通 史 昭和39年(1964) 日薬−県薬−市薬
九州薬事新報 昭和39年(1964) 7月10日号

 高校担当学剤師と同保健主事懇談会

 福岡地区高等学校担当学校薬剤師と同保健主事との懇談会が六月卅日午后一時から福岡市荒江、県立聾唖学校で矢野憲太郎氏(市学薬会長)司会の下で開催された。来賓として友納県学薬会長列席、先づ牛島聾唖学校長(高校保健会福岡支部長)の挨拶があり、次いで県教育庁保健課山下技師並に同課古沢指導主事の講演後懇談に移った。

 当日の学薬師出席者は次の十三氏であつた。
 矢野、柴田、馬場、内田、獺越、山本、松尾、池永、古川、大野、世利、滝口、古賀(糸島)
 懇談会では学薬師の出席日数の少ないわけなど、お互に忌憚のない意見がだされ、誠に有意義な会合であつたが、尚、今後私立高校に進出する糸口を作るに非常な効果があつた。

 臨時福岡県薬業安定協議会 販売対策委今後の基本線を打出す

 福岡県薬業安定協議会では先の6月25日開会の定例会に於て同会販売対策委員会が試売した結果判明した違反者の措置についての結論が出なかつたが、これを七月定例会迄放任して置くことは好ましくないとの理由で臨時安定協を7月8日午后一時から県薬会館で開催した。なお同日午前に販売対策委員会も同所で開会した今回は前回同様卸側の大黒委員が議長となり、先づ午前開会の販売対策委員会が出した今後の基本線となる次の四項目が大黒委員長から報告された。

 先づ当該メーカーとしては
 @リベートの禁止
 A販売助成品の停止
 B派遣社員の出張停止
 C当該メーカー以外のメーカーも亦委員会のこの意見を尊重して当該メーカーに同調する

 次に第二回試売の結果、違反した者については去る二日三者の代表者が同道して再度説得した結果、違反した者も反省の色明らかで、今後協力を約束された旨、メーカー並に卸側から報告があつたので、今回は前記の販売対策委の打出した四項目については実施を見合せ、今後の試売に於て違反した者より実施することになった。

 大牟田市つつイ薬局のビラ問題については地元の卸、その他の折衝により今後商組にも加入し、安定協にも協力する旨の申入れがあつた由が地元小売並に卸委員から報告された。

 左記の販売対策委試売により判明したバーゲンセンターの金券シール問題につき検討した結果、特に医薬品についてはこの様なサービスは好ましくないとして中止方をセンターに申入れることになった。

 それより次の議事に移った。
 次に武田薬品から指導価格追加品目として「強力パンビタンゴールド30Tカプセル」が七月十四日より新価格体系により新発売される旨の報告があつた。以上で当日の臨時安定協を終了し、次回開催は福岡ビルに於て25日の定例日と決め午后三時散会した。

 福岡地区安定協 対策委活動を促す

 第三回福岡地区薬業安定協議会が7月10日午后3時から塩野義製薬福岡支店会議室で小売側当番により四島委員議長となって開会した。先づ議長は、「福岡地区の在り方により県の在り方が決り、引いては九州にその影響を及ぼすと吾々は思わねばならぬ。又全国でも当県が一番早く安定協に手を付けたが、その後の進み方は必ずしも良いとはいえない。今迄円満に解決することを目標に対処して来ているが、余り長引くとナメられる結果となり、事実既にその様なことが現われて来ているので、それに対しどう対処するかと云う段階になったことを認識して本日の話合を進めて貰いたい」と挨拶があって議事が進められた。

 県の安定協でも先の福岡地区の違反者については、今回は反省もし、協力を約束したので、今後の違反者より四項目の販売対策委の決定事項(別掲臨時県安定協記事参照)により対処することになるが、今後の試売により新たに違反した者よりも再度の違反者の方が重く処置されることは当然であるべきだとの意見であつた。

 また現在では小売店の乱売容相は三種であり@指導価格品目も守らず其他の品目も乱売する店A指導価格だけを守り他は乱売する店B全部健全に売る店、である。安定協が現段階に於て放任するならばAは勿論Bの店迄が@に移る危険が充分考えられるので、地区安定協は県安定協の決定を待つ迄もなく今後の試売で発見した違反者に対しては@については県販売対策委の打出した四項目に即応、実施し、Aについても@に準じて実施する事を確認した。当日の会議はメーカー、卸共中堅の実際面に直接活動しているメンバーであつたので、三者共それぞれの立場で活発な意見がだされた模様である。

 句三昧 福岡 徳島山花

 俳諧に生き画に生きて真っ裸
 幽霊か浴衣か寺のくらがりに
 ボートから仕掛花火を見る事に
 さし向けし灯に横着な根切虫
 枸杞すたれアロエがはやり夏炉燃ゆ

 句日記 山鹿 清水鹿山

 蠅が居って昼寝の枕向け直す
 一つ二つ若さを誇り泳ぎけり
 紫陽花の繚乱として色こぼす
 蝉涼し話たのしむ若さかな
 梅雨晴間どこひらきても*匂ふ

 句帖より 合屋杉峰

 巣燕に餌を与えてひるがへり
 七夕の暁巣燕発ちゐたる
 七夕の短冊屑の飛んで来し
 一人来て観世音寺の蛇に逢ふ
 明易や孫を案んじて夢うつつ

 句日記 山鹿 清水鹿山

 よし切や渡舟の顔のすぐ見えず
 ねむとうてならず昼寝の枕する
 百千の河鹿に球磨の夜ふけぬ
 蕗煮ゆる老いにし妻の一日かな
 蠅が来てわが半日をもつてゆく
 夏痩せも知らずやもめの美しさ
 蝦釣りのおほばこの花ふまえけり
 手洗の水をこぼしぬ著莪の花
 よく見れば棗の花咲きにけり
 繭出しの人夫に酒をすすめけり

 福岡市薬剤師会 新役員決定 会長友納英一氏

 福岡市薬剤師会は去る四月廿四日開催の第19回総会に於て正副会長並監事が選出され、理事は会長一任となっていたが、その後会長よりの委嘱により決り、全役員並に事務分担が先の通り決定した。

 ▽会長=友納英一
 ▽副会長=竹内克己、内田数彦、大隅次郎、波多江嘉一郎(庶務、会計)、木村徹雄
 ▽常任理事=斉田和夫、塚田豊、柴田伊津郎、副島恒夫(会計、庶務)、岡本弘(前同)、白水静次、糸岐良次、結城一夫、金枝正義、原口静、古川常夫
 ▽監事=藤田胖、三根孫一
 ▽博多区理事=佐々木正喜、篠崎正十郎、柴田益実、岡村重一、吉田長太郎、武田準一、堀江秀男、林フサ子
 ▽福岡区理事=古賀隆、三津家正友、中野佐、大城安夫、勝目一郎
 ▽西区理事=長野博暢、富永泰資
 ▽南区理事=白水静次、石田和長、勝野秀夫


九州薬事新報 昭和39年(1964) 7月20日号

 ◇薬業者 これでよいか◇

 福岡県内にある薬局、一般販売業、薬種商の店舗について管理状況、構造設備はどうなっているか、実情調査の結果は左記の通りである。

 此の調査は全国一斉取締の際前記の各業種別に約五分の一について調査したもので、各項目別に調査個所数に対する百分率を示して居るので県内各業種別に薬事法に定められた根本的な管理及び構造設備に対する規制が履行されているかどうかのバロメーターとも云うことができる。

 左記に示す十九項目については各人が自己の営業所(店舗)について自ら調査すれば欠格状況にあるかどうかは明らかなことばかりで早速改善することが必要である。此の調査に際して薬局における調剤室の清潔整理が不充分であり特売のダンボール箱置場になっているもの、倉庫の代用に使用しているもの等が多く見受けられ薬局の本来の使命が調剤にあるとするならば、その心臓と云うべき調剤室の清潔整頓が之れでよいのか、開局薬剤師の考え方にヒズミが出来ているのではないかと疑われるものすら見受けたのは誠に遺憾である。

 薬局、一般販売業者、薬種商の許可については昨年薬事法の一部が改正され、之に伴う薬局等の配置の基準を定める条例が制定された。

 指定地域内では定数が定められ、距離の制限が行われることとなり、新規開業については此の両面の制約で、開業の場所を得ることが非常に困難を感ずるようになった。此のため既許可の薬局、一般販売業、薬種商にいついては既得権者としての保護を受けることとなったと同時に、一般消費者に対しては医薬品の供給機関としての自覚と責任が生じて来ることは当然の事である。それなのに既許可業者の店舗の情況が此の度の調査の成績では、ほんとうに責任を自覚しているかどうか、疑わざるを得ない者が相当数あることが明らかになった。

 現在の薬業界は流通革命の流れに圧され、安売り、乱売と業者自らの手で自粛、改善されなければならぬ問題が山積している、薬業安定協議会も発足し安定ムードも醸成されつつある時、薬業経済の問題も、各自の自粛と業者相互の信頼と団結によって解決して行かねばならぬときである。いたずらに販売競争の激化に浮身をやつす以前に、医薬品の特質をよく考えるべきであり、薬業の根本ルールであるべき薬事法上の義務を怠ることは絶対に許されないことである。

 調査表を発表するに当り各項目についての不適格者は薬業者としての不適格者であることを恥じ、再び此の表に数字として掲げられることのないよう自らの改善を期待するものである。

 ◆薬局(店舗)の管理及び構造設備状況(39年4月調査)

 薬局総数八五三の中、対象数二五四、一般販売業総数三六五の中、対象数七四、薬種商販売業総数六〇三の中対象数一七三、計総数一、八二一の中対象数五〇一について次の19項目についての監視状況(%は対象数に対する比)

 1、管理薬剤師は他に薬事に関する業務に従事しているか。
 薬局 いる三、いない二五一
 一・二% 九八・八%
 一般 いる四、いない七〇
 五・四% 九四・六%
 2、管理薬剤師は常時薬局に勤務しているか。
 薬局 いる二四六、いない八
 九六・八% 三・二%
 一般 いる六六、いない八
 八九・二% 一〇・八%
 3、店舗の構造設備及び医薬品等を実地に充分管理しているか。
 薬種 いる一六九、いない四
 九七・七% 二・三%
 4、管理薬剤師は試験不良品の処理その他薬局(店舗)の管理に関する記録を作成しているか又その記録を二年間保存しているか?
 薬局 A六二、B一五〇、C四二
 二四・四% 五九・一% 一六・五%
 いる二三〇、いない二四
 九〇・六% 九・四%
 一般 A八、B五〇、C一六
 一〇・八% 六七・六% 二一・六%
 いる六一、いない一三
 八二・四% 一七・六%
 5、許可証を店頭その他事務所の見易い場所に掲示しているか。
 薬局 いる二二六、いない二八
 八九・〇% 一一・〇%
 一般 いる六七、いない七
 九〇・五% 九・五%
 薬種 いる一六五、いない八
 九五・四% 四・六%
 6、医薬品を他の薬品と区別して貯蔵陳列しているか。
 薬局 いる二四二、いない一二
 九五・三% 四・七%
 一般 いる七一、いない三
 九五・九% 四・一%
 薬種 いる一六六、いない七
 九六・〇% 四・〇%
 7、薬局(店舗)の換気は充分であるか。
 薬局 A一九三、B五七、C四
 七〇・〇% 二二・四% 一・六%
 一般 A五一、B二一、C二
 六八・八% 二八・四% 二・八%
 薬種 A一三三、B三八、C二
 七七・〇% 二一・九% 一・一%
 8、薬局(店舗)は清潔にしているか。
 薬局 A一六六、B七〇、C一八
 六四・九% 二八% 七・一%
 一般 A四四、B二六、C四
 五九・五% 三五・一% 五・四%
 薬種 A一〇八、B五七、C八
 六二・五% 三二・九% 四・六%  9、薬局(店舗)は常時移居住する場所及び不潔な場所から明確に区別されているか。
 薬局 いる二四七、いない七
 九七・二% 二・八%
 一般 いる七三、いない一
 九八・六% 一・四%
 薬種 いる一六七、いない六
 九六・五% 三・五%
 10、薬局の面積は概ね一九・八平方米以上あるか。
 薬局 ある二五二、ない七
 九七・三% 二・八%
 11、店舗の面積は概ね一六・五平方米以上あるか。
 一般 ある七三、ない一
 九八・六% 一・四%
 12、店舗の面積は概ね一三・二平方米以上あるか。
 薬種 ある一七二、ない一
 九九・四% 〇・六%
 13、医薬品を通常又は交付する場所の明るさは60ルックス以上あるか。
 薬局 ある二五四、ない〇
 一〇〇%
 一般 ある七三、ない一
 九八・六% 一・四%
 薬種 ある一七〇、ない三
 九八・二% 一・八%
 14、冷暗貯蔵設備があるか。
 薬局 ある二二三、ない三一
 八七・八% 一二・二%
 一般 ある六〇、ない一四
 八一・一% 一八・九%
 薬種 ある一五〇、ない二三
 八六・七% 一三・三%
 15、鍵のかかる貯蔵設備があるか。
 薬局 ある二四〇、ない一四
 九四・五% 五・五%
 一般 ある六五、ない九
 八七・八% 一二・二%
 薬種 ある一六〇、ない一三
 九二・五% 七・五%
 16、調剤室の面積は六、六平方米以上あるか。
 薬局 ある二五二、ない二
 九九・二% 〇・八%
 17、調剤室の天井及び床面は板張りかコンクリートになっているか。
 薬局 ある二五二、ない二
 九九・二% 〇・八%
 18、調剤台(実験台)の上の明るさは一二〇ルックス以上あるか。
 薬局 ある二四四、ない一〇
 九六・一% 三・九%
 一般 ある七二、ない二
 九七・二% 二・八%
 19、調剤試験検査に必要な設備及び器具を備えているか。
 薬局 いる二〇〇、いない五四
 七八・七% 二一・三%
 一般 いる六五、いない九
 八七・八% 一二・二%
(福岡県薬務課々長補佐技師大庭寛夫氏)

 博多山笠 福岡 徳島山花

 年々にすばらしき山笠(やま)大博多
 目出度さや博多の山笠の茶碗酒
 山笠事務所酒の支度のしてありぬ
 美しやおちにある山笠見たか知ら
 山笠かくやサロンパスなど貼つておけ
 かたまりて山笠の写生の小供達
 朝山笠に出るとて勇み早寝の子

 挾子

 ▼ 日刊紙の報ずる処によると、北九州市医師会では共倒れを防ぐために内規によって新規開業調整のために医師会に入会させないと云う所謂「村八分」的態度をとつているそうだ。福岡法務局小倉支局と北九州人権擁護委員会では、人権侵害の疑いが濃いとみてこの程調査を始めたそうだ、内規と云うのは「新規開業者はなるだけ同地出身者であること、既開業医師から内科は三〇〇メートル、外科産婦人科は五〇〇メートルと云うものらしい、既開業医としてはそうありたいだろうが、然し医師の資格を持った新規開業希望の人には洵に困った事である。

 ▼ これにつけても薬局薬店の新規開業に対する県条例の規制は洵に有り難いものである。薬事法一部改正でこれを実現させた日薬会長高野参議院議員の手腕、功績は高く評価すべきである。薬局薬店並に業界人は明年の参院選を控えてじっクリと考えなければならないと思う。

 福岡県薬剤師会 理事支部長連絡協議会 盛沢山の協議と報告

 福岡県薬剤師会では理事会並に支部長連絡協議会を七月十三日(午前理事会、午后一時半から協議会)県薬会館で開催した。出席者は正副会長を初め役員一七名、支部長一八名、他合計四一名であった。先づ四島会長の挨拶後工藤専務理事司会して次の議題につき協議した。

 (1)中央情勢について、去る5月13日開催の日薬理事会の議事について四島会長から報告があつた。

 @ 医療費の問題A薬業経済安定と地方安定協議会の活動。
 A 局方第二部収載医薬品について、未だ結論は出ていないが、如何に整備するかについて日薬も独自の委員会を作って検討している。
 B公務員の給与引上げと給与表については、現在の情勢で医師並にすることは困難であるので、別個に薬剤師給与表を作るべきだとの基本線に、民間給与引上げも変更してこれを取上げ着々努力している。
 C公衆衛生活動については、薬剤師中にてもこの方面に特に関係深い学薬の方々に尽力して貰いたい。
 D学校環境衛生基準については、今回新たに発表されたのでこれに即応して貰いたい。
 E処方箋発行促進については、分業完遂の第一歩を歩み出すべく、福岡県に倣つてと云う事になった。当県並に中村理事共に面目をほどこしたものと思っている。医師会の方も自主的に、任意的に進むべきだとの基本線のもとに在るので飽く迄個人個人で進めて行きたい。
 F茲に問題となるのは如何に幹部間の話しが進んでも、亦末端が唯忙然と待っているだけでは駄目だと云う事である。会員個々が啓蒙し努力する事が大切である。今年は全国的にこの方法を採って貰いたい。そのためモデル薬局を造って受入態勢を整え調剤センターは既存薬局で結構であり先手を打つべきである。
 G国際薬剤師連合会(IFP)に日薬より谷岡専務理事を派遣することになった。
 H日薬会費について、日薬は経済の面で非常に苦しんでいる。本県は従来より滞りなく納入している。来る廿四日に日薬理事会、廿五日に薬政会総務会が開催されるので本県の立場としての要望等を反映させ、日薬共済部には全員加入の方向に進めたい。高野後援会については県は勿論、全国的に活動を推進する様努力したい。

 (2)日本薬学大会(40年4月5〜7日)について

 去る六月六日正式に準備委員会発足、会場は市民会館、明治生命ビル、農協会館、文化ホール等であり、薬剤師関係は主として明治生命ビルを使用する、参加者数四、五〇〇名を予定し、内一、五〇〇名は九州より、本県からは七五〇〜八〇〇名の参加が必要である。会誌印刷の上開局会員全員を賛助員として一、〇〇〇円を予納せしめ、会誌は参加の如何に拘わらず支部に割当て請負制として配布する、細部については再度協議するが、会員は一致してこの大会を意義あらしめる様努力して貰いたい。

 (3)九州山口薬学大会について

 本年10月14〜17日、別府市観光会館で開催される、研究発表、提出議案は八月中に取纏て貰いたい。明年の大会予備と考えて努力して頂きたい。

 (4)社会保険について(中村理事)

 先の社保講習会は大体に於て成功だと思う然し全然出席しない支部が三個所あつた。処方箋調剤については別紙岐阜県薬剤師会の「社会保険医療担当(薬局)の指導監査の結果について」の通知を熟読し参考にされたい。標識については目下県、日薬でも検討中であるので今暫時待って貰いたい。モデル地区は取敢えず八幡、若松、大牟田、田川を、模範薬局は福岡市の大賀、白十字、大牟田市の中村、草野、八幡区の青柳、吉村、若松区の井上、田川市の要、直方市の西川、久留米市の辻の十薬局を推薦し日薬に報告した。最近保険の審査が強化された(高知県に於ける医師、薬剤師の悪徳業者を魁かけとして)ので注意されたい。然し全べて必要以上の低姿勢は薬剤師の品位を失うことになるので特に注意されたい。処方についてはメーカーの処方例集など活用することは尤も良いことと思う。

 (5)公衆衛生活動について(古賀理事)

 @公衆衛生委員会(委員14名)は去月発足したA公衛活動は四地区に分けて実施、現在迄福岡、大牟田、田川に於て活動しテレビ、新聞などに報導された。B公衆衛生協会は三師会が中心に各関係団体が協力しており、本会選出の役員は理事に四島久氏、監事に須原勇助氏であるC本会員の同協会加入状況は良好でない。特に政令市は不良である。なるべく加入する様にして頂きたい。

 (6)医薬品発送センターについて

 先に県薬より通知した通り、注意されたい。

 7)日薬委員及び本会委員について

 日薬委員として社保委−中村里美氏、薬局委−白木太四郎氏、公害委−友納英一氏、学校保健委−早川政雄氏であり、本会の委員会では公報委及び薬制委が未定であり、検討中である。

 8)薬学講習会について

 オリンピツクの関係上九州山口は十一月になる。

 (9)会費及び高野後援会費について(鶴原理事)

 両会費共20%位の納入率である。日薬へは後援会費全納、会費は半額位本月に納入したい。

 (10)薬事審議会と安定協議会について

 三〇〇米以上は事後承諾で薬務課の許可報告だけに止めているが、最近これを二〇〇米としては如何との問題が薬務課から出されているが、宿題となっている。ダイエーは未解決である旨四島会長から報告。安定協議会については藤野専務説明、本日大阪で中央安定協が開かれており、流通秩序問題が中心であり尼ケ崎問題が採上げられている。県としては商組役員改選の結果白木理事長重任し、組合の運営活動の活発化は組織の強化より意外にないとし、ブロツクの強化を図るため四地区毎に安定協を開催している。

 販売対策委では第三次試売を計画しているが、今後の違反者に対しては四項目により処置することを決め(別掲臨時安定協記事参照)これを県安定協で確認した。九州安定協連絡会は第三回を八月中旬熊本で開催する予定である。飯塚橋薬局の訴訟についての裁判は第一回八月の予定、大牟田つつイ薬局ビラ問題は柳川に飛び火した。大正のアジについては大いに征伐する必要があるのではあるまいか。

 (11)計量協会の運営に就て(吉柳副理事長)

 組織の強化、会館建設、計量法の改正等が現在問題となっている、協会としては未登録販売者の撲滅を期しているので、無登録営業者発見の際は遠慮なく通知して貰いたい。又会費の積立が現在相当額になっているので、前年度完納支部の本年度会費は半額とする。

 (12)オリンピツク推進国民運動については公衆衛生活動を通じて協力する。

 (13)麻薬禍撲滅大会に就て

 年間七〇〇億円が国外に出る。取締法一部改正されたが我々は薬局を通じて強力すべきである。

 (14)管理薬剤師会設立に就て

 相談役に県薬支部長をお願いしたい。本会の性質は多分に組合的であるので、各地区で起った問題についてはご協力をお願いする。

 (15)その他

 @1保健所運営委員及び本会入会者について調査(別紙)した。
 A日薬谷岡専務渡欧につき本会より餞別を送った。
 B夏の健康を守る月間は七月一杯である協力しよう。
 C健康の日は毎月七日である。
 D農薬危害防止月間は6月15〜7月14日である。
 E万有製薬から本会に対し「薬袋と処方箋」の寄贈があり、支店長の挨拶があつた。分業に協力されるメーカーには吾々としても協力したい。
 F吉田事務長から先の事務長連絡会議出席の報告があつた。
 G中国四国薬剤師大会(鳥取市に於て九月開会)に中村里実氏が社保問題講師として出席する予定。
 H筑後地区に於ける薬品盗難事件が相次いで起こっている旨四島氏から報告。
 I尚田氏から「季節の手帳」について「今年一杯で其在り方を変更するの止むなきやについて今研究中であり、毎月赤字である」旨の話しがあつた。以上にて連絡協議会を終了。

 福薬国保 第16回 通常組合会 役員改選四島久氏理事長重任

 福岡県薬剤師国民健康保険組合では第16回通常組合会を七月十三日午後四時半から県薬会館で開催した。 先づ工藤専務理事司会して四島理事長は「財政状態は黒字にはなっているが、それは前年度繰越しがあつたためで今年は赤字であるのでじっくりと審議されたい」と挨拶し、司会者は「組合会議員25名中17名出席であるので組合会は成立するが、角田議長病気欠席、権藤副議長は既に退会されているので、今日の議事運営について会場に諮った結果当日提出の議案第五号を最初に審議決定の上進行することになり、議事に入った。

 ▽議案第五号=福岡県薬剤師国民健康保険組合組合会議長並に副議長選挙について 司会者指名との声で司会者は議長候補に若松区の古賀哲弥氏を、副議長候補に福岡の波多江嘉一郎氏を指名し、これを満場に諮って異議なく正副議長を決定した。古賀議長着席、挨拶の後、組合員物故者に黙祷し次いで議事録署名人として大隈、藤野の両氏を指名して正式に議事に入った。

 ▽報告第一号昭和38年度福岡県薬国保事業実施報告について
須原理事から別刷により説明、会員約一〇〇名減は社保、他国保に移ったためであり、医療費は発足当時の約二倍近くになっている、勿論受診率も相当増えている、健康優良家庭は一回一七名、二回三名、三回一名、四回四名、五回なく、六回連続二名となっている、六年連続は「梶尾勇氏(大牟田)嵯峨山稔己氏(八幡区)」の二氏である、満場異議なくこれを承認。

 ▽議案第一号=昭和38年度福薬国保一般会計歳入歳出決算認定の件 工藤専務理事別刷により詳細説明、県より監査を受けているが、今年は約63万円の赤字であつた。明年四月からは家族も七割給付とせねばならぬので明年は保険料値上げは必至である。医師会は今年より七割にしたが、二割あげれば給付は二倍になり、十割にすれば約八倍になるらしい。審議の上満場異議なく認定した。

 ▽議案第二号=昭和38年度福薬国保職員等退職給与積立金特別会計歳入歳出決算書 工藤専務理事別刷により説明、異議なく承認。

 ▽報告第二号=昭和38年度福薬国保一般会計並に特別会計監査報告について
 友納理事説明、異議なく承認。

 ▽議案第三号=昭和38年度福薬国保一般会計歳入歳出決算余剰金処分承認について
 安部理事説明、異議なく承認。

 ▽議案第四号=昭和38年度福薬国保一般会計保険料不納欠損処分認定に就て勝目理事説明、鳥飼善人(住吉)堺礼子(大名警固)瀬尾周二(草ヶ江)内田ミヤ(姪浜)島田アキエ(筑紫)長主文寿子(田川郡)山本晴三(田川郡)藤井良和(京都)吉田義隆(飯塚)の九名、不納欠損額合計七一、七二〇円である。 異議なく認定となった。

 ▽議案第六号=福薬国保役員選挙について 組合員から理事七名、監事二名を選出するため選考委員制とし、各ブロツクより一名宛及び議長を含め五名の委員とし、次の委員を決定した。
 大隈、大森、江上、吉柳、古賀議長
 選考委員により選考の結果次記の九名を選考し、これを議場に諮って次の通り決定した。
 ▽理事=四島久、須原勇助、工藤益雄、勝目一郎、岡野辛一郎(新)安部寿、松村精一(新)
 ▽監事=吉柳富雄、友納英一
 直に別室に於て臨時理事会を開会して理事の互選により理事長に四島久氏を、副理事長に岡野辛一郎氏を決定した。四島新理事長の挨拶があって当日の組合会を終了した。


九州薬事新報 昭和39年(1964) 7月30日号

 福岡県薬調剤技術委

 福岡県薬剤師会調剤技術委員会が7月20日11時から九大病院薬剤部図書室で開会され左記の通り協議した。
 (1)研修会の開催に関する件
 来る9月26・27日市民会館に於て開会の予定とする。
 (2)インフオメーシヨン活動に関するアンケートについて
 日病薬で取上げている事項であるが、本県内では30個所を調査している。
 (3)昭和40年日本薬学会薬剤部長会の準備の打合せ
 日程、予算など去月27日開会の準備委員会の報告があつた。

 女子薬西部連 第12回総会 明春は各県会長会

 日本女子薬西部連合会第12回総会が7月12・13の二日間山口市の湯田温泉「かめ福」に於て開催され出席者は三五〇余名であつた。

 第一日の総会は地元山口県女子薬の二宮会長の開会の言葉に次いで粟村会長の挨拶、来賓橋本県知事外の祝辞、高野日薬会長夫人から会長メッセージの伝達があり、それより議事に入って会計会務報告、次に次期開催地については明年春福岡に於て第20回日本薬学大会が開会され日本女薬総会も開催されるので西部連としては各県会長会を開いて代行することに決定した、

 福岡県女子薬よりの同会への出席者は上田、田中の正副会長、宮崎、森山理事外20名であつた。同会の午前本会議に引続き「女子薬剤師と公衆衛生活動」と題した山口医大教授医博野瀬善勝氏の特別講演は女子薬にとつて誠に有意義なものであつた。

 午後は分科会として開局、勤務、自由の三部会が開かれ、開局部会は上田福岡県女子薬会長が司会して開会「純利益増加の実際問題」をテーマとして論述されたが、中でも福岡県の宮崎理事の和漢薬を中心とした話しは聴取者に非常な興味を与えるものであった。その他勤務部会に於ける京都よりの「管理勤務薬剤師」の実情についての講述も聴くべきものがあった。

 翌第二日は秋芳洞、秋吉台、探勝後、福岡県よりの出席者は午後三時から同県小野田市三宅旅館に於て明春の会長会開催準備打合せ会について協議の上帰途についた。

 九州ブロツク学薬協議会 7月27日福岡で

 日本学校薬剤師会は本年度全国学薬担当者ブロツク協議会を開催することになったが、九州ブロツク協議会は7月27日11時より田辺製薬福岡支店会議室に於て開催することになり、本部より永山副会長(日薬常務理事、学薬担当)が文部省からは本山技官が出席、次の事項につき協議した。(詳細次号)

 なお、各県よりの出席者は
 @39年度事業計画案、A学校薬剤師会員名簿、B学薬手当表、C日本学薬理事候補者名、D文部省学薬環境衛生基準解説、を携帯した。
 ▽協議事項
 (1)日本学校薬剤師会39年度事業計画案
 (2)都道府県学校薬剤師会39年度事業計画案

 九州ブロツク学薬協議会 7月27日福岡で

 福岡市薬剤師会は7月17日1時から県薬会館で部会長会を開催した。先づ会長挨拶の後、直に左記議事に移った。

 ▽第一〇七回県薬支部連絡協議会報告
去る十三日開会の県薬理事支部長連絡協議会内容について詳細な報告があつた(本紙前号記事参照)。

 ▽保険調剤に関する件
 本会前部会長会議で今後の方針を研究することになっていたが、本問題は実際には言うべくして仲々困難なことであり、中央に於ては調剤センター、模範処方等についても研究されているので、我々としては個々に研究もし、態勢を整え、でき得る処から薬剤師と医師が個々に話し合って進むことが現情勢に於ては一番良い方法であると云う事になった。

 ▽本会の運営について
 本会は今年度から市内四保健所管轄地区によって四分会に分割して運営することになっているので、各分会で行う懇談会(分会に於ける部会長会)に要する費用の一部として(会員数が違うので)博多、福岡の二区には二、〇〇〇円宛、西、南の二区には一、〇〇〇円宛を補助することを決定した。

 ▽会費納入について
 今年度は会費が値上げされたかの感じがあるが、必ずしも実質的にはそうでない、商組の会費も含まれていることは、現在の薬剤師会は60%位は経済問題とも取っ組む必要もあり、会としては別個のものではあるが、不足不離の関係にあると考えて協力して貰いたい。これについて或部会では、特定の非協力な一部会員のために会費完納ができず、従って還付金も貰えないと云う実情のものがあり、これ等については特に考慮して貰いたい。又県薬には加入しているが部会には加入しないと云う会員があるが、然しその世話は部会でしなければならず、誠に矛盾した面などあるので、本部の方で話し合って貰いたいとの部会長の要望もあつた。

 以上にて議事を終え最後に友納会長は、今後薬剤師としては自分の子供の学校のPTA等にはできるだけ出席されたい、そうすれば運営の面にも参加して学校での事業所販売や悪徳業者の斡旋販売等も阻止できる。又衛生組合などにも進んで参加すれば、色々な点で薬剤師を有利にすることができる。できるだけその様な面を利用して薬剤師のPRに努め真の薬剤師の在方を啓蒙されたい。と述べて部会長を励まし、次いで引続き会長から、長年本会として福岡市の公衆衛生活動に協力したことにより、本会並に学校薬剤師26名に対し市長より感謝状が授与されることになっているので、本会場で引続き授与式が行なわれる旨の報告があって本会を終了した。