通 史 昭和40年(1965) 日薬−県薬−市薬
九州薬事新報 昭和40年(1965) 9月10日号

 中央医療協再会三回目の総会 漸く実質的論議に入った

 中央社会保険医療協議会(会長東畑精一氏)が去る八月十四日七ヵ月ぶりに総会が開かれ会の構成もととなったので、引続き廿二日に再会二回目の総会を開会、厚相諮問の薬価基準三%引下げ案の審議に入ったが、保険局長などからこれ迄の経過と諮問の詳細について説明があつたのみで終り、第三回目の総会が九月一日午後二時から東京、平河町の都市センターに於て開会された。

 当日は薬価引下げの実質審議に入ったが、診療、支払い側、両者の主張が平行線を辿った儘で五時半に散会した。

 薬価基準の引下げは医療保険で使用する医薬品の価格を実際に売られている値段即ち実勢価格に迄引下げ様とするもので、引下げ自体は厚相の職権で年一回行えることになっている。然し現実には診療側の反対のために去る三五年以来引下げは行われていない。その差格(利益)は医療機関の収入となっている。

 それをその儘厚生省は放置していたのであるが、先の医療費の緊急是正(九・五%引上げ)と同時に薬価基準の引下げも問題となり、昨年四月の中央医療協(当時の会長有沢広己氏)の答申中の公益委員の意見書に「薬価は定期的に改定すべきであるが、今回は長く据置かれており、実質上は医師の収入となっているので、既得権を尊重して医師の技術料にこれを振り替えるのが妥当である」と云う趣旨の意見が述べられ、前厚相は昨年末、総医療費の三%(約三百億円)に当る引下げを医師の技術料にふりかえる案を中央医療協に諮問したがその儘現在に至っているのである。

 前回の総会で熊崎保険局長は「技術料への振り替えは今回限りとし今後続ける考えはない」との説明もあり、三%以外の薬価引下げはそのまま被保険者(支払い側)の負担軽減に当てる態度を今回明かにした。

 これに対して診療側では、薬剤費は診療報酬の一部であるので追加引下げ(約一・五%)をも技術料に振り替えるべきであると主張し、一方支払い側は「今回の技術料への振り替え諮問は全く異例のことであり、引続き認めさせ様とするのはおかしい。引き下げの分は其都度国民の負担軽減に還元すべきである。

 又諮問は三%についてだけであるから其他の一・五%を含めて論議するのは筋違いである」と述べ、これ迄の主張を双方共繰返し、両者の言い分は対立したままであつた。同日の審議で診療、支払い側両者の基本的の立場は明らかとなったが、今後歩みよりが果してできるかどうか、結局は公益委員の裁定になるのではないか。なお、次回は八日開会することに決まった。

 第一回 組織特別委 特指特別委 委員決定

 福岡県薬剤師会は先の理事会で決定した「会の組織拡充整備に関する特別委員会」並に「医薬品特殊指定に関する特別委員会」の委員委嘱を8月30日付で手続をとり、その委員による第一回委員会を左記により開会した。(詳細次号)

 ▼会の組織拡充整備に関する特別委員会
 ▽日時=9月8日(水)午後三時より
 ▽会場=県薬会館
 ▽議題=@会長諮問事項について、A委員会の運営について、Bその他
▽委員(十四名)  委員長=長野義夫‐副会長
 委員=堀岡正義‐副会長▽工藤益夫‐専務理事▽竹内克己‐常務理事▽友納英一‐同▽鶴原正蔵‐同▽林真一‐理事▽中村里実‐同▽古賀哲弥‐同▽上田ヨシエ‐同▽大森義雄‐支部長▽杉山官‐監事▽波多江嘉一郎‐支部役員▽宮崎綾子‐女子薬  ▽諮問事項
 @職種別による団体の整備
 A会員の倍増
 B役員数及び代議員数の検討
 C以上に関連する定款改正事項
 D会費の合理化
 ▽答申提出期日=昭和40年12月末日

 ▼医薬品特殊指定に関する特別委員会
 ▽日時=9月7日(火)午前十一時より
 ▽会場=県薬会館
▽議題=@会長諮問事項について、A委員会の運営について、Bその他  ▽委員(一五名)
 委員長=岡野辛一郎‐副会長
 委員=福田忠吾‐常務理事▽吉柳富雄▽藤野義彦▽鶴田喜代治‐同▽佐治八郎‐理事▽安部寿‐同▽須原勇助‐監事▽神谷武信‐薬局委員▽芳野直行‐同▽藤井幸男‐同▽本間功‐同▽川浪二三男‐同▽陣内龍美‐同▽側島希允‐同
 ▽諮問事項=特殊指定に関する研究と本会の基本的態度決定
 ▽答申提出期日=昭和40年9月末日

 福岡県薬理事会 重要二種特別委員会設置

 福岡県薬剤師会は先の参院選失敗に関連して前月12日開会の臨時代議員会(本紙前々号記事参照)に於て正副会長を初め理事の総辞任となり、代議員会は一応これを認め、投票により改選の結果、正副会長共前同様重任の形となり、理事も前理事を以て会の運営に当ることになったので、新執行部としては8月27日午後県薬会館で新役員による初の理事会を開催した。

 先づ会長は、先の臨時代議員会に於てこの重大事に際し県薬の強化再建のため人心の一新が必要であるとの見地から監事を除く執行部は全員辞任したが、従来通り職に止まり会の刷新と再建に努力されたいとの意味で重ねて選任されたので、私共は積極的に会の建て直しに邁進したい。と挨拶し直に次の議事に移った。

 一、会の運営方針について
 会長は、会の運営については本県の立場で、今挨拶で述べた通り積極的に心を一つにして刷新と再建に努力し、その結果を或意味に於て中央にもこれを反映させたいと発言、一同これを了承、突進することになった。

 二、理事の補充と業務分担について
現在の処補充はしないこととし、辞意を表明している四理事(井口、鶴原、竹内、古賀)については残任期間中は思い止まる様それぞれ説得することになった。

 三、一般状勢について
 @8月20日佐賀で九州山口県会長会を開催したが(本紙前号記事参照)九州山口地区の意見を統一して日薬に対処するためであり日薬正副会長の辞任は此際これを認むべきであるとの意見の一致を見た。又薬業面に於ては、医薬品の特殊指定は営業薬剤師にとつては重大な影響があると思われる事項であり、現在中央地方に於て検討中の段階にあるにも拘わらず一部行過ぎのチエーンメーカーによる反対署名を小売業に求めている実情にあるが、特殊指定に関する態度は業者自身の考えにより小売組合の立場に於て決定さるべきものとの意見が纏まったので九州山口県会長会の名によってこれに対処することになった旨の報告があつた。
 A9月27日日薬全体理事会が開会されるが、会務報告と臨時代議員会に関する件とが議題である。
 B9月28日日薬臨時代議員会が開かれるが、副議長(死亡につき)補欠選挙、日薬正副会長の辞任に関する件、若し商人となれば正副会長の補欠選挙などが行なわれることになる。本県ではこれにつき9月20日日薬代議員の打合せ会を開くことになっている。
 C9月29日日薬主催全国会長会議が開かれるが、新執行部との間に今後の日薬会務、事業運営などに関して談合する筈である。

 四、薬学講習会実施計画について
 本県では福岡9月20日、北九州27日に開会されるが(本紙前号記事参照)今年は特に受講資格の範囲を広め会員外薬剤師の(支部、病薬、女子薬の要望により)出席を認めることにし、テキストは各支部で予かじめ一括購入し、これについては一部につき二百円を支部に還付することに決めた。

 五、組織拡充整備に関する特別委員会及び医薬品特殊指定に関する特別委員会設置について
 会員の要望に応え会の体質改善の基礎を造るため標記二種委員会を設置することを決定し、委員(内定)は近く委嘱手続きをなすことを決めた。(本紙別掲)

 六、催眠薬乱用防止に就て
 最近又々乱用実例と不法販売の事実が現われて来たので厚生省よりは各都道府県及び日薬その他関係団体に通達があり、日薬からはこの程本会にも不法販売防止などに協力方を要請して来たので、本会でも一層注意する様会員を指導することを決めた。

 七、社会保険業務に就て
 @京都、築上両支部合同社会保険講習会を中村理事を講師として開催する。
 A調剤センターに関する武見発言について、先に熊本市に於ける発言は医師会の態度として誠に遺憾であり、然し日時の遷延を許さぬので日薬は厳然たる態度で臨む様善処方を要望することになった。
 B歯薬協定について、は県歯の都合により9月に第一回打合せ協議会を開催することになる。

 八、薬業経済について
 @特殊指定問題は営業薬剤師にとつて重大な問題であるので、本日決定の委員会の第一回を9月7日開会して検討することを決めた。
 Aフクオカダイエーについては藤野商組専務より去る7月31日付で不許可になった旨報告があった。

 第三回福岡県 病院・診療所 薬剤師研修会 9月25、26の二日間

 福岡県衛生部と福岡県病院薬剤師会共催の「第三回福岡県病院診療所薬剤師研修会」が左記により開催される。

 ▼期日=40年9月25日(土)〜26日(日)
 ▼会場=福岡市西町第一ビル七階、三鷹ホール
 ▼内容
 第一日(25日)
 開講式(9時30分〜10時)
 (1)血液行政の問題点(10〜11時)=県薬務課監視係長、松尾和彦
 (2)麻薬関係(11〜12時)=県薬務課麻薬係長、武田大典
 (3)製剤研究と病院薬局(13〜15時)=京大薬学部講師、美間博之
 (4)医薬品の安全性確保(15〜17時)=大薬協、医薬品安全性委員会委員長、遠藤武男
 ▽懇親会(17時30分〜19)
 第二日(26日)
 ▽D1活動の実際(10〜12時30分)
 @県病薬D1活動の経過報告=九大病院‐梅津綱吉
 A現状報告=日明病院‐勝野園子▽社会保険稲築病院‐栗谷典量▽早良病院‐森田稔▽久留米大学病院‐古賀ヒサ
 B新薬情報の集め方=九大病院‐河野義明
 ▽シンポジウム「錠剤の与薬について」(13時30分〜16時30分)
 @アンケート報告=飯塚病院‐三宅清彦A錠剤与薬の実際=九州厚生年金病院‐井田輝男▽八幡製鉄所病院‐酒井正寅
 Bシート包装形態の得失=九大病院‐内田研三
 ▽閉講式(16時30分〜17)
 ▼会費=研究会一人三〇〇円、懇親会一人三〇〇円何れも当日持参のこと、なお準備の都合があるので出欠は9月20日迄に必ず通知すること(九大病院薬剤部内福岡県病院薬剤師会)

 福岡県薬事協会 特指に不賛成

 福岡県薬事協会では現在業界問題である医薬品特殊指定について討議のため八月五日役員会を開催し各自の研究情報を交換、尚慎重討議研究の結果、次の様な結論を出した。

 一、現段階に於ては医薬品の特殊指定には賛成できない。寧ろ最終販売価格維持契約を推進すべきである。

 一、尚この問題についてあらゆる角度から研究し臨時総会後態度を決定することとする。

 福岡市薬勤務部会 八月例会

 福岡市薬系の勤務部会(九大病院薬剤部内)は8月28日午後二時から市内西町第一ビル七階三鷹ホールに於て第一四〇回八月例会(会員約五〇名出席)を開催した。今回は薬剤師の分野である環境衛生を採り上げることになったが、現在病院内の環境衛生については、実際に特別な担当者は居ない状態にある。

 然るに最近は環境衛生面が特に問題にされている実情にあるのでこれを採り上げたわけで、その行政面から又現在この方面で活躍されている学校薬剤師の実際活動について又調剤室の環境衛生中、仕事の関係上特に室内の空気の浄化の問題などにつき、次の様な講演を聴講することになった。

 ▽環境衛生行政の概況について=福岡市環境衛生課長‐中嶋義雄氏
 ▽病院に於ける環境衛生(特に学薬の立場から)=福岡市学薬会々長‐矢野憲太郎氏
 ▽医療機関に於ける空気浄化の問題(特にエアクリーナー使用の立場から)=吉富製薬学術部次長‐宗田一氏

 なお、学校薬剤師会から検査器具の実際取扱いなどについて説明があり、薬剤師会には一応の検査器具は整備されているので必要な場合は相談されたいとの希望でもあった。

 日本薬学会九州支部 第44回例会 9月25日長大薬で

 日本薬学会九州支部第44回例会は9月25日(土)13時半から長崎大学薬学部に於て開会、演題次の通り。

 ▽演題
 (1)チオ尿素誘導体の代謝に関する研究(第2報)、N‐Methylthiocarbanilide投与家兎尿中の代謝物について(長大薬学部)柴崎寿一郎、○中村悦子、坂本芳幹
 (2)2(l'‐Phenyl)cyclohexylcyclohexanone.T.2‐Capclohexylidenecyclohexanoneに対するCoH*MgBrの反応(九大薬学部)○宮野和子、田口胤三
 (3)2(l''‐Phenyl)cyclohexylcyclohexanone.U.その反応(九大薬学部)田口胤三、小林恒雄、○宮野和子
 (4)Isatinβ‐thiosemicarbazone関連化合物の合成(長大薬学部)谷山兵三、北川常広、○福島和貴、武良哲雄
 (5)フラボン類のヨード水素酸による部分的脱メチル化について(長大薬学部)○河野信助、三浦博史、松石英子

 ▽特別講演
 臨床分析化学に関する最近の研究(九大薬学部)教授‐百瀬勉氏
 なお、第45回例会は11月27日(土)熊大薬学部に於て開会、公演申込締切は9月30日である。

九州薬事新報 昭和40年(1965) 9月20日号

 業界も漸く真剣に 特殊指定問題研究会 福岡市薬・薬商組共催

 特殊指定問題がチエーン五社の反対により業界困乱の兆しさえ見えるに至り、小売側としては未だ充分これを理解しないまま一部チエーンメーカーに振り廻されている実情にあるので、小売は小売の立場で賛否を決定する事が尤も好ましいことであるとして、県内各地で説明会を開催しているが福岡市薬と県薬商組福岡支部との共催で九月九日一時より三共福岡支店会議室でその研究会が開催された。

 山手理事司会して開会、友納市薬会長は、この問題は結論に至る迄には相当の日時を要すると思っていたが、一部チエーンメーカーが小売業者の代弁者気どりの反対署名運動が現われ、迷つている組合員もあり現在迄の情勢を知ることによって不安が除かれると思うので、本日商組と共々能く研究したいと思って開会したわけである。

 次いで藤野県商組専務から本問題の現況について次の様な(要旨)説明があった。なぜこの様に採り上げられる様になったか、又なぜ実施しようということになったか、実施することが是か非か、吾々は冷静に検討せねばならぬ。去る34年大阪の八木氏より日薬へ、大型店出現による乱売についての建議があり、この時特殊指定の問題が初めて現われたのであった。

 又池袋の乱売問題で、赤チン30円から終に○になった事がある。市場の混乱これで良いのかと国会に採り上げられた事さえあった。池田内閣末期に前物価安定策が打出されたが、厚生省はこれに応じてその是正のため業界から製企会の決起を促がし、同省の肝入りで薬業安定要綱が実施される様になり、薬価安定、流通秩序の確立が図られることになったが、これには監視機関の必要が認められ「中央安定協議会」が作られるに至った。

 その後運営の面に於て支障を来し、有名な尼ケ崎問題などが起り、終に公取委がこれに介入した。然しその結果は大事に至らずして一応解決したが、これがため一片の局長通達により安定要綱は全くの骨抜きとなった。

 そこで34年八木氏により叫ばれた特殊指定問題が再びとうだいするに至り、これによって法的根拠を与え様ということになったわけである。法的にはこれより外に方法はなく唯これによって最低価格の規制をなそうということである。

 それより工藤県薬専務を座長に推し、同氏は「今日の会は決して賛否の結論を出すのではなく、本問題が如何なるものかを納得認識されることが目的であるので充分に忌憚なき質問、意見の発表が望ましい」と述べ、漸く質問も続出し、尚意見も述べられたが、中でも注意をひいたものに「どの位の者が反対すれば出来ないか」、「利益率は如何」「再販契約と特殊指定についてはどちらが法的に優先するか、再販品、制度品等には全然影響しないという事を責任ある公取あたりの人の言が欲しい」等々であつたが、大体質問の範囲は今日迄の関係会合に於てなされたものであつたが、尚本問題の意義に徹するには多くの疑義が伏在するものと推定された、兎も角熱心な有意義な研究会であった。

 麻薬について 県よりの通達 福岡県

 医薬品取扱い者としては特に注意を怠たってはならぬものに麻薬があるが、最近これ等に関する事犯が各地に於て検挙されているので、県衛生部名でこのほど県薬剤師会宛次の様な通達があった。

 医薬用麻薬に起因する事犯の発生防止について
 標記について、最近医療用麻薬に関する事犯が各地に於て検挙されているが、この中戦前戦中に製造された麻薬、旧軍用の麻薬、或は病院、診療所、薬局に戦前から保管されていた麻薬で未届のものが暴力団関係者の手に渡り、密売に供されていた事例も発生しております。

 就きましては、貴会々員の開設に係る施設等にも、この様な未届麻薬が残っていることも考えられますので、この種の事犯を未然に防止するため、施設内を再点検の上、早期発見に努められる様会員各位に周知徹底方お願いします。

 なお、この様な未届麻薬を発見した場合には、速やかに県衛生部薬務課の麻薬取締員又は所轄の保健所に届け出られる様重ねて周知方お願いします。

九州薬事新報 昭和40年(1965) 9月30日号

 特殊指定 特別委員会 次回迄に答申を

 福岡県薬剤師会第三回特殊指定に関する特別委員会が9月18日午后二時から県薬会館で会館され、岡野委員長外委員の出席良好、当日は特に卸側から大黒南海道社長、県側から大庭薬務課長補佐の両氏が出席した。

 先づ大黒氏(中央安定協委員)から特殊指定の関係法規についての解し易い説明があり、疑議の点については同氏より中央の解釈を聞き、それより論議に入り各自の意見が述べられた。その二、三を拾つてみると、

 D氏=なぜ指定せねばならぬかは、価格安定のためのメーカーの自営策であろう。不当乱売に対する防波堤である。メーカーも今日迄の誤った在方のため現にチエーンが延びた。自らもチエーンの在方にならねばならぬと思っていることであろう。私はこの際特指を実施し協議会の場で能く協議して最良のルールを作り又自からの利益のためには戦い抜く努力を持つべきだと思う。この問題については小売側の分裂こそ大問題だと思う。

 Y氏=無くならない仕入格差が反対の根源である。メーカーは口では姿勢を正すと言いながら現実はドシドシ利益の割増を実施している。果してメーカーは総じて信用ができるかと云う問題である。

 K氏=仕入格差は協同仕入の方法によって或階級では無くすることも考えられる。特指実施後に漸次実勢価値引になる惧れが一番恐ろしい。又格差をメーカーがどれだけ縮めるか、それを実行するかが問題である。長時間の検討により各自の意見も大体出つくしたので、次の様な点を10月4日開会予定の中央安定協で充分糺した上で、本委員会を開催、検討して答申を纏めることになった。

 @生協等一四団体の取扱いについての法的根拠とそれに対する措置(員外利用範囲の法的調査)
 A医師に対する考え方(法的に消費者と見做されるかどうか)
 B再販と特指との関係(再販といえども何等かの影響を受けないか)
 Cメーカーは口に姿勢を正すと言いながら現実はそうでない、信じてよいかどうか。

 薬と健康の週間行事に就て 福岡県薬公衆衛生委員会

 福岡県薬剤師会公衆衛生委員会(委員長清長美濃輔氏)では、薬と健康の週間行事の一環として、県下の公衆衛生活動について県薬会長から諮問されたので、9月22日午后2時から県薬会館で今年度第一回の委員会を開催した。

 先づ古賀担当県薬理事は、大牟田から新たに河原畑氏が本会委員に委嘱された旨報告があり、引続き同氏は「今年度の薬と健康の週間については日薬より大綱が示され、県薬としても先の理事会に於て行事要綱を決定したが、アンプル禍以来の薬に対する大衆の不信感を是正する事に主眼を置くこととなり、10月10日〜16日の間、県下全域で実施することになったが、その行事中、公衆衛生活動についてどの様な事項を採り上けるかを検討すると同時に、その実施についても委員会で指導する様県薬会長より要望があつたので、本日はそれについて充分検討されたい」と述べ、それより長時間種々検討された結果、この機会に県下各支部は同様のテーマで実施し、その結果を集計して何等かの結論を出すことも必要である。又学薬などの不活?な地区はこれを機会に決起する様指導すべきだとして、次の様な行事を県下全支部に於て行うことを決めた。

 ▽水質検査(井水及び簡易水道等)
 @各支部共十個所以上を又なるべくバラエテイーに富んだ所を選ぶこと。
 A実施機関はできるだけ薬と健康の週間に合せる。
 B検査項目はPH、亜硝酸アンモニア、硝酸、鉄の定性定量(カメレオンの消費量、クロール)
 Cデーターは10月末迄に県薬へ提出すること、
 データーが纏まれば何等かの方法で報導その他に利用される、尚試験方法は委員会より簡易化したものを印刷配布するので、これに従って検査すること、予算は報告書内容によって県薬より支給されることになる。

 福岡県薬商組理事会 公取委勧告に就て協議決定

 福岡県医薬品小売商業組合では先に公正取引委員会より飯塚橋薬局並に筒井薬局問題に関して三団体(筑豊医薬品卸業協会、県薬商組飯塚支部、大牟田薬業組合)に対し独禁法違反の疑いがあるとして違反行為を取り消す様勧告があったのでこれに関し、小売側団体の飯塚支部及び大牟田薬業組合のとるべき態度について検討するため理事会を9月18日10時より県薬会館に於て地元組合員もまじえて開催した。

 両地区共勧告主文内容が事実と相違する点も多々ありこの儘取り消すことには不満の点もあるので、種々検討した結果早急に専門家に法的な判断を受けた上、審判の手続きに持って行くか或は取り消すかの態度を決定することになった。尚これについては地元組は勿論県薬商組としても全面的にバツクアツプすることを全員一致して決定した。

 薬の週間行事 福岡市薬打合会 薬の展示会外決定

 「薬と健康の週間」行事については先に日薬よりその大綱が示されたが、福岡県薬剤師会としてはそれに即応して10月10日より16日迄実施することに決定したが(本紙前号記事参照)福岡市薬剤師会に於ては第一回の行事打合会を本月20日に県薬務課、市四保健所及び市役所などから関係者の出席を得て開催し、第二回目を25日午前十時から県薬会館で開会して概略次の様な行事を実施することを決定した。尚細部については10月6日第三回目の打合会を開いて決めることになった。

 支部別保険調剤調査票 昭和40年8月分 福岡県薬剤師会

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