通 史 昭和39年(1964) 日薬−県薬−市薬
九州薬事新報 昭和39年(1964) 8月10日号

 福岡市薬勤務部会 第14回総会 役員全部留任決定

 福岡市薬勤務部会第14回総会を去月25日3時から三共福岡支店五回ホールで開催。出席者七〇名、先づ福井会長の挨拶に次いで来賓の県薬工藤専務理事(会長代理)及び友納市薬会長の祝辞があり結城氏を議長として議事に入った。

 大橋氏会務報告を、相島氏会計報告をなし一同異議なくこれを承認。次に役員改選は福井会長を初め役員全部留任と決定した。但し理事中原正幸氏は門鉄に転任したので中島政雄氏が理事に就任することになった。以上で議事を終え、松村福大薬学部長の時局感想が述べられて懇親会に移った。

 九州ブロツク学校薬剤師会協議会 本部の永山副会長・文部省元山技官

 日本学校薬剤師会は本年度の全国学校薬剤師担当者ブロツク協議会を開催することになり、九州ブロツク協議会は7月27日11時から田辺製薬福岡支店会議室で開催された。 出席者は、
 福岡県=友納英一、矢野憲太郎、内田数彦、下坂実、古賀哲弥、早川政雄、山下技師(県教育庁)
 佐賀県=久保正志
 大分県=杉原剛、後藤平太郎
 宮崎県=児玉治兵衛
 山口県=樋口彰(代理)
 ▽日薬=永山芳男(日本学薬会副会長)
 ▽文部省=元山技官
 なお、長崎、熊本、鹿児島の三県は欠席(その後判明した処によれば通知状遅延配達のため出席不能となったもの)。

 先づ友納福岡県学校薬剤師会長の開会の辞について、永山日本学薬副会長から次の様な挨拶があった。 ブロツク会は毎年開いているが、来春当福岡で日本薬学大会が開会されるので今年は当地で開くことになった。先に文部省から学校環境衛生基準(審議会答申)が公表されると同時に学校環境衛生の参考にする様通牒が出された。この基準については色々と本日質疑もあるかと思うが、能く解明の上早急に各地区に流して貰いたい。

 学薬設置の問題は予想以上の成績であり、其設置は公立八八・五%、全体としては八〇%、今年は九〇%にしたいと思うが、それ以上は薬剤師のいない処もあるのでどうかと思う。学薬に対しては時々批判もあるので、現在の制度ではこの基準が終点とも考えられるので、之れを能く咀嚼して法規に乗る様すべきであり、それは吾々の今後のやり方次第であると信ずる。

 三、四年後は一年に恐らく五千名位の薬大卒業生ができると思われるので、公衆衛生面の活躍をも期待せねばならぬ。社会一般が本当に薬剤師を認識して呉れれば如何に沢山出て来ても結構だと思う。今回の基準公表に際して、これこそ我々とつて最も大切な機会と思うので、この際薬剤師の地位向上のためにも協力一致、確かりやつて貰いたいものである。

 それより元山氏は基準中の難解の点について特に詳細な解説をなし、来春には「学校環境衛生の手引き書」と云うのを作成する予定でもあると述べ、次に永山氏は、本基準の答申が出される迄には審議会が約50〜60回も開かれたが、私も殆んど欠席することなく出席。学薬として質問に答えた。又文部省の予算として20校に1校の割で試験器具購入を計つたが本年は出来なかった。引続き運動しなければならぬ。

 又我々全国的に而も一斉に非常に貴重なデーターを取れる立場に居るのは学薬であって、この立場を利用して学薬で実施するより外にないと考えている。とも語った。又学薬手当(各県えの)は地方交付、昨年七千円、今年八千五百円(積算されている)校医、歯は一万五千円が今年一万八千円になったが、この基準に準ずれば薬剤師は一月一万以上位は必要であり、次第にそれに持って行きたいと思う。本日は各県の39年度事業計画中特に毎年と違っている計画の有無、及び手当の最高、最低、其他について実情を知らせて貰いたいと思う。

 出席各県実情の要点は次の通りである。

 ▽宮崎県=県内八カ所に於て基準の解説、実務の講習を催す予定、第一回を八月に開催する。

 ▽大分県=手当平均千七百円、最低三百円、県立高校は五千円、九月に基準についての講習、公害統一調査、試験器具の調査をも実施する予定。

 ▽佐賀県=手当最高一万六千、県立高校六千、講習は地区毎に開催し、今後基準により調査を実施する。近視対策として(父兄の啓蒙のためにも)照度の調査をやりたい。これは実例があつたわけであるが赤痢など発生の際は、学校と保健所との連絡が悪いので学薬が特に保健所との連絡の上やりたい。

 ▽福岡県=手当は最高一万八千、最低五百〜千円、県立高校は一万二千、基準による講習は未だ具体化していない、公衆衛生活動は地区で調査事項を決めて実施している。研究発表の準備はできている。会費二一万七千、県薬より依託事業費として一五万余、公衆活動費一〇万位である。

 ▽山口県=予算としては三三万四千(其内県薬より一二万)会費は平均千円、手当県立七千、大体二千を下る処はない、事業としては研修会を開き、保健所に器具を備え学薬が使用している。支部で器具を備えている処もある、年一回発表会を開いている。

 次に永山氏は「学校環境衛生基準は日薬で印刷し一部50円で分ける。薬剤師の公衆衛生活動は特に学校薬剤師に期待している。今年は公害、外気の検査等を全国的に一斉に実施したい。全国的な学薬の組織を十二分に利用して」と語った。

 それより四島県薬会長の挨拶があって小宴が催され、永山副会長、元山技官の両氏は博多に一泊、翌日四国ブロツク協議会開催地の高松市に向われた。

 第一薬科大学長に江口虎三郎氏決定

 福岡にある第一薬科大学では今春藤田学長が辞任されてより空席となっていたが、今回八月一日付で江口虎三郎氏が学長に就任された。同氏は元長崎大学教授薬学部長であつたが、その後郷里佐賀県に於て開局され、又同県薬剤師会長として剤界の面倒を見ておられた民間人である。同氏は次の様に語った。

 実は予想だにしていなかつたが、第一薬科大学々長に是非にとの交渉があつたので能々考えお受けすることにした。同校は35年の創立で現在は最も大切な時期で大変であり、私の菲才では誠に不安でもあるが、然し立派な学校に育て上げるために誠意を以て微力を尽したい。

 福岡県薬商組 理事・支部長合同会議 注目すべき県商組へ直結制度問題

 福岡県医薬品小売商業組合では理事支部長合同会議を去月28日1時半から県薬会館で開会した。藤野専務理事司会し、岡野副理事長の挨拶後、次の議事に入った。

 ▽中央安定協並に県安定協報告(藤野氏)15回中央安定協では殆んど兵庫県内の乱売問題で終始し、指導価格の守られぬのはダイエーのためであり尼ケ崎乱売は色々の要素を含んでいるが、西部実行委(大阪)で対処している。先の県安定協では山手理事から尼ケ崎乱売事情視察報告があり、次いで新和薬品、飯塚病院、飯塚橋薬局、九友会などの問題や福岡中央薬局のタオル、大賀薬局の救急箱等々の話しも出た。

 何れも調査中のもの或は卸メーカーで対処中のものもあるとの話しであつた。尚四島氏から東京、大阪などの実情調査の結果について傾聴すべき報告と感想とが述べられた。(本紙別掲)

 ▽県下四地区状況報告

 筑豊地区(吉柳氏)=安定協は毎月開いている。大なり小なりの違反行為はある。明治保険組合のあって旋販売、飯塚病院(薬事法抵触行為)、食堂や喫茶店でのドリンク販売、飯塚橋薬局その後の行為、等々の未解決問題がある。

 福岡地区(須原氏)−既に第三回の安定協も開いたが、大体に於て安定している。志免鉱山閉山のため僅か20日間の閉店で、同地の他薬店では三〜五割の売上増と云う結果を来しているが、この程門鉄物資部が新たに申請した模様で同一系統のものとして許可になるとの仄聞に業界は再び混乱を起すのではないかと憂慮されている。

 北九州地区(福田氏)=小倉のスイス堂問題は大体解決したが、遠賀の水巻安部薬局のビラ問題は地元に於て自主的に解決することになっている。

 筑後地区(岡野氏)=ツツイ薬局はその後ビラを撒いたと聞いたが実情は不明である。大牟田地区は本日も出席していない。柳川問題について徳永支部長から「一年前のビラ問題の後何も協力しないと云う条件付きならば商組に加入するとのことであったので加入を拒否した」との報告があつた。岡野氏は「員外者には組合側幹部との感情問題もある様であり、地元卸、組合、員外者、商組幹部との間に話合いの気持ちがあるならば話合いの場を作りたい」と語った。

 ▽その他=

 @北九州提出の組合員の感情問題=現組合員で県商組に直結の組合員制度を設けて貰いたい。現組合員でありながら、地区的な感情問題で県商組直結を要望する者である様だが、これ等は会費の面で支部に属する様になるので、結局は地区幹部の不信任と云うことになるので、この場で決定するのは困る。然し要望者は60名位ある模様で実際問題としては充分考慮すべき問題であろう。
 A飯塚(本松氏)からの問題として、飯塚橋薬局は不良と判明していながら安定協にも採り上げられず商組としては訴証に持ち込んではいるが何カ月も先方のしたい方だいの事をさせておく、こんな事では商組や安定協も必要ないのではないかと感ずる。との不平をも発言されるに至った。当然不良と目されるものは安定協も並行して其の措置を考えるべきではないか?
 B会費については直方、久留米、田川、八女は既に完納となっている。以上にて会議を終了した。

九州薬事新報 昭和39年(1964) 8月20日号

 第3回 九州薬業安定協議会連絡会議 医薬品零売問題討議

 第3回九州薬業安定協議会連絡会議が八月八日一時から熊本市東洋軒に於て、製企会五社(中外製薬欠)及び卸、小売側委員は代理を含め全県出席のもとに開催された。

 先づ地元を代表して卸側吉井氏挨拶後、椿委員議長となって議事に入つたが、各県の其後の情況報告では各県共地区的には一、二問題はあるが、大体に於て安定している模様である。大分県ではこの程実情に適合した広告規制基準を作って実施し、これにより行政指導することになっている旨の報告もあつた。

 次に前回より宿題となっていた事業所問題については各県それぞれの報告があったが県下全体の実情を把握することは至難なことでもあり、この問題は中央の線に沿って止める方向に推進実施することに決定はしているものの、実情も複雑で、一時にストツプすることは困難であるので、その方向に進めることを再確認した。又熊本県では外売を登録制にしたいと計画している旨の発言があつた。

 次にバラ売(零売)の件については類似医薬品を売付ける誠に遺憾なケースも各地で現われて来ているので、九州各県共々零売そのものを禁止しては如何んとの、熊本県からの要望があつたが、これに対して真向からの反対意見もあって討議を重ねたが、安定要綱実施は先づ価格安定と云うことから出発しているので、仮に利潤があっても其ための弊害の方が大きければ、各自、自粛に持って行くべきであるとの意見もあり、結局この問題は研究課題とすることになった。

 その他メーカーによっては同種薬品で医家用と一般向用の間違い易いものを発売しているものもあるので、現在処方箋も増発の方向に向っている時でもあり、今後充分に検討して貰いたい旨小売側より要望があった。

 次いで大黒、白木両議院より中央情勢の報告があり、今日迄この要綱実施のために長時間と、あらゆる努力が傾けられたことでもあり、出発点に逆戻りして話合いにする迄もなく、自動的に自己の責任に於て実行すべきであり、小売側としても亦協力的な卸、メーカーには協力すべきで、自発的に個々のまとまりでやり、後戻りは絶対にさけるべきであるとの意見であつた。

 これに関連し再販契約、全国商組の価格協定等についても今後研究検討することになった。次に現段階は非常に重大な時期に来ているので、次回本連絡会議開催を九月九日と決定し(定例は十一月であるが)佐賀県に於て開会する事を決め、五時本会を終了した。

 福岡薬業婦人ゼミナール 県女子薬主催

 店頭育児相談の実施についてをテーマとした福岡薬業婦人ゼミナールが県女子薬剤師主催、県衛生部、森永商事並乳業協賛で左記三回に催されることになった。

 ▽期日・時間=第一回−8月25日1:30〜4:30分、第二回−9月10日前同
 ▽会場=福岡市中島町明治生命会議室
 ▽講義内容=第一回−開会式後、@薬局繁栄の実例について−薬局新聞編集長AダブルG森永ドライミルクについて−森永乳業萩課長▽第二回−店頭に於ける育児相談−九大永山教授、A調乳指導の実際−森永担当▽第三回−離乳について−九大永山教授、A離乳食指導の実際−森永担当、引続き修了式(修了証書授与)並に閉会式挙行、なお参加会費は二〇〇円である。


九州薬事新報 昭和39年(1964) 8月30日号

 第14回 福岡県薬業安定協議会 藤沢・中外両社から価格改訂報告

 福岡県薬業安定協議会は8月26日1時より福岡ビル9階第3ホールで定例会議を開催した。先づ製企会の当番で会を進め、白木委員より先の中央安定協に於ける@尼崎問題A零売問題B安定協今後の運営C感冒薬について、等々の報告及び鈴木三共支店長から8月8日熊本に於て開会された九州薬業安定協連絡会議の報告(本紙前号記事参照)があり、次に大黒委員長欠席のため藤野委員から午前開会の第7回県販売対策委員会の報告があつた。次いで県下四地区の情況報告がそれぞれあつたが、各地共一、二問題はあるが大体に於て安定している模様である。

 次にメーカーより印刷配布される品目表には日附を付す様小売側の要望に対してはこれを了承。尚零売については種々むつかしい問題も含んでいるので、各自の立場で研究善処することになった。それより藤沢薬品からプレコール価格改訂(新価格体系)、中外製薬よりグロンサン強力内服液(新製品)及びオルパ価格改訂の報告があつた。なお次回開催は9月25日、同所と決定した。

 九州山口各県薬政会長会議 鹿児島で

 九州山口各県薬剤師会長並同薬政会長の合同会議が8月26日2時30分から鹿児島市千石町「松乃枝温泉」に於て左記議題により開会された。(詳細次号)

 ▽議題(明年の高野選挙に関して)
 (1)組織(一般、薬業)の整備について
 (2)鹿児島県の本部体制について
 (3)九州の体制について
 (4)候補者の動向について
 (5)財政体制について
 (6)その他

 再診料百円の新設 自民党議員懇談会 医療費値上げ賛成

 自民党の医療関係国会議員によって結成されている「医療問題議員懇談会」の臨時総会が本月21日東京赤坂プリンスホテルで開催され医療費緊急是正問題について懇談、医師会側の主張を入れて医療費引上げ案を決定し、厚生大臣に対し中央医療協を開いて早急に医療費是正を行う様申入れをなした。同案によると医療費は平年度で現行により二〇・五%増え、国庫負担増も三九九億円となる見込みであり、案の内容は次の通りである。

 ▽初診料=現行6点60円を10点100円とする(現在は初診と共に投薬、注射、手術が行なわれた場合は再診料は徴収できないことになっているので、実質上は再診料新設と同様である)入院患者の場合も同様である。

 ▽歯科については再診料(現在は規定がない)を新たに10点100円を徴収する外、金属材料値上がりのため補てつ料などを補正し、乳幼児については別に6点60円を加算する。

 ▽薬局については調剤技術料5点50円を新たに設けることになる。

 第27回薬剤師国家試験 11月14・15日

 厚生省は第27回薬剤師国家試験の施行を8月14日次の通り公示した(要旨)。
 ▽試験期日=実地試験を十一月十四日、学説試験を十一月十五日
 ▽試験施行地=東京、大阪
 ▽試験科目
 学説試験=薬物学、衛生化学、公衆衛生学、薬剤学、薬事関係法規、日本薬局方、有機化学、微生物学(病原微生物学および免疫学に限る)、生化学
 実地試験=薬剤学
 ▽出願書類提出期間=十月五日から十月十日まで、提出先は厚生省薬務局薬事課試験免許係

 第1回 薬業婦人ゼミナール 福岡県女子薬主催

 福岡県女子薬剤師会主催、県衛生部後援の第一回「薬業婦人ゼミナール」が8月25日1時から福岡市中島町明治生命会議室で開催され、参加者約九〇名、盛大な会合であつた。

 先づ開講式が原口市女子薬会長司会して行われ、田中県女子薬副会長は開会の挨拶として、現在薬局薬店が衛生上最も重要な関係にある乳製品を取扱っていることは常識であり、従って近来は店頭でもナマハンカな知識では間にあわないことになった。この時に当つて本日の様な会合を持つことはもつとも有意義なことであり又必要なことだと思う。なおこの機会に薬業婦人のつどいを持つことも又々必要なことであると思っている。と述べ、次に上田県女子薬会長から次の様な挨拶があった。

 女子薬が発足して既に十一年、お互に打とけた場を持っているが、これを薬業に携さわる婦人全般に広げ、私共が当面している色々の問題を話し会い又協調して行きたいと思う。人間にとつて健康管理と云うことが如何に大切であるか、私共の店頭でも痛感される処であるが、これの相談相手になるのが私共薬局の第一義的役目ではないでせうか。これを本末顛倒して、近来営業化された医薬品の販売が、利潤や価格問題等に左右され、マスコミに動かされ、追いまくられている場合がはなはだ多い様であるが、本来の意味での、医療機関の一員としての自覚に立って、医薬品の知識を正しく社会の人達に、その販売と同時に手渡すことこそ、職能を通じて社会に奉仕するヒユーマンリレーシヨンではないかと考える。

 小さなグループより発足して、こんなスローガンの元にお互に協調の場を持ち得たら、と思っていた矢先、県衛生部、森永乳業などの後援を得て、初めてここに「薬業婦人ゼミナール」を開催することができ、主催者としてこの上ない喜びであります。今回のゼミの内容が私共女性としてお客様への連なりを最も必要とする育児相談の実際でありますので、直に役に立つ内容であると思っています。この会合が薬業の正しい発展のための一助となれば主催者として満足すべきであると思っています。

 次いで来賓として県衛生部尾崎薬務課長、堀岡県薬副会長(九大病院薬剤部長)の祝辞があって、次の講義に移った。

 ▽「薬局繁栄の実例について」=佐藤薬局新聞編集長
 ▽「商品知識」(ダブルG森永ドライミルクの特徴について)=森永乳業荻課長
 なお、第二回講座は9月10日、第三回講座は同19日に開催予定である。

 第1回 薬業婦人ゼミナール 福岡県女子薬主催

 福岡県衛生部薬務課の係長級の移動が本月26日左記の通り発表された( )内旧職。
 大庭寛夫=課長技術補佐専任(補佐、監視係長)▽佐藤勉=三井保健所衛生課長(麻薬係長)▽大塚正美=粕屋保健所衛生課長(製薬指導係技師)▽今山孝=山門保健所衛生課長(監視係技師)▽松尾和彦=監視係長(県嘉穂療養所薬剤科長)▽緒方正治=生産指導係長(宗像保健所衛生課長)▽武田大典=麻薬係長(生産指導係長)

 本年の薬と健康の週間 日薬の構想

 日薬ではオリンピツク開催関係で十月をさけ大阪の神農祭を中心に十一月中、下旬の一週間を「薬と健康の週間」に当てることを考えている。主な行事としては、
 @デパートに於て薬の知識普及のための展示会を開催すること
 A街頭に進出して現在一般に注視されている公害対策についての試験などを行うこと
 B小、中、高校の生徒に製薬会社等薬品関係の工場試験所などを見学させること
 等々と考えているが、今年は例年より一歩を進めて日医、日歯にも協賛して貰い病院診療所などの患者待合室などにもポスターを貼ることに努力することになっている模様である。

 薬事法施工規則一部改正 毒薬1劇薬9指定 劇薬4除外 要指示薬3指定

 厚生省では去る六月三日付で省令二五号により薬事法施行規則の一部を改正発令した。これによると毒薬一品目を、劇薬九品目を追加指定し、劇薬四品目を劇薬から除外した、又薬事法第四九条第一項の規定により厚生省告示第二六八号で左記三品目が新たに要指示薬となり、即日施行された。

 ▼毒薬に指定されたもの
 一−ジメチルアミノカルバミル−三−ジメチルカルバミルオキシ−五−カチルビラゾール(別名デイメチラン、殺虫剤「日本化薬」製造)

 ▼@エヌーメチルプロピロピルジベンゾヒドロアセピン、その塩類及びそれらの製剤、但し一錠中二五r以下を含有するものを除く、(抗うつ剤、製品名パートフラン「藤沢」輸入)
 A一・一−ジフエニル−三−ジエチルアミノプロパノールエチルクロリド(別名トリジヘキシエチルクロリド)及びその製剤、ただし一錠中二五r以下を含有するものを除く(自律神経遮断剤、パチロン錠「日本レダリー」輸入)
 B一−ジメチルアミノカルバミル−三−ジメチルカルバミルオキシ−五−カチルビラゾール(別名デイメチラン)の製剤、ただし紙又はフエルトに吸着させた殺虫剤で、一枚中〇・一g以下を含有するものは除く。(ネオシツト・フライ・プロツター「日本化薬」製造)
 Cジメチル−(四−メチルメルカプト−三−メチルフエニル)−チオホスフエイト及びその製剤。ただし五%以下を含有する殺虫剤を除く。(製品名バイテツクス「日本特殊農業」製造)
 D一〇−[三−(四−ヒドロキシビペリジノ)−プロピル]−三−シアノフエノチアジン、その塩類及びそれらの製剤。ただし一錠中二五r以下を含有するものを除く。(精神分裂症用、製品名ニユーレプチル「塩野義」輸入)
 E一−[二・五−メタノシクロヘキセ(三)ニル]−一−フエニル−三−ビベリジノプロパノール(別名ビベリデン)その塩類及びそれらの製剤。ただし一錠中二r以下を含有するもの及び注射剤以外の製剤で一%以下を含有するものを除く。(パーキンソン氏病用、製品名アキネトンバーゼ、塩酸アキネトン、アキネトン散、錠、注「大日本製薬」輸入)
 F一−メタヒドロキシフエニル−二−アミノプロパノール(別名メタラミノール)その塩類及びそれらの製剤(ショツク時用、酒石酸水素メタラミノール、アラミン注「日本メルク万有」輸入)
 G一−(三・四−メチレンジオキシフエニル)−二−ヒドラジノプロパン、その塩類及びそれらの製剤。(抗うつ剤、製品名サフラ、「小野薬品」輸入)
 H三−メトキシカルオニルプロピルトリメチルアンモニウムクロリド及びその製剤。ただし一錠又は一カプセル中一〇r以下を含有するものを除く。(胃下垂胃アトニー等用、製品名プトシン「第一製薬」製造)

 ▼劇薬から除外されたもの
 @ジヒドロキシフエニルアルキルアミノエタノール又はその化合物を含有する製剤中、エピレナミン〇・一%以下を含有する坐剤及び吸入剤。
 A一錠中三−トリクロロメチルチオ−五(一−エチル)−アミノヒダントイン三〇r以下を含有する製剤(製品名強力ギネラン膣剤「エーザイ」製造)
 Bプリン化合物及びその製剤中、一個中八−クロルテオフイリンとして〇・二五rを含有するもの(製品名学童用トラベルミン錠「エーザイ」製造)
 C一−メチルビベリジンカルボン酸キシリジド、その塩類及びそれらの製剤中、一個に一五r以下を含有する坐剤(製品名強力ボラギノール坐剤「天藤製薬」製造)

 ▼用指示薬に指定されたもの
 @一−(三・四−メチレンジオキシフエニル)−二−ヒドラジノプロパン)(前掲小野薬品サフラ)
 A一〇−[三−(四−ヒドロキシビペリジノ)−プロピル]−三−シアノフエノチアジン(前掲塩野義製薬ニユーレプチル)
 Bエヌーメチルプロピロピルジベンゾヒドロアセピン(前掲藤沢パートフラン)

 日本薬学会館 漸く具体化

 日本薬学会では故長井長義博士旧宅地敷地二、〇〇〇坪の寄贈を受け、会館建設準備委員会(委員長−落合英一氏)で予てから会館建設の具体策を練っていたが、資金面での計画も漸く具体化して来たので、今秋には最終的な決定を見て年内には着工する運びに持って行く構想である。尚建設費は三〜五億円程度になるのではないかと見られている。

 ばい煙規制令改正 規制地域及び有害物質追加

 厚生省は去月十八日付で「ばい煙の排出規制等に関する法律施行令の一部を改正する政令」を公布した。
 その骨子とみるべきは、
 @ばい煙の排出規制地区を新たに千葉市、市川市、船橋市、習志野市、市原市、及び東葛飾郡浦安町の区域、名古屋市、知多郡上野町、同郡横須賀町及び知多町の区域、福岡県の大牟田市など三地区に指定区域を追加した。
 A有害物質として新たに塩化水素、二酸化窒素、亜硫酸ガス、塩素など四品目を指定追加したことである。

 九州山口薬学大会 研究発表議題募集

 第33回九州山口薬学大会は来る10月14日から三日間別府市国際観光会館で開催されるが、学術講演題並に議題を会員から募集しているので左記により申込まれたい。

 ▽演題数=制限なし、但し演題毎に別綴りとする
 ▽部会名=発表部会名を朱書すること(部会名は薬学・薬学薬剤・開局保険・薬務・保健所衛生裁判・女子薬・商組の七部)
 ▽講演時間=一題15分(特に長い場合はその旨特記すること)
 ▽発表者=所属名、氏名(演者に〇印を付する)
 ▽講演要旨=四〇〇字詰原稿用紙3〜4枚程度
 ▽講演準備=必要あるものは指示すること(例えばスライド何台、掛軸何本等)
 ▽原稿送付先=大分市大手町大分県庁薬務温泉課内薬学大会学術部宛
 なお、締切期日は一応8月末日となっているが、まだ少し時日の予猶があるので至急申込まれたい。

 九州山口薬学大会 研究発表議題募集

 薬界短信

 ◆福岡県薬商組理事会=第49回理事会を8月29日1時30分県薬会館で開催した。
 @安定協議会に関する件
 A商組運営に関する件
 B各地区の状況報告
 C会費徴収状況について
 Dその他

 ◆福岡県薬調剤技術委員会=8月28日3時より九大病院薬剤部図書室で左記により開催した。
 @9月末実施の研修会の打合せ
 A九州薬学会薬剤部長会に提出の議案の決定
 Bその他

 ◆九州地方医務局電話番号変更=本月九日より次の新番号に変更。
 ▽新番号=福岡53一八三一(代表)

 支部別保険調剤調査票 昭和39年7月分 福岡県薬剤師会