通 史 昭和42年(1967) 日薬−県薬−市薬
九州薬事新報 昭和42年(1967) 6月10日号

 福岡県薬理事会・支部連絡協議会 並県薬政治連盟評議員会

 福岡県薬剤師会では三月の代議員会後、初の理事会並に支部連絡協議会を六月二日県薬会館で開会、主として中央情勢報告、県薬の立場での分業推進について、及び引続き開会の県薬剤師政治連盟評議員会では連盟え移行後の予算などについて協議した。

 ◆理事会

 第一三九回理事会は午前十時半から開会、理事辞任の申出(筑豊地区担当側島希允氏、勤務部担当林真一氏、小倉地区担当谷口卓氏)につき検討した結果、先れも申出を受理、その後任として佐治八郎(筑豊)瀬尾義彦(勤務)藤井幸男(小倉)三氏の新任を決定した。その他中央情勢報告本年度事業推進について(分業推進、臨床薬理学講座、会員名簿作成、開局者のDI活動への参画などにつき協議した。

 ◆支部連絡協議会

 第一三二回支部連絡協議会は午後二時から開会、四月は選挙、五月は中央問題等で本会の開会が遅れたのであるが、本日はその後の中央情勢報告、本年度の事業推進などについて協議したい旨の四島会長のあいさつがあって直ちに議事に入った。

 ▽理事の更迭と新支部長の紹介
 午前中開会の理事会で決定した新理事並に各支部の役員改選などによる左記四支部の新支部長の紹介があった。
 古賀国彦(糸島)大坪啓次(柳川大川)青柳正身(八幡)杉山官(門司)

 ▽中央情勢については左記一括して詳細な報告があった。
 @分業実施対策について五月十一日日薬分業実施対策小委員会が開かれ、先づ対内指導として、従来保険調剤の活発な県と不活発な県とがあったが、現在では大体足並みが揃いつつある。今後これを如何にのばすか(根本的には医師の技術料が保険法改正により確立されねば仲々むつかしい)実例を参考に、特に若い医師層の啓蒙に小冊子を作成及び保険薬局のPRには標識、ネームプレート等の作成の準備をすすめている。又現在では第三者の分業論は医師の医薬品乱費に対する一般の不信からきた分業論と云えるが、吾々としてはこれを高度に利用すべきで歯科医師会との分業のつながりは(現在の三倍の処方箋獲得が可能とされている)一般国民に対し分業の習慣をつけるためにも今後増々積極的に推進し、これの妨たげとなっているメーカー、卸などの歯科医師への抗生物質等の押込みについては日薬でも対処することになっている。
 A再販立法について
 公取の改正案については法制局との折衝がつづけられ、最終的に閣議にかけ、国会で審議されるが、果して国会へ提出される運びとなるか、或は他の重要案件などのために審議未了に終るか、全く見透しがむつかしい。薬業関係六団体、日薬もまたこれについては注目、陳情、議員への運動などで対処している。
 B薬剤師公務員の待遇改善について
 去る五月十六日に日薬会長から佐藤人事院総裁に要望書を提出したが、これは繰り返し達成するまで要望することになっている。
 C薬局製剤47方の規格及び試験方法等の改正
 日薬の方針としては、これを承服し、他の面で有利にとの考え方である。
 Dその他
 適配条例については、全国でトラブルの主なものは移転の問題であるが、この場合厚生省としては「公益上弊害がない場合」は緩和する考えであり、これについては日薬でも検討している。四月十七日広島地裁の判決で、県側が敗訴したのは、申請時の法令を適用するかと云うことであり、今後引続き争われることになっている。これは条例がなくなると云う問題ではない。
 次に全国薬剤師会事務長連絡会議については、五月二十五日湯河原で開催され、勤続職員の表彰で、十五年以上十七名の中、本県薬事務長吉田義生氏も表彰された。

 ▽福岡県薬の昭和42年度事業推進について
 (1)分業実施対策の推進につき(工藤専務、中村理事説明)
 @請求業務については最近の会報に詳細掲載されているので精読されたい。
 A一般開業医向け分業の勧め方については、日薬雑誌四月号掲載の医師官方貞宝氏の「医薬協業とプロフェッション」を頭に入れた上で医師の啓蒙を実行されたい。
 B本会の分業対策としては出来るだけ早い機会に医・薬懇談会を持つこと、又DI活動への開局者の参画などの研究をすることとなった。(これがための委員会を既設の社保、薬局両委員会から三名宛、勤務から四名の委員で構成する)
 Cその他分業推進の阻害と考えられる種々解決すべき問題(例えば▽薬局の名称問題▽保険薬局の分布▽メーカー、卸の特殊医薬品の押込み▽調剤代行問題▽調剤拒否▽各支部の社保担当者の人選など)があるがこれ等を解決することが即分業推進となる。これには県当局の協力も必要である。
 なお近く県保険課主催の保険薬局指導が行れるので協力されたい。

 (2)臨床薬理学講座(安部理事説明)
 第4回講座は去る五月二十五日開催され八十八名が受講したが、受講態度も非常に熱心で講師も喜んでいる。しかしPRの面がまだ不充分であるので、各支部でも充分周知を図られたい。次回は七月の予定である。

 (3)会員名簿作成について
 日薬でも近く名簿を作成するが、それ以前に県薬名簿を作成するので、支部の実情を六月中に通知して貰いたい。

 (4)その他
 県庁関係職員薬剤師約百名の中八十名が近く入会予定である。会費は一般勤務者同様三、五〇〇円で、活動の資金の一助として若干補助するので、懇談の場を作るよう各支部でも連繋をとられたい。なお会費が施設負担の場合は従前通りである。

 以上で支部連絡協議会を終え、引続き県薬剤師政治連盟評議員会に移り、昭和41年度薬政会事業報告、同決算認定、42年度事業計画並に予算案などを原案通り決定した。なお今回諸般の情勢から来年行われる参議院選に高野前日薬会長は立候補しないことが表明され、現在他の立候補者は未定であるが、吾々としては積極的な活動は今後とも続けると四島会長から述べられ、当日の一連の会議は五時全部終了した。

 福岡県女子薬本年度総会 約六十名出席

 福岡県女子薬剤師会では本年度総会を五月二十七日十一時から田辺製薬福岡支店五階会議室で約六十名の会員出席のもとに開会した。 会議は先づ田中副会長挨拶次いで本年四月の日本薬学大会で女子薬剤師会が全国一本に統合された経偉について報告、それより森山会長代理を議長に推し直ちに議事に入り、事業報告を網島理事、会計報告が清水理事からなされ異議なく承認、次に本年度事業計画並に予算案について網島、清水両理事の説明があって原案通り決定した。

 会費は前年通り六〇〇円であるが、本年は特に事業計画において、各職種分野毎に活発に活動することとし補助金も支部に出すなど新しい活動が期待される。午後は講演に移り、西日本新聞社論説委員岡枝英元氏の『ベトナム戦争と中国文化革命の謎』と題する新聞紙上では見られない裏ばなしの興味深い講演を約一時間に亘って聴取した。

 全国薬剤師会事務長連絡会

 全国薬剤師会事務長連絡会議(日薬主催)が去月廿五日熱海市湯河原、厚生年金会館で開かれ、種々懇談打合せがあった。なお当日表彰された長期勤務者(15年以上)一七名中九州関係者は福岡県薬の吉田義生氏、熊本県薬の前野恵氏、宮崎県薬の松田辰男氏であった。

九州薬事新報 昭和42年(1967)  6月20日号

 福岡市薬剤師会部会長会 保険薬剤師部会結成を推進

 福岡市薬剤師会では本年度初の部会長会を六月十四日午後二時から、県薬会館で開会した。当日は二十八部会中(従来十八部会であったが、このほど運営上再編成)九部会欠席、まず波多江会長の挨拶、ついで去る二日開会した県薬支部連絡協議会(本紙前号掲載)について藤田副会長から詳細な報告があり、先の県薬代議員会で話題となった「保険薬剤師部会」に関しては、県薬執行部の期待にこたえ、本会として積極的に協力するが、各部会毎にまず結成し結成部会が多数となれば市薬としてこれをまとめることとなった。

 現在発足準備をすすめている部会は西新(西新・百道・高取・)大名警固の二部会であるが、西新ではすでに十八の保険薬局が部会結成のための懇談会を開催、全員の賛意を得たのでまず手持ち薬品のリスト公開、薬品融通の場合は現金決済、部会長が相談役、その他の大綱を決めたが、運営については今後の問題であると報告された。

 いずれにしても現在保険薬局の約半数が処方箋を取扱っているに過ぎないので、今後一薬局が一日二十枚を取扱う目標に向かってすすみ、病薬とも手を組んでDI活動に参画し、新薬等の説明もメーカーに求めるなど、積極的に推進したいと会長は希望を述べた。それより商組関係の報告が斉田副会長からなされ、四時半閉会した。

 福岡県学薬常任理事会 黒板の県下一斉検査を決定

 福岡県学校薬剤師会(友納会長)では六月九日十一時から県薬会館で常任理事会を開会、友納会長を始め内田、柴田、馬場、矢野、渋田、河原畑、新保の各理事及び県教育庁から山下技師が出席した。当日は本年度開催の研修会予定などにつき検討した。

 ▽黒板の検査実施に就て
 県教育庁企画の「教室黒板の保健管理に関する実態調査実施要領」に基き日常検査は当該学校側で実施することになっているが、学校薬剤師が助言指導して実施するようすすめることとし又これと併行して定期検査を福岡市、久留米市、大牟田市、北九州市、宮田町の学薬で実施することになった。

 この調査は県下の公立小、中、高等学校について、教室の黒板及び付属品等の保健管理に関し一斉調査を行い、その実態を把握して学校保健管理指導の資料とすることにある。調査期間は六月二十日から三十日までとし、調査の対象は、県内の公立小、中、高等学校全校(分校及び定時制は除く)であり、黒板は各校とも普通教室三室を選び、その正面黒板とし、調査の方法は市教育委員会及び教育庁出張所を通じて配布される調査票にもとづき実施計画をたて、保健関係職員を中心として関係職員の協力のもとに調査を行い、実施報告は各学校ごと当該教育委員会を通して七月十日までに県教育庁保健課長あて提出、調査票の一部を県提出分とし、一部は市町村、一部は学校の控とする。

 ▽研修会開催予定に就て本年は刈田、宮田、朝倉、小郡の四ヵ所を予定、地元と連絡の上大体七月十日前後に実施することとし、その地域の学薬及び学校保健関係者(保健主事、養護教諭等)を対象に、前者は新しい検査器具を使って実地に調査を行い、後者には「学校保健と学薬について」学校薬剤師会からの話しがあることになる模様である。その他当日は、文部省主催学薬講習会出席者の人選、その伝達講習会の在り方などにつき懇談して理事会を終了した。

 薬剤師国試 合格率八六・七%

 去る四月一、二日の両日行われた第32回薬剤師国家試験の合格者は三、九七三名の受験者中三、四四三名で合格変は八六・六六%と厚生省は発表した。この合格率は国試始まって以来二番目の低率であり、成績不良ともいうべきであろう。又男女別にこれを見るに、男子受験者は一、五九八名で合格者一、二六一名で合格率七八・九一%、女子受験者は二、三七五名で合格者は二、一八二名、合格率九一・八七%となっており、受験者数に於ても、合格率に於ても女性が男性を完全に圧倒していることが数字の上に明かに現われている。

九州薬事新報 昭和42年(1967) 6月30日号

 第17回市勤務部会総会 役員改選、堀岡会長重任

 福岡市薬勤務部会では第17回総会を六月二十四日二時から市内天神マルベニ三階ホールで約五十名の会員出席のもとに開会した。

 当日は定刻をやや遅れ、安藤理事司会して先づ堀岡会長は、本会は巾広い職域の集りであり、例会も一五〇回を越したが、これは会員のあたたかい協力の結果である。今後、臨床検査部門も包含し、すべての方々によろこんで頂く会にしたいと念願している。翻えって考えるに、われわれ医薬品にたづさわる者としては今日ほどむつかしい時代はなく、又それだけに姿を正さねばならない時代であるとも考える。

 最近医薬品の安全性がさけばれ、日薬でもやっとD・E委員会を発足させその緒についたことはよろこばしい。本年は医療の一環をになう者として開局、勤務を問わず巾広くD・I活動を行いたいとあいさつ、それより来賓の祝辞に移り、波多江市薬会長は、分業問題、D・I活動など開局、勤務の緊密な連繋のもとに推進したいとあいさついて祝辞にかえそれより議事に入った。

 先づ大橋副会長を議長に推し、庶務報告を白瀬理事、会計を木村理事が報告して異議なく承認、本年度事業計画については、県病薬事業に協力することを基本に又例会は七、八回開催を予定、特に本年は例会一五〇回終了を記念して十月頃レクリェーションを行うなどを満場一致で決定、会則一部変更の件については@従来一年であった役員の任期を県病薬、薬剤師会などとも歩調を合わせるため二年にすることとしA第七条に「本会員にして勤務先を退職した者のうち特に会の事業発展に寄与した者は名誉会員にすることが出来る」を挿入することとし、その人選及び字句については役員会に一任することとして異議なくこれを決定した。

 次に役員改選に移り、選考委員五名を選出し、別室で慎重選考の結果、会長に堀岡正義氏を選出、その他の役員は会長一任となり、堀岡会長の重任が決定した。それより安田理事の閉会のあいさつにより一応総会を閉ぢ、直に講演会に移り『東洋醸造の近況と新製品の開発について』と題し、東洋醸造株式会社開発部長三浦愛一氏の講演並に同社の紹介映画が上映されたあと懇親のパーティーが同所に於て催された。

 日本薬局方改定 中央薬審 厚相へ答申

 日本薬局方の改定について厚生省は昨年四月、中央薬事審議会に対して諮問していたが、この程厚相に対し答申があった。答申内容の概要は大体次の様なものである。

 @日本薬局方収載の医薬品については試験規格のみでなく、その全般に亘っての参考事項をも記載し、医薬関係者(特に医師、歯科医師、薬剤師、獣医師等)に活用でき得るよう考慮するべきである。

 A日本薬局方改定の期間は近代医、薬学の急速な進歩に対応させる必要があるので、どの改定期間を少なくとも五年とし、第一部、第二部とも同時に改定を行うように配慮すべきである

 B日本薬局方の改定に当っては円滑適切な実施のために予算、人員等の確保など改定体制について充分な整備を図るべきである。

 なお、将来の日本薬局方の制定方式としては権威ある団体で作成したものを日本薬局方として厚生大臣が承認する制度を検討されたいと付記されている。

 以上の様に答申内容は、この際日本薬局方を抜本改定する必要があり、五年毎に第一部、第二部とも同時に改定する。特に改正形式を今後権威ある団体にまかせる様に持って行くべきだと言っている事は注目すべきである。

 福岡県薬第1回 D・I委員会

 薬局に於けるD・I活動の推進が漸く剤界にも強く要請されて来たので、この度福岡県薬剤師会ではD・I委員会を設けてその活動を推進することになった。就ては、この程県薬会長より後記十名に委員を委嘱し、担当役員三名をも決めたので、第一回の委員会を左記により開催した。(詳細は次号。)

 ▽日時 昭和42年6月29日(木)午後二時
 ▽場所 県薬会館
 ▽議題 @委員紹介A会長諮問事項についてB委員会の運営について(委員長互選)CD・I活動の推進方策についてDその他
 ▽委員(十名)=梅津剛吉(九大病院)、是永重剛(八幡製鉄所病院)、古賀ヒサ(久留米大病院)清藤英一(飯塚病院)、藤田胖(福岡市)、柴田伊津郎(同)、荒巻善之助(同)、神谷武信(八幡区)、三渕学(小倉区)西元寺清継(大牟田市)
 ▽担当役員(三名)=堀岡副会長(九大病院)、安部理事(八幡区)、中村理事(大牟田市)

 日薬安全性委初会合 委員決定

 日本薬剤師会はかねてから医薬品の安全性検討機関設置の必要を認め協議を重ねていたが、去月の全体理事会で委員会設置を正式に決定したので、六月十五日名称を『ドラッグ・エキスピリエンス委員会(略称D・E委員会)』と称しその初会合を開き、委員会の在り方について協議した。

 本委員会は現在行われている厚生省のアドバースリアクション、並に日薬連の安全性委員会とは違った日薬独自なものを中心に、そして厚生省、メーカー側とも密接な連携を保ちたいとの希望もあり、医薬品のPRや市販医薬品の安全性問題などを採上げる方向に、今後具体的検討をなすことになった。

 このドラッグ・エキスピリエンス委員会はアメリカでも使用されているもので、アドバースリアクションより広範な意味を持たせたもので日薬はD・Eの普及を考えているものである。

 決定のD・E委員会の委員は次の通りである。
 ▽日薬担当理事=桜井喜一
 ▼委員長=宮木高明
 ▼委員=豊田勤治(厚生省)▽高木敬次郎(東大)▽粕谷豊(東大)▽掛見喜一郎(京大)▽小沢光(東北大)▽堀岡正義(九大)▽久保田文苗(関東逓信)▽不破龍登代(三楽病院)▽幸保文治(日大板橋病院)▽高橋高宜(都薬)▽塩崎国雄(都薬)▽小川辰次郎(都薬)▽司馬次郎(大阪府薬)▽この外メーカー側委員二、三名予定。

 日本薬学会九州支部 第53回例会 7月8日福岡大で

 日本薬学会九州支部第53回例会が42年7月8日(土)午後一時半から福岡大学薬学部に於て開会される。

 ▽演題
 (1)下肢血管の反射的緊張変化について(福岡大学薬学部)○櫛木和氏、臼杵和子、貫文三郎
 (2)α‐Bromo‐acyureidesの生体内脱ブロム反応について。「第一報」家兎体内の脱ブロムについて(愛知県衛生研)楢府直大
 (3)α‐Bromo‐acyureidesの生体内脱ブロム反応について。(第二報)in vitro反応について(愛知県衛生研)
 (4)解熱鎮痛剤に関する研究(第三報)phenacetin及びBucetineの生体内変化及び吸収排泄(熊大薬学部)、一番ケ瀬尚、児島昭次、都築修三
 (5)ビタミンB1誘導体のSH酵素活性に及ぼす影響(長大薬学部)高畠英伍
 (6)ジアセチルモノオキシムによる尿素の呈色反応機構(第一報)ジアレチルモノオキシムと尿素誘導体との反応成績体について(九大薬学部)○上田陽、内田淳一、黒木順子、山口邦子、権藤桂子、百瀬勉
 なお、次回九州支部第54回例会は42年9月30日(土)長崎大学薬学部に於て開会申込締切は42年8月15日。

 支部別保険調剤調査票 昭和42年5月分 福岡県薬剤師会

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 薬価基準新収載 近く実施見込

 厚生省薬務局は去る四十年十月以降新発売の医薬品を薬価基準に収載し、七月実施の目途で作業を進めていたが、漸くこの程医師会の意見も略ぼ纏まった。品目は薬一、五〇〇品目におちついたが、最初の収載希望品目は一、九〇〇品目であったので、削られたのが約四〇〇品目ある筈だが、その中には統一品目として整理されたものも相等あったものと思われる。

 豆知識(24)馬場正守

 ▼高血圧の人の普通の症状は

 豆知識の(五)に記述した事があるが、普通によくある自覚症状としては、次の様なものである。

 (1)頭痛‐(多くは後頭部)それは朝に多く、昼頃には痛みがなくなるのが普通でその痛みの感じも頭がこわばって締めつけられる様に思われ、ドキドキするように感ずる。時として大変に痛んで苦しむこともある。
 (2)疲労‐どうもこの頃は疲れるという感じ。
 (3)仕事‐根気がなく仕事に倦き易くなる。
 (4)他からの精神的刺戟‐実に鋭敏となり、特にヒガミネタミが多くなるが、これを我慢することが出来なくなり、所謂、ガミガミオヤヂ、年寄子供という感じである。

 ▼高血圧者に守るべき十二章

 1)万事のろいテンポで生活する。
 (2)野心を起こさない。
 (3)肉体的、精神的両方の疲労は敵と思え。
 (4)働くのは良いが、疲労の一歩手前で休憩する。
 (5)睡眠中は血圧が最も低くなるから充分に睡眠すること。機会があれば十分間でもよいから寝る。
 (6)運動も軽くはよいが、勝負を争う種類のものはやめること。
 (7)食事は特別に考える必要はない。腹一杯は不可。出来たら四‐五回に分けて食事する。
 (8)ふとるとそれだけ心臓の負担を増す。
 (9)無食塩療法は誰にでも有効とは限らない。
 (10)アルコールは止める方が良いが、やめにくい人は出来るだけ少量に。
 (11)煙草もやめるにこした事はないが、少しは宜ろしい。
 (12)要は静かに暮らすこと。

 ▼卒倒を起す病気はどんなものか

 (1)脳自体の病気…外傷、脳血管病と、出血、脳の炎症(例えば、日本脳炎)脳腫瘍など。
 (2)脳の酸素欠乏による脳障碍、例へば脳貧血。
 (3)内因性又は外因性の毒素による脳の障碍、たとへば一酸化炭素中毒、睡眠剤あるいはアルコール中毒などがこれに入る。

 

 福岡県学校保健給食研究集会 7月27日〜29日の三日間。原鶴温泉で

 昭和42年度福岡県学校保健給食研究集会が左記により開催される。

 ▽期日=7月27日、28日、29日の二泊三日 ▽会場及び宿舎=朝倉郡杷木町原鶴、ほなみ館 ▽班別研究主題及び内容と指導助言者 学校保健(四班)高等学校部会=指導助言者‐県教育庁保健課保健教育係長古沢慶造、学校保健技師山下泰弘‐『学校保健の年間計画はどのようにたててこれを効果的に実施するためにはどうすればよいか』

 (1)計画立案にどのようなことを考えたらよいか。
 @学校保健計画立案の根拠について
 A学校保健立案の方法について

 (2)保健管理と保健指導との関連をどのようにおりこんだらよいか。
 @保健管理の内容について
A保健指導の内容について

 (3)地域社会及び校区、歯科医、薬剤師との関連をどの様にするか。
 @地域社会の実態との関連について
 A校区、歯科医、薬剤師との関連について

 ▽その他=@宿泊料は一泊(二食付、奉仕料税込)一、五〇〇円A参加申込は会費二〇〇円及び宿泊予納金五〇〇円(宿泊希望者だけ)計七〇〇円を添え七月十五日迄に県教育庁保健課長宛申込むこと。

 なお、参加者は各自の属する班の研究主題及び内容を参照の上各学校での研究の結果及び実態状況を洋紙半枚程度にまとめ四十部印刷の上持参のこと。