のために消費者の利益を害するような姿勢は絶対にとるべきではない。殊にメーカーの利益に奉仕する方向で自らの営利をのみ求め、消費者志向を阻害するような事が多ければ多いほど、小売薬業は発展維持の道を閉ざされて行く外はないだろう。消費者志向の経営こそ繁栄の道であると信ぜられる。

 働く私の幸福感と人生の目的

 コーエー小倉薬品梶i吉村重喜社長)では、社員に対し"会社の励ましプランにのせるため"のアンケートをとりその集計結果を、10月26日の九州山口薬学大会卸流通部会で同社安部春鳥専務がその研究テーマのなかで発表した。

 ▽私の幸福感(20項目のうちトップ6項目を見ると)
@心身ともに健康であることが何よりの幸福です。
25・5%
A自分に適した仕事を通じて能力個性を十分に発揮したい。
19・3%
B目標をかかげ、挑戦し、達成する。その過程の苦しみにこそ本当の幸がある。
14・0%
C明るい雰囲気の職場で伸び伸びと仕事をしたい。
12・3%
D子供の健康・教育など順調な生長と、さわやかな家庭生活を築きたい。
8・2%
E仕事は仕事、趣味は趣味余暇を使用し、老後は趣味で過したい。
7・4%
▽人生の目的をどこにおいているか。
@仕事においている。
18・13%
A技術ライセンスを含めて人間成長をしたい。
15・68%
B満足な収入、生活の安定
14・2%
C幸せな明るい家庭。
11・76%
D悔のない人生をおくりたい。
9・31%
E心の充足。
8・8%

 技術料の大幅引上げを要求

 日本薬剤師会は一一月二〇日、東京渋谷の薬学会館で緊急理事会を開き、調剤基本料、調剤料、散剤加算等の技術料を大幅に引き上げる方針を決めた。技術料の引き上げ率は具体的に発表されてないが、薬剤師の報酬全体としては四〇〜五〇%アップとなる見込である。

 この決定は去る一一月一六日、宮崎で開いた日本医師会理事会で、医薬分業の実現(五年後?)の前提として、再診料、医学管理料などの医療費を約四〇%引き上げる方針を決定したことに対処して行れたもの。

 引き上げ額は、調剤基本料二〇〇円(現行八〇円)調剤料八〇円(現行二六円)散剤加算は一〇〇円となる模様である。

 千載一遇の好機来る 「薬剤師職能の業権の存亡」

 侮蔑と汚濁の中で耐えた、それでも踏みつけられ足げにされた。
日々また、忘却の彼方に、追いやられ、形骸と化する。
なお、まだ「虚構」が存在し、逡巡と彷徨をつづけるのだろうか。
いや、お前は今、路傍の小石ではない筈だ。
(八幡・梶原生)

 福岡市薬理事部会長会

 福岡市薬剤師会(斉田和夫会長)は一一月二六日(月)一二時三〇分〜一六時三〇分、福岡県薬剤師会館で第29回理事会と第25回部会長会議を開催した。当日は福岡県第三区にて古賀治先生の衆議院補欠選挙立候補に関して、緊急運動展開を行うことを決し、大いに気勢のもりあがりを見せた。議案の主なるもの及びその要旨は左記のとおり。

 @市薬剤師会館建設問題
急激な物価値上げのためにおくれる見込み。
A古賀治氏衆院補欠選挙立候補の件、森下泰氏後援会の件
古賀治後援に関しての部会関係担当役員を決定。
B歯科薬品備蓄の件
歯科用備蓄薬品表に対する説明あり。現物は会事務所に常置し希望の方に現金と引換に現品を渡す。但し実施、期日等未定。確定の上保険薬局へ連絡する。
C組合関係について
高宮の吉田薬局相続問題は吉田氏病気のため、相続申請を取り下げたため解決した。
年末に於ての宣伝、広告の自粛については再度小売業者に文書配布する。

 福岡県女子薬剤師会研修会

 福岡県女子薬剤師会(田中美代会長)は昭和48年11月17日(土)午後一時より福岡市武田薬品工業兜汢ェ支店会議室で研修会を開催した。
講演・講師
@化粧品と保健衛生上の問題点=武田薬品工業活タ田昌雄氏。
A低カロリーについて=日本ヘルスフード兜y田利彦氏。
安田講師は、皮膚は25才がピークであとは下降するばかり。低カロリーの話しでは冨田講師自身の経験によるやせる方法。‐など豊富な内容で、参加者八〇余名は約四時間、熱心に聴講盛会であった。

 薬業の将来について 長崎県病薬 築城 巌

 最近の世相を新聞によってみると、何か人類の将来が行き詰まりつつあるようで重くるしい感じがします。米・麦など食料の値上げ、チリ紙など紙の不足、石油化学工場の爆発による塩ビの値上り、ガソリン、灯油の値上げなど、物の不足に加えて公害やゴミ問題などうんざりする材料にこと欠きません。私の知り合いの自動車販売会社の人も、「これからは駄目ですわ、ぼつぼつ転業でも考えますか」ともらしていましたが世の中には今後発展する業種・衰退する業種色々ありますが、時代に適合しないものは急速に没落する運命にあると思います。

 未来志向型産業とはっきりいえることは、@物資節約型産業、即ち附加価値の高いものであることが必要です。コンピューターや精密機械工業などがそうですが、加工度の低いものは物質の不足に加えて低開発国で加工したスーパーに置きかえられてしまうでしょう。
或る三菱の上部の人に聞いたのですが、「一般的に平均して研究開発費は6〜7%ではないですか?あとは原料費とその他が半々ですかな」といっていたので、造船業がそのくらいか知らんと思ったりしました。
しかし薬製造業ではそんなものではないと思います。研究開発費・宣伝費・人件費・包装運搬費など附加価値を除くと、原料費は果して何%を占めるのやら、殆んど僅かではないかと思うのもあります。そう考えると将来の医薬品産業は、老人の増大、福祉の進歩と共に未来性は充分あると考えることが出来ます。

 Aとして一般大衆向きの規格品は、スーパーや自動販売機の普及によって増大はしますが、同時に個性的なものユニークなバラエティさも又大衆に好まれます。医療は特にこの面が強くロボットのコンピューター診断などは病人には余り歓迎されないでしょう。この面で病人一人一人に対するコンサルタントの相談販売が重要でしょう。

 結論をいいますとたしかに医薬品は未来に対して需要があり開けておりますがそのパイプが薬の専門家として国の免許を受けている薬局の前で詰まっていることです。これは自然にそうなったのではなく、健保、無料化、指示薬など政治によってむりに詰められたものです。私達には政治の力が、今一番なのではないでしょうか。

 添付行為で弁明書提出要求か

 医薬品の添付行為が国会等で問題となり厚生省薬務局は、地方庁に対し実態調査を行うよう指示。また大阪、名古屋、福岡の三府県に本省から事情聴取調査員を送るなどの手段を講じた。

 その結果、疑わしきものが二〜三社浮び上がってきた模様で、このため企業課は近く当該メーカーを呼んで事情を聴取し、場合によっては弁明書を提出させることを考慮中のようである。尚、来年度は監視体制強化の方針で流通調査官の設置を予定している。

九州薬事新報 昭和48年(1973) 12月25日号

 日薬声明 三師共同で中医協問題に対処

 日本薬剤師会の望月専務理事は一一月二二日、厚生省で記者会見を行い、日本薬剤師会はあくまでも三師会共同で中医協問題に対処する、と述べ、日本医師会日本歯科医師会が医療費引き上げを発表したことに関連し、次のような声明を発表した。

 1、福祉政策の推進にあたってはまずその基盤を整備するなど、政府はリーダーシップを確立するとともに予算措置を講ずるべきである
@基盤整備を行わずに乳幼児無料化等を進めることは医療の混乱を生じ好ましくない。
A政府は薬剤師を法定した立法の精神をいかしてその職能を確立し、医、薬、協調によって国民医療を向上し福祉の前進を計るべきである。

 2、当面の要求
@技術重点の医療報酬の確立。
A医療報酬の物価・賃金へのスライド制の実施。
B基盤となる現行調剤報酬の四〇%増額、是正。

 3、病院勤務薬剤師の技術評価を適正にすべきである。

 4、日本医師会の理事会において、医薬分業を打出したことは医療の前進のためによろこばしいことである。

 医療費アップの要望書(日本医師会)

 日本医師会は五日、斉藤厚相に対し医療料金の引き上げを文書で要望した。この要望は既報の如く、宮崎市の移動理事会で決めた素案をもとに、四日の常任理事会で正式に決め、申し入れたものである。素案は全体で約四〇%引き上げといわれたが、今回の要望はこれをやや下回るとみられる。

 医療料金については日本歯科医師会、日本薬剤師会がいずれも約四〇%の引き上げ要求を既に決めており中医協が再開されれば、診療側の三師会はいずれも四〇%の引き上げを要求する見通しとなった。

 病院実習の増加を 薬学教育で日薬要望

 日本薬剤師会は一一月一三日常務理事会を開き、日薬の薬学教育委員会(久保文苗委員長)の答申に基づいて、薬学教育の改善について近く厚生省、文部省に要望することを決めた。

 要望する内容は、薬学教育の年限延長が望ましいが現状では困難が予想されるので、当面病院実習を増やすようなカリキュラムの改善をしてほしい、というものである。久保委員長の見解のあらましは次のとおり。

 従来の薬学教育の欠陥は薬剤師育成の使命感の欠如と医薬品の専門家となるための基礎知識が十分に授けられていなかったということである。三〜四年の教育はその大部分が医学教育と共通しており、一部に基礎薬学的内容を加えている。五〜六年の教育は薬学としての必然的要求である。然し年限延長が難かしい現状では@教育指定病院制度を設けるA病院実習をオーソライズされたものにするため従来の依頼形式を学長(又は学部長)→病院長とすることが必要でさらに文部厚生両省の協議に基づいて実施されることが望ましいB実習内容は単なる教材実習のみでなく病棟実習等を含む医療の中の医薬品を理解させるためのものとすべきだC病院実習を卒業実習あるいは卒論等に代えられるよう配慮するD教育指定病院に対しては大学が適正な謝金を払い病院の指導者に対しては非常勤または客員教授、講師等の待遇を与えるべきだE将来薬剤師国家試験の受験資格を病院実習終了者に限定するか少くとも終了者でなければ合格が困難な試験内容とすべきである。

 広告適正化について答申 全商連広告適正化委員会

 医薬全商連の医薬品広告適正化委員会(林巌委員長)は、医薬品の広告適正化についての原案作製を委嘱されていたがこのほど左記(要旨)原案をまとめ荒川慶次郎理事長へ答申した。

 医薬品適正化案

 1、広告の定義 広告とは現在の大衆消費社会において企業と消費者の媒介となるもので、重要なる使命を有し、消費者にとって最も適切なる購入の資料となるものである。従って、その広告は販売業者の一方通行的な内容でなく適正、かつ、消費者志向の情報の提供であるべきである。

 2、医薬品の広告の基本的理念
@エコノミックか福祉かを問われている現在、医薬品に対する消費者志向としては必要な時に随時随所で最も適合した、しかも安全性の高い医薬品を購入したいというのが原則であって、安ければよいという経済性はほとんど影をひそめたもので、これは医薬品の特殊性があらためて認識されてきたものである。
A販売業者としての社会的責務は、純良なる医薬品を随時適正に供給し、その使用に就いては、必要かつ適切なる指導と助言を行うべきであるにもかかわらず、実態は必ずしもそのように動いていない部分を認めざるを得ない。その一部の原因は消費者を中心として運用されなければならない医薬品が主体となって消費者を動かすという反対の現象が起っているのである。それは経済の原理である利潤の追及行為があまりにも強く働きすぎているからである。もし医療、健康管理において医薬品が主体となれば消費者は医薬品に従属せしめられ利潤追求の犠牲にもなりかねない。従って医薬品による健康破壊という現象が現実に起り、安全性の問題が大きく浮き上ってくるのである。この一連の原理が安全性の問題に大きく作用しているのである。故に医薬品の安全性を的確に把握しこれを維持する為めには経済性の介入を極力とめなければならない。具体的にいえば医薬品は安いから買えという広告は買いあおり売りつけという行為につながり、いん用、乱用につながり、それを抑制することこそ安全性の原理でなければならぬ。我々はこの見地にたって我々の販売姿勢は不当なる経済的思考の介入を排除することであり、我々に与えられた消費者に対する安全性の解決に誤った経済的思考による廉売表示を排除することであることを確認したい、以上の基本的原理によって医薬品の正しい広告の基準を作った。

 3、医薬品の情報
@医薬品の紹介
A使用上の注意と正しい使用方法
Bさん副作用に対する情報
C食生活の指導、生活環境に対する助言、あるいは予防、リファビリテーション等に対する助言等をいう医薬品は非常に複雑な薬理作用を駆使して、人体等の違和を調整するものであって、尊厳性、信頼性について、消費者に誤認を与えるが如き如何なる情報の提供もしない。大衆薬とは、自己判断で使用しても比較的弊害の少ないものであるとはいえ、その有効性、安全性、適合性を確立するため、それぞれの資格者が指導販売するものであるから、その情報の提供は販売業者の一方的の宣伝ではなく、消費者の疾病、保健、予防等その他の目的遂行に合致する適切なる助言でなくてはならない。即ち広告とは、宣伝(プロパガンタ)ではなく、情報(インフォメーション)の伝達でなくてはならない。

 4、広告の対称
医薬品の広告とは次のものを利用して、不特定又は特定の者に対して情報の提供をすることをいう。 新聞、雑誌、週刊誌、不定期刊行物等、テレビ、ラジオ、その他の放送等、新聞の折込みビラ、ダイレクト、店頭あるいは街頭において手渡すビラ、サンドイッチマン、チンドン屋、等を利用する者等、店頭、店内のつり下げビラ、はり紙等。 以上に類似する総ての媒体をいう。

 5、適正化作製の基礎
     (略)

 6、適正化の実施細則
A、広告に関する姿勢
(次のような場合については、薬事法、独禁法、行政指導、乱用防止、品位の保持、業者自粛等の意味で広告をしない)
@毒薬、劇薬、要指示薬、習慣性医薬品その他、使用上特に注意を要する医薬品
A医薬品等の名称、製造方法、効能効果、又は性能に関して虚偽、誇大、誤解を招く恐れのある広告
B乱用防止の為め、過量消費、乱用を不当に推奨する広告
C医薬品をおとり商品(目玉商品)として取扱い不当な廉売をする旨の広告
D消費者の射好心をそそるような行過ぎた懸賞広告
E医薬品の容器、被包等と引き換えに医薬品その他の物品を授与する旨の広告
F折込みビラ又はその類似のビラの一部を切り取り、これ等と引き換えに医薬品を授与する旨の広告
G医薬品の情報(広告)と化粧品、医薬部外品、雑貨の広告とは明確に区別する
H医薬品の品位と信頼を保持する為めに、チンドン屋、サンドイッチマン、街頭放送、呼び込み、等を利用した宣伝広告あるいは一般消費者に誤った認識を与え、誤用、乱用を助長するような広告

 B、広告の表現表示
(次のような場合については、消費者保護、業者自粛等の意味で表現表示をしない)
@がん、肉しゅ、白血病、その他素人療法では適切でないと思われる疾病に対する効能効果の広告
A不快又は不安の感情を抱かせる恐れのある広告
B少量の在庫しかないにもかかわらず、多量の商品を販売するかの如き印象を与える表現表示
C販売数量を表示しているにもかかわらず、その販売数量を販売していない場合
D販売する商品と異る商品の写真の表示
E販売条件がついているにもかかわらず、その条件を明示していない表示
F当該医薬品を使用することにより健康を著しく増進するかの如く強調し、連用を推奨する表現表示
G人物のか酷な状態又は動作に容易に耐えるが如く誤認を招く表現表示
H広告に使用される人物の状態、動作から、その人物の有するすぐれた技能、体力等が当該医薬品によって発揮又は維持されているか の如く誤認させる表現表示
I当該医薬品を使用せねば厳しい現代社会生活ができないかの如き表現表示
J健康な一般人に対し、当該医薬品によらなければ栄養の補給ができないかの如く誤認させる表現表示
K特定の年令又はグループに対して、根拠なく当該医薬品の使用を推奨するような表現表示
L有名人、医師等がその効能効果を保証したという誤解を与える表現表示
M医師の治療を必要としない旨の表現表示
N一般使用経験者の体験記感謝状を利用した広告
O品質、効能、効果において、他社の製品をひぼうする広告
P医薬品の品質、効能、効果に関し、最大級の形容詞を用いた広告
Q医薬品は必要な時に、必要な分量だけ、充分な情報と共に購入するものであるから、医薬品の大廉売、サービスセール、感謝セール、 季節セール、その他これに類似する字句、あるいは又何月何日より何月何日までの大売出し等の字句は基本的にありえないもので、 以上の一連の広告の表現表示は消費者の乱用、あるいは自己判断による誤用につながり、医薬品の品位をおとすもので表示をしない R医薬品はすべて新しいはずであり、優良品であり、効能、効果を承認されたものであるから「新しい」
 「優秀な」「よく効く」「すぐ効く」等の一方的な表現表示をする場合、その店のみがよくて、他店が劣ることを印象ずける恐れが あるので、しない
S折り込みビラ、ダイレクト等に価格を表示せずに"価格は店頭において発表する"との広告の表示は、消費者に対して価格の情報の提供に欠けるもので、あたかも相当に安いという印象を与えるものであり実際の購入価格により比較検討する時、消費者を偽まんする場合が非常に多いので店頭発表の字句の表示はしない

 C、価格の表示
@医薬品の小売販売価格は各個の商品に必ず明りょうに表示する
A不当表示防止法により医薬品等の二重価格を表示した広告をしないのは当然であるが、消費者が二重価格と容易に推定することがで きる表示をしない
B医薬品については、割引等された価格の表示をした広告をしない。割引等の等とは半額、割引率等を含むものである
C一部の商品について割引が行なわれている場合、全部の商品について割引が行なわれているような表現表示をしない。あるいは又、 医薬品以外の商品の割引き広告中に医薬品も割引き販売をしている印象を与える表示をしない。

 病院薬局の法制化について 長崎県病薬名誉会長 深堀冨栄

 日病薬の事業方針は
一、教育研究活動の推進
二、学術研究活動の育成
三、医療医薬関連諸制度の研究と対策の実施
四、待遇改善に関する活動の実行
の五項目で、意欲的な自己充実、資質の向上に力点を指向していることは同慶の至りです。

 ご周知のように、最近の薬業界は、薬品の副作用安全性有効性GMP・GSP薬価の値上げ、原料不足による生産量の低下等の諸問題を内蔵し、而もその解決は行先き不安な状況であります。他方、各種病院におかれても、その大小に差こそあれ、人件費上昇と激しい物価上昇とでその経営は軒並みに悪化し医療費の改訂が強く要求されています。

 而も、この医療費引き上げを審議する中央社会保険医療協議会は、去る五月診療側委員が会長不信任を突きつけたまま審議を中断し未だに再開の見通しは出ていません。このような背景の中で起った医療の荒廃こそは、低医療費政策に基く医療制度と厚生行政指導の拙策によるものともいえましょう。

 国民の生命と健康を守るという事は、国のあらゆる政策に最優先さすべきではないでしょうか。特に最近の国民生活はインフレや物価高騰により、その苦しさは累積しているが、政治路線はむしろ逆方向へ急行しているようです。文化の進度が日本人の退化に連るような気持です。

 私共が長い間、前会長の樋口先生より指導を頂きましたことは「病院薬剤師は薬の百科辞典になること」だということでした。会報に久々に先生のご主張を拝読致し、頂門の一針として有難く感銘してる次第です。確かにこれこそ病院薬剤師の本命であります。

 私は長大、国立の病院薬局勤務約四〇年、去る四五年国立大村病院を退職し引続き温仙堂検査センターに勤務していますが、在職中私共は薬局業務遂行上の必要性から「病院薬局の法制化」を取り上げ、九州・全国・国病等の各薬剤部長会議に提案、最終的には四四年日病薬の全体会議に提案し、その推進について決議をしたことは、今も深く感銘しているところです。

 本問題についての現在迄の経過は去る五月の県病薬総会時、日病薬上野会長より報告があり、その詳細は本会報に掲載されているように、吾々にとっては、業権確立のため必須の要件であることを確信致します。このことに就いて院内に二人の管理者がいることは、病院の管理運営、秩序等の保持に混乱が起るということで医療者側に反対される向もありますが、これは全くのナンセンスであります。

 とまれ病院薬剤師が薬の百科辞典であれということと業権を確立するということは車の両輪であります。機会は熟しつつあるようです。私共は再び過ちを繰返し、悔いを残すことのないことを念願します。機会は去り易いといいます。今日は昨日の延長であり、明日の前日でありますが、私には過去はあっても、未来は少なく過去を作り得る人が羨しい次第です。
(長崎県薬会報より)

 ピル解禁について 長崎県青年薬剤師会 築城 巌

 あと二〇年位もすると世界の人口は七〇億をこえると言われ、それに伴って食糧やエネルギーの危機が叫ばれています。わが国は世界有数の中絶国と言われ、年間二百万件の中絶が行われるとも言われています。また、ロッカーの捨子事件がよくおこっていますが、子殺しも漸増していると言われています。

 これはわが国とスペイン以外どこでも許可されているIDU(避妊リング)とピル(経口避妊薬)を許可していないのが大きな原因の一つと思われますが、先日の参議院での須原昭二議員のするどい質問に、政府側はたじたじと善処します、検討しますとの逃口上や、副作用に疑点が残るなどと答弁を繰返していました。

 この副作用の問題は一般の医薬品の副作用と同様、薬はこわい、という考えが滲透し、政府の許可を遅らせている大きな根拠になっています。薬には副作用はつきもので、でたらめな使用はいけませんが、正しく使う限りにおいて、そのいい効果、使わないために起る危険等を大局的に比較判断すべきで、小さな副作用のために大きな効果を無視することは避けなければならないと思います。

 すなわちピルにおいては、その初期においてつわり症状の気分が悪いなどの一過性の副作用、肝臓が悪かったり血圧が高かったりの婦人が使用した場合に悪化しうる副作用(〇コンマ数%)、(発癌性・催奇性は正確な情報はありません。アメリカではピルを使用する婦人の中にたばこを吸う人が多いためデータが混同してしまうそうです。たばこの人体に有害なことは申すまでもありません)以上のようなかなり小さな副作用のためにこれを使わないで起る危険性、すなわち中絶や子殺しのような生命の危険性・生命の尊厳に対する倫理的な危険性、他の不確実な避妊法による精神的な不安、等々の大きな危険を放置することはいけないと思います。ましてピル使用によって生理痛がなくなったり、月経不順がよくなるなど他の利点もかなりあります。

 わたくしども長崎青年薬剤師会では、このピルを解禁し、指示薬よりはずし、その代り薬剤師の管理と指導のもとにすべての婦人が身近に安い費用で容易に手に入るようにすることを目的として運動をしようと考えていますが、現在その資料を集めたり、あちこちの婦人会に働きかけたりしております。会員のかたがたもどうかピルについて勉強し、いたづらに不安がる婦人やお客さんに、正しく使用する限りにおいては絶対安全確実な経口避妊薬があること、世界で二千万人以上の婦人達が使って安全であるが、日本の政府がこれを許可していないことなどを話し、ピル解禁の世論づくりをしていただきたいと思います。

 経済企画庁調査 薬業界はポスト再販を考慮

 経済企画庁はこのほど指定再販商品の価格動向等実態調査をまとめた。それによれば再販の契約件数が頭打ちになっていることからとくに医薬品業界についてはポスト再販を今後のマーケティングに考えていることが窺えるとしている。調査の結果のおもなるもの左記のとおり。

 @ 再販商品の価格動向は消費者物価指数、卸売物価指数の総合指数よりも低水準で、安定的であるが一方製品差別化による実質的な価格上昇を加味した再販商品の価格動向では物価指数に示された以上に上昇していると推測されており、必ずしも低水準で安定的とは言えない。
 A 再販制度が独禁法の例外規定として認められるためには自由な競争が行なわれていることが条件であるが各品目とも主要メーカーの流通機構の系列化が活発なため各商品の販売集中度が高く自由な競争という要件が満されているかどうか疑問である。
 B 製品差別化競争の結果、非価格的競争を激化させているため流通経費の増大とメーカーの販売費、一般管理費割合の増大を招いている。
 C 再販制度を有効に活用していると認められる主要メーカーはいずれも経営内容が安定して高収益をあげており再販制度が大きな支えになっていることは明かで、このことは"消費者の利益を不当に害しないこと"との適用除外要件の点で疑問がある。

 ニス乱用少年に注意! 福岡県衛生部警告

 福岡県衛生部(岩下泉部長)はこのほど「シンナー接着剤等の乱用について」次のような通達を薬剤師会など関係先にだした。その要旨は次のとおり。

 シンナー、接着剤等法則性(毒物及び劇物取締法の一部改正‐昭和47年6月26日、法律第一〇三号)のものについての販売、授与は今後とも十分な留意をもって行なうとともに、法の規制対象外であるニスについても青少年等がこれを悪用しないようシンナー、接着剤等の販売、授与のさいと同様に、その使用目的、住所、氏名等の認知に努めたうえ販売又は授与され度い。

 ニス乱用少年の実態は、昨年8月1日から本年8月31日までに全国で三〇七人が補導されているがそのうち二六七人(87%)が福岡県。地域別にみると北九州地区で一六五人(61・8%)、筑豊地区で一〇二人(38・2%)、福岡地区、筑後地区では調査期間中補導はない。なお、ニスの乱用は福岡県のほか、京都府、大阪府、香川、鹿児島、熊本、佐賀の各県に散発している現状であるが、今後はさらに全国的にまんえんすることが予想されるので警戒を要する。

 乱用されているニスのおもな種類は、大阪塗料製の角正の白ニス、スリースター、赤ニスと日本ペイント製のニッペホームペイントニッペセラックスニスなどであるが、このほかにも相当種類の製品が出まわっており、いずれも乱用される可能性が高い。なお、ニスは相当量のトルエンなどの有機溶剤を含有している。

 中医協再開か 日医、公開討論会

 日本医師会主催の医療問題公開討論会は11月28日14時より東京経団連ホールで開催された。この日、自民党からは田中社会保障制度調査会長、江崎幹事長代理、橋本社会部会長が出席。日医は武見会長の司会で山口、松浦、成田の三中医協委員が代表質問した。日薬からは望月専務理事、日歯は岩谷理事はじめ各地方代表からも質問が行われた。

 自民党は「現在の中医協が診療報酬の上げ幅を決めたうえ専門的な点数表まで建議、諮問するのは行きすぎで中医協の改革を検討する」と言明。

 武見会長は中医協円城寺会長不信任問題など解決さえすれば、中医協の改革までは中医協の場で辛抱するとして、中医協復帰に応じてもよいことをほのめかした。これにより斉藤厚相が緊急是正とスライド制の実施を諮問する形で中医協が近く再開される見通しが出てきた。