通 史 昭和41年(1966) 日薬−県薬−市薬
九州薬事新報 昭和41年(1966) 5月10日号

 福岡県学校薬剤師会 第13回定時総会 友納会長外役員重任決定

 福岡県第13回学校薬剤師会定時総会並に評議員会は4月25日1時半より県薬会館に於て県薬務課長、県学校保健課長(代理)などの来賓の出席を得て開催された。 当日は午前11時より評議員会を別個に開催する予定であつたが、評議員の出足が遅かつたため午後の総会を合同して行うことになった。

 開会、先づ友納会長は、学薬も諸先生の努力により社会的にも又内面的にも向上しつつあるが、全国的にも90%強の設置をみている、然し本格的な仕事を実施している処はその半数であろうと云われている。日本学校薬剤師会は今年度総会に於て可児会長留任、会は時代に即応して新しく出発をすることになった。又吾々の関心事であつた日薬と学薬の関係も武田日薬会長の言を借りれば、親子のような関係で一心同体とも見るべきであろう。尚日本学薬の会費徴集の件は来る六月開催予定の講習会の際、臨時総会を開会して決定する事になっている。

 私が昨年文部大臣より表彰されたことは私個人でなく皆さんの代表としてであるので、今後共相変らぬご支援をお願いする。とあいさつ、次いで来賓の祝辞に移り、尾崎県薬務課長、岡野県薬副会長、県学校保健課長などのあいさつがあり、それより会長を議長として議事に入った。

 40年度会務並に事業報告は異議なく承認され、40年度収支決算認定、41年度事業計画、同年度会費、同年度収支予算など原案通り可決決定したが、その中主たる事項は、

 @41年3月31日現在で、本会の会員数五五三名、学校薬剤師設置学校数八〇〇校である旨報告。
 A会費については明年度、多少の値上げが考えられるが、今年度は前年度と同額であること、及び私、市、町立高校及び幼、小、中学校は学校薬剤師一名につき年額三百円(四一六名)県立高等学校は一校につき年額八百円(一二三名)である。
 B学校環境衛生設備整備国庫補助金は昨年度8セツト消化、今年度分11セツトの中現在6セツト消化しているので、各地区これの消化に努力されたい。
 C日本学校薬剤師会々費については種々討議された結果、学薬が独立している県は学薬より、独立していない県は県薬より徴集することになろうが、本県としては本会より大体六万以内におさえる考えである。

 次に、任期満了による役員選挙に移り、評議員中より五名の選考委員を選出、選考の結果、現役員が重任となり、現在欠員である南部より薦選の副会長一名は近く決定することになっている。重任の友納会長は、昨年六月より家庭の事情により他の役員関係は全部辞任したが、本会々長だけはお受けすることにした。私にとつては前期二ヵ年は非常に重荷であったが、どうにか大過なくして務め、ホットしていた処で、諸先生のご支援があれば、もう一期、一生懸命にやりたいと思っている、本日の総会に出席が悪いのは、軽るい意味で安心して幹部にまかせて頂いているとも思うが、私共執行部としては洵に淋しい感じであります。学薬は只単に学薬としての仕事を実行するだけでなく、職能を通じて社会にPRすることも亦大きいな意義があると考えられるので、今後、皆様の一層の努力を期待するものであります。と重任あいさつをなし、当日の総会を閉じた。

 尚当日県教育庁の山下技師より学薬会員に対し次のような注意事項が述べられた。
 @執務情況などは執務記録簿により調査されるので執務した場合は必ず記録して実績を残すよう心掛けること。
 A地域社会の保健計画にはつとめて参与し、環境衛生の面を担当するよう心掛けること。
 B事業計画の中に県教育委と共に事業に当るとあるが、県としては効果ある事業を実行したいと計画しているので、この点ご協力をお願いする。

 福岡市薬臨時総会 新役員決定 会長に波多江氏

 第21回福岡市薬剤師会定時総会が前月22日開会され任期満了による役員改選が行われた。選考委員会により先行した最初の友納会長の重任も再度選考の斉田和夫新会長も、何れも固く辞退され、これがため総会は新会長決定を選考委員会に一任することになっていたが、その後委員会は慎重選考の上五月六日の臨時総会に諮り満場異議なく左記の通り決定した。

 会長=波多江嘉一郎
 副会長=斉田和夫(東部)久保川憲彦(西部)岡本弘(中央部)西森基泰(南部)福島明治(勤務部)
 監事=大隈次郎、(勤務一名未定)
 理事=内田数彦、藤幸江、荒巻善之助、磯田正之、冨永雄造、塚田豊、中野佐、大城安夫、小野信方、小田浩平、小須賀正義、白水静次、丸林仁雄、真崎勝次、竹尾啓二、糸岐良次、山下泰弘(県教育庁)金枝正己(九大病院)

 福岡市学薬界 新役員決定 会長に内田数彦氏

 福岡市学校薬剤師会では先の総会に於て会長三名(正副で)を選出、正副会長は互選により、その他の役員の選任は正副会長に一任されていたが、その後互選の結果正副会長、役員は正副会長によって左記の通りこの程決定発表した。

 ▽会長 内田数彦
 ▽副会長 柴田伊津郎、馬場正守
 ▽理事 矢野憲太郎、土肥善衛、江頭溜、原口静、野口美智子、杉本好子
 ▽監事 岸田清輝、田尻浪二
 ▽顧問 友納英一
 ▽班長 1‐富永泰資、2‐小田浩平、3‐中野佐、4‐高倉博、5‐富永雄造、6‐佐々木正喜

 福岡市学校薬剤師会 会長就任の挨拶 内田数彦

 矢野憲太郎会長が一身上の都合で本年度総会限り会長をおやめになり、後を年の効を以てやれと県学薬会長の友納先生の口説きにより、浅学非才その器ではない事は充分知りながらも、熱心な柴田伊津郎先生、馬場正守先生が副会長としておられるなら何とかやれるのではないかと思い、会長をお引き受け致しました。

 元来私は内気で愚鈍な質で、人の上に立つ柄ではない、前会長矢野先生の様に切れる頭はなく、人を魅する力もなく、統率する力もなく、県学薬会長友納先生の様に喋る事も出来ないが学薬として一所懸命努力したいという情熱は持っている積りであります。

 幸い頭も冴え、腕もきいた、柴田先生、馬場先生が副会長としておられ、矢野前会長も理事として残られ友納県学薬会長も顧問としておられ、杉本好子先生、江頭溜先生、土肥善衛先生、原口静先生、野口美智子先生達が理事、岸田清輝先生、田尻浪二先生達が監事としてご協力下さいますので学薬の任務を遂行し、学校環境衛生の改善に勤め、それに依り薬剤師の社会に対するPRにもなる様にと努力したいと思っております。学校薬剤師が発展する様に皆様のご指導と、ご鞭撻をお願いして、私の挨拶とします、どうぞよろしく。

 支部別保険調剤調査票 昭和41年3月分 福岡県薬剤師会

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九州薬事新報 昭和41年(1966) 5月20日号

 薬剤師の自己批判、上空より見た薬剤師 薬剤師の職能向上について

 福岡県薬一会員

 "木を見て森を見ず"という言葉がある。私達の薬剤師会がやっていることも実にこんなことが多い。薬剤師六六、六〇〇名という森のなかに入っていると、再販制度とか、乱売問題、距離制限、調剤料、給与表などの一本一本の木を見ることは出来るが、一体薬剤師全体の森はどうなっているのかと見失つてしまいがちである。この点は余程戒めないと、客観性を失い、内側の問題だけに注意が注がれて、薬剤師の社会性という問題が見失なわれてしまう。

 "薬剤師に対する社会通念の打破"などというテーマも結局一時的なものに終り、具体的な方策も樹てられないままに今日に至っているのは森を見ようとしないからだと思う。それだからと云って内側にある問題に手を付けないでいいと云うことではない。

 ここで特に主張したいことは、内側の問題と併行しながら外側も見てもらいたいということである。 絵を画かない画家、詩を作らない詩人、リサイタルをもたない音楽家などが、社会から認めてもらえないと同じように、社会性に乏しい薬剤師ばかりでは社会で認めてくれないということを主張したい。

 医師個人には先づ患者という外側があり、医師会には社会保険協議会や労働衛生問題その他の外部と接触する機関が沢山あって、いやでも応でもその職能を世間に知らせることが出来るその上に医師には政治的有力な人材も多士済々であって、おまけに、ジヤーナリスト、文学者、画家と多方面に進出し、広い社会性を身につけている。

 翻って薬剤師側を見るとき、人材がないとはいえないまでも、まことに寥々たるものである。もっとどしどし社会の凡ゆる面に進出して主導性を握るくらいの気構があってほしいものである。内弁慶であってはならないし、他流試合の出来ない未熟な腕前では地位の向上など望む方が無理であると思う。

 要するに、森のなかからヘリコプターで中空高く舞い上って、広く社会全般と薬剤師とのある姿を眺め、客観性が身についたところで色々な方策を建てるのでなければ結局はやること凡てが自慰行為に終ってしまうことを警告したい。

 これは独り県薬の問題に限らず、日薬にしても、日本薬学会にしても、現在の在り方プラスアルフアが欲しい。プラスアルフアというのはもつと外側に認めてもらえるもの、今少しく社会性のあるものに目を向け、力を注いでもらいたいということである。でないと魅力ある会には到底なり得ないであろう。

 薬剤師の職能 を向上させる 方策

 このテーマは「薬剤師の地位向上」と密接な関係があるので、ここでは両者を一緒にして論じてみたい。 その方策の骨子をなすものには@政治的な方策、A行政的な方策、B専問分野における方策の三本の柱が必要である。

 (1)政治的方策について
 国会、県会、市会等に代表者を送ることが大切である。このことについては日薬をはじめ、県薬、市薬等の指導的立場にある人等の間に充分な認識があるに拘らず、一般会員に政治力が欠除しているためにいつもながら敗北主義に陥っている。従って薬剤師は、日常自己の狭い殻の中に閉ぢこもることなく広く社会活動を行うべきである。

 例えばロータリークラブ、ライオンズクラブ等をはじめ各種文化団体、スポーツ団体等に進出し、指導的役割を果しておれば、政治力はそれに伴い向上してくる筈である。そのために必要な指導者としての訓練を施さなくてはならない。指導者訓練にはMTP方式や自衛隊方式など各種の方式があるがその原理は一つのものであって、どれを用いてもよい。これに対する反論としては薬局経営者や勤務者のうちには、人員構成の面で斯様な訓練を必要としない人たちが多く、日常業務に直結しないことを挙げるに違いない。

 然しながら薬剤師の一人一人が指導者としての充分な訓練をうけ、団体や大衆を統率する実力を身につけておれば、周囲のものがほっておかないであろう。それでは如何にして薬剤師を訓練していくかの問題については、具体的な方策を後尾に他の訓練とともに総括して述べることとしてあるので、ここでは省略する。

 (2)行政的方策について
 物に限らず人でも需給関係によって価値が決められる。市場を顧慮せず、大量製造するような、需給調整を知らない業種は利益をうることは出来ない。生産が過剰な場合は生産を調整しなくてはならないし、事実小麦、鉄鋼など絶えず需給調整を行い価格の維持を図っている。人材の面に於ても特に吾々の身近かに位置している医師、歯科医師などモデルになるものがあるのであるが、どうした理由か薬剤師は人間の需給関係を調整しようとしない。

 薬科大学は戦前11校を算するのみであったのが戦後は31校にまでふくれ上っている。薬剤師はこのため毎年三千名宛増加している。正に大量生産であって、しかも何等の統制機関もない。今一つの行政的方策としては人事院の給与表の問題がある。これは永年日薬でも論議されていることなのでここでは省略することにする。又、ラヂオ、テレビ新聞などの報導機関の利用なども行政的方策に入る。

 (3)専問分野に於ける方策について
 最近ある薬業新聞紙上に東京都の薬局薬剤師と慶大医科の教授の対談が掲載されているのを一読して痛切に感じたことがある。内容は降圧剤の使い方についてであるが、教授が"薬局に来る高血圧の患者には何を与えますか"と質問したのに対し薬剤師は"メトブロミンを与え、それから医師に診てもらうように忠告しています"と答えている。詳細は省くが医師である教授は相当辛辣な言葉でこれを批判している。

 元来降圧剤には基礎薬と附加薬との二種があって、先づ最初に与えるのはベンゾチアチツド系(別名クロロサイアザイド)のものか、レセルピン系の基礎薬であって、それでも効果が得られないときに附加薬を与えていくのが常道とされている。メトブロミンなどの四級アンモニウム塩は腸管からの吸収が一定でどうかすると一時に多量吸収されて急激に血圧を降下する危険な薬品であるため、医師でも外来では与えず、入院させて、充分な監視下に最後の手段として用いる程慎重に扱っている薬品である。

 この一事を見ても薬剤師が如何に不勉強で医薬品を知らないかを伺うことが出来る。これは勤務薬剤師についても同様のことがいえる。過去70年「調剤は薬学最終の目的である」と唱えて来ては見たが、その調剤は開局医師のところでは果して薬剤師が行っているか。技術的には誰にでも出来ることなのであることを事実が証明している。

 又一部の旧型の勤務薬剤師の間では予算内の薬品使用、もうかる処方などが最大の使命の如く錯誤している向もあるが、これとても多少の薬品に対する知識さえあれば事務屋の方で立派にやれることである。但し現在のデーリーワークをやめて勉強だけしろと言うのではないからその点は誤解をしないように。

 専問書を殆んどもたない専問家、専問知識に乏しい専問家は結局、素人に対しては何とか面目を保持することが出来ても、同じ専問家である医師からは信頼と尊敬をかちうることは到底望み得べくもない。 このことについては本年度の富山に於ける薬学大会に於て武田会長、石舘博士からも示摘されており、薬剤師の最大の欠点が学識の欠如にあることを雄弁に物語っている。従って吾々が先づ着手しなければならないことは薬剤師の再教育による体質改善であることは論ずるまでもないことと思う。

 さて再教育を始めるとして一体何から着手するか又その方法や予算が問題となってくるであろう。科目としての第一選択は"臨床薬理学"であることを提案したい。これは医薬品の一般名、組成、構造式商品名、薬理、特徴、副作用、適応、価格、薬価基準を比較することによって現在市販されている医薬品の比較対照と位置づけを行う性質のものである。

 その他衛生学、法医学、裁判化学、薬品鑑定などの数多くの科目があるが、県薬の会員構成から考えて、臨床薬理学が最適性であると信ずる。又この点が案外薬剤師の盲点であることも示摘したい。毎年行われる薬学講習会の科目も結構であるが、降圧剤の使い方一つ知らない薬剤師ではどうにもならない。先づこれからやり直しては如何かと思う。

 次に講習会の方式であるが、一時に一ヶ所に沢山集めて著名な講師を招聘する方法は経費ばかりかかってその割には成果が挙らない。そこでここに提案するのは降圧剤を例にとると会員のなかから講師を募るか、若し応募者のないときは割当てるかして、会員自らを講師にすることである。この利点は講師自らが勉強をしなければならない。第一経費が要らない、又話の内容も、県薬で統制することが出来るなどである。このようにして強心薬、利尿薬抗ヒ剤などを一日に6題前後処理し3日間続けると、20題位は片付けることが出来る。

 集める講習生は各地区から一名宛計○○名とし、この講習生が自分の地区で講師となる。若し講習生を福岡市に集めるのが経費その他の面で困難ならば講師の方が出向いて行けばよい。そのとき講師の人員が多くて出張の経費が嵩むようであれば一人の講師に3題位受持たせたならば2〜3人の講師団でよい。 政治力の項で触れた「薬剤師の政治力養成」の基礎的な訓練もこの間に一緒にやってもよい。そういうことを一人でやれる講師も会員のなかには居る筈である。いわゆる新しい薬剤師道を布教する宣教師も必ずいると信じている。

 福岡県薬・理事会 日薬の分業実施対策本部新設報告
 県薬の事業計画書各担当理事提出

 福岡県薬剤師会では41年度の事業計画につき前回の理事会に於てそれぞれ担当理事を決め、理事は各自その計画書を提出することになっていたが、依って5月12日1時半より県薬会館に於て全体理事会を開催、提出計画書について慎重検討した。開会先づ会長は「今日の理事会で今年度の事業を具体的に決め、いよいよ本格的に事業に突入しなければならない」と理事の決意をうながし、直に左記議事に移った。

 (1)中央情勢報告(四島会長)
 先の日薬理事会に於て、医薬分業の完全実施と小売薬業経済対処問題の二つがあげられたが、分業対策については「医薬分業実施対策本部」を設置し、三年先を目標に、手掛りは今年中に固めることとした。同本部は本部長に宮道悦男氏(大阪薬大学長)が決定、副本部長に日薬副会長3名及び東京都薬、大阪府薬会長、地方在住副部長(ブロツク別10名)、部員には日薬常務理事10名のほか各ブロツクその他から各々10名づつ、地方在住関係は地方本部員に地方県薬会長がこれにあたることになった。経済面では全国医薬品小売団体連絡協議会に日薬から委員5名(井出、山崎、四島、稗、沖)、中央安定協議会にはメーカーなどの要請もあり、3名(5月18日同会開催当日認められれば)委員として出すことに内定し、(従来の日薬よりの委員とは若干違った性質で)日薬も経済問題に乗り出すことになった。

 (2)重点事業推進方策について

 @強力にして魅力ある薬剤師会の再組織
 これについては言うべくして仲々むつかしい。百%入会して会が強くなるか、少数でも真に理解ある会員だけにする方がよいかなど種々検討されたが、一応入会させ善循環に持って行くことになった。

 A医薬分業実現への強化推進について
 非常にむつかしいことではあるが、やらねばならぬ。社会情勢も好転しているとはいえ安易感は禁物である。又日薬本部とも歩調を合せる必要もあり、長期対策と、勇気があれば直ちに、実施出来るものを併せ行う。又薬務局、薬務課の積極的な協力がなければ出来ないので、懇談会など催し、基礎が確立すれば医師会との懇談を行う。又分業を阻害(保険「無料」の仮面のもとに医薬品の乱用助長)しているものを排除するため、メーカーを牽制、医師との対決など凡て行動を開始することにある。

 B勤務薬剤師の地位向上と給与の改善について
 具体策としては診療報酬点数表(甲表)による基本診療料より調剤料の分離、又病院薬局を薬事法による薬局とする、或は医療職俸給表(二)の分離、など其他今後一つ一つを採り上げて勤務部会で調査の上、県薬で実現の方向に努力する。

 C薬剤師職能の向上について
 開局、勤務、何れも先づ各薬剤師個人が向上することであるが、薬剤師自身の自覚の薄弱さは残念だが目に余るものがある。会としては勿論向上に努力し、支部長会、部会長会など種々会合の形でやるべきである。開局、勤務共特に薬剤師としての強強が足りないことを痛感するので、臨床薬理学(店頭医薬学)などの講習会を開催すべきである。この講習会について県薬としては地区別に二回位(経済問題も加味するかどうか検討した上)本年度中にすすめることになった。

 D公衆衛生に対する見解について
 開局、勤務を問わず強力に推進すべきで、学薬活動そのものは、学薬の領域であるが、それを大衆にPRする部面は公衆衛生の領域である。これに関連し会長より今後学校薬剤師は、勤務薬剤師女子潜在薬剤師などにも拡げるよう要望があった。当日は終始熱意ある討議の連続であったが、提出された各担当理事よりの具体策は遂次県薬では実行に移すことになり理事会を閉じた。

 福岡市学薬 新役員会 今後の運営協議

 福岡市学校薬剤師会では去月22日総会を開催、役員改選が行われたが、その新役員による初の理事、班長会を5月9日1時より県薬会館に於て開会した。

 先づ内田会長は挨拶として抱負を述べ、報告並に注意事項としては@市教委にて器具類三セツトが購入されたこと。A辞令は一両日中に交付されること。B執務日誌記載については日曜出勤、各種大会へ出席の場合も出来るだけ記入することなどが述べられ、種々検討した結果、今年度の事業として次のような事を決定した。

 ▽班長に対して事務連絡費として今年より年間千円支給する。
 ▽理事会並に班長会などの決定事項、学薬ニユース等を全会員に周知させるため学薬会報を発行する。
 ▽養護教員との連絡を緊密にする。
 ▽理科用薬品整備保存に関する指導要領としては概念的な面より、爆発、発火などの危険薬品の保管面について助言することを適当とする。
 ▽僻地学校は市学薬として直接調査などを実施する。
 @黒板
 A給食食器調査(蛍光検査燈による)‐6、9月
 B貯水槽残留塩素測定
 C空気検査‐(12、1月)

九州薬事新報 昭和41年(1966) 5月30日号

 強風ふきまくる 第10回組合総代会 理事十三名、監事四名選任

 福岡県医薬品小売商業組合では第10回組合総代会を5月16日午後1時30分より、田辺製薬福岡支店会議室に於て開催した。

 会議は藤野専務理事の司会により、先づ岡野副理事長の開会のあいさつにつぎ、白木理事長は、商組の事業は不況を如何に阻止するかということであり今日迄種々成果は上げているも、尚積極的対策をとの不満もあるようだが、組合の性格上椽の下の力的なものである。全商連は再販問題、共同化、調整事業、統計などと研究をすすめている。と挨拶し、

 次いで来賓、中川県衛生部長、吉田通産局商工部長の祝辞に続いて四島県薬会長は、商組の活動が現下の急務だといわれているが、経済活動は仲々むつかしい。無用論なども出ていると聞くが、個々の力は弱いので纏まった力で自分を護る事は当然の事で、若しこのような組織が無かつたらと考えると肌に粟を生ずる。先般来執行部の話しでは四ブロツクの強化により体質を改善するやに聞くが、時宣を得たことであると思う。と述べ、

 次に全国医薬品小売商業組合連合会荒川理事長は、全国でも商組の活発な動きは九州であり、その中でも特に活発なのは当県ではないかと思っている。現在、再販は26社が実施しているが見透しは暗く、14団体に対する見解も心配している。これ等に対し吾々は団結して護りたいと考えている。先般小売の窓口一本化が行われたがこれは特殊指定問題で吾々の組織の弱さを暴露したため強力なものにしたい考えからである。今後共吾々は小売の反映のため努力したい。とあいさつし、それより議事に入り議長は、司会者の指名により工薬益夫氏が議長席につき、同氏は、「総代定数一三〇名中過半数出席で会は成立」の旨を宣し、

 ▽報告1号 昭和40年度業務並に事業報告
 ▽同2号 全商連理事会並中央安定協議会出席報告
 ▽同3号 福岡県安定協議会並九州ブロツク懇談会出席報告
 ▽同4号 監査に関する報告
 先れも異議なく承認
 ▽同5号 組合員数報告
 実数と違うのではないかとの質問があつたが、実数であることで報告通り承認

 ▽議案1号 昭和40年度収入仕出決算認定の件
 二、三質問があって認定
 ▽同2号 昭和41年度事業計画決定の件
 新執行部により煉られることが好ましいが、一応の粗案をかかげたとの藤野専務の説明があり、総代より全国商連加盟及び九州ブロツク協議会など必要ないとの発言もあつたが、弱者の協同、組織は必要であるとの意で原案通り決定した。
 ▽同3号 昭和40年度組合費決定の件
 ▽同4号 昭和41年度収入支出予算承認の件
 一括上提、山手会計理事の説明があつたが、ブロツクへの交付金、過年度未収金集団脱会者など微妙問題があるため、新旧執行部で再検討して必要あれば修正、六月末迄に文書を以って承認を求めるとの条件付で承認された。
 ▽同5号 調整規程継続申請承認の件
 異議なく決定

 ▽役員選出について
 理事、監事、全域総代を選考委員制により選出することになり、選考の結果左記の理事13名、監事4名が選出され他の理事は当日決定の新理事によって後日新たに選出することになり、六時総代会を閉じた。
 ▽理事(13名)
 福田忠吾、松島雄、杉山官、芳野直行(北九州)飯野敏夫、松村精一、吉柳富雄(筑豊)岡野辛一郎、鶴田喜代次、中村若市、川島豊(筑後)須原勇助、斉田和夫(福岡)
 ▽監事(4名)
 陣内三郎、的場長記、岩崎寿、武田準一

 福岡地区小売薬業者 総結束(役員決定) 理事長に四島久氏選任

 福岡氏薬剤師会は去る六日の臨時総会に於て新役員が決定したが、5月19日急遽新役員による緊急部会長会を県薬会館に開催した。

 波多江会長は新任挨拶後、新役員の紹介並に業務分担について、尚顧問に四島県薬会長、友納前市薬会長の両氏を決定した旨をも報告した。次いで去る16日県薬商組総代会での役員改選において福岡地区よりは理事一名が選出されたのみであったが、来る21日に商組の新任理事による理事会に於て他の未決定の理事が選出されることになっているので、福岡支部としては組合も含め、これに対する考え方を纏めるため、当日の部長会を開催した旨、説明があつた。

 次に須原福岡地区組合理事長から先の組合総代会の報告があり、次いで当日出席の四島県薬会長は、福岡市薬は宮崎、佐賀県などより会員数も多く、数年前より保健所単位にまとまり、市薬はこの連合体的存在と云われていたが、仲々軌道に乗らず、今後は部会長も積極的に役員として自覚を以って邁進されたい。又県商組は範囲が広きに過ぎ協調も仲々むつかしいが、今日迄努力の結果小康を保っているが、先の総代会で特に四ブロツクを強化することになったので、業界内外共に重大な時期に当つて、構造改革を行い全小売業者は一丸となって再建して貰いたい。と希望を述べ、種々意見を交換したが、薬剤師会、組合共強化することについては意見の一致を見、各部会毎に全小売業者が纏まり、一致団結して重大時期に立向う態勢を、強力に推進することとなった。

 引続き翌20日2時半より福岡市周辺郡部も含め、支部長が参集し、福岡地区組合再建につき意見の交換、種々検討した結果、幸い今日迄実際的活動をしていない福岡地区薬業協同組合があるので、これを強化再編成、半ば独立した医薬品小売商業組合支部として再発足することになり、左記役員を決定して当日の部会長会を閉会した。

 ▽理事長=四島久
 ▽常務理事=斉田和夫
 ▽会計理事=須原勇助
 ▽理事=吉松正記、玉島安基、柴田繁夫、(福岡)岩崎順一(筑後)建井智郎、栗須鶴喜(粕屋)庄野道徳(宗像)三苫義夫(糸島)
 ▽監事=西森基泰
 ▽相談役=波多江嘉一郎、白木太四郎、藤野義彦、山手陽一