通 史 昭和41年(1966) 日薬−県薬−市薬
九州薬事新報 昭和41年(1966) 11月10日号

 福岡県安定協十月例会 小売側より重要事項要望

 福岡県薬業安定協議会十月例会は定例日の廿五日一時半より県薬会館において、各委員の外、本月より正式に家庭薬メーカー久光製薬、参天製薬、養命酒の三社も出席した。当日は卸の当番により司会し、先づ次の各地区情況報告があった。

 ▽筑後地区=ミルクで一、二問題があったが解決、飯塚橋薬局その後の裁判についての経過報告。

 ▽北九州地区=戸畑薬品の再販品安売りについては未だ商品の手持ちがあるらしく、その他スイス堂、太田薬品なども問題があった。最近処方せんが徐々に出ているにも拘らず、一部薬品が入手出来ないもの(大包装)又入手出来ても大きく赤字になるもの、医家向はプレス包装で、吾々が入手出来るのはバラ錠などのものがあり、患者の不信を貰ったり、これがための調剤意欲の減退など剤界分業ムードに、時期的にも困った問題が起っている。

 ▽筑後地区=大牟田問題は地元において解決に努力中であり、久留米においては再販契約を希望したが加入出来ないため、いやがらせに商品もないのに安売りのビラを出したが、近く解決のみこみではある。近来非契約者の安売りのケースがあちこち出て来た様である。 福岡地区=上野バーゲンは廃業することになった。現在、パートの薬品部で家庭薬の値引が行われているが、市内は大体小康を保っている。然しこのデパート間の争いが一般業者への導火線になるおそれが充分考えられる。

 などが報告されたが、北九州よりの報告である大包装の入手困難、医家向けの医薬品と外見が違うもの、又は赤字になるものなどは、剤界が現在分業完全実施を目標に推進している大切な時期でもあり、調剤用については問屋に於て必要量を小分け(大包装を)するとかその便法も考えられるが、先れ希用薬品なども含め、小売側としても慎重に検討するが、先づ差し当り問屋とメーカーと話合って善処されたいと小売側より要望した。

 これに対しメーカーは大包装が零売の対象になった時期もあって、かなり神経質であった時期もあるがメーカー、卸側から善処するとの答えがあった。

 次に再販品の横流れについては、横流れが百%とめられれば問題はないが、現実には百%は困難なことでもあり、物懇の答申以来再販制度も危ぶまれる空気もあるので、出来るだけ早く全部契約すべきであると前回の本会でも意見の一致を見たが、組合の理事会に於ても正式に承認されたことが報告された。 なお次回は十一月廿五日一時半より忘年会を兼ねて郊外の和白、料亭立花において開会することを決め散会した。

画像  福岡市学校保健大会で 学校薬剤師の研究発表

 本年度福岡市学校保健大会は去月廿七日午後一時半から福岡市民会館小ホールで開会された。

 市学校薬剤師会からは和白小・中学校担当の原口静学校薬剤師が「学校環境衛生の検査結果について」と題しての講演があり、その内容の概要は、学校における児童生徒及び教職員の健康保持増進には学校環境衛生が如何に大切であるか、それには学校薬剤師が如何に必要であるか、を各検査項目につき検査器具を示して熱心且つ親切に述べ、なお本年六月終りから七月初めにかけ県下一斉に行った学校給食の衛生検査結果内容中福岡市について、特に食器の洗剤使用の条件につき洗剤の濃度は〇、二%以上で、湯の温度が三〇度〜四〇度以上なければならないなど、詳細な発表があった。大会参加者一同に学校薬剤師の存在を新たに再認識せしめ、大会は午後五時終了した。

 当日の市学校薬剤師会からの出席者は原口静、藤幸江、綱島幸枝、江口春子、香月一枝、友納英一、内田数彦、宮原美代子、柴田伊津郎、小須賀正義、土肥善衛、荒巻善之助、小田浩平の十三名、他に県教育庁より山下泰弘薬系技師が臨席された。

 西部連合が会則訂正申入れ 日本女子薬剤師会

 本年四月富士市で開かれた日本薬学大会女子部会で東日本薬業婦人連合会、日本女子薬剤師西部連合会及び東海四県婦人薬剤師会、三団体の統合が決議され、秋島ミヨ女史(東日本薬業婦人連合会会長)の会長就任も承認された。

 その後東京で常任理事会が開かれ会則案について審議されたが、東西両側連合会の意見が充分に疏通しないまま会則は成立した形となった模様であり、西部側では最初会則中、七カ条の訂正を申し入れたが、これに対し会長より正式の回答がなく、それがため西部側では、十月六日大阪府薬に於て各府県会長会議を開き、大体全国統合については前向きの姿勢で進みたいとの意味もあって会則七カ条の訂正を左記二カ条にきりつめ、この二カ条は西部連合会として再投後のものであり、若し受入れられない場合は、今後全国統合には参加、協力することはできないとの決意を決議した。

 日本女子薬剤師会々則二カ条の訂正内容は、会則第二条の「本会は都道府県女子薬剤師会をもって組織する」の中に「日本女子薬剤師会会員は薬剤師であること」「総会は代議員制をもって組織する」の代議員制は運営面からみて不合理であり女子薬は都道府県の薬剤師会を会員とするもので、その点は日薬とは事情が異なっており、最高決議機関には都道府県薬剤師会の代表者が参加すべきで、代議員会の設置の必要はないと云う意味である。若しこの訂正の要求が認められない限り全国統合は成立しない公算が強い様である。

 福岡県女子薬 全体理事会

 福岡県女子薬剤師会では全体理事会を十月二十六日十一時より、薬剤師会館において開会した。当時は各支部より約20名の理事が出席、先ず森山副会長より、去る四月富山市で開会された日本薬学大会に際し統合結成された「日本女子薬剤師会へ、女子薬西部連合会より申入れを行っている会則改正の件につき詳細な報告、次いで佐賀における九州山口薬学大会には本県より約60名の会員が出席したが、出席者一名につき会より五百円の補助金を出すことを決め、「薬と健康週間」行事について各地区より協力した旨の報告があった。なお、近く開催される薬学講習会には努めて出席すること、女子薬通信は年内にあと一回発行する。

 福岡県管理(勤務)薬剤師会 新会長 磯本美穂氏 相談役 田中美代氏

 福岡県薬剤師会では二年前竹内理事担当のもとに県内の勤務管理薬剤師会を発足させ、会長並に会則など決定し、実質的には雇傭薬剤師の斡旋など行って来たがその後、内藤会長が辞任され、実際には女子薬剤師が中心となって行動していたため、十月二十九日一時半より県薬会館においてその幹部会を開催した。

 当日は県薬より竹内担当理事並に工藤専務理事が出席し、幹部約十五名が出席して、会長の選出並に当面の事業などについて協議打合せを行った。

 近来女子薬剤師の数は全国的に年々著しき増加を示し雇傭薬剤師も亦圧倒的に女子が多い実状にある。また現在では家庭を持った婦人薬剤師の職場進出が延びており、ただ単に数において延びるだけでなく、実質的に薬剤師の地位向上の一翼をになうことが最も必要なので、本会としては会長も選出した上で、再発足することになったものである。

 現在全国で職業に就いている薬剤師の男女の差は約千名で男子が僅かに多く、この差は年々縮められつつある。また薬局並に一般販売業に勤務を希望する薬剤師の数は極めて少く、会としてはその斡旋に苦労している実情であるため、先づ差し当り出来得ることから始めることとなり、その準備として@会長の選出A規約の再検討B当面の事業計画などを検討した結果次のようなことを決定した。

 ▽会長=磯本美穂
  副会長=原口静
  相談役=田中美代
 ▽規約は当分改正を行わない
 ▽事業としては先づ薬剤師の社会的地位の向上、特に本会として勤務管理薬剤師の地位向上と品位保持について積極的に努力する。なお、本会会費の問題などあるので、これも含め実態を把握するため近くアンケートを実施することになった。

 福岡県薬剤師会 薬学講習会 11月7日=福岡 同14日=北九州

 本年度の薬学講習会は福岡県薬剤師会では県衛生部と共催で左記により福岡と北九州との二カ所で開会する。

 ▽会期 福岡会場=11月7日(月)、北九州会場=11月14日(月)
 ▽会場 福岡-福岡市天神一丁目県町村会館講堂
北九州-北九州市小倉区田町西日本新聞北九州支社四階講堂  ▽講習科目、時間、講師名
 9〜930受付
 9.30〜11 最近の新薬=九大病院薬剤部医博河野義明氏
 11から1230最近の処方と調剤=九大病院薬剤部長薬博堀岡正義氏
 12.30〜13 中食
 13〜14 日本薬局方第二部=前同
 14〜15 妊娠と薬剤=九大医学部助教授医博井槌進氏
 15〜15.30 最近の乳児栄養=森永乳業普及課長=太田雋一氏
 15.30〜16 青少年対策と医薬品=県薬務課監視係長松尾和彦氏
 16〜17 血液と輸血=県薬務課々長技術補佐技師大庭寛夫氏

 福岡県学薬会伝達講習会

 福岡県学校薬剤師会では本年度の「伝達講習会」を左記により県内三カ所に於て開催することを決定した。なお、講習終了後先の長崎市に開催された研修会報告に引続き協議懇親会を開く。

 ▼日時及び会場
 ▽筑豊地区=11月24日(木)9時30分〜午後4時(飯塚市東新地飯塚商工会議所三階講堂)
 ▽筑後地区=11月26日(土)前同「柳川市恵比須町柳川教育会館」
 ▽福岡地区11月28日(月)
 前同(福岡市長浜町二丁目県学校給食会館三階講堂)

 ▼講習課目並講師
 @学校保健の動向
 A学校建築と環境衛生
 福岡県教育庁技師
 山下 泰弘
 @学校環境衛生と学校薬剤師
 A学校における薬品管理
 南当仁小学校学校薬剤師
 友納 英一
 @学校給食における食品添加物
 A最近の食品衛生
 明治小学校薬剤師
 松本 俊蔵
 @換気扇の効果的な利用法
 A給排水設備の正しい認識と問題点
 幸袋中学校学校薬剤師
 高島慶四郎

 福岡県女薬会主催 薬業婦人の集い 11月13日福岡で

 福岡県女子薬剤師会では県薬の後援、エーザイKKの協賛のもとに左記により「薬業婦人の集い」を開催する。

 ▽日時 11月13日(日)午後1時
 ▽会場 福岡市西中洲、福岡商工会議所三階ホール
 ▽特別講演 最近の避妊法とホルモンのバランス=九州厚生年金病院婦人科部長大谷善彦氏

 大々的に 大牟田薬剤師会の薬の週間行事

 大牟田薬剤師会(会長中村里実)では毎年「薬と健康の週間」について種々熱心な行事が実施されているが、本年の10月16日〜23日の週間においても左記のような色々な行事が、一面薬剤師職域PRのため積極的に行動された。

 10月16日、会員の自家用車二二台が利用され第一回のパレードが「医薬品を正しく使いましょう」「愛の献血・催眠薬禍防止につとめましょう」その他をスローガンとして実行した。
 10月17日、社会福祉施設(精神薄弱者収容所)二カ所を訪問、教材(身長計)を寄贈した。10月18日、地方新聞七種にPR掲載
 10月19日、地区内四カ所に於て実地に一酸化炭素の検査並に交通量の調査などを行なった。
 10月22日、第二回市内パレード実施
 10月23日、大牟田市労働会館において献血、講演、芸能、その他クイズなどを行なったが、来場者は約二百名、献血希望者は、九二名(五七名に実施、三七名不適格者)であり、講演は「最近の新薬について」と題して会員西元寺清継氏が述べ、郷土民芸大会実施は大牟田地区婦人会斡旋によるものであった。クイズは各薬局で配布し総数一万枚で回収数は二千枚であり、当選発表会などが催された。

 対症薬学=竹内克己(19)痛風

 尿酸及び尿酸塩が体内に蓄積し結晶束をなして一定の好発部位に出現する。

 ▽三つの症状=@激烈な関節発作(七〇%まで母趾基関節痛)、Aコルヒチンに対する反応(コルヒチンが特効的に有効)B高尿酸血症(血中尿酸が正常人の二〜三倍)

 ▽治療=コルヒチン一時間毎に一錠宛一日五〜六錠を用い必要であれば翌日同じ時間に同じ方法で投薬する(一〇〇%に有効)、A大量に用いると猛烈な水様下痢を起すので注意すること、Bコルヒチンが無効な場合が僅かにある、グルセオフルビンブタゾリシンが効くことがあるCステロイドの全身投与は有害無益である、D湿布は行わぬ方がよい、E市販のコルヒチン剤は尿酸排泄促進剤で尿酸過生産制限剤ではないF尿量を一日二リットル以上に、それがアルカリ性になる様に炭酸水素ナトリウムを併用するG薬用量は月に二〜三回の尿酸測定によって適宜コントロールする、Hアスピリン等の風邪薬は治療中の痛風患者の病状を悪化させることがある(からだの科学1966No.7より)

九州薬事新報 昭和41年(1966) 11月20日号

 福岡県薬主催 第二回臨床薬理学講座 12月10日福岡商工会議所

 福岡県薬剤師会では去月二十二日開会の第一回講座の際提出方依頼したアンケートに基づきその多数意見に従って「第二回臨床薬理学講座」を来る十二月十日(土)左記により開催することになった。

 一、日時 41年12月10日(土)午後1〜5時
 二、会場 福岡市西中洲福岡商工会議所三階講堂
 三、課目
 第三講座=「腎臓疾患と利尿薬の正しい使い方」
 午後1〜3時
 内容@腎臓の構造と機能A腎疾患の分類と特長B腎疾患の診断と治療C利尿薬の正しい使い方
 第四講座=「心臓疾患と強心薬比較対照一覧表」を交付
 四、受講料 五〇〇円(当日受付で納入)
 五、申込締切 12月5日(電話、はがきで可)

 福岡地区安定協十一月例会 重要事項累積

 福岡地区安定協議会十一月例会は十日二時より製企会側の当番により、県薬会館において開会した。 先づ製企会側より前月の県安定協報告があり、これに関連して小売側より大包装の医薬品の内、調剤用については卸屋の責任において乱売の因にならない程度(調剤の実績に基づいて)で小分けの便宜を計って貰いたいとの要望があった。

 次に各地区情況報告に移ったが、大体福岡は小康を保っているも、周辺地区では家庭薬が相当値引販売されていることが報告され高宮においては某薬店が、ダイレクトメールにより治療薬及び精神安定剤までが相当安い価格を表示している事が報告されたが、国際的にも現在、精神に作用する医薬品等は国際統制下に置くべきだなどの問題さえ起こっており、また青少年を薬禍より守る指導まで進めて行くべきだとの機運にある時、このような医薬品の乱用を助長するが如き業者については、今後われわれ同業者が大衆の不信をかうことになるので、業界より進んで摘発すべきで、このような面ではメーカー、卸も毅然たる態度を取られたいと小売側より要望した。

 次に西新地区においては宣伝並に価格維持については量販店及び組合員と話し合いを行なった結果
 @業者の姿勢については青少年薬禍防止対策協議会並に睡眠剤販売などの法規、薬務課通牒などを遵守する。
 A店頭の姿勢については品位を保つため、吊下げビラは垂げない。強いて垂げたい時は店内において薬品名の宣伝程度に止める。価格表示はシール又はPOP広告とする。
 B価格については、再販価格は勿論、指導価格、希望価格は守り、特に自由価格の新薬及び家庭薬はB価以上又は一般的卸価格以上とする。これについては、約20品目につき最低価格を暫定的に決め、漸時価格を平常に戻すよう努力を続けていることが報告された。

 次に福岡県においては、特にデパートの薬品部がデパートの目玉化しつつあることが報告され、製企会としても良く注意指導するよう小売側より要望した。なお、次回は十二月十日三時より開会することを決定して散会した。

 県薬商組緊急理事会

 福岡県医薬品小売商業組合では、北九州地区における再販品目の割引き販売問題が解決しないため、地元組合員の間で、地区を限定し、対抗販売にふみ切る動きが出たため、緊急理事会を十一月十二日十一時より県薬会館において開会した。当日は鶴田理事長を始め殆んど前役員が出席して慎重に検討した。

 ことの起こりは戸畑地区の一薬局が、本年二月頃メーカーへ反省をうながす意味の申入れを行なったことに始り、その後もメーカーの姿勢に対する不満から再販契約を自ら破棄した上で一割〜一割五分程度の値引販売及びチラシ配布を行なっているもので、北九州地区並に県安定協においてもたびたび問題となり、種々努力は重ねられているもその効果が上がらず、地元組合としては自衛上、地区を限定して再販品と雖も同店に同調せざるを得ないというものである。

 県商組としては種々検討の結果、自衛策は採るべき時には採る必要はあるが、地区を限定し実施してもいずれは県下に蔓延、ひいては再販制度そのものを危うくする結果となることも考えられるので、小売側の再販護持の意味からも未だその時期ではないとして、今後県商組として問題解決に努力することになった。

 県女子薬主催 薬業婦人の集い 百余名参集

 福岡県女子薬剤師会では福岡県薬後援、エーザイ?協賛により「薬業婦人の集い」を十一月十三日一時より福岡商工会議所三階ホールにおいて開催した。

 当日は朝からの激しい悪天候にも拘らず約百名の薬業婦人が出席、九州厚生年金病院婦人科部長大谷善彦氏の「最近の避妊法とホルモンのバランス」と題する特別講演並にエーザイ?による「新しい生理の考え方」「生理用品の使い方」などの有益な講演があり、熱心な質疑応答があって五時半閉会した。

 =豆知識(十四)馬場正守

 ▼ポックリ病の原因
 ついさっきまで元気で働いていた人が突然死んでしまうポックリ病の原因は未だ判っていませんが、過去十年間のデータによるとどうやらタバコ、酒に深い関係がありそうです。アメリカの調査では、紙巻きタバコを一日二〇本以上吸う人に、そうでない人の三倍も多いことが判明した。
 疲れて気分が悪いときの一服が一番危険だといわれ、それにポックリ病の動機としては、くたびれて睡眠が非常に深すぎるとき、小便をこらえていて一度に出したとき、睡眠薬と酒を重さねて寝たとき、などが指摘される。またビタミンB1の不足ということも言われ、元気な二十才-四十才代の人がポックリと死亡している。これらの誘因と原因を一日も早く判然としてポックリ病をなくしたいものである。

 ▼アスピリンと文化
 第二次世界大戦中からイギリスでは、戦乱による心理的肉体的苦悩から免れる目的で心身の痛みどめをアスピリンに求めたものだが、それが今もって習い性となり現在では一日一千万個の錠剤が消費されていると言われている。ところが機会文明の極致を思わせるアメリカではそれを上まわり、マリランド大学のジョーンC・クランツ博士によると一日に四千二百万錠を数えると言われる。これにつきイギリス側の医師連は「大英帝国もいよいよ病人になり疲れきったことを証明する・・・・・・」と嘆じ、クランツ博士は「その昔に駅馬車が満員なら無理に乗りこまずに翌日までのんびり待ったものだが、今では一刻を争って乗りおくれては困るという忙しい時代」と近代生活のテンポの早さをかこっている。

 随筆 福岡近郊の史蹟に立って 高野一夫

 十月中旬佐賀で出開かれた九州山口薬学大会に出席しての帰途、四島日薬理事の案内で福岡近郊の史蹟を廻った。いつも来る福岡ではあるが、こういう所で清閑の一日を過したことは初めてのことであった。九州最古の寺といわれる椿花山武蔵寺、こういう古い寺が天拝山の麓に昔ながらの姿を残している。境内を歩き、天満宮のささやかな社の前に柏手を打ち、苅田の向うには柿の樹いく株天高く秋深し。大宰府の天満宮に参詣しておみくじを引くと末吉と出た。人の助け集りて願望かなうべしとあり、四島氏とふたりで幸先よしと欣ぶ。

 光明寺の石庭苔寺で、古雅な石庭をバックにして四島氏得意のシャッターを切ってもらい、観世音寺の国宝館では、千三百年前の仏像の見事さに驚嘆するのみであった。 都督府趾に立てば礎石点々、草むらに傾いて、秋風まさに?条。広大な楼閣の趾が想い描かれるだけに、この辺一帯を史蹟に指定して永久保存の対策が必要だと感じた。 苅萱の関趾を左に、やがて水城大堤を展望し、往古の土建工事の雄大さを偲びながら福岡市街、繁華の中に帰った。

 (拙句数点、お笑い草までに。)
 天拝山
 西辺土 天拝山や
 秋深し。

 武蔵寺
 山麓 老婆ひとりあり 柿紅葉。

 都督府趾
 楼閣の趾や 礎石の
 草紅葉。

 水城大堤
 戦跡の 堤崩れおり
 枯野菊。

 福岡県病薬会 福岡勤務部会共催 特別講演会

 福岡県病院薬剤師会、市勤務部会共催による特別講演会は十一月十二日二時より三鷹ホールにおいてエーザイ?福岡支店後援のもとに(既報)出席者約百五十名を得て盛大に開催された。

 当日は三宅飯塚病院薬剤部長を座長に推し、エーザイ?研究所長薬博岡崎寛蔵氏の「最近の酵素療法」と題し、広義の酵素療法はかなり古くから行なわれているが、酵素自体の投与による狭義の酵素療法については現在エーザイ研究所において実験しており、その実験例などをあげた有益な講演が約一時間半に亘ってなされ、次に九大病院堀岡薬剤部長は国際薬学連合(FIP)総会出席その他に就いて語り 「七ヶ国、十都市を歴訪、三十六日間の短い旅ではあったが、見聞正に珍しいものばかりであり、又FIP総会の模様並にスペインという国がどんな国か、又毒物情報センター、日本とヨーロッパの薬局の相違などをスライドによってその概略をお目にかけたい」と、興味深い報告と説明感想を約一時間半に亘って述べ、更に今回の旅行でアメリカに次ぐ世界二位の薬剤師数を持つ日本が薬剤師の向上のために在るFIPには今後進んで出席し、国際的にも一層活動すべきで、今回がそのきっかけとなったことは誠に剤界のために有益であったと結んだ。それより同所においてエーザイの好意による和かなパーティーが開かれた。

 福岡県薬学薬 講習会終了 受講者三八六名

 福岡県薬剤師会では本年度薬学講習会を十一月七日(福岡)十四日(北九州)に開催したが、本年は例年に比し、非常に出席も多く受講態度も熱心で盛大裡に終了した。

 福岡県薬では本講習会が年々出席数も減り一向に活気がないため、昨年来、会員の希望などアンケートをとり日数も一日とし、講習内容も度々検討して日薬に要望するなど積極的な努力を重ねた結果、大体その希望も入れられ内容も充実、受講勧誘についても会員外勤務薬剤師の施設にまで働きかけたなどの努力が実を結んだものと思われる。

 講習会出席者数は福岡一八九名(内、開局一二四、勤務六五)北九州一九七名(内、開局一四五、勤務五二)であった。

九州薬事新報 昭和41年(1966) 11月30日号

画像  分業実施対策本部の 九州・山口ブロック懇談会

 日本薬剤師会では分業実施対策について、全国九ブロックにおいて懇談会を開催。十一月四日東京を始め浦和青森、名古屋、金沢、京都、大阪、岡山を終り、十一月二十六日十時より九州山口ブロック懇談会を福岡市三鷹ホールにおいて開催した。

 当日は日薬より武田会長並に武井副会長が出席、ブロックより参与並に地方在住本部員、ブロック推せん調査会員など十八名の外、佐賀、福岡より約十名の会員が傍聴して行われた。

 懇談会は工藤福岡県薬専務理事の司会により、四島福岡県薬会長の開会のあいさつに引続き、武井日薬副会長の発言により四島地元会長を座長に推し、宮道対策本部長に代ってあいさつし引続き武田日薬会長は、分業実施対策本部の参与として、日薬代議員、日本薬政会副会長が指名されているが、これまでその方々の意見を直接伺う機会がなかったので、各ブロックにおいて懇談会を開き討議など行うこととなった。

 私としては九州山口地区を非常に頼りに思っている。往年の分業の先覚者である丹羽先生を始め分業に熱心な方々が九州にはおられる。今後もこれら先輩の屍を乗り越えて分業完全実施に進みたい。と述べ、引続き座長は、今後の分業対策の道しるべにと「分業実施対策審議経過報告書」を朗読した。

 それより各県の分業対策現況報告があったが、大体宮崎、大分、長崎など未だしの感であった。佐賀県は特に受入態勢の強化策としてモデル地区の設定、調剤センターの設置企画などきわめて活?であり、特に調剤報酬請求については分業対策費として手数料を徴収しているなどの情況が報告された。

 午後は参与など当日の出席者より種々質問、意見などが出され、武田日薬会長はこれらにつきそれぞれ日薬の考え並に実情などを詳細に説明し、「今吾々の行っている分業対策はちょうど田圃の中に落ちたトラックをクレーンを使わず手で上げようとしているような現情であちらを上げればこちらが沈むと云った実情であるが先れは全面的に上るであろう」と述べ、引続き諸外国の薬事事情について今回欧米視察報告を約1時間に亘って話した。今回の各ブロック懇談会では、各地区共建設的意見、協力的な発言も多く有難く拝聴したと結んだ。

 尚当日の質問意見並にこれに対する日薬会長の答弁意見の主なものを次に列記してみた。( )内は日薬側の説明である。

 ▽熊本県=国立大学、大病院などよりも一般診療所より処方せんを獲得するのが本筋。

 ▽宮崎県=メーカーは分業賛成と聞くが現実の姿は賛成の態度とは考えられぬ。(反対はしていない、医師との関係で明らかにはしないが、覚悟も準備もしている)

 ▽長崎県=分業を法的に解決して貰いたい。(分業法は出来ている、例外規定の削除と云うことであろうが、負けるけんかはしたくない、現時点では法改正に持っていく考はない)

 ▽福岡県病院=診療所における調剤料と薬局の調剤料の差について(今迄種々な事情で不合理な面が多い単価を上げることよりは数の獲得が必要であると分業を推進しているわけで特に開局だけを上げる考えはない、鈴木厚生大臣も分業にすれば多くの医療問題が片付くと云われている、坂本局長も調剤こそ本来の業務であると、薬局のあり方と薬剤師について発言している。又牛丸次官の○社会に対する強い態度も分業につながる、現状が正しくないとは皆解っており、大蔵官僚さえ明らかに保健薬は医師より取り上げるべきと云っている。医師自身も薬を売って生きたいとは考えていない。だが、分業になれば47品目の薬局製剤や、要指示薬などは手離さなければなるまい)分業を達成されればこれ等を手離すことは当然であるとの強い意見もあった。

 ▽福岡県=十年すると薬剤師の半数は女性になるが、医者はこれを待っているのではないかと万場を笑わせる一幕もあったがこれについて(そこまでは考えていないが準学術面からも女子の多数入学については研究が必要と思われ、皆さんのお智恵が借りたい)

 ▽佐賀県=医師への保険指導監査の在り方が、分業促進の阻害になっている。(捕えてみたら我が子なりと云うことにならぬようよく調査した上通知されたい、対処する)

 ▽長崎県=患者一部負担の見透しについて(保険により何等かの形で一部負担のないのは日本だけである仄聞するところによれば厚生省案では10%位であろう)

 ▽福岡県=医療制度の公的討論の場は国会であろうがこれについての見透しは(国会だけでなく地方議会からつき上げてもよいわけだが、医師、歯科医師に比し政治力の貧困な業会としては無理が通れば道理が引込むと云うような場合もあろうが、地区議員、地方出身代議士などにも出来る限り働きかけて頂きたい)

 ▽佐賀県=保険調剤の課税率を全国的に統一するよう税務対策を実行して欲しい。薬局製剤の利益率と混同している向もある。

 ▽福岡県=制度品と保険薬との関連性について

 ▽福岡県=代謝性医薬品の問題についての考え
 午後四時懇談会を終了し、ブロック懇親会に切替え、去る二月の日薬代議員会において、高野前会長の政界復帰を決議したが、時機到来すれば物心両面の後援態勢をとることを決議した。それより同所において日薬会長を囲んで和やかな親睦の夕食会を催した。

日本薬政会副会長会議 高野一夫氏参院選再出馬に対処

 日本薬政会(会長代理長野義夫氏)は本月十一日東京の試薬会館で副会長会議を開いて当面の諸問題について協議し、薬政会を政治資金規制法に基づく届出団体に改組すること又国会へ剤界代表を送ることに努力すること、その他を決定し長野会長代理から左記決定事項が発表されたが、特に来る一月に予想されている国会解散に伴う衆院選で、神奈川県では参院補欠選挙が同時に行なわれる模様であり、高野一夫氏は参院再出馬の意思を固め、地元住居地より立候補されると思われるので日本薬政会としても全面的に支援することを決めた模様である。

 ▼決定事項
 @日本薬政会は政治資金規正法による届け出団体とし改組する。
 A会の運営は、前項の団体として発足した以上、合法的経理の運営をなし、その事務的操作は会長に一任する。
 B本年度日薬補助金は予算面を一応堅持して、そのうちで受けることとする。
 C分業実施対策の結着は、政治問題として実を結ぶのであるから、極めて近い将来、国会に代表者を送ることとする。
 D愛知県薬より推せんの県議三期の経歴を持つ須原昭二氏の応援は、前例を勘案して行なうこととする。
 E国会に有力な同志を送りたいが、幸いに高野一夫氏に再出馬の意思あり、自民党がもし神奈川県で高野氏を公認すれば、薬政会としては全面的に支援態勢をつくって当選を期する。
 F日本薬政会は国会議員にとどめ、各都道府県、知事、市長をはじめ、地方議員選挙対策は、各地方薬政会支部に一任する。

 なお、当日の出席者は次の通りである。
 長野義夫会長事務代理▽持田光太郎、青柳健次、柾木辰次郎、西岡勇、但馬章太郎、沖勘六、小島居寛、佐藤豊治、米山英之介、稗忠雄、小針富夫(以上副会長)▽井本保郎幹事長、三輪英嗣副幹事長▽嶋田幸作、岩崎利夫の両監事▽武田孝三郎日本薬剤師会長、武井勇同会副会長▽高野一夫顧問

 分子薬理学研修会 12月9日、福岡で

 昨年五月以来開講されていた(世話人‐国立福岡中央病院薬剤部長清水貞知氏)生化学研修会は盛況裡に幕を閉じ、引続き本年八月より同清水貞知氏の世話により新たに「分子薬理学研修会」が次の要領により開講されている。

 ▽実施要領
 @期日 毎月一回、概ね金曜日 午後三時→五時
 A場所 市内メーカー会議室借用
 B講師 九州大学医学部生理学教室医博大木幸介氏
 C会員 病院薬剤師、各製薬会社関係職員(来聴歓迎)
 D会費 毎回三〇円
 Eテキスト 大木幸介著「入門分子薬理学」一、一〇〇円
 なお、十二月の開講は次の通りである。
 @日時 12月9日(金)午後3時→5時
 A場所 田辺製薬福岡支店会議室
 B講師 九大医学部生理学教室、大木幸介氏
 C講義 水溶性ビタミンの分子生物学(復習)。脂溶性ビタミン(VK,AD,)チオクト酸、パントテン酸等の分子生理学的意義。食品添加物の分子薬理学解釈とその作用。

 なお、開局者その他受講希望者は開講当日ご出席下さって結構です、大いに歓迎致しますと世話人は言っている。

 福岡県安定協 十一月例会 忘年会を兼ねて

 福岡県薬業安定協議会の十一月例会は恒例の忘年会を兼ね二十五日一時半より福岡市郊外和白の「立花」に於て開会した。出席者は製企会側十社、家庭薬メーカー六社(参天、わかもと、荒川、ロート、久光、養命酒)卸売側三社及び小売側十名、外に尾崎県薬務課長並に同大庭課長補佐も列席した。

 当日は小売側が議長となり、先づ去る十五日東京に於ける中央安定協の内容について大黒氏から詳細に亘っての報告があり、それより小売側から提案した北九州地区に於ける再販品廉売の問題及び大牟田に於ける北九州地区とは全く反対傾向の小売の再販契約希望に対する問題について、地元並に関係者より詳細な報告があり、又これに関連して卸問屋の店員が、自社と取引のない再販品を小売業者に斡旋した事実などもあって、その問題は業界にとって重大なものであるので卸としてはこれについては十分徹底することを確約し、この種の行為はその動機が悪意の場合と然らざる場合とがあり、又メーカーの押込に基因するなども考えられるので契約による制裁など適用する等今後充分に注意するよう小売側より強く要望した。

 又医薬品の外函(パッキングケース)に割増の数字まで表示しているのがあるが、外函は消費者の目にもふれ業界の不信を買う因ともなる倶れもあるので、メーカー側の善処が要望された。

 次に尾崎課長より去月開かれた全国薬務課長会議に於て、今回は特に医薬品の販売態度の指導強化並に消費者行政が協調されたと報告があった。本会次回十二月例会は突発事故がない限り休会することとして、引続き同所に於て和かな忘年会が催された。

 福岡県薬 支部連絡協議会 重要事項の報告

 福岡県薬剤師会では第一三二回理事会を十一月二十二日十一時より、第一二八回支部連絡協議会を引続き一時半より県薬会館において開会した。当日の理事会は役員十九名中十八名出席、協議会では二十四支部中糸島、甘木、浮羽、三井、築上の五支部が欠席であった。

 支部連絡協議会は先づ四島会長あいさつに引続き

 (1)中央情勢報告
 去る十月十九日東京において行なわれた日薬理事会について詳細な報告がなされ、 理事会は日薬会長の欧州視察による諸外国の薬剤界情勢など聴取した後、昨今分業推進の基本方針も大体決り、近く印刷配布されるはずであるが、要は個々が分業に関心を持ち、受入態勢を整え、医師えの働きかけをしなければならぬという基本線である。これについては日薬主催の二十六日九州山口ブロック懇談会が開かれるのでその大綱は決っているが、九州地区としてのある程度の結論が出よう。吾々としては有利な現在の客観情勢をとらえて実現しなければ、今後またとその機会がないのではないかとさえ考えている。

 次に四十二年度日薬会費については、今日と同程度の事業を進めるとしても一千万円不足するわけで、今後積極政策をとるかどうかが課題であり、先れにしても日薬か県薬か何処かで上昇する可能性が多い。分業についてはその理念においての賛成と経済的な賛成とあるわけだが、先れにしても本県薬としては大体の体制は出来ている。今後は各支部において実質的に会員の指導並に対外的指導共に早急にその態勢を整え、積極的に努力されたい。

 (2)薬と健康の週間
十月十六日より二十二日まで行なわれた週間行事については@県内七氏(早川、吉柳、福田、岡野、白木、田中、服部)に対する県知事表彰Aへき地保育所十三カ所に対する救急箱贈呈B福岡、大牟田、若松、小倉、直方、田川、門司、八幡の各地において行なった環境衛生検査などが報告された。

 (3)九州山口薬学大会
当番佐賀県は本県の一福岡支部の会員数にも及ばぬ小県であるにも拘らず非常に盛大であったが、四十三年度は本県で開かれるので詳細に記録にとどめて参考にされたい。また同大会において辞任された藤田九州薬学会々頭の後任には松村福岡大学薬学部長が会頭と決定した。

 (4)薬学講習会
 本年度は福岡、北九州両会場とも例年より出席者多く、前年対比36%増であったが、その理由は未加入会員、勤務者の各施設への呼びかけ、薬剤師自身の資質の向上に関心を示して来たことなどによると思われる。

 (5)臨床薬理学講座
 第一回講座は百五十名余の出席であったが、当日のアンケートの結果、第二回講座を来る十二月十日福岡商工会議所において開催することになった。その結果によって第三回目を計画することになる。

 (6)分業推進について
 中村担当理事より、日薬の医薬分業実施対策本部発足後各界に対する反応と動向について及び医薬分業状況の推移につき詳細な報告があり、東京、大阪などのマンモス都市では処方せん枚数の多いのは当然であるが、大病院よりのものが多い。その点福岡県では大病院のものは非常に少なく、開業医のものは相当多いと思われる。

 九州においては佐賀県が小県に拘らず特に充実した印象を与えている。佐賀では県立病院の外来処方せんを院外え出すよう病院薬剤師との間に話合いが持たれていると聞くが、各地ともその点考えるべきであろう。福岡県は十月請求が現在までの最高であったが、一時減少したのが再び元に持ち直りつつあると報告され、次の様な注意項が述べられた。

 ▽十一月分請求の締切りは年末のため十二月二日まで
 ▽保険薬局PR用薬袋は会報にて通知した通り
 ▽調剤報酬請求書及び請求明細書のとじ方の改正について
 ▽社保委員会は十二月六日頃開く予定であるが、各支部の担当委員と合同会議にしたい。
 ▽厚生省の行なう保険薬局指導監査は本県には明年実施になる見込
 ▽歯、薬協定処方についてその努力は順調にすすめられており、実施前と比して新処方なども逐次延びている。

 (7)管理薬剤師会について
 二年前発足したが、その後会長の辞任などで不活発であったが、現在管理薬剤師払底の機をとらえ本会も活発化すべきであるとの気運となり、女子薬を中心に再発足することになった。今後の在り方など検討するため、現在アンケートによりその実態調査を実施している旨、竹内理事より報告があった。

 (8)県公衆衛生大会について十二月九日福岡明治生命館において開催されるが、同大会において功労者として本会から、県知事表彰を杉本好子氏、県公衆衛生協会長表彰を荒巻善之助、倉石久の両氏が受ける予定である。

 (9)委員会活動について
 公衆衛生委員会は十二月十三日に、社保委員会は十二月六日頃開会の予定。

 (10)日薬職種部会研修会
 日薬主催による「病診薬剤師職種部会研修会」は昨年度は東京、大阪の二ヶ所において開かれたが、今年度は東京、名古屋、福岡の三カ所で開催される。福岡は二月十六、十七の二日間テーマは水臓ホルモン、副腎皮質ホルモン、性ホルモンなどで、開局者及び会員外薬剤師の参加も認める。

 (11)元本県薬会長古賀常吉氏の受章について
 十一月三日勲五等に叙せられ、瑞宝章を授けられ、二十一日には地元大牟田において同市並に商工会議所などの主催により各界の指導者百六十名が出席して盛大な祝賀会が催された。

 (12)日薬会賞候補について
 九州単位で候補を出すべきと考えられるので、本月二十六日開催のブロック懇談会において打合せたい。

 (13)日薬主催九州山口ブロック懇談会について
 分業推進のための懇談会であり、東京を始めとして全国各ブロックで行なわれた。九州山口ブロックは二十六日(土)十時より四時まで市内三鷹ホールにおいて開催される。出席者は日薬より武田会長、武井副会長及び地元各県会長、日薬代議員、副本部長など二十二名であるが、一般の参加も認めているので県薬理事中より若干名出席する予定である。日薬よりの議題はないが勿論分業問題が骨子となろう。時間に余裕があれば他の議題をも提出してローカル色あるものにしたい。

 (14)その他
 ▽四十二年一月四日十一時より九州薬事新報社主催各関係団体協賛による恒例の薬字同冠者年賀会が開催されるが、これに関連して当日は県薬理事、支部連絡協議会を開催するので多数参加されたい。

 ▽グループ保険について
 鶴原理事より現在三三五口で当初計画の千口には遠く及ばない。加入者が多い程有利になるので、各支部においてもなお一層勧誘に努力されたい。(柳川市の美奈川氏がこの保険による第一号で近く百万円が支払われる)

 ▽日本薬政会について長野副会長は「高野氏が会長に選ばれ、副会長を推薦した上で辞任されたため、その後、副会長が集って会長代理を選び、その事務を代行することになり私が選ばれた。薬政会は日薬と表裏一体であるが、現在の主たる目的は分業達成にある。これの達成には医療法改正について、公けの場における討論で勝たねばならないが、吾々は不幸にして代表を国会に持たない。然るに幸い、高野氏が神奈川県より参議院議員の補欠選挙に出馬される可能性があるので、その時は往年の分業運動のみじめさを思い起し、国会に議席を持つため、出来得る限りの応援をしなければならない。私としては来年会長が選出されるまでに、経済面を瞭らかにしてスッキリしたものにしたい」と述べ、引続き四島会長は補足して「高野氏の政界復帰は代議員会でも決議されたことでもあり、二十六日のブロック懇談会においても九州山口で、高野氏バックアップの体制に入るよう決議されることになると思う」と述べた。

 九州薬学会々頭に 松村福岡大学 薬学部長決定

 先に佐賀市において開会された第34回九州山口薬学大会において、同会会頭藤田稗氏の辞任に伴い、その後任に福岡大学薬学部長薬博松村久吉氏を選考したが同氏欠席のため、後日同氏の了解を求めることになっていたが、このほど同氏の了解を得、九州山口薬学会々頭は正式に松村氏に決定した。なお同会役員は堀岡(九大)一番ヶ瀬(熊大)樋口(長大)以上常任幹事、西海枝(九大)林(熊大)小林(長大)河野(第一大)の諸氏が幹事と決定した。

 福岡市薬部会長会 薬禍献血分業など

 福岡市薬剤師会は部会長を二十四日一時より県薬会館において開会し、二十二日開会された県薬の支部連絡協議会の報告及び先に行なった薬と健康展の実施報告、また薬禍防止連盟、愛の献血友の会の組織拡充などにつき協議した。

 なお薬禍防止連盟及び愛の献血友の会の組織強化については本年中に充分な態勢を備のえることとし、その他医薬分業問題については新年早々「保険薬局部会」を作り積極的に分業促進活動を推進するよう、社保委員会で具体的にその準備を進めることになった。

 福岡市薬業者主催 六本松薬局 新郎新婦祝賀会

 福岡市の薬業界では同市における小売薬業者の後継者が結婚した場合、市在住の薬業者が一堂に会し、その二世夫婦を招いて祝福し「立派な薬業者」となることを願って祝賀会を催すことになっているが、本月二十一日市内第一銀行ビル三鷹ホールにおいて、その第四号の祝賀会を午後五時半から開催した。

 当日の新郎新婦は現在福岡県薬剤師会長の四島久氏二男信氏と伸子さんのお二人で、約百八十名の薬業者(小売、卸、メーカー、勤務薬剤師、県当局など)が、その御両親をも同時に招いて、盛大に行なわれた。

 福岡県下三十五社 薬品卸業組合 実質的に結成

 福岡県内の薬品卸問屋では、四ブロック毎に纏まって組合組織となり、種々業界問題などに対処していたが、今日では交通の便また各社の業務拡張など種々な面で県下一本に纏まる機運が高まり、十一月二十一日十一時より市内マルベニにおいて、県下の卸業者三十五社の中二十二社の出席を得て、実質的な県卸業組合を結成した。当日は会長を鶴原薬品株式会社鶴原六郎氏と決定し、細部については来る十二月三日幹事会を開催して種々検討した上決定することになった。

 福岡の 薬祖神祭 祭典廃止 自由参拝となった

 福岡の薬祖神祭は昭和二十五年以来昨年まで晩秋紅葉の森、住吉神社境内の少彦名神社において十一月二十二日祭典が行なわれ、主催者筑紫二十日会の会員外メーカー、卸、小売、病院学校、官庁その他関係団体代表やく六〇名が参集礼拝、記念撮影後小宴が開かれていたが、本年から都合により祭典挙行を廃し、各自自由に当日参詣することになった。