通 史 昭和43年(1968) 日薬−県薬−市薬
九州薬事新報 昭和43年(1968) 5月10日号

 福岡県医薬品小売商業組合 第12回総代会 役員改選・正副理事長決定せず

 福岡県医薬品小売商業組合(鶴田喜代次理事長)は、四月二十七日十時半から福岡市、田辺製薬福岡支店会議室で、第12回総代会を開会、昭和四十二年度事業報告並に決算認定の件、四十三年度事業計画並に賦課金決定の件及び新年度予算、任期満了による役員改選などを行った。

 総代会は定刻より大分遅れ西森専務理事司会して開会、鶴田理事長は、薬業界はこれまでにない困難な時期に突入した、と業界をめぐる諸問題について詳細な説明を述べ今後商組としては調整事業だけでなく、積極的な前向きの姿勢で取組む必要がある旨のあいさつをなし、それより工藤益夫氏を議長に選出、直に左記議事に入った。

 報告第一号 昭和四十二年度業務並に事業報告
 西森専務が報告、事業は四十一年度から県内四ブロック毎に行うこととなっているので、各地区毎の事業報告を各ブロック長からそれぞれ報告が行われ、種々質問があって承認。
 報告第二号 組合員数報告
 昭和四十三年三月末日現在組合員数一、一五一名で前年通りである。
 議案第一号 昭和四十二年度収入支出決算認定の件
 須原副理事長から詳細な報告並に陣内監事の監査報告があって一、〇六八、九八九円決算を原案通り承認決定。
 議案二号 昭和四十三年度事業計画決定の件
 西森専務から説明があって原案通り決定。
 議案第三号 同年度賦課金決定の件
 議案第四号 同年度収入支出予算決定の件
 三、四号を一括上提、賦課金として福岡地区三〇万、筑豊地区一五万については、組合員数割によれば、若干のずれがある点の指摘があったが、新年度改めて組合員の正確な員数を把握することとして、四十三年度は原案通りの金額を承認決定した。

 議案第五号 調整規程継続申請承認の件
 については鶴田理事長説明近来薬業界の諸情勢の変化により認可には困難な面もあると思われるが、全国商組と同一歩調で一応継続申請することを承認した。次に任期満了による役員選出に移り、規約による理事二五名〜三〇名、監事三名〜四名の選出については、理事を三〇名、監事を四名選出することを決め、監事は四ブロックから一名宛、理事は組合員数割により福岡九、北九州九、筑後七、筑豊五、計三〇名を各ブロック毎に選考し、左記の通り理事及び監事を決定した。

 ▽理事
 福岡=西森、須原、吉松、白木、大隈、山手、藤野(義彦)岩崎、庄野(道徳)
 北九州=福田、岩橋、松島、藤井、大坪、井上、芳野、門司、松本
 筑後=中村、大村、花田、手島、中村(英貫)(大牟田理事長)
 筑豊=本松、飯野、吉柳、臼井(一名未定)

 ▽監事=的場(筑豊)杉山(北九州)岡野幸一郎(筑後)斉田(福岡)

 それより新理事中最年長の吉柳氏のあいさつがあり、松島副理事長の閉会の辞によって総代会を二時半終了した。それより引続き同所において新理事による第一回理事会が開かれ、規約により理事長の互選に移り、最年長の吉柳氏が仮議長となって各ブロックから二名宛の選考委員を選出し、選考の結果、須原勇助氏を推したが、須原氏が辞退承諾しないため当日はそのまま解散、後日改めて選出することになる模様である。

 大牟田市学校薬剤師会総会 並設置三十周年記念式典

 大牟田市学校薬剤師会に於いては風薫る四月廿七日(土)午前十時から市内中島町通天閣に於いて総会並に記念式典を挙行した。

 第一部総会に於いては早川会長の第一回学術大会並に日薬創立七十五年式典参列報告及び河原畑副会長の県学薬総会並に伝達講習会出席報告があり、続いて昭和四十二年度会務並に事業報告が行われた。尚付議事項としては、
 一、昭和四十二年度歳入歳出決議承認の件
 二、昭和四十三年度事業計画決定の件
 三、昭和四十三年度歳入歳出予算決定の件
 以上何れも原案通り可決。

 又役員改選に当っては早川、河原畑両氏の再選となり、理事には中村、古賀(武)岡、砥上、水町、以上五氏が其後正副会長の話合に依っ決定した。

 引続き、第二部学薬設置三十周年記念式典が左記次第に依っ中村理事の司会の下に挙行された。
 一、会長開式の言葉
 二、表彰
 設置並に普及功労者として、古賀常吉氏 楢尾勇氏 早川政雄氏
 以上三氏にそれぞれ表彰状と記念品が贈られた。
 三、記念品贈呈
 現会員全員に贈呈
 四、受彰者代表の謝辞
 古賀常吉氏
 五、万歳三唱
 楢尾氏音頭
 六、閉会の言葉

 因に早川会長の開式の言葉は次のような一連の追想記でもあった。

 ▽昭和十二年九月突如として大牟田市内に発生しました二千人に近い爆発赤痢患者の中には児童生徒の数も夥しく誠に言語に絶するものがありました。斯様な緊急事態に当って、伝染病対策に必要な消毒剤の使用法についての専問的指導者も無いままに、当時市会議員の現職にあった古賀常吉先生は学校備付医薬品の管理指導者として学校薬剤師の必要性を説かれ、その翌年小、中校二十五校に六名の学校薬剤師が市長の任命に依っ発足したのであります。

 当時の手当は多分年間二十五円だったと記憶して居りますが、設置と同時に手当が有給化したのは恐らく全国に於いても稀に見るケースだったと思います。併し当時は学業の職務は法的には勿論、教育施行規則の中にもなく、云はば手さぐり式状態の中で古賀、楢尾両先生を先頭に只管薬事衛生指導に没頭したのであります。

 戦時中は医薬品欠乏対策として各学校調査の上、手持品の譲渡交換に力を致し、戦後は体温計や衛生材料等の整備に奔走したこともありました。その後日本も敗戦から立上り、学校衛生会も二十五年の名古屋大会を最后に学校保健会に改組され次いで昭和三十六年には学薬待望の完全必置制が実現したのであります。

 その間我が大牟田市学校薬剤師会は常に第一戦に立って活躍しました。こうした三十年の歴史を顧みながら今茲に大先輩や現会員の方々と記念式典を挙行する事は私として感激一入深いものを覚ゆるのであります。どうか今後も学校医・学校歯科医の諸先生方と相携えて学校保健の向上に励み、以て薬剤師職能の高揚に努めて下さい、それが学校薬剤師として武田日薬会長の御趣旨の一端に添うのでないかと思います。以上粗辞ではありますが式典の御挨拶にかえさしていただきます。

 第三部懇親会
 恒例による薬剤師会との合同懇親会は、午后六時から同所に於いて十数名の来賓を招いて行われた。中村、早川両会長のあいさつに次いで、来賓の祝辞が述べられ、又武田日薬会長外数点の祝電披露を終って直ちに祝宴に移ったが、盃の動きが忙しくなるにつれ、唄に踊りに何時しか春の夜のひと時両会の発展を祝福しながら盛況の裡に過ぎて行った。

 尚学薬設置三十周年記念品は広く喜びを分つ為に、学薬会員の外薬剤師会総会出席者並に来賓の総てに贈られた。

 福岡県薬主催 第九回臨床薬理学講座 5月18日1時から

 福岡県薬剤師会主催の第九回臨床薬理学講座は左記により開講される。
 ▽とき 五月十八日(土) 午後一時〜五時
 ▽ところ 福岡市呉服町三の一五、田辺製薬福岡支店五階ホール
▽課目及び講師  第18講座(1時15分〜三時)=「駆梅薬の使い方と注意点」(性病の最近の動向、梅毒の病理、薬物療法と血清反応)国立小倉病院皮膚科医博幸田弘氏
 第19講座(3時15分〜5時)=「抗結核薬の使い方と注意点」(肺結核最近の動向、肺結核の病理、空洞の種類と薬物療法の関係、併用療用)八幡製鉄所病院内科医博天本英世氏 なお、受講料五〇〇円(当日受付に納付のこと)駆梅薬比較対照一覧表、抗結核薬比較対照一覧表、スルフアミン剤比較対照一覧表を贈与。

 福岡県 尾崎薬務課長 退職

 福岡県衛生部薬務課長尾崎松尾氏は四月三十一日付退職され、その後任には、新課長が決定するまで暫定的に、衛生部次長岩下泉氏が薬務課長事務取扱いとして兼任することになった。

 福岡県薬事審議会 承認二、許可報告一三

 福岡県本年第一回薬事審議会が四月十七日開会されたが、薬局等の許可について知事から意見を求められた四件の中次記二件承認、二件保留となった。

 ▼許可承認
 ▽堤薬店(一般販売業)北九州市八幡区祇園町、申請者=堤正敏、管理薬剤師=申請者自身
 ▽いのうえ薬品(一般販売業)北九州市門司区大里別院四丁目、申請者=井上昌子、管理薬剤師=申請者自身

 運営規定第四条第二項の規定により既に許可済みの薬局等は次の十三件である。

 ▼薬局四=博商薬局金山団地店(福岡市七隈牟田田)開設者-株誌、(代)木村修次、管理薬剤師吉村洋子(福岡市渡辺通三丁目)許可―2月14日▽宮崎薬局白川橋支店(大牟田市白川)開設者-宮崎浩光、管理薬剤師-松尾禎子、許可―3月7日▽正山町薬局(大牟田市正山町三池商事販売所内)開設者-有限K翠松堂薬局(代)木下繁、管理薬剤師-木下弘国(大牟田市通町一丁目)許可―3月28日▽薬局なかはら(北九州市八幡区清納町一丁目)開設者-中原敏之、管理薬剤師-久家衵子(小倉区中原都町)許可―4月1日

 ▼一般販売業四=大西薬局(北九州市小倉区三郎丸二丁目)開設者-大西玲子、管理薬剤師-井手洋子(宗像郡宗像町陸厳寺)許可―2月5日▽北崎薬店(福岡市西浦)開設者-淀川正基、管理薬剤師-申請者自身、許可―3月1日▽天山産業梶i福岡市比恵新町)開設者-(代)犬山英敏、管理薬剤師-向一(福岡市野間新町)許可―3月7日▽鈴木薬品和白店(福岡市下和白平原)開設者-鈴木田鶴、管理薬剤師-細野直子(福岡市今川)許可―4月1日

 ▼業種商販売業五=松本薬店(柳川市奥洲町)開設者-松本馨(女)、許可―2月5日▽蒲船津薬店(山門郡三橋町蒲船津)開設者-永江ツイ、許可―2月5日▽三浦啓、許可-2月14日▽市ノ瀬薬品(北九州市八幡区上津役市ノ瀬)開設者-綱田晟、許可―3月1日

 第13回福岡市学薬会 定時総会 正副会長留任

 第13回福岡市学校薬剤師会定時総会は四月二十四日午前十時から三鷹ホールで市薬剤師会総会に先立って開会された。

 内田会長のあいさつの後、来賓友納県学薬会長、市教育委員会学校保健会委員長、久保田市議会議員などの祝辞があって直ちに左記議事に入った。

 ▽昭和四十二年度会務並に事業報告▽同年度決算認定の件▽四十三年度事業計画並に予算、会費決定の件を原案通り承認決定した。次いで任期気満了による役員改選に移り、会長一名副会長二名は留任と決定、県学校薬剤師会評議員四名は左記四氏に決定した。

 ▽会長 内田数彦
 ▽副会長 柴田伊津郎 馬場正守
 ▽評議員 土肥善衛、杉本好子、原口静、野口美香子

 尚当日の総会で冨永氏は次の様な三問題を提案した。

 @ 市薬四一三名の会員中市学薬会員は六八名で一三七校を受持っているが、一人一校担当にすれば約倍の会員数となる。この方が望ましい。

 A 学薬会員は実動した上会費を出しているので、市薬から学薬への補助金は当然もっと出してしかるべきだ。

 B 先に糸島で集団赤痢が発生したがおそらく養護教諭がいないであろう。学校保健法で十二学級以下の学校には置けないとなっているが、山間へき地の学校程環境が悪いから必要である。

 何れももっともな問題ではあるが仲々実現はむづかしい。然しAの市薬剤師会からの補助金増額については、午後開会の市薬総会で修正の上、在る程度増額されることとなった。

 薬界短信

 ◆福岡県薬調剤技術委=5月9日三時から九大病院薬剤部図書室で開会
 @本委員会本年度の方針
 A九州山口薬学会準備打合せ、その他

 ◆九州各県薬務主管課長と県薬会長の合同協議会=5月16日別府市南立石杉の井ホテルで開催する。
 @分業推進について
 A薬学大会について、其他

 福岡県安定協 四月例会

 福岡県安定協議会四月例会は定例日の二十五日一時半から県薬会館で開会した。先ず三月末日締切った昭和四十二年度収支決算を小売側から報告して異議なく承認。各地区情況報告では、北九州の和光堂製品を除くミルクの乱れについて報告があったが、これは各地でも問題になりつつあるので、近く九州各県薬商組理事長会を検討することにしたいと鶴田県商理事長から発言があった。

 筑豊地区では、さきに裁判にまで発展した飯塚橋薬局(開局者浅野嘉人氏)が浅野薬局名で二重価格のチラシを配布したとの報告があった。次に疑装ドリンク剤について、薬系の間口を広げる意味で、薬業者にも流れるパイプを考慮するようメーカーに要望したい旨の小売側からの発言に対しては、全国的な要望となって中央で接渉せねば地方では解決出来ない問題であろうとの見解におちついた。

 当日、卸側の出席が悪く、唯一社のみであったため、今後このようなことがないよう卸側に申し入れることになった。なお来月開会日は二十四日とすることを決めた。
小西生薬 純良和漢薬・粉末薬品 大阪北区山崎町17 小西正商店

九州薬事新報 昭和43年(1968) 5月20日号

 福岡県薬薬局委社保委合同委員会 両委員会正副委員長選出

 福岡県薬剤師会薬局委員会並に社会保険委員会は、県薬から左記諮問を受け、五月九日一時から、県薬会館で両委合同委員会を開会、@九州山口薬学大会開局部会についてA日薬制定保険薬局標識使用規定についてB両委員会委員長選出などについて検討した。

 @については、時期的にも日薬が最重点事業としている医薬協業問題を中心に盛りあげるための具体案について検討。

 Aについては、関係各界が分業にすべきだとしている中で、医師会のみが受入態勢の不備を理由に反対している現況である。日薬では指定薬局を設けて指導するとの意味から標識を制定したが、これを掲げるについては物心両面の受入態勢の完備したもの、或は完備し得るもの、現時点では少くとも歯科協定の分だけは完備したもの、過去に調剤した実績があるもの等に限定すべきだとの意見が多いが、然し地区的に差があり、意欲があっても実績がない処もあるので、細部については支部長に任せることが望ましいとの意見もあった。

 標識を掲げるに当って誓約書を出すことについては意見の一致をみた。その内容については今後検討するが、@調剤拒否しないことA会を通じて保険調剤請求するB医療機関としての品位を保つ、などが盛られることになる模様である。

 付議に両委員会の委員長選出はそれぞれ互選の結果、左記の通り決定した。
 ▽薬局委員会
 委員長 神谷武信氏
 副委員長 荒巻善之助氏
 ▽社会保険委員会
 委員長 藤田胖氏
 副委員長 園田福一氏
 それより社保委員会は、各地区歯科医師会並に薬剤師会合同研修会開催の促進及び本年度保険調剤目標などについて協議した。

 福岡県薬卸協 本年度総会 鶴原会長重任

 福岡県医薬品卸業協会は五月二日福岡市内「エスキモー」で本年度総会を開会、県下の卸業者二十社が出席して議案審議を行い、役員改選では、会長並に会計は重任となり、役員は次の通りである。

 ▽会長=鶴原薬品樺゚原六郎
 ▽会計=潟zクヨ-山地農
 ▽副会長(ブロック長)=吉村重吾(北九州)木瀬克己(福岡)良永精一(筑後)松井博(筑豊)

 尚九州卸連合会長大黒清太郎氏は去月開会した総会において、健康上の理由から会長の任を辞退したため、その後任に叶口屋副社長の渡辺荒次郎氏を満場一致で推せんしたが、本人欠席、会則変更の必要などのため、来る二十一日再度総会を開いて最終的決定をなすことになった。

 八幡薬剤師会 第七回通常総会 市功労賞で十名表彰される

 社団法人八幡薬剤師会館で会員五十余名が出席して開会した。

 当日来賓として出席した四島県薬会長は、医薬分業をめぐる諸情勢を詳細に述べ県薬としても四十三年度は日薬の基本方針に即応して受入態勢の完全実施を目標に強力に推進するが、去る三月創立五十周年を迎え、他支部に卒先して常に指導的立場にある本会に期待する旨のあいさつを述べ、それより岩崎氏を議長に推して議事に入り、日薬代議員会並に県薬代議員会報告、四十二年度事業報告及び決算、予算、事業計画など原案通り決定した。尚任期満了による県薬代議員の改選は後日行うことになった。

 尚去る四月二十六日北九州市から社会福祉に貢献した功績により左記同会会員十名に対して谷市長から北九州市功労賞が贈られた。

 青柳正身、三渕正敏、神谷武信、岩崎寿、梶原敬史、大木野与助、石松広彦、富永久子、坂本規矩郎、木本大

 浮羽郡歯・薬合同 歯科薬物学 講演会

 福岡県浮羽郡薬剤師会と歯科医師会主催の「歯・薬合同歯科薬物学講演会」が第一製薬後援のもとに5月6日二時半から吉井町若竹に於て開会した。内容は

 1)顎関節炎と消炎剤について=九大歯学部、中冨憲次郎講師
 (2)@日歯、日薬、歯科協定処方成立の経緯と保険処方箋発行上の注意事項について=福岡県薬理事、中村里実氏A質疑応答

 当日の出席は良好で薬剤師九名(会員12名)歯科医師20名(会員25名)計29名であった。後援終了後同所で歯・薬合同の懇親会が和やかに催された。

 福岡市薬 改選後初の部会長会

 福岡市薬剤師会はさきに県薬剤師会から分業促進のモデル地区に選ばれ、その後医師会、歯科医師会との懇談を重ね、備蓄センターも設置発足したが、去る二十四日の総会で、分業促進対策の面から、部会長は会長の委嘱による保険薬局であることが望ましいとの要望にこたえ、又歯科医師会と末端部会毎の懇談会も緊急に必要であるため、五月七日二時から県薬会館で改選後初の部会長会を開会。

 @福岡市薬の分業促進対策について

 A備蓄薬品について

 B日薬制定保険薬局標識についてなどを協議検討した。

 5月29日三時から 病態生理学研修会 三共福岡支店で

 病態生理学研修会(福岡市城内、国立福岡中央病院内)の五月例会は左記により開会する。
 ▽日時 5月29日(水)午後3時〜5時
 ▽場所 福岡市下呉服町、三共福岡支店
 ▽講師 国立福岡中央病院副院長医博 権藤祐一氏
 ▽主題 「どうきと息切れ」=循環器、特に心臓の解剖と作用、心電図の基礎理論とその読み方、心疾患の種々相、息切れの原因と関連疾患、その他

 福岡地区安定協 五月例会

 福岡地区安定協議会は十日二時から県薬会館で開会、西森委員から県安定協議会報告並に去る二日、市内姪浜薬局の半額セールチラシの件、又これに伴い有名制度品の二割引販売を重視して開かれた臨時地区安定協開催について報告があり、次いで情報交換

 支部別保険調剤調査票 昭和43年3月分 福岡県薬剤師会

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九州薬事新報 昭和43年(1968) 5月30日号

 分業推進その他 九州各県薬務課長県薬会長合同協議会

 九州山口薬剤師会は五月十六日厚生省主催九州麻薬取締協議会出席のため参集の九州各県薬務主管課長と各県薬会長との合同協議会を、別府市杉の井ホテルで午前十一時から開催、分業推進、九州山口薬学大会などについて親しく協議した。

 当日の出席は、大庭(福岡)白水(佐賀)南田(熊本)中村(長崎)竹井(鹿児島)飯牟礼(宮崎)山田(大分)の各県課長及び四島(福岡)武田(佐賀)下田(熊本副)山村(鹿児島)瓜生田(大分)の各県薬会長(長崎、宮崎、山口は欠)であった。

 開会先ず四島九州山口薬剤師会長は本協議会開会の趣旨を説明してあいさつとし、引続き協議に入ったが、同氏より中央情勢、特に厚生省及び日本薬剤師会の最近の動き、考え方などについて詳細な報告があり、特に厚生省は分業推進の具体策について日薬と緊密な連絡のもとに進めており、又厚生省は医療合理化を五年計画で、日薬は完全分業を目標に三年計画で作業を推進している旨を述べ、なお引続き同氏は、「日薬としては本年十二月迄に受入れ態勢(物心両面)の完備を目標に保険薬局の指導を行うこととしているが、現保険薬局が立派な、信頼される医療担当者となるために、各自の自覚、研さんは勿論であるが、各県薬務課長の協力に負う処が多い」として十二分の協力を要望した。

 これに対し各県課長は、厚生省においてもその方針であるが、具体的にどのような協力をするか今後ケースバイケースで考え、基本線に沿って指導したい旨の意見が述べられた。

 本会は引続き(1)九州山口薬剤師会について@代表者の補充A本会負担金各県薬の拠出予定(2)第36回九州山口薬学大会について@開催日程及び会場割当A提出議案(七月〆切)B表彰等の候補(七月〆切)C研究発表(七月二十日申込〆切、八月二十日原稿〆切)D参加人員の各県割当E大会運営委員会等のあり方F沖縄台湾招待についてG衛生検査技師法改正反対陳情についてなどを協議懇談した。

 厚生省主催 九州麻薬取締協議会 九重高原で開会

 厚生省主催九州麻薬取締協議会は五月十五日、大分県九重町長者原コスモス荘において九州各県から薬務主管課長が出席、厚生省から長浜麻薬第二課長が出席して開会された。尚翌十六日午後は別府市杉の井ホテルにおいて本年度九州麻薬協会総会が開会され、九州各県課長一同は来賓として同会に臨席した。

 福岡県薬支部連絡協議会 並政治連盟評議員会

 福岡県薬剤師会は、第一四八回理事会、第一三九回支部連絡協議会並に薬剤師政治連盟評議員会を五月二十二日県薬剤師会館で開会した。

 理事会は午前十一時から、支部連絡協議会は午後二時から工藤専務理事の司会で開会、役員の補充(県薬務課田中美代氏を参与に決定)、業務分担、支部長の更迭など報告後、四島会長から中央並に九州の情勢及び本県分業推進の基本方針等について詳細な説明があった。

 本県医薬協業推進方針は既に先進支部では実行に移っているが、委員会等によって検討した基本方針を具体的に印刷して近く各支部に配布することになっており、これに関連した薬局標識についても誓約書その他、地域実情を勘案して或る程度の条件をつけ、受入完備の一助とすることとなった。

 又各地で開催している歯・薬合同の歯科薬物研習会も、満岡参議選を機会に末端まで実施(未開催支部七支部)して歯薬協調の面を深めることとし、又受入完備のための調剤技術研習も地区毎に病院薬剤師との連携のもとに進めるよう支部長に要望した。

 尚本県の四三年度保険調剤の目標は大体左記の通りとする。( )内は本年三月請求分
 ▽取扱薬局数=五百軒(三八三)
 ▽処方せん件数=二万件(一〇、九六〇)
 ▽発行一般医数=二百五十名(一三四)
 ▽発行歯科医数=千名(八五一)
 ▽請求金額 千五百万円(約七百九一万円)

 次に薬学大会準備については工藤専務理事から経過報告があり、特別協力費については各支部会員数(勤務者も含む)×千円の80%(納入割当額)を八月中に納入することとなった。

 次に▽衛生検査技師法改正反対の経緯報告▽薬務課長更迭について▽対ガン協会理事に堀岡副会長を推せん▽六月一日四時龍鳳で薬業界主催県薬務課長歓送迎会開催▽FDAが警告したクロラムフェニコール副作用問題に関連して要指示薬品の取締が強化されるので取扱いに十分注意すべきことなどが報告された。

 尚当日は質疑応答も盛んに行われ、飯塚支部からは、又々歯科医師への某メーカーの抗性物質一括納入により処方せん発行が激減したことが報告された。以上にて支部連絡協議会を終え引続き四時から県薬政治連盟評議員会開会した。

 政治連盟評議員会

 開会先ず四島会長は、来る七月の参議員選挙には全国区の満岡文太郎氏を歯・薬協調の線から吾々の代表として国会に送り医療制度抜本改正に対処したいと述べ、県薬自体で二万票は確実に獲得するため得票割当表により努力するよう要望した。引続き四二年度同連盟決算報告並に監査報告があって異議なく承認した。

 ヨーロッパ 食べ歩き、遊びあるき 森山富江 その十の一 ドイツをゆく

 パリ発十五時五分のルフトハンザ機がパリ空港をあとにして、二十分も経ったろうか、ティータイムのサービスがそろそろはじまろうとした時突然浮力を失ったように機が急下降する。今日はゆれがひどいなと思い乍らおしぼりを使っていたが、棚からガチャーンと食器の落ちる音に一瞬、からだ中の血がスッとなくなったようで思わず目をつぶった。

 空に弱い旦那様が今日に限って薬をのまずに乗ったのに、皮肉にも旅行中最大の大ゆれで、手に汗を握っていたのが、観念したとたん神経が正調をとりもどし、フランクフルトの空港に着いた時は他の者は気分が悪くなったり憂うつなのに一人ケロリとしている。命をとりとめた思いで其の夜の夕食はとりわけ美味しかったようだ。

 ドイツの料理は国民性なのか実質的にうまく作られていたようだ。何時ものようにテーブルにパンの篭もなくパン皿もないが大鉢に高々と盛りあげられた馬鈴薯がフックラと如何にも食慾をそそる。肉の皿にとっておいしいソースをつけ乍らたべる味は格別。

 ウェーターは日本語のカタコトをはなせるのが多く、お給仕をしながらも、チョットマッテネ!アリガトウなど愛敬たっぷり。お水を頼むとオヒヤネと云われてこちらの方が面喰ってしまった。

 食後ロビーにテレビが置いてあるのが珍しくスイッチを入れるが映らない。するとボーイがエンジニヤを連れてくると云って引張ってきたのがコック長で彼がチョッとひねると映像が出てきた。何か教育番組みたいで日本のように楽しい観物がある様子でもなく彼等もさして興味を示す風でもない。今度の旅では何処もホテルはファーストクラスだったが然し何処のホテルにもテレビは無かった。一部屋ごとにテレビや冷蔵庫のおいてある日本のホテルと果してどちらが文化的なのか、まさに?だ(続)