通 史 昭和43年(1968) 日薬−県薬−市薬
九州薬事新報 昭和43年(1968) 6月10日号

 大黒会長辞任、名誉会長に 九州医薬卸連新役員決定
 新会長に川口屋渡辺副社長

 九州医薬品卸連合会は去る四月二十一日定時総会(評議員会)開会の際、永年会長であった大黒清太郎氏の辞退の申出により役員の改選を行ったが、これに伴う会則変更の必要などが生じたため、その後五月二十一日十二時から福岡市内三鷹ホールにおいて臨時総会(評議員会)を再び開会、会員三十六名中三十一名(内、委任状九名)が出席して、会則変更及び左記役員の選任を行った。

 ▽名誉会長=大黒清太郎(新)
 ▽会長=渡辺荒次郎(新)
 ▽副会長=鶴原六郎(重)吉村益次(重)木瀬克己(新)
 ▽常任理事=吉村重喜、富田哲生
 ▽会計理事=若狭範輔
 ▽理事=富田浩三、良永精一、西脇進、吉井森之助、平田穣太郎、上原康、堺久、松下嘉雄(庶務)
 ▽監事=松井等、溝上勝一

 尚各県卸組合でも各自総会において役員改選が行われたが、長崎県卸組合理事長はケイホ薬品且ミ長西脇進氏に決定、又鹿児島医薬品卸業協同組合では去る二十二日の定時総会で、林薬品且ミ長岩重一一氏が理事長に選出された。

 日薬政治連盟新役員決定 長野幹事長重任

 日本薬剤師政治連盟は五月二十八日、東京において評議員会を開会し、新役員を決定発表した。会長並に正副幹事長は次の通り

 ▽会長=武田孝三郎
 ▽幹事長=長野義夫(福岡県薬副会長)
 ▽副幹事長=喜田三郎(東京)山村実治(鹿児島)

 なおその他九州地区からの役員には
 副会長に四島久(福岡)
 総務に武田資義(佐賀)
 山中栄一(熊本)の諸氏がある。

 日薬政治連盟新役員決定 長野幹事重任

 日本薬剤師政治連盟は五月二十八日、東京において評議員会を開会し、新役員を決定発表した。

 会長並に正副幹事長は次の通り
 ▽会長=武田孝三郎
 ▽幹事長=長野義夫(福岡県薬副会長)
 ▽副幹事長=喜田三郎(東京)山村実治(鹿児島)
 なおその他九州地区からの役員には
 副会長に四島久(福岡)
 総務に武田資義(佐賀)
 田中栄一(熊本)の諸氏がある。

 大分県薬代議員会 新会長に杉原剛氏

 大分県薬剤師会(瓜生田会長)は五月三十日午前全体理事会を、午後代議員会を、大分市内歯科医師会館で開会、決算、新年度事業計画、予算及び役員改選などを行ない、新会長には前副会長の杉原剛氏を選出した。

 代議員会は約四十名が出席し、報告、審議など執行部原案通り可決決定したが、事業計画については、本年は特に強力に推進実行することとし、これに伴い会費も約10%値上げすることとなった(営業者会費=七、〇〇〇円を七、七〇〇円、勤務者会費=二、四〇〇円を二、六〇〇円)

 新任の役員は次の通りで、理事は後日決定することとなった。
 ▽会長 杉原剛
 ▽副会長 益田学、平田敦寿、野中好夫
 ▽監事 内田伊井、手島一次、大上ハナ子

 福岡県庁薬剤師会 通常総会 役員全員重任

 福岡県庁薬剤師会は昨年七月新発足と同時に、県薬へ集団加入したが、本年度通常総会を六月一日市内龍鳳で開会、発足後の経過報告、決算、予算、役員改選などを行った。

 当日は会員九十名中、約六十名出席、大塚氏司会して中野氏を議長に推し、武田会長は四十二年度は初年度で大した事業も出来なかったが、本年は@県庁薬剤師会の県薬部会化を図るA保健所部会を作りたいB九州、山口連絡協議会を作り、待遇改善などについて連絡を密にするC医療制度の抜本改正については、行政に携わる者も影響を受けるので、積極的に取組みたいなどと今後の本会の方針について述べ、引続き来賓、佐藤課長補佐(課長心得)四島県薬会長、古賀治県議の祝辞に次いで議事に入り、@42年度経過報告A同年度決算報告B役員改選C43年度事業計画D同年度予算案などを活発に審議して原案通り承認決定、役員改選は現役員を満場一致で重任と決定した。総会終了後、一同は同所において開催の県薬務課長歓送迎会に参加した。

 ▽監事 森田英一、金川要平
 ▽議長 西川早次
 ▽副議長 吉原 正
 ▽代議員 渡辺又雄、生雲孝
 ▽予備代議員 笠井利夫、河野壮介
 ▽薬政会長 笠井薫
 なお、理事及び各委員会委員は六月八日幹部会(正副会長)開会、指名推せんの上決定する。

 ヨーロッパ 食べ歩き、遊びあるき 森山富江 その十の二 ドイツをゆく

 翌朝早く七時半にホテルを出てマインツまで私達は有名なドイツのアウトバンを走る。名にし負う高速道路は完璧で少しの無駄も感じさせない。之はヒットラーの残した最大の遺産ではないだろうか。マインツからいよいよ船旅が始る。ゆたかにひらけるライン!

 さわやかな朝の大気のなかに白いウミネコが群れとぶ細長い中洲のようなどてにはポプラに似た背高ノッポの木が一列横隊に並ぶ。全長千三百粁滔々と息づくラインの流れ!深い水の色は長い歴史のあゆみを其の底に秘め、ドイツの詩がドイツのうたが其処に生きている。川面を渡る風は少し肌寒いが、うらうらと陽は輝き、匂いやかな田園風景が両岸に展開される。緑の丘と点在する古城。

 広い甲板には見渡す限り椅子が並べられ夫々リラックスし乍ら旅を楽しむ人達!マインツを出て約一時間、ビンゲンを過ぎる頃から次第に両岸がけわしくいよいよローレライの岩だ。何となく船の中がザワメイてきてあわててシャッターをおろして、ローレライの岩でないと教えられガッカリする者、やっと本物が見えてきた。船内をききなれたメロディーが流れる。あー、あれがローレライの岩か、静かな感動がよせてくる。陽は高く、空あくまで青く、昔を偲ぶ暮色こそなけれど、心にしみいるひとときだった。

 船内での中食はまた楽しさもひとしお、お馴染みの馬鈴薯の山、ドイツ風のハンバーグステーキもうまい。デザートはアイスクリーム。おなかの工合がおかしい主人がお薬をのむための水をたのむと、炭酸水を持って来たのには弱ってしまった。マインツからコブレンツまで四時間半の船の旅は久々の休息を私達に与えた。

 此処からデュッセルドルフまでバス、完全無欠なアウトバンと全く手入れされていない街路樹、埃を被って白っぽくなっている緑が痛ましい。すべてが合理的でガッチリしていて、遊びのゾーンが無いと云う感じのドイツの街は今まで見て来たヨーロッパの他の町とまるきり異った感覚で私の注意をひいた。途中ケルンで小休止、ヨーロッパで最も傑出したゴシック建築と云うカテドラーレ大寺院は重厚な中世の匂をはなち双頭の尖塔は鋭く天を指す。生理的要求の如何ともなしがたくトイレを探して拝借したのはよいが、二十ペーニッヒ払わないとトイレの扉が開かない。さて今度は手を洗おうとすると水が出ない。トイレにゆくのに百円もかかるとはタマゲタ話しだ。ケルンを過ぎた頃から少しパラツキはじめた雨が段々ひどくなる。デュッセルドルフに着いたのはもう六時近く雨はようやくあがったようだ。

 ハイネの故里デュッセルドルフ、工業中心地のこの町の空はパリのように青くなかった。旅装をといたホテルも几帳面な優等生をみるように何処にも無駄がない。夕食までの時間雨あがりのまちを歩いてみた。機能的に飾られたウインド、舗道も石を埋め石を敷いた謂ゆるハンドメイドな感じではなく、キッチリと補装されている。飾りっ気のないドイツの街は私達が忘れかけていた質実剛健と言うことばをつかの間思い出させてくれたようだ。

 ヨーロッパ大陸は、背中合わせ、向い合わせに違った国が生きている処だが、彼等はお互いに其のいづれからも影響されることなく自分のものを持ち自分の生き方をしている。其の国の言葉を語り、其の国の風俗を守り、一つ一つが自分自身の色を持っている彼等!それはごくあたりまえのことなのかも知れないが私にとっては大きな発見であり、ひとつの不思議でさえあった。つめたい夜気の中を私はきびしい心で歩いた。(続く)

 福岡県薬業界主催 新旧薬務課長 歓送迎会

 福岡県衛生部薬務課は尾崎課長の退職後、五月十三日付佐藤勉氏が課長心得に就任されたので、その歓送迎会を六月一日四時から福岡市内春吉「龍鳳」で、県薬会、県薬商組、筑紫二十日会、県卸組合など薬業各界代表約百六十名が出席して盛大に開催した。

 会は、工藤県薬専務理事が司会、四島県薬会長、古賀治県議会議員、大黒南海堂社長(卸)のあいさつ後、尾崎前課長は「満二十八年間薬務行政にたづさわり大禍なく過したのは皆さんのお力添えによる」と謝辞を述べ、次に新任の佐藤補佐(課長心得)は「心を新たに、分業問題その他容易ならぬ時期を業界の皆さんと検討の上前向きの姿勢で取り組みたい」と述べ、筑紫二十日会を代表して貞苅稲畑産業福岡支店長の乾杯の音頭で開宴、白木県薬商組理事長の両氏に対する万歳三唱で六時閉会した。尚当日は、二時から同所において総会を開会した福岡県庁薬剤師会出席者約五十名も参加した。

 県病薬総会 並に講演会

 福岡県病院薬剤師会では六月二十三日午後一時から三鷹ホールで第13回総会及び講演会を開会する。

 支部別保険調剤調査票 昭和43年4月分 福岡県薬剤師会

画像


九州薬事新報 昭和43年(1968) 6月20日号

画像  「医薬品の使用方法の指示は薬剤師によってなされるものではない」
 処方権の確立で 武見日医会長が厚相に要望

 武見日本医師会長は本月六日「処方権の確立」についての要望書を園田厚生大臣に提出した。これによると@医薬品の使用は全て医師の処方によるのが原則であり、使用方法の指示は薬剤師によってなされるものではないA要指示薬を行政指導によって実施することは処方権の無視であるB大衆薬の如き不特定多数に対する処方が製薬会社に許される学術上の根拠は全くないC局長又は課長通達等で法律事項でない現実をつくり上げて行くことにより学術行政が曲げられた事実に対し大臣の適切な措置を要望する、などが内容となっている。

 要望書

 医薬品の使用はすべて医師の処方によるのが原則であります。日本における医薬品の取り扱いをみますと、薬局においては一般医薬品は申すにおよばず、特に使用に際して厳重な注意を要するものに至るまで、処方箋なしに販売されております。それらの医薬品の使用方法の指示は、薬剤師によってなされるべきものではありません。このような状態を将来放置する場合は、医療制度の近代化をはばむ大きな要素になると考えられます。

 要指示薬と称するものは、処方箋によらずして、医師の指示によったということだけであり、このような品目を行政指導によって実施していることは処方権の無視であります。行政当局が行政指導あるいは行政措置に名をかりて、要指示薬等の指定をなすことは、違法といわなければなりません。すみやかにこの措置を停止されるよう要望いたします。

 次に大衆薬と称するものは薬務局長が昨年九月十三日にこれも行政指導に名をかりて製薬会社が申請する方式をとらせようとしております。しかし、不特定多数人に対する処方が、製薬会社に許される学術上の根拠は全くありません。また法律上もこれらは不特定多数人にたいする処方権をもつべきではないと考えます。しかるに、薬務局長が不特定多数人に対する処方権を製薬会社に容認するがごとき通達を出したことは重大な過誤といわなければなりません。これについて厚生大臣のご所見を伺いたいのであります。

 医師といえども不特定多数人に対する処方を発行することはできません。大衆薬の認定は国民皆保険下においては、その範囲はきわめて狭いはずであります。局長通達または課長通達等が行政力をもつことについて、指導に名をかりて法律事項でない現実を作り上げていくことにより、学術行政が曲げられた数々の事実に対し、厚生大臣はこの機会に適切な措置を全面的にとられることを希望いたします。


 歯・薬両会代表として満岡氏を 福岡県薬理事会・支部連絡協議会合同会議

 福岡県薬剤師会は第一四九回理事会並に第一四〇回支部連絡協議会合同会議を六月十三日十二時から福岡県薬会館で開会、@分業推進A薬学大会準備についてB時局対策についてなどを協議した後、午後三時から市内歯科医師会館で催された満岡文太郎参議院全国区候補の選挙事務所開きに一般会員と共に大挙参加して、歯薬両会の代表として同氏を国会に送るべく気勢をあげた。

 理事会、支部連絡合同会議は、工藤専務理事司会し、会長のあいさつ後直ちに議事に入った。

 (1)分業推進について

 @職能推進対策要綱
 中村担当理事から六月十日東京で開かれた中央対策委員会報告があり、而して本県では本県の対策要綱により活発に推進するよう要望し、又この一環として本年一月以来各支部別に開催された歯・薬合同研修会は七支部(筑紫、糸島、宗像、粕屋、築上、京都、遠賀)を除き開かれ、参加会員総数、薬剤師四百名、歯科医師七百十名で、歯薬協調の線を確固たるものにしたことが報告された。

 A保険薬局標識
 既に本県には見本も到着、申込みも近く受付けるが、調剤を拒否しないための標識であるので、全保険薬局が掲げることが望ましいわけである。然し現時点では支部の内規にてらして適当と考えられる薬局についてのみ県薬を通じて申込まれたい、と会長から特に希望があり、三種の現品説明、価格、取付料、申込要領などは業者から説明があった。

 次に時局対策について会長から中央情勢及び参議院選挙などについて

 分業は保険の赤字から出発したが、今では医療の合理化のために必要だとの傾向に変りつつある。武見日医会長は従来分業賛成をさけんでいたが、医師会自体は旧態依然として保守的で、この程厚生省に対して処方権の確立について常識を疑いたくなるような要望をしている。この際日薬としても亦調剤権の確立について、厚生省に要望書を提出することになり、武田会長に一任してある。分業問題も協調主義を経て実現せねば、政治的対決となろうが、その場合特に歯医とは手を握り、与論を味方に争うこととなろう。その意味でも今回の満岡候補は歯医と完全一体となって推進しなければならない。"落選"は分業の芽がつまれることを肝に銘じ、各地末端で歯医と確く手を握って努力されたい。

 佐賀 長崎両県卸業者 合同時局懇談会 メーカーを加え嬉野温泉で

 佐賀、長崎両県卸業界ではメーカーを加えて時局安定のための協議会開催は、予ての懸案であったが、六月八日午後から嬉野温泉に於て開会した。

 開会先づ佐賀県卸八日会々長溝上勝一氏より開催に至るまでの経過について報告があり、両県の会員並にメーカー六社(武田、塩野義、田辺、三共、第一、中外)の方々の出席に対して感謝の挨拶があり、これに対し六社会を代表して第一製薬福岡支店長横井良英氏より業界多事多難、非常の折、今日の会合が如何に重要であるか、又各地にこの様な会合が次々にもたれることを希望するとの挨拶があり、次いで長崎県卸業組合理事長西脇進氏が議長席につき一応の所信披歴があり、それより左記案件につき協議懇談が開始された。

 議題は研究事項として卸の健全経営のために如何にあるべきかということで、次の項目について討議した。

 ▽債権確保について(佐賀県の事例を挙げての討議であった)
 ▽分業対策について(薬品の小分け薬価及び格差等について)
 ▽病院その他の買たたきに対する対策(メーカーの添付品、リベートの自粛について)
 ▽販売対策について(殊に直販メーカーとの関係について)
 ▽価格対策について(アウトサイダーの問題、銘柄別調査について)
 ▽停職協定について(継続実施を希望することに決定した)
 ▽佐賀県卸より長崎県へ要望の件
 ▽メーカー代表より佐賀、長崎県へ要望の件
 ▽メーカー代表より佐賀

 長崎両県へ要望の件

 以上協議は三時に開始し終始和やかに三時間余を費やし、何れも真剣に討議ができたことはまことに有意義であった。更に業界の安定に佐賀、長崎県が率先して協力し合い一歩前進したことは特筆すべきことであろう。協議終了後懇親会に移り和気藹々裡に五時解散した。なお、翌日晴天に恵まれ親善ゴルフ大会を催し、午前九時より武雄カンツリークラブで開催、参加者十一名、優勝順位を挙げれば次の通り。

 優勝 世戸ー溝上薬品
 準優勝 奥村ー武田薬品
 三位 薬村社長ー藤村薬品
 四位 原田社長ー唐津薬品
 五位 溝上社長ー溝上薬品

 福岡市学薬 研修会並理事会

 福岡市学校薬剤師会(内田数彦会長)は六月十一日十時から三時まで、本年度新任の学校薬剤師の研修会を県薬会館で開会、約三十名の会員が出席、理事が講師となって熱心に研修を実施した。尚三時から理事会を開き四十三年度夏期環境調査(照度、照明、塵埃)を市内十五校を対象に六月二十五日迄に実施することを決定した。

 福岡県薬 保険薬局標識 使用規定作成

 福岡県薬剤師会では日薬選定の保険薬局標識使用に関し、薬局、社保の両委員会で種々検討していたが、その結論に基き、左記により処理すべきであるとしよう規程案を発表して役員、支部長に意見を求めている。

 保険薬局標識使用規程(案)
 (1)薬局標識は次の条件を具備した会員中の希望者に対して使用を認める。
 @保険薬局の指定を受けていること。
 A支部長の承認した会員薬局であること。
 B誓約書を提出した会員薬局であること。
 (2)誓約書は次の様式とする

 誓約書
 保険薬局の所在地
 保険薬局の名称
 保険薬局の指定番号
 保険薬剤師の氏名
 開設者の氏名
 私は次の条項遵守について誓約します。違背するときは保険薬局標識使用を停止します。
 @薬剤師並に薬局の品位を保持し、調剤受入体制を完備いたします。
 A正当な理由なくして調剤を拒否いたしません。
 B調剤報酬請求その他の事務手続は薬剤師会を通じて行ないます。
 年月日 会員氏名?
 支部長氏名?
 福岡県薬剤師会長殿

 支部長承認内規(案)要旨
 (支部長において適宣作成すべきもの)
 @歯薬協定処方収載医薬品を完備すること。(品目は支部で定めることができる)
 A過去において調剤拒否をしたことのあるもの、調剤報酬請求書を一度も提出したことのないもの(新規開設は除く)は承認しない
 B保険薬局であること。保険薬剤師が常時勤務していること。
 C誓約書(二部)を提出すること。
 尚十三日開かれた支部連絡協議会で検討の結果、この案をもとに各支部の実情に合せ、実施することとなり、細部については支部長に一任された。

 挾子

 ▼武見日医会長はこの程「医師の処方権の確立」について園田厚生大臣に要望書を提出したそうだが(その全文本紙掲載)それを見ると「医薬品の使用は、すべて医師の処方によるのが原則であります」とあるが、決して原則とは思われない、確かに理想的ではあるが、然し現実は絶対にそうはゆかないと思う。

 誰でも人間は自分自身の健康や病気に対し医薬品を用ゆることは勝手であり又権利と言ってもよいくらいである。そのためには直接薬局から必要な医薬品を買い求めることは一寸も差支えない、但し薬局の方が、法規によって売らないことのあるのは当然あり得ることだ。

 次に、大衆薬と称するもの(大部分が製剤である即ち処方によるものである)を製薬会社が申請することも、亦薬務局がこれを容認するかの様な方式を取るのはおかしい、と言っている。不特定多数人に対する処方が製薬会社に許される学術上の根拠はない、とも言っているが、学術上の根拠があろうがあるまいが、何等問題ではない筈、大衆薬も医薬品である以上当然法律によって手続をふみ許可を受くべきである。

 申請された処方が誰れの脳みそから処方され様と、医師であろうとあるまいと何等差支えはない筈、要は許可になるかならないかと云う問題である。医薬品になる処方が絶対医師の脳みそから現わるべきものであるかの誤解を招かす様な「処方権」の主張である。

 成程、医師が自ら診断した特定人の病気に対する処方権はその医師の確固たる権利であるが、不特定多数人に対する処方(大衆薬その他の処方など)は医師に限定されてはいない。ここに思いあがりがあり、常識の持ち合せがあるかを疑いたくなる。調剤権は殆んど完全に踏みにじられた意気地無しの薬剤師は雑貨を売って食い、一方、医師は堂々と薬を売って食っている現実を、両者共この際よくよく反省すべきであろう。(鉄棒)

 ドリンク剤及びドリンク剤類似清涼飲料水の取扱いに就て

 薬業界並に清飲会で最近特に注目している一つに、ドリンク剤とドリンク剤類似清涼飲料水とが販売上商品が具体的には如何に区別して取扱わるべきかについて、厚生省がその指導方針を発表するかがあったが、六月三日付でこれ等の取扱いについて厚生省環境衛生局食品衛生課長と同省薬務局監視課長の名により各都道府県衛生主管部(局)長宛通知があった。全文左記の通りであるが、メーカーは勿論、卸・小売業者も今後充分それ等商品及び貯蔵陳列販売などに注意すべきである。

 「通知」

 ドリンク剤及びドリンク剤類似清涼飲料水の取扱いについて
 最近、医薬品であるいわゆるドリンク剤と区別し難い清涼飲料水が市場に目立つようになってきたが、ドリンク剤との誤認による混乱を防ぐため、その取扱いについては、左記によることとしたので、この旨関係者に周知徹底するとともに、関係各課緊密な連絡のもとにこれが指導取締りについて遺憾なきを期せられたい。

 記

 一、ドリンク剤について

 1)容器包装のみやすい個所(商品名と同時に見得る個所)に12ポイント以上の大きさで「医薬品」の文字をほかの記載事項とまぎらわしくないようにして明記すること。なお、この際前記の文字は白地に赤の文字又は赤字に白若しくは黒の文字を用いること。

 (2)清涼飲料水であると誤解を招くような宣伝広告又は表示は一切行なわないこと。特に次のような広告又は表示を行なわないこと。
 @製造承認を受けた一日分の用量をこえて、反復服用することにより効果を増すと誤解されるような広告又は表示
 A渇を癒し、清涼感を得るために服用するものと誤解されるような広告又は表示

 (3)販売方法については、薬局又は医薬品販売業の許可を受けた店舗以外の場所において販売してはならないことはもちろん、薬局又は医薬品販売業の許可を受けた店舗で販売する場合においても、次の事項を厳守すること。
 @冷蔵用ショーケースを不特定多数の人の目につきやすい場所におかないこと。
 A陳列にあたって医薬品であるドリンク剤は、食品と明確に区分すること。
 B製造承認を受けた一日分の用量をこえて反復服用することにより効果を増すと誤解されるような推奨販売を行なわないこと。

 二、ドリンク剤類似清涼飲料水について

 (1)容器包装のみやすい個所(商品名と同時に見得る個所)に12ポイント以上の大きさで「清涼飲料水」又は「炭酸飲料」の文字を他の記載事項とまぎらわしくないようにして明記すること。なお、この際前記の文字は白地に青の文字又は青地に白若しくは黒の文字を用いること。

 (2)通常医薬品にのみ使用されるような成分を添加することは好ましくないこと。特にゴオウ、ジャコウ、イカリソウ、ロクジョウ等を添加しないこと。

 3)医薬品と誤解を招くような宣伝広告又は表示は一切行なわないこと。特に次のような広告又は表示を行なわないこと。
 @医薬品と誤解されるような効能・効果の広告又は表示
 A通常医薬品にのみ使用されるような成分の広告又は表示
 B通常医薬品に表示されているような用法又は用量の広告又は表示

 三、実施期日等について

 一及び二のうち広告に関する事項については、ただちに実施し、その他の事項については、昭和四十三年七月一日以降出荷するものから実施するものとする。

 ただし、すでに印刷済みのラベルを貼布して昭和四十三年十二月三十一日までに出荷される医薬品又は同様に昭和四十三年八月十九日までに出荷される清涼飲料水若しくは炭酸飲料については、一の(1)及び二の(1)のうち「医薬品」若しくは「炭酸飲料水」の文字の表示に使用すべき色に関する規定は、適用しない。

 なお、ドリンク剤とドリンク剤類似清涼飲料水とが誤認される要因として、容器包装にも問題があるので、これが改善策については検討中である。

 ヨーロッパ食べ歩き、遊びあるき 森山富江 その十一の一 ブルーの街ストックホルム

 昨夜の雨もからりと晴れて洗われたような舗道が美しい。九時四十六分、デュッセルドルフを出発コペンハーゲンまで約一時間強、雲の白い北の海を北上する。お茶の時間はオープンサンドとパイ、ルフトサンザの食事は日本人向きで楽しい。パイは美味しそうだけどどうにも胸いっぱいで失礼する。丁寧にミネラルウォーターのカンがついている。水には不自由するので何よりのプレゼント。

 コペンで三十分程待って、SK機でストックホルムへ。旅も残り少なくなった。あとストックホルムとコペンハーゲンで私たちのヨーロッパの旅も終る。長い長い旅だったが、終りが近づくにつれ大きくなってゆく寂しさは何ともなし難い。

 テヘラン、ローマと暑い南から段々北に向ふにつれ、涼しさよりも寒さを感じるこの頃、何だかもう之があたりまえで日本も秋になっているのかなと錯覚しそうだ。夢をいっぱい抱いて飛んで来た欧州だったが、食べるものの悩みと、ギッチリつまったスケヂュールに追いかけられ、時には疲労困憊、歩く事も食べることも観ることもイヤになったものだが、もう終末が近いと思ふと、切ない望郷の想いのなかに、消すべくも無く残された旅の日への愛着が強く深くもえあがる。ストックホルムの空港は中二階が全部セルフ式のレストランになっている。食欲をそそるオープンサンドがズラリ並んで思わずつばをのみこむ。

 中食はこの空港レストラン。本場のオープンサンドは四センチ角位の小サイパンにお椀一ぱい程もエビや冷肉、ハム、それに珍らしい冷製魚など新鮮な生野菜と一緒に盛りあげられ、さわやかな北ぐにの美味は、胃袋にしみわたるよう。

 飛行場からホテルまで、はじめてみる北欧の町ストックホルムはしっとりと湿った空気に包まれ、大きく近代的な建物と広やかな舗道赤レンガ色の煙突は四角く家も街も非常に直線的な感覚で新しい町づくりを感じさせるものが多い。月の内半分は雨とか…静かに降る雨は北の国のにおいを持っていた。旅装をといたホテルは最新インテリアルックとも云ふべきか、無駄のない線で構成され部屋は凄く広く中央には丸い柱がデンとあり、一夜半お手洗いにゆくのに迷い子になりそう…?(続く)

 世帯・人口数その他の変化のため 福岡県薬局等の適配条例の定数を近く改正実施か

 福岡県薬事審議会は本年度第二回を六月四日開会して薬局等の許可について審議したが、適配条例の薬局等の定数について検討の結果、実状に合せ改正することになった。

 薬局等の定数については、「適配条例」の適用地域の薬局等の定数については、「適配条例」の適用地域の薬局等の定数を定めて実際の数が定数を超えた場合、条例第三条により、以後の新設薬局等は、既設店舗から三〇〇米以上の距離がなければ配置の適正を欠くこととなっているが、現在の定数は条例施行時定められたものを昭和四十一年三月一日付改正したもので、その後主要適用地域においては世帯数、人口数が増加しており、また算定の基礎となる収入、消費支出等も上昇しているので定数改正の必要が認められるとして、作業を進めることになったものである。

 左記の昭和四十一年改正時の基礎となった四十年十月現在の世帯数及び人口と、四十三年一月現在の増加状況を比較、算出数が規定数より多い場合又は少ない場合は算出数に改正することになる。

 福岡市(40・10・1) (43・1・1)
 世帯 二〇五、六六六 二四一、〇〇八
 人口 七四九、八〇八 七九四、九三七

 北九州市
 世帯 二七一、五七七 三〇三、一一八
 人口 一〇四二、三八八 一一〇三、八七八

 久留米市
 世帯 三八、七五六 五〇、四七五
 人口 一九三、八七五 二一二、四二六

 尚左記は昭和四十三年三月三十一日現在の適用地域及び定数、現在数、余裕数である。

 ▽適用地域名
 定数 現在数 余裕数

 ▽福岡市
 四八三 四六〇 二三

 ▽北九州市
 六八三 四七一 一六七

 ▽直方市
 四〇 三四 六

 ▽飯塚市
 六三 五八 五

 ▽久留米市
 九五 一二〇 △二五

 ▽大牟田市
 一一〇 八三 二七

 ▽田川市
 四九 四六 三

 ▽柳川市
 三二 二六 六

 ▽甘木市のうち合併前の甘木町の区域
 一四 一一 三

 ▽八女市のうち合併前の福島町の区域
 一四 一一 三

 ▽筑後市のうち合併前の羽犬塚町の区域
 一一 九 二

 大川市
 三〇 二五 五

 ▽行橋市のうち合併前の行橋町の区域
 二〇 一七 三

 ▽古賀町のうち合併前の古賀町の区域
 九 六 三

 ▽芦屋町
 一〇 八 二

 ▽宮田町のうち合併前の宮田町の区域
 一八 一一 七

 ▽杷木町のうち合併前の杷木町の区域
 五 四 一

 ▽筑紫野町のうち合併前の二日市町の区域
 一四 一二 二

 ▽春日町
 一九 一二 七

 ▽前原町のうち合併前の前原町の区域
 一二 八 四

 ▽田主丸町のうち合併前の田主丸町の区域
 八 七 一

 ▽小郡町のうち合併前の小郡町の区域
 五 五 〇

 ▽大和町
 九 七 二

 ▽三橋町
 八 三 五

 ▽瀬高町
 二〇 一七 三

 ▽金田町
 七 五 二

 ▽苅田町のうち合併前の苅田町の区域
 一一 八 三

 ▽椎田町のうち合併前の椎田町の区域
 八 六 二

 ▽豊前市のうち合併前の八屋町の区域
 一〇 五 五

 ▽中間市
 二四 一一 一三

 ▽水巻町
 二〇 一〇 一〇

 ▽大野町
 一五 七 八

 ▽山田市のうち市制施行前の山田町の区域
 一八 一〇 八

 ▽志免町
 一四 六 八

 ▽福間町のうち合併前の福間町の区域
 一一 八 三

 ▽宗像町のうち合併前の東郷町及び赤間町の区域
 一一 八 三

 ▽吉井町のうち合併前の吉井町の区域
 一三 五 八

 6月27日三時から 病態生理学研修会 三共福岡支店で

 病態生理学研修会(福岡市域内、国立福岡中央病院内)の六月例会は左記により開会される。
 ▽日時 6月27日(木)午後3時〜5時
 ▽場所 福岡市下呉服町、三共福岡支店
 ▽講師 国立福岡中央病院 副院長権藤祐一医学博士
 ▽主題 「浮腫と脱水」=むくみとふとり、浮腫の症状とその原因、尿の成生、膠滲圧の低下、電解質の代謝機序、浮腫の治療、脱水の成因とその治療

 福岡地区安定協 六月例会

 福岡地区安定協議会は六月例会を十日二時から県薬会館で開会、製企会五社、家庭薬メーカーは特に要望して久光、参天、荒川ノーシン、ロートの四社、卸六社、小売五氏の委員が出席して、県安定協の報告及び各地区情況報告を行い、今回は特に家庭薬四社の出席を機に家庭薬の価格維持などについて協議検討した。

 福岡県学薬理事会

 福岡県学校薬剤師会は役員改選後の初理事会を六月十七日二時から県薬会館で開会、@実技研修会開催A県下統一事業についてB九州山口薬学大会学薬部会などについて協議、実技研修会は六月下旬から七月上旬にかけ、プール検査も兼ね、粕屋、行橋、八女、大和、飯塚の五地区で実施することとなった。

九州薬事新報 昭和43年(1968) 6月30日号

 福岡県病院薬剤師会 第13回定時総会 役員改選 堀岡会長重任

 福岡県病院薬剤師会は第13回定時総会及び講演会を六月二十三日(日)午後一時から市内第一銀行ビル三鷹ホールで開会した。

 総会は会員約八十名が出席、大橋副会長司会して清水理事の開会のあいさつの後堀岡会長は、会員四五〇名を超える大きな組織に成長したことを報告し、現下の流動する情勢報告と所感を次のように述べてあいさつとした。

 @医薬品製造承認の基本方針について
 病院薬剤師にとっては医療本来の姿に戻り、賛成であるが、一物二名称については混乱を危惧していたが医師会の猛攻撃によって延期となった。然し今後この方針が大きな流れとなろう。

 A抜本改正における分業問題について
 抜本改正の中で医・薬を分業にすべきだとの意見は各界すべてが賛成している。吾々は院内では完全技術分業を行っているが、薬剤師以外の手により行われているものは当然開局薬剤師によって行わるべきだと考える。同時に甲表乙表を一本化して技術料の適正化を図らねばならない。

 B日病薬の動き
 五千数百の会員を持つ大きな組織にもかかわらず今日迄実際は不活発であったが、今後会費も値上げして積極的活動のため、専務を置くなど事務局を強化して地方と密接な運営方針をとり抜本改正などに備えることとなった。

 C本会の今後の方針
 DIニュースで或る程度の効果ははたしているが執行部と会員の緊密化を更に厚くし、現時の情勢早期伝達や、各委員会の意見など速やかに反映させ、職能の向上を図りたい。又来る十月久留米市で開会の九州山口薬学大会にはいろいろな面で協力が願いたい。

 次に来賓の祝辞に移り、四島県薬会長は「薬業界、薬剤師会ともに用意ならぬ時期に突入、日薬は強力に医薬協業推進を打出している本来医と薬を分け各自の分野で功献する意味で協業と云っているのであって、医療の中で医と薬が渾然一体となることが協業の正しい姿と考える。保険の赤字から出発した抜本改正も、現在ではダブルチェックすることにより医療費が増加しても正しい姿になすべきだと変ってきた。日薬が推進している「受入完備」の中には、現にある保険薬局の受入れと、地域的に普辺的に保険薬局を分布することがあるわけで、病院薬剤師が従来不満であった適配条例も、その除外例(保険調剤確保のため知事が特に認めた云々)が今日生きて来た事を特に認識願いたい。

 又大病院では技術分業は完全に実施されているが現在では医局にれい属したものであり、これを同等位のものとするための法規の改正及び定員増加、給与改正など、抜本改正を公正に又薬剤師を真の医療担当者の一員とするためには政治力が特に必要である」と述べ政治意識を喚起してあいさつとし、次いで三宅副会長を議長に推して左記議事に入った。

 ▽報告事項
 (1)昭和四十二年度会務並に事業報告
 (2)第16回日本病院薬剤師会代議員会経過報告
 (3)同年度決算報告
 (4)同監査報告
 いづれも異議なく承認

 ▽審議事項
 (1)昭和四十三年度会費値上げの件
 (2)同年度事業計画案
 (3)同年度予算案

 会費値上げについては、先に日病薬会費四百円が千円に値上げされ、それに伴い、同時に本会としても従来からの繰越金も底をつき運営に支障を来たす虞れがあるため、従来の五百円を千五百円に値上げすることに決定した。

 事業計画は従来通り研修会並に特別講演会開催及びDIニュース発行の他、本年度から新たに会員と執行部を緊密化するため会報を発行することになっており、又久留米市における十月開会の九州山口薬学大会病院薬剤部長協議会宿題報告の「錠剤崩壊試験の実態調査」は二九〇種について県内十二施設において調査を実施することとなっており、既に実験を開始している旨の報告があってそれぞれ異議なく決定した。

 次に任期満了による役員改選については県下四地区から選考委員八名を選び、会長に堀岡正義氏の重任、監事に伊藤鉄郎(再)大橋研(新)の両氏を決定、その他の役員は後日会長が指名することとなった。それより講演会に移り、「合成ペニシリンの展望」と題して藤沢薬品医薬部プロダクトマネージャーの藤山朗氏の講演を約一時間に亘って聴取、それより同所において懇親パーティーを催してなごやかな一時を過した。

 七大都市学校 保健協議会 学校薬剤師部会

 第19回七大都市学校保健協議会は六月九、十の両日京都市、府医師会館で全国から約四百名の関係者が参加して盛大に開催されたが、本年度より北九州市が加って七大都市となったものである。本協議会は全体協議会に次いで八分科会に分れて開会されたが、学校薬剤師は殆んどが第七分科会(学校環境衛生と学校の受ける公害)に参加した。

 第七分科会では協議議題三題が提案され、その一つである北九州、神谷武信薬剤師から提出された「城山小学校の公害について」に対しては協議の結果「各種公害基準制定の前段階として共同して各種データを集積すること」が決議された。

 なお、引続き開催された学校医部会など八部会中、学校薬剤師部会は約五〇名が出席して開かれ次の提案事項を協議した。

 @学校薬剤師の服務活溌化について=北九州ー古賀哲弥
 A学校環境衛生測定者の設置要望について=大阪―細部新一郎
 B学校環境衛生基準の不備是正について=名古屋―尾木茂
 C学校の給食用食品に使用される食品添加物についての要望=横浜ー高松和幸
 D学校環境衛生検査器具の整備充実、補修及び検査のための充分な予算計上を教員に要望する=東京ー小島末太

 分業と薬剤費 野上東大教授 研究補助費申請

 厚生省は、医療保障の向上改善に関する研究課題に属するもので、医薬分業の普及度と薬剤費の関係を求め今後の制度運営の資料とする目的で、長野県上田市の全医療機関について総医療費、使用薬剤費、処方箋発行枚数、調剤報酬総額の調査集計並に実態調査を行い、全国の数値との比較検討と解析を実施することにしているが、この程東大薬学部野上寿教授は「保険医制度下に於ける医薬分業の普及度と薬剤費との関係について」をテーマに昭和四十三年度厚生科学研究補助金の交付申請を行った。実施には野上氏が主任研究者となり桜井喜一(日薬副会長、横浜市大薬局長)ら七氏の他上田市在住の県薬理事二名も加わることになっている。

 福岡県女子薬総会 役員改選全員重任

 福岡県女子薬剤師会は六月十九日(日)十時から、市内山之内製薬福岡支店会議室で約六十名の会員出席のもとに本年度総会を開会、四十二年度会務並に決算報告、四十三年度事業計画並に予算決定役員改選などを行った。

 総会は石井理事の司会により、森山副会長の開会あいさつに次いで田中副会長の会長あいさつがあり、来賓として知事に代って臨席した亀井知事夫人、四島県薬会長、県歯科医師会長(代)の祝辞があって、佐藤氏を議長に推して議事に入った。

 四十二年度会務報告を森山副会長、同会計報告(決算四五二、六一四円))を清水理事からそれぞれ説明、異議なく承認、四十三年度事業計画、予算案は執行部原案通り決定し、任期満了による役員改選は、今秋十月本県薬担当で九州山口薬学大会が開会されることもあって、全役員の重任を決定した。

 尚四島県薬会長は祝辞の中で現在わが業界をめぐる諸問題について解説後、会員の要望、質問などを受けたが、「地区によっては一般販売業の開設が多く、分業受入れに支障をきたすおそれがあるが?この点規制の動きはないか」など仲々意欲的な発言が多かった。それより同所において森山副会長が昨年八月ヨーロッパ旅行のスライドを映写、同氏の説明を聞いてなごやかな一時を過して二時半閉会した。

 ヨーロッパ食べ歩き、遊びあるき 森山富江 その十一の二 ブルーの街 ストックホルム

 翌朝九時半からの観光がガイドさんの連絡がわるく、十一時になってしまった。韓国の女の人だが日本語が弱いらしく、時々おかしなアクセントになる。

 スウェーデンの社会保障制度が完璧なのは周知の事だが子供が生れると毎月約九百クローナの補助があり、養老年金は約五千クローナときいて思はず嘆息する。因みに一クローナは約七十円なり。然し物価は世界一高いとボヤイていたが、月収平均十三万ときけば、其の生活程度も凡そ想像出来よう。貴重な時間を二時間近く無駄にしてしまったので観光は走足!

 メラレン湖に面するシティホールはストックホルムのレセプションホールとも云ふべきものだろう。入口の金髪美人に先ず驚かされる。意地悪な日本の庁舎の案内受付係とちがって輝くようなブロンドに茶色の瞳がニコヤカに会釈する。みとれて要りもしない絵ハガキやスライドをひねくっている男性諸侯!誰も負けずに鼻の下は長いらしい。スウェーデンは水晶の多い処らしく、シャンデリヤは淡いピンクや紫や輝く白の素晴らしく大きい水晶の粒で飾られている。

 純金のモザイクのほどこされたホールではなでるやらさするやら、会議室なども王家の一室のように豪華荘重な装いをこらし、夫々にいわくのある調度品がおかれ日本では想像することも出来ない優雅なシティホールだった。王宮の衛兵交代を丁度運よく見ることが出来たが、藍色の制服に白い鉄カブト、まことに粗朴な交代劇はバッキンガムの華麗さと良き対照、藍地に黄十字の国旗のように簡潔きわまるものだった。ストックホルムのパンテオンとも云ふべきリツダホルム協会もほんのかすめるような速さで観光……

 四時からの自由な時間、私達はメトロで街の中心へ出かけた。丁度九月一日から交通法規が改正され右側通行になった町は軍人や市民の有志者がお巡りさんと一緒に整理にあたっていたが何のためらいもない人々の流れは、少しの不自然さも感じさせず、後で説明をきいてはじめて知ったくらいだった。

 ノーベル賞の受賞が行われるコニザートホール、カールミルスの噴水が其の栄光を飾るかのよう、ホールの前は広場になっていて、花と果物と野菜の市場!モザイック風に敷かれた広場の石畳にこぼれるような花の色と目を奪ふオレンヂの黄!それはうすら寒く曇った空の下で生き物のように鮮やかに私の心に灼きつけられた。

 夏の帽子を被りうす汚れたレンコートを着、大きな袋をさげたおかしな日本人がキョロキョロし乍ら歩いても此処では誰も意識しない。意識されないと云ふことの解放感!それは素晴らしい自由だ!旅の間、自由な酸素を吸ってきたことは何物にもまさる倖せだったように思ふ。長いホットドックの列に並び熱いのを紙に包んでもらってフウフウやりながら歩く。小サクて軟らかいパンとデッカイデッカイ、ソーセージ辛子が利いたホットドクは素敵においしい。ツンと鼻にぬける辛子がからかったのか、故里のおでんの味をフツと思い出したのか?うっすらたまった泪をこっそりぬぐい、仰いだ空は私の心のように……少しばかりぬれていた。(続く)

 福岡県医薬品商組理事会 新理事長に白木太四郎氏

 福岡県医薬品小売商業組合はさきに総代会を開いて役員改選を行い、各ブロックから理事を選出したが、その後白木太四郎氏を理事長に選出、六月二十一日一時半から県薬会館で新役員による初理事会を開会した。

 当日は理事三〇名中二四名出席、先ず須原副理事長から、総会後の白木理事長選出などの経過報告があり、次いで鶴田前理事長から辞任のあいさつ後、@医薬全商連の役員は白木新理事長に引続いたことA飯塚橋薬局の裁判についてB調整規格の申請についてなど経過報告があり、次に白木理事長は、前に理事長を勤めたことがあったことから推せんされたが、現在業界の最も困難な、重大な時期であるので、薬剤師会と一体となって一生懸命にやりたい。不徳、行過ぎの点などあると思うが、今後皆さんのご指導ご協力をお願いしたい。と述べてあいさつ。

 引続き役員の業務分担(専務理事、会計理事などの選出)に移り、正副理事長一任となり別室で選考、その結果は左記の通り決定した。

 次に白木理事長から医薬品の再販についての陳情書(三回目)が小売業者として、全商連、全国薬種商協会、東京薬協組の連名で提出したとの報告があり、次に現在福岡県で問題となっている「都市計画で適配条例の除外規定に当たる店舗が、スーパー内に薬局を開設する件」については、その実情が必然的と計画的とでは実質的事情がまったく違ってくるが、今回は福岡県としては初のケースであるので、その成り行きについては充分注意することとなった。

 左記

 ▽理事長 白木太四郎
 ▽副理事長 須原勇助(福岡)大島猛夫(北九州)本松茂晴(筑豊)中村若市(筑後)
 ▽専務理事 藤野義彦(福岡)
 ▽常務理事 山手陽一、西森基泰、大隈次郎(以上福岡)松島雄、井上浩一(以上北九州)飯野敏夫(筑豊)大村清(筑後)
 ▽理事 吉松正記、岩崎順一、庄野道徳(福岡)福田忠吾、岩橋雅夫、藤井幸男、大坪外洋夫、芳野直行、土師正人、松本明夫(以上北九州)吉柳富雄、臼井博、松村精一(以上筑豊)花田春策、手島敏章、中村英貫、古賀常吉、原美喜夫(以上筑後)
 ▽監事 的場長紀(筑豊)杉山隆保(北九州)岡野辛一郎(筑後)斉田和夫(福岡)
 ▽顧問 四島久、古賀治、鶴田喜代次、深田徳治郎