通 史 昭和44年(1969) 日薬−県薬−市薬
九州薬事新報 昭和44年(1969) 12月10日号

 日本病院薬剤師会 九州山口ブロック会長会 11月21日別府市で開催

 日本病院薬剤師会九州山口ブロック会長会議は十一月二十一日午後三時から、大分県国立別府病院において山田日病薬副会長を迎えて開催した。

 当日は福岡県=堀岡会長(ブロック会長)瀬尾副会長(日病薬理事)磯田理事(日病薬ブロック広報委員)佐賀県=奥平副会長、長崎県=樋口会長、深堀副会長(日病薬理事)熊本県=林会長(日病薬理事)鹿児島県=永吉理事、宮崎県=本田会長、大分県=郡司会長、野中副会長(日病薬理事)山口県=神代会長(日病薬理事)の諸氏が出席した。会議はまず山田日病薬副会長から十月五日開会した日病薬の全国会長会議並に全体理事会の大要及び次のような経過報告が行われた。

 (1)日薬の薬局制度懇談会には日病薬からも代表が参加している

 (2)中医協の全委員に「病院診療所薬剤師の調剤技術料を重視せられた件に関する要望」を日病薬会長名で要望書提出、日薬武田会長からも日病薬の要望を実現されたい旨の要望書が提出された。
@甲表病院、乙表病院及び保険薬局技術料の均一化
A薬剤師の調剤技術料の適正化
B病院勤務薬剤師の職能の向上

 (3)開局薬剤師の研修を日薬でとりあげ実施する場合はカリキュラム案を作成、全国の病薬に流すなど、受入窓口は日病薬にしたいが、各県の実情が異るため同一方法での実施は無理な面が考えられる。福岡県が実施した計画および成果は中央でも高く評価している。

 (4)病院診療所薬剤師の給与問題については、国家地方公務員以外の比較的給与のよい病院に対する実態調査を目下集計中である。なお人事院では今後三ヶ年計画で公務員給与表の統合をはかるようであり、その対策も今後検討したい。

 (5)四十五年四月開会の日薬学術大会の薬事制度委員会のなかで病院薬局の法制化問題をシンポジウム形式で討論するが、病薬から稲村(札幌通信)深堀(国立大村)の両氏が発言する。
ついでに協議に移り
@抜本対策における病院薬局のあり方について
A賛助会員の会費納入協力について
B会員増加対策について
特に@については種々活発な意見が続出、討議されたが結論に至らず各県で再検討のうえ、ブロックで意見をまとめることとなった その他各県の本年度活動状況報告があり、日薬職種部会としての九州山口ブロックDI講習会は明年三月熊本市において開催することを決定した。

 福岡県薬剤師研修会 95%が有益と回答

 将来の参考にアンケート及び終了報告を発表

 福岡県薬剤師会が医薬分業推進のための受入体制強化の一施策として、本年度の重要事業の一つとして全国にさきがけ福岡県衛生部と共催、福岡県病院薬剤師会の協力を得て9月10月の二ヶ月にわたり実施した薬剤師研修会は多大の成果をあげて終ったが、この程研修に関する諸資料をまとめた報告書を発表した。

 これによると参加者は県薬開局会員八五七名中四四五名で五一・八%の出席率であるがこれは老令会員その他の実情を勘案すれば相当高いものと考えられ、また県衛生部と共催したことにより県当局の分業に対する理解を深め、各受入病院側の受入を容易にしたと考えられている。通算五日間の長期研修と参加費二千円は初めてのことであったが、第一回の催しとしてはまずまずの成果としており、これを契機に今後開局薬剤師が随時病院薬剤師と交流を深めることを希望している。回答者の九五%がこの研修会を有益とし、九〇%が将来も引続き開催を希望している。報告書の概要は左記のとおり

 ▼研修の内容
研修会は、前講義、実地研修、後講義の三段階にわけ一人当り五日間延一九時間の研修を行った。テキストとして「最近の調剤技術の傾向」「実習用処方集」「処方解説」の三部を作成、主要内容は
▽最近の調剤技術の傾向(前講義用)
@最近の調剤の傾向
A調剤技術とは
B医薬品の品質管理
C処方せんの取扱い(処方監査)
D調剤上の問題点
E薬剤監査と薬剤交付
F剤型と薬効
G医薬品の安全性確保と薬剤師
▽実習用処方集(実地研修用六四処方
▽処方解説(実地研修および後講義用)
実習用処方集の六四処方につき処方監査、調剤上の注意事項(薬袋記載を含む)患者への注意・指導事項、主な薬効を解説

 ▼研修の方法
@前講義および後講義は県下四地区に分け、講師は堀岡九大病院薬剤部長ほか六氏
A実地研修
参加申込書より希望日次、希望研修病院各人の略歴等を提出させ被研修者の年令、病院勤務歴等を考慮して日次、病院を決定講師は研修病院の薬局長をはじめとする薬剤師。病院の受入人員は一回(三日間)二〜三名を原則とした。
▽研修の成果
このたびの研修により開局薬剤師が得たものは、専門的知識、技能だけでなく、地区薬剤師会として、開局薬剤師個人とし、あるいは受入病院として、指導薬剤師としてそれぞれ得るところが大であった。
地区薬剤師会と病院、開局薬剤師と病院薬剤師との精神的つながりが強化され、こんご、DI、DE、分業推進受入の面から研修の成果が大きく期待される。

 ▼被研修者および受入病院に対するアンケート結果
@被研修者=参加者四四五名中二一八名、回答率四九%
A前講義の内容について非常に有益、有益と答えたもの九五%
B実地研修について
▽期間(三日間一〇時間)を適当が六九・二%長すぎる一三・二%短かすぎる一二・三%
▽研修の方法を適当とするもの九四・七%
▽実習テキストを適当とするもの八八%
▽実習に対する評価を非常に有益、有益と答えたもの九〇%
▽研修参加費二千円を適当と答えたもの七〇・三%
▽将来一〜二回開催に対する希望者九〇・四%
▽開催時期の希望
一〇月四四%、九月二七・四%、五月一三・七%、一一月九・五%
D病院薬剤師会において受入病院の研修に関する意見をアンケートにより調査した。受入病院五〇施設中三四施設から回答があり、回答率六八%、この調査結果により、受入病院、病院勤務薬剤師の研修会および開局薬剤師に対する意見を知ることができた。
研修受入は、病院業務に少なからぬ支障をおよぼしたが、研修の主旨を理解し、今後も受入れたいとするものが大部分であった。多くのものが今回の研修は成功であったと答えている。一部には開局薬剤師の分業に対する熱意の高揚を希望する声があった。

 ▼将来に対する意見
多数の会員がたやすく参加できるように考慮すること、現在、薬業界は多事であるため諸種の行事、会合がひんぱんに行なわれているので、また薬局管理の面からも長期にわたり連続しての参加は容易でないことが察知される。参加しやすくするため、次の事項について検討する必要があると思う。
@県単位でなくブロックまたは支部ごとに、できるだけ細分化すること。
A受入病院を指定しておき病院、薬剤師会両者の都合がよいとき随時研修を受けるようにすること。
B研修点数制を採り、一日○点とし、一年に○点以上、○年間に○点以上を記録するようにする。
C研修会開催の主体を厚生省(県衛生部)とし薬剤師会の後援とする。

 ▼所要経費の中間報告
収入=受講料、テキスト販売費、福岡県医薬分業実施推進同盟負担金、計一〇二万一、五〇〇円
支出=テキスト印刷費、一般印刷代、通信、事務費、会場費(旅費を含む)講師謝礼、受入病院の費用弁償費、打合会費、計一〇一万七、〇四一円

 学薬だより

 ◆久留米市学校薬剤師会では昨年度から学校医、学校歯科医、学校薬剤師の連絡協議会を開催しているが、この程市の医師会館に学校三師会幹事が集まり、三師会事業費の内容をそれぞれ検討、成文し、市教委を通じて明年度予算化するよう陳情することとなった。
◆久留米市学校薬剤師会は十一月十八日から二十日まで全市小中学校三十九校の便所の扉の取手を中心に大腸菌検査を実施し、学童の手洗励行の程度を間接的に調査した。結果は十一校が完全に陰性であった。
◆本年度福岡県学校薬剤師会伝達講習会は十一月二十七日午前十時から福岡市の田辺製薬福岡支店会議室で開会した。
当日の出席実数一二九名、早く抜け出す会員もなく終始まじめな受講態度で関係者をよろこばせた。

 ◇完全分業も一枚の処方せん獲得から
◇薬局は内容外観ともに医療機関になりましょう
九州山口医薬分業実施推進同盟

 同盟情報部速報 第23号 昭和44年11月21日(全文掲載)

 日本医薬分業実施推進同盟情報部

 一、全国薬務主管部課長会議で、加藤薬務局長分業推進を訓示
厚生省主催の全国都道府県薬務主管課長会議は、十一月十九日開催され、当面の薬務関係重要事項について協議が行なわれましたが医薬分業推進について、加藤薬務局長が力強く推進決意を訓示しました。その他分業推進について積極的な討議が行なわれました。その概要は次のとおりであります。
加藤薬務局長訓示

 一、医薬分業推進について
医薬分業は法律的には、すでにでき上っているが、実質的には行なわれていないのが現状である。それだけに問題点は数多くある。しかし、分業は諸外国で実施されており、方向として医薬分業は進めるべきものである。医薬分業の狙いは、調剤業務を薬剤師という専門家にまかせることにある。また、医療保険の問題もあり、抜本改正の解決がせまられているが、この改正のなかで、医薬分業が重要な問題として取り上げられている。医療保険の欠陥を正すために医薬分業を行なうことが、抜本改正の狙いである。医薬分業推進のため、今後解決されなければならない点は次のとおりである。

 @医師が安心して処方せんを出すよう、薬局の受入れ体制の整備をはかる。薬局、薬剤師が、物的、精神的にもキチットしなければ分業は推進されない。
A診療報酬体系において、医師の技術料が低いのでこれの思いきった改正をしなければ分業は進まない。これらの前提問題を解決して、医師の積極的な協力ができるような態勢を作らなければならない。このことは、薬務局だけではできないので、厚生省全体で分業推進をはかっていきたい。このため年次計画をたて、来年度はその前提条件整備として一千万円を予算要求している。

 二、一般用医薬品の製造承認基準設定について
いわゆる大衆薬について用法、用量、効能、効果等について製造承認の基準を作る。これは、医師の指示によらず、一般大衆が自己の判断で使用するものであるため相当高い安全性が要求されるものである。基準ができたものから逐次、都道府県知事に承認を委任していく。このため、中央薬事審議会のなかに、特別部会を設置した。この狙いは、大衆薬の安全性確保にある。一部には厚生省が大衆薬を弾圧するとの声もあるが、そのような気持はなく、安全性確保に重点をおいている。

 三、医薬品の安全性について
薬務行政は、さらに困難な度を加えている。薬務行政にとって一番大事なことは、安全性の問題である。医薬品の安全性確保を最重点とし、全力をあげて当りたい。このためには、一面、石橋を叩いて渡る慎重さも必要とされる。その対策の一つとして国立衛生試験所の整備充実をはかる。

 岡製薬課長説明
いわゆる一般用医薬品について承認基準を厳正にするよう議会等の要望がありこれに応えるため、三月五日改善方針を打出した。この方針に基づき、中央薬事審議会に一般用医薬品特別部会を設置し、九月一八日その第一回会議を開き、現在までに三回に及んでいる。この会議で、かぜ薬の基準を審議している。今のところ、年度内に、地方委譲はむづかしい。

 いわゆる大衆薬については、国民の立場を第一にし、国民に不便にならないよう、一番良い状態にもっていくことが眼目である。いたずらに大衆薬をせばめるものではない。しかし、メーカーの態度販売業の態度はかならずしも満足する状態ではない。使用上の注意等で適切な指導ができる場合があると考えている。このような方向に頭を切りかえ、消費者のため考えることをしなければ、対外的に不利になる。

 質疑応答
○茨城県 薬局の許可について、青写真主義はとれないか。
○山高薬事課長 現行の法規では青写真申請はとれない。適配条例とからみ合いもあり、運用の面から検討を加えたい。
○埼玉県 埼玉県にメジカルセンター(調剤センター)の施設ができた。運営上の問題は、まだ残されているが、分業推進の一環として、うまく行政指導する必要がある。例えば、稀用薬品の備蓄センター的にして、周辺の薬局に供給するなどの小分製造については特例的なものを考えてもよいと思う。
○山高課長 分業は五年をめどにして、実施できる体制にするが、中心は薬局になる。これらについては、今後の検討にまちたい。 ○福岡県 適配条例の知事の特例について、統一見解を出すべきである。
分業推進のために調剤専門薬局の名称についての法的解釈を明確にすべきである。
○山高課長 適配条例は、それぞれの県の特殊事情により適用に差異がある。統一見解を出すには多くの事例が必要であり難しい。 調剤専門薬局については調剤の確保のためなら既存薬局の調剤能力等を勘案して、判断し、除外例とされよう。
○静岡県 @調剤センターの名称についての見解を問う。A薬剤師国家試験合格者発表を早く出来ないか。
○山高課長 @調剤センターの名称については、調剤を一手に引受けるものと受取られるので一薬局の名称としては望ましいものではないが、現行法規ではいたしかたがないA試験合格者発表はできるだけ早くしたい。
○三重県 @分業についてどうしてもやらなければならないので、具体的なスケジュールを組んで、推進されたい。A明年度予算を県としても要求中であるが、都道府県でもそれぞれ推進していくための財政措置を、局長から知事に要請するよう要望する。

 福岡県薬商組公競規約検討 理事・支部長会で

 福岡県医薬品小売商業組合は十一月二十六日午後一時半から県薬会館で理事支部長会を開会、公正競争規約案の説明その他全商連役員会の報告、適配条例に関する件、流通問題に関する情報交換などを行なった。

 公正競争規約については、十一日全商連が発表した規約案について慎重に検討したが、一応組合員全員に支部を通して規約案を配布した上で県商組としての考えをまとめることになった。
当日の出席役員の意見としては「員外者規制にあまり時間がかからないようであれば全く何もないよりはあった方が良い」との意見が多く、一応案を持ち帰り検討することになった。

 九友会福岡地区で発足 11月26日発会式

 小売業者が主宰するボランタリーチェーン協同組合「くすりの九友会」(芳野直行理事長)は乱売せん風が吹き荒れた昭和三十七年これを乗り切るために任意団体として、共同仕入をはじめ四十二年に正式な認可を得て発足、組合員百余名を数えるに至ったが、この程福岡地区の小売業者二十五店が加盟したので十一月二十六日午後一時から「ホテルニューハカタ」においてその発会式を開催した。

 当日は来賓に亀井知事、通産局長なども出席、あいさつをしたほか経過報告、役員紹介、地区長の発表などを行い、同所において披露パーティを開催した。なお同会福岡地区長にはハコザキ薬局の馬場勘二氏を決定し、東、西、南、中央の四部会長には樋口甲、土肥善衛、小村正治、平島貞幸の四氏がそれぞれ決定した。

九州薬事新報 昭和44年(1969) 12月20日号

 第4回日薬学術大会 福岡県薬で引受け 福岡県薬理事会

 福岡県薬剤師会は十二月八日今年最後の理事会並に支部連絡協議会を福岡県薬会館で開会、医薬分業対策、緊急是正の現況報告および時局対策などについて協議した。

 午前十一時開いた理事会では、昭和四十六年度第四回日薬学術大会開催について日薬から、福岡県薬に開催方の依頼が正式に申入れられたので、開催を引き受けるかどうかについて検討した結果、申入れを承諾せざるを得ないであろうとの結論に達し、次のように日薬に回答することになった。

 ◆日薬第四回学術大会開催方依頼に関する回答
昭和44年12月1日、日薬発第一二七号をもって依頼がありました日薬第四回学術大会の福岡市開催について12月8日、本会全体理事会において検討の結果、次の結論に達しましたので報告します。

 記

 1、昭和46年度日薬第4回学術大会の福岡市開催の件は、本会の要望することを日薬において考慮される条件のもとに日薬の希望に副い努力する。
 2、本会の要望事項については、口頭により申しでる。
午後の支部連絡協議会は分業同盟、薬政連支部長会も兼ねて一時から@中央情勢報告A薬剤師研修についてB薬学講習会についてC社会保険業務についてDシロップ剤かぜ薬の包装についてE本年度会員の栄誉についてなどの報告が行われた。

 ◆中央情勢報告について 大衆薬について
厚生省の医薬品の分類の基本方針に伴い武見日医会長の処方権の発言から論議されるようになり、現在医薬品の製造承認の一部地方移穣に伴い、中央薬事審議会の中に特別部会が設置され、病薬三名の委員が任命されていたが、検討の過程で直接取扱う立場のものが必要であると、直接店頭に立つと同時に学術的にも権威のある開局薬剤師三名が参加することになった。

 薬系からの意見は日薬から出ている委員を通すこととなるので、日薬では小委員会を作り薬系内の意見を統一してのぞむことになろう。特別部会は安全性を高める方向で検討しているが、これが行き過ぎると売薬類と同様になるおそれもある、吾々としては雑品に類するものは放棄しても、吾々医薬品取扱者の指導によって一般大衆が判断するものという考えで、拡充の方向に努力しなければならないと思っている。

 ◆医薬分業について
日薬の分業推進審議会で検討していた推進対策大綱は九月末まとまる筈であったが、諸般の情勢から発表を延期している。検討事項は総論を@医療制度の抜本改正と医薬分業A薬剤師の姿勢についてB日薬の分業三年実施計画についての三項に分け、各論は二十項目の多岐にわたっている。

 また分業問題について厚生省との話合をするため薬局制度懇談会を設置、現在分業を制度として実施した場合のメリット、デメリット等を検討している、緊急是正が終れば抜本改正の検討が行われることになろうが日薬はこれに対処することになる、吾々は第三者をもって種々の対策も推進している。

 ◆医療費の緊急是正について
中医協は病院の経営状況が苦しいことから緊急是正の一月一日実施は遅らせないとして協議したが、日医が審議拒否、実力行使を声明するなどでまた紛糾している、話合いがつかねばあるいは厚生大臣の告示の可能性もある、調剤料は一日分四〇円を要求しているが、大体三〇円の線に落着くと思われる。

 ◆時局対策について
今回の総選挙に対する日薬の対策としては中央において必要な候補者を検討の上約七〇名に正式に献金する。県薬としてはこれとは別に県の立場で推せんする人を決定、以上の実情を理解のうえ、薬政連会費、同盟会費等早急に納入されたい。次に工藤専務理事から十二月五日開かれた九州山口薬剤師会会長連絡協議会の報告があった。

 ◆薬剤師研修会について
県衛生部長代理から受講者四三五名に(支部長に)修了証が交付され、研修実施終了報告(別刷)は将来の参考に供するため実態をそのまま報告した旨が報告された(本紙前号掲載)

 ◆薬学講習会について
九州山口各県平均の出席率は三九%であるが、福岡県は一七%で、かってない低率で出席者ゼロの支部も相当あった。本年度は薬剤師研修会があったためとも考えられるが役員位は出席して欲しかったと報告され、今後の講習会は日薬としても検討されると思われるが、各種研修会には卒先して出席するよう要望。

 ◆社会保険業務について
十月の請求は枚数は減ったが金額は待望の一千万を突破した、歯薬合同研修会は年内実施は困難であろうが新春早々実施計画されたい。最近薬局の名称、住所組織などの変更の場合の諸手続きの不備による問題が起る事例が多い、薬事法上の手続きと同時に保険法による手続きも怠らぬよう注意されたい。

 ◆シロップ剤かぜ薬の包装
薬務局はシロップ剤かぜ薬の包装について、成人用内服液のような誤解を与える広告や販売方法をとらないよう警告を発したので販売に当って注意することその他明年一月五日の年賀会並に県薬の理事会・支部連絡協議会開催予定が報告された。

 本人の八割給付により 収支の均衡一応安定 福薬国保理事会

 福岡県薬剤師国保組合は十二月九日午後一時半から県薬会館で第46回理事会を開き、事業状況報告、四十五年度の計画などにつき協議した。会議は四島理事長のあいさつの後ただちに議事に入り工藤常務理事から説明。
@抜本改正と医療費の関係について
抜本改正の大綱中には、一応国保組合の存続を認めながら国庫補助の特別配慮が行なわれないかぎり、組合は自然傾斜の道をたどることになろう。組合の存続強化、強化拡充国庫補助の定率上昇をはかるとともに、被保険者の強制健保加入措置の中止を全協、全薬協ともども関係方面に訴え続けている。医療費の緊急是正については、十一月二十九日、十二月六日に開かれた中医協に医師会委員の反対欠席のため結論をえず引続き個別接衝が行われている、見とおしとしては一月一日から総体的に六%のアップになるだろう。

 A国保事業状況について
▽被保険者数
同年同期に比し八三名減
四月一日に比し五七名の減
減員の主な事由は市町村組合との保険料の格差、組合員の八割給付、子弟の成人に伴う就職などによると思われる。

 ▽歳入歳出の状況
歳入は予算に比し五八・六%の収入、歳出は予算に比し三五・六%の支出となっており、収支の均衡は一応安定している。

 ▽昭和四十四年度の受診率見込
組合員の八割給付に伴い三七四・四%となり四十三年に比し、七二・五%減が見込まれ、家族等は一九%の増が見込まれ、総合で五・二%の減が予想される。

 ▽療養給付費の状況
四月分から九月分まで保険者負担額は平均一月あたり一、七五九、一七四円前年同期の平均に比し一七%の減となっている。

 ▽長期滞納者について
特別の催促状を出し、誠意を示さないときは除名その他法的措置をとることにする。

 ▽主要行事の報告 昭和四十五年度計画について
昭和四十四年度事業推移の状況により給付率、保険料については改訂しない。職員の給付については社会一般の広い視野より検討することに決定。

 九州山口ブロック

 公正競争規約・適配条例など商組理事長会で検討

 九州山口各県商組理事長会は(さきの九州山口薬学大会商組代表者会議で、福岡で開催することを決定していた)十二月四日午後一時から福岡県薬会館で開会、@適配条例に関する件A公正競争規約についてB各種チェーンの進出に関する研究協議C全商連役員会出席報告などが行われた。

 当日の出席者は木元(佐賀)隈(長崎)上野(熊本)山村(鹿児島)矢田部、古賀(宮崎)益田(大分)森広、五郎丸(山口)の各理事長、副理事長などのほか地元福岡県から白木理事長ほか役員六名が出席、その他九州卸連合会から卸一社メーカー六社、乳業一社も出席し、荒川全商連理事長並に四島県薬会長も特に臨席した。

 白木九州山口ブロック会長のあいさつに次いで荒川理事長は公正競争規約について原案作成の経緯を説明「東京、大阪で表示連絡会が行われ、異論がなければ明年一月公聴会にかけ実施の運びになる予定」と述べ、TFCの問題については「いいか悪いかは別として将来起り得る心配な面については解明しおかねばならない」と述べてあいさつとした。

 次に四島県薬会長はあいさつを兼ね、当面する諸問題▽大衆薬について▽公正競争規約について▽適配条例の改正についてなど薬剤師会の立場から発言、公正競争規約については内容がたとえ不充分であっても小売自体が作ることに意義があると述べ、それより議事に入った。各県代表者から議題の各項についてそれぞれ実情報告があり、活発な協議の結果大体次のようなことを決定した。

 @適配条例に関する件
条例の運用については各県の報告によれば)各県でかなり巾があるので九州山口ブロックとしては条例の条文改正の問題点と法の解釈の問題とに分けてまとめ、各県統一をはかるため各県当局と合同会議を開催するよう推進することを決定した。

 ATFC問題について
加盟、非加盟は各自の自由であるが、一応判断の一助として解説書を流す、商組としては組合の存立を危うくするものであるから、ハッキリ反対の態度を示してもよいとの意見もあったが、商組代表者会としては、この程度に止め、あとは各県の実情に応じて推進することに決定した。

 3公正競争規約について
再販の手直しを緩和して貰うことから出発し、総合調整規程がなくなった後、宣伝の規制が出来る(不当廉売の項はなくなるがアウトサイダーの広告は規制できる)ことから全商連と東薬連が同一歩調で推進、一月中旬正式な公聴会にかけ一月末には大体告示される見透しである、認定されれば中央並に各県に公正取引協議会を設置、その運営については規則を作って当る、(この中で違約金などを決める)、加入脱退は自由であるが、業者の多数が加入すればこれがルールと看做され、違反があれば、加入しているものについてはこの協議会で処罰、アウトサイダーについては協議会が提訴すれば公取委が警告、次に排除命令が出せることになるなどが説明された。

 北九州山口支部 京城薬専同窓会 本年度支部総会

 京城薬専の薬窓会北九州山口支部は十二月三日午後六時から四十四年度の総会を小倉区西鉄洗心寮で忘年会を兼ねて賑やかに開催、寄せ書などをして昔ばなしに花を咲かせた。当日の出席者は次の諸氏であった。
▽山地晨(会長)三宅正男(副会長)小川一応(副会長)植村鉄郎、尾崎哲男、高木五六郎、伊藤隆造、荒木茂、金長清臣、才田豊、若松大麓、寺田義晴、江島藤男、近沢忠雄

 大牟田薬剤師会 近視予防講演会薬と健康週間行事で

 大牟田薬剤師会は同学校薬剤師会、同市教育委員会、同市保健所と共催して薬と健康の週間行事の一環として十一月二十八日午後一時から大牟田市民会館で「近視予防講演会」を開催した同講演会は会場の都合により「薬と健康の週間」には若干日程にずれを生じたが一般市民、学校にもよびかけ五百名以上が聴講した。当日は左記講演のほか薬と健康の週間の趣旨説明、各種資料の配布などにより薬剤師職能のPRにも成果をあげた。なお講演会終了後は会場を「だいふく」に移し、講師を囲んで懇談会を催した。
▽特別講演=福岡市中央病院木村眼科部長
▽研究発表=橘中学校笠原教諭
▽スライド講演=参天製薬高松近視対策課長

 同盟情報部速報 第24号 昭和44年11月29日

 日本医薬分業実施推進同盟情報部

 一、日薬全体理事会地方連絡協議会、同盟常任執行委員会、同支部長協議会等が開かれ、分業推進体勢の前進がはかられた。

 去る11月25・26日の両日にわたり、日薬全体理事会、同地方連絡協議会、同盟常任執行委員会、同支部長協議会、日薬政連正副会長、正副幹事長会、同支部長協議会、坂口後援会正副会長会、同支部長会が東京永田町薬業県保会館で相次いで開催されました。各会は、病気から恢復され、元気な武田会長を中心とし、全国の役員、地方会長、支部長各位の熱心な審議によって進められました。日薬全体理事会においては会長あいさつに続いて、報告事項として
@会務
A一般用医薬品特別部会について
B薬局制度懇談会について
C中医協について
D第三回学術大会について
E第三回アジア学術大会について
F会員名簿について
Gシクラミン酸ナトリウム、カルシウムについて
9衛生検査技師法について
I同盟分業推進審議会中間報告について
J年金制度調査について
等が執行部担当理事から報告されました。

 次に議事に入り、
@昭和43年度決算報告案に関する件
A昭和45年度予算及び事業計画に関する件
B第27回通常代議員会日程に関する件
4日薬賞に関する件
5時局対策に関する件
等が審議されました。

 すべての審議を通じ分業推進について盛り上る熱意が示されました。その他、中央薬事審議会一般用医薬品特別部会に、開局者若干名を加えることが決定していること、また厚生省薬務局との間に薬局制度懇談会を設け、着実に協議を進めていること。中医協において調剤料の値上げ要求は沖委員により懸命な努力がつづけられていること等発表がありました。

 同盟分業推進審議会の審議状況については、中間報告の原案が作成されましたが、なお意見が提起されましたので、それらにつき、詳細な検討が行なわれている経緯が、太田同会長から詳しく報告されました。

 日薬昭和43年度決算は、当該年度に日薬創立75年式典が盛大に挙行されたにもかかわらず、僅かながら黒字の健全財政を保持していること。またこれは、当年も前年に引続いて会費納入状況が極めて良好であった(全額期限内完納)ことによるものであることが明らかにされました。

 日薬新年度予算編成方針として、会費の増額は行わないこと、同盟の活動と合わせ、分業推進をはじめとする各般の事業を活発に進めて行くことなどが協議されました。

 日薬第27回代議員会の日程は、昭和45年2月24、25日の両日開催会場は東京永田町薬業健保会館と決定されました。

 日薬賞は、従来、毎年五名以内の授賞者と定められていましたが、次回授賞から若干名と巾を持たせることが決定されました。

 地方連絡協議会においては、全体理事会の協議事項が報告され、分業推進について、関係諸団体との対話、一般用医薬品に対する姿勢、無薬局町村対策等について積極的な発言がありました。同盟、政連においては、その運営を、日薬の施策実現に資するため一層団結を強固にすることが協議され会費納入については、時局柄一段と緊急性を考慮することが確認されました。坂口後援会においては、支部結成の促進が主な議題とされました。

 二、「図説、国民医療対策大綱‐斉藤邦吉編」送付について
今般、自民党医療基本問題調査会の「国民医療対策大綱」の起草委員であった斉藤邦吉氏(衆議院議員、福島県選出)は、国民医療対策大綱について、その論議の基盤となった諸事実を明らかにし、大綱の意図を明確にするため、「図説、国民医療対策大綱」を編さんされました。本冊子は、医療保険抜本改正の今後の動向、とくにわれわれにとって医薬分業の動向を考究する上に、極めて有力な資料と考えられます。

 元和歌山県会長平越孝一氏 和歌山で立候補

 衆議院の総選挙は七日の公示以来各地で厳しい選挙戦がくりひろげられているが、今回和歌山第一区から和歌山県薬剤師会初代会長平越孝一氏が立候補した。

 同氏の政歴は二十二年和歌山県議当選以来三期当選、二十八年より三十七年まで県議会議長をつとめ、四十二年に県知事選に出馬して僅少の差で惜敗した。