通 史 昭和39年(1964) 日薬−県薬−市薬
九州薬事新報 昭和39年(1964) 5月10日号

日本薬学会九州支部 第37回例会 熊大薬学部 5月16日

 日本薬学会九州支部第37回例会は五月十六日午后一時熊本大学役場区部に於て開催する。演題次の通り。

 (1)3,4-Dialkoxyuitropenzenenの生体内脱アルキル反応について(2)=(九大薬学部)塚元久雄、吉村英敏○辻宏、渡辺烈
 (2)Glucuronide形成によるHexobarbitalの代謝=(福大薬学部)土岐智、○竹之内タミ子
 (3)薬物代謝に関する生化学的研究(W)シクロバルビタールの代謝に影響を及ぼす因子について=(長大薬学部)有吉敏彦
 (4)液状有機化合物の放射線物性研究(第4報)種々の条件における照射中の電気抵抗と線量率との関係=(熊大薬学部)○北原一太、白山紀美子、田中善正
 (5)SO2N結合をもつた化合物の赤外吸収スペクトルについて(第2報)CH3・SO2N化合物およびその重水素化物の赤外吸収について=(熊大薬学部)○田中由紀子、日高宏子、田中善正
 (6)重水素化物のKBγ錠剤法による赤外吸収測定について=(熊大薬学部)○田中由紀子、田中善正
 (7)ジスルフイドのアルカリによる分解について(第1報)Bis(3-cardoxyphenyl)disulfideの水酸化ナトリウムによる分解について=(熊大薬学部)田中善正、○杉村継治 (8)人口甘味料に関する研究(第4報)ジアセチルモノオキシム法およびジアソ化法によるズルチン定量の検討=(熊大薬学部)一番ケ瀬尚、○児島昭次、○市川正孝
次回第38回例会は追って決定次第広告の予定である。

 第20回薬学大会 第三回打合会 九大で廿五日

 福岡で開催予定の第20回日本薬学大会第三回打合会が行われた。

 薬界短信

 ◆日薬委員推せん=日薬よりの電話連絡により福岡県薬では日薬の公定書委員会委員に柴田伊津郎氏を公害対策委員会委員に友納英一氏を、薬局委員会委員に白木太四郎を推せんした。何れも開局者である。
 ◆九州漢方研究会=第五五回を四月廿五日福岡県薬会館で左記により開会した。
 初歩口座=山口広次氏▽桂皮加求附及苓求附湯=戸田秀実氏▽きようろう五穀虫夜明砂=塚本赳夫氏▽薬物考=久保川憲彦佐日本東洋医学会総会報告談=山口広次氏

 新年度第一回 福岡県薬事審議会 新規薬局薬店一五ヵ所許可

 福岡県薬事審議会は39年度の第一回を四月卅日午后二時から福岡市橋口町全信ビル三階会議室で開会、先づ原田会長の挨拶後、直に左記議事に入った。

 ▽議事
 第一号議案 薬局及び医薬品販売業の許可に就て
 新規薬局三カ所、一般販売業三カ所、計六件について審議の結果許可すべきであると決定(本紙別掲)
 第二号議案 福岡県薬事審議会運営規定第四条に基づく報告について
 新規薬局四カ所、一般販売業五カ所、計九件についての報告は何れも三〇〇米以上の距離に該当し知事に於て既に許可したものと報告があり、異議なくこれを承認(本紙別掲)。
 第四号議案 薬事審議会の開催日の制定と定例日の変更について
39年度は審議会開会数が年六回となるので、これについて協議の結果、原則として偶数月の七日と決定、なお必要ある場合は特に臨時開催することとなった。

 ▽報告
 適用地域の追加指定について
 薬局等の配置の基準を定める条例(昭和38年度福岡県条例第48号)の一部を改正する条例が4月16日公布されたが、適用地域の追加指定は次の九地域である。
 ▼豊前市(昭和30年4月4日合併前の八屋町)▼中間市▼水巻町▼大野町▼山田市(昭和29年4月1日市制施行前の山田町の区域)▼志免町▼福間町(昭和29年4月1日合併前の東郷町及び赤間町の区域)、この改正条例は公布の日から施行される。以上にて審議会を終了した。

 福岡県管理薬剤師会 設立準備打合

 左記に(3月24日)県薬務当局の主催により開会された管理薬剤師関係法規講習会の節、講習終了後、自ら解説していない薬局、一般販売業の管理薬剤師による管理薬剤師会を結成発足させることになり、直に其設立準備委員を選定したが、その第一回打合せ会を五月一日午后一時から県薬会館に於て、在福委員である内藤、草場、原口、磯本、野口の諸氏並に竹内県薬担当理事出席して開会し、六月頃発会の予定で会則案など作成の準備に着手したが、その内容の概要は、
 @会の名称を「福岡県管理薬剤師会」とする。
 A会員の範囲は会則中に規定し、薬局、一般販売業(何れも卸、小売共)及び生協、購買会等に勤務する管理薬剤師とする。
 B役員は会長一名、副会長一名、何れかは一名は女子とする、理事は福岡四名、筑後二名、筑豊二名、内一名は女子とする、会計は理事中より選出する。
 C顧問若干名を置く(竹内県薬担当理事、県薬会長、県薬務課長等)。
 D会費は三〇〇金程度にする。
 などを協議検討した、其他県薬剤師会との関連、就職斡旋、会のPR等についても種々研究検議したが、早急に内藤委員長が一応会則案を纏めて県薬工藤専務理事に専門的検討を依頼して完全会則案を作成することを話合った。

 福岡地区薬業安定協議会 いよいよ発足(五月二日)

 先に開会された福岡県安定協(4月27日)で、福岡地区に於ても早急に地区安定協を発足させる必要が生じ又発足させねばならぬことになったので、五月二日午后三時から県薬会館で小売側では須原商組理事長、山手理事、木村(筑紫)、山本(宗像)、世利(粕屋)、西原(糸島)の各支部長、卸側は大黒、鶴原、川口屋、九鉱、メーカー側三共、田辺、塩野義、中外の各担当者出席の元に開催された。

 先づ、藤野県商組専務理事から当日開催された主旨について「中央安定協は12回、県安定協は10回、県下四地区中他の三地区安定協も一〜二回既に開会しているが福岡地区としては未だ一回も開会していない。先の県安定協に於て県下各地区安定の強化と云うことで、対策委員会の下部組織を作る必要上本日開催することになったのであり、本日は小売側の司会により進行させたいと思う」と挨拶があり、次いで白木県商組理事長は、中央安定協並に県安定協について大体の説明をなし、本会を発足させることに対して補足し、次に大黒委員長から対策委員会設置の意義について詳細な説明があって、本会の構成につき次の事項を一同に諮って決定した。

 一、委員は▽メーカー側=製企会六社の各担当者とし、▽卸側=大黒、川口屋、鶴原、▽小売側=各ブロツクより支部長(商組)と外に一名宛、福岡支部は須原理事長以外四保健所より一名宛と市商組から山手氏の計一四名とし各地区でそれぞれ決定して其氏名を20日迄に報告する。
 一、事業内容は県安定協と同一である。
 一、定例開催日は毎月10日午后3時よりとし、県薬会館で開催する(日曜の場合は翌日)。
 一、議長は三者持廻り。
 一、事務局は福岡市商組内、担当は山手氏。

 右それぞれ決定し、それより県安定協の第一回対策委員会より県安定協に承認を求めた事項(本紙別掲県安定協記事参照)につき種々検討して五時半終了した。福岡地区に於ても愈々具体的な問題と取くむことになったわけである。


九州薬事新報 昭和39年(1964) 5月20日号

 第2回 九州薬業安定協議会連絡会議 催眠薬の指導価格設定について検討

 第二回九州薬業安定協議会連絡会議が五月九日午后一時から長崎市長崎グランドホテルに於て、製企会六社及び藤沢薬品、小売側は各県二名及び地元卸屋の出席のもとに開催された。

 ▼学校薬剤師の設置について(全文)

 先の福岡市に於ける第一回会議で決定を見なかつた九州安定協連絡会議の議長について協議した結果、主催県の小売側代表が当ることに決定し、当日は隈氏議長となり、県薬務課長の「この安定要綱の実施は今後の薬業界の基底となるものであるから確かりやつて頂きたい」との挨拶があって、議事に入った。

 一、活性ビタミンの価格改訂については、活性ビタミン分科会で前月末に案が出されたが、五月より実施することになった。これは新価格体系で実施するのであるが、指導価格はそれぞれ各社により其立場立場で実施する事になるので、左様御了承ありたい、とのメーカー側の説明であつた。これに対し小売側より、今回の改訂は各社の改訂であり新価格体系に踏み切ったことは良しとするが、指導価格との差があるのは頷づけない。単なるメーカーの価格表の改訂であって安定協とは関係がないと思う。との発言に対し、お説の通りであるが、今回は先づ第一段階であり、今後共努力するとの答えであつた。尚高単位活性ビタミンも近く指導価格が設定される予定である。

 一、市場安定対策要綱に伴う事業所等に於ける医薬品の販売については、白木中央安定協委員より中央情勢について報告があり、五月一日から実施することになったが、九州ブロツクは各県共原則としては中央の線に沿い実施することになる。然し現実には種々むつかしい問題も出て来るものと思われるが、三者協力して一層強力に推進することに決定した。其実績は次回に、具体的な事例に基き其実施方法並に成果、見透し等につき書類を以て本会議に提出することに決った。

 其他熊本市で新聞広告に行き過ぎの事例があるが、これについては地元熊本県に於て早急に安定協を開き、その販売対策委でこれを爼上にのせて善処すべきであるとし、又催眠薬の指導価格設定についても当日種々検討したが、来る廿一日開催の中央安定協に九州代表より設定方の申入れをなし中央に於て検討して貰うことに決った。以上にて協議を終え次回開催は八月八日熊本と決定し、閉会となった。

 福岡県学薬会理事会 庶務会計理事決定

 福岡県学校薬剤師会本年度初の理事会を五月十一日午后一時から県薬会館で開催した。先づ友納会長の挨拶後左記事項につき協議した。

 ▽理事の業務分担決定の件
 庶務と会計だけを決定他は仕事の都度、話合の上決ることにし、庶務会計を矢野理事の担当と決定した。
 ▽本年度事業計画推進について
 @伝達講習会開催については六月中に開会(昨年の分)することとし、場所は福岡又は久留米と北九州の二カ所、器具は日薬指定のものにより、検査基準は七〜八月頃文部省から発表される見込である。
 A大会等研究発表については充分準備に努力することを決めた。
 B県下統一事項としては手当の統一、勤怠の調査、教育委員会との連絡事情、学校保健会指導者講習会派遣、公衆衛生学会(5月14日〜15日、県医師会館に於て)では一日目に本会から研究発表者が三名あるので、応援の意味でも多数参加すべきである。

 以上にて協議を終え、神谷氏の発言により早川氏外前理事(退職者)に記念品を贈呈することとなり一同異議なく承認、一切は執行部一任と云うことになった。尚筑後地区よりの副会長一名が未決定であるので、会長と地区県薬理事との話合で決定することになった。

 福岡県薬商組 第八回 通常総代会 理事三〇名選任

 福岡県医薬品小売商業組合では第八回通常総代会を五月十三日午后一時から田辺製薬福岡支店五階講堂に於て開会した。来賓として尾崎県薬務課長、狩野薬事係長、県商工第一課鹿毛係長及び通産局阿部氏が臨席した。

 藤野専務理事司会して岡野副理事長の開会の辞、次いで白木理事長は次の様な挨拶を述べた。昨年の薬業界には二つの支柱が新たにできた、一つは薬事法の改正で適正配置や剤師の員数規定の問題等当局の努力もあり一方、薬剤師会と薬商組とが一体となって推進して来た。員数規定は大型店等に対する一つの規制ともなり適配と共に一つの柱となったわけである。又他の一つは市場安定要綱は昨年9月20日より発足し、商組を中心に10月20日から指導価格を実施した事である。

 本県でもメーカ、卸、小売の三者が同一の立場で県安定協をつくり又対策委員会を作って現在推進している。今月20日頃迄には委員会は第一回の試売を実施して販売の適正に向って進むわけである。又九州ブロツク安定協も既に発足し各県共商組々織の強化に努めているが、宮崎県などは県当局の協力を得て業者百%加入の実を挙げ、怡も強制加入と同様な効果を現わしている。本県に於ても其方向に向って邁進したいと思っている。中央、九州、県の安定協も先に事業所販売問題で中央の決定通り五月一日から推進することになった。本商組としても調整規程に沿って努力しているが、39年度は其意味で明るい見透しの元に続けて前進したいと思っている。

 次に来賓尾崎県薬務課長が知事の祝辞代読(知事、部長共出張不在)があって議事に移り、藤野専務理事司会し、司会者指名で工藤県薬専務理事を議長に推し、議長席についた工藤議長は総代定数一三〇名中三二名出席、委任状四〇、計七二名、本日の総代会は成立した旨を宣し、直に左記議事に入った。

 ▼議事
 ▽報告事項
 報告第一号 昭和38年度業務並に事業報告
 福田副理事長から別刷により説明。この時会場より@一読判明する様、も少し詳細な印刷が望ましいA安定要綱に対する執行部の見解と指導方針についてB飯塚橋と良永問題のその後についてC外売問題D事務所納入問題のその後E監視委員会の活動情況について、伺いたいとの質問があつたが、これに対して執行部から次の様な答えがあつた。
 Aについて白木理事長は、
 「私の挨拶の中で大体は話したが、品目を決め指導価を守らせることについてメーカー20社も監視している、行過ぎについては協力をお願いしているし、是正もお願いして強調して貰っている。又指導価品目も増加する見込み、指導価は永久的のものでなく、これが間違いなく守られる様な態勢になれば価格も改訂して新価格体系になおして行く、利益がある様に要望もし、又そうすることになる。医家向メーカー、卸等もあり、この様な方面も話合っているので今直にと云うことはむつかしいが次第に安定に向うと思っている」と答え、
 Bについて藤野専務理事は「飯塚橋、白木屋共に訴訟することについて準備を弁護士と共に進めている」と答え、
 CとDについては藤野氏「結果は仲々具体的に出ないものであるが、取敢えず積極的な者については三者協力してあたることになっている。Eについては販売対策委員会と云う名称で監視、試売も進めているので二週間もすれば結果が出ると思っている」との答弁であつた。なお、一〇〇、七五、七〇と云うのは多分リベート化する嫌いがあるので商組としては仕入原価の値下げに努力して貰いたいとの要望があつた。以上にて報告通り承認。

 報告第二号 全国医薬品小売商業組合連合会理事会並に中央安定協議会出席報告
 白木理事長報告、安定要綱実施についての小売側の窓口は厚生省でも商組を以てと云うことであるので日薬としても其線に沿っている。地方商組で全国連合会に未加入のものがない様に、又、地方商組未設置県のない様に努めている。又連合会としては調整規程等の内容、文面についても研究しており、価格表示も研究、メーカーとも接渉中である。外売問題は三者の協力点を話合い、安定要項についは現に一県を除いては全部実施している。又宣伝の是正、メーカーの行過ぎなど厚生省を始めとして努力している。所謂ダイエー問題は次回の中央安定協で検討されることになっている。

 報告第三号 福岡県安定協議会並に九州ブロツク懇談会出席報告
 藤野専務理事報告、事項が重複するので現在どの様に歩いているのかを簡単にお話ししたい。中央に対してはブロツクの小売代表として白木氏を、卸代表としては大黒氏を以て吾々の意志を反映させるべくやっている。県安定協は毎月25日開会、午前中には、対策委員会が開かれ、各地区安定協よりの報告があり其対策を講ずることになっている。右報告通り承認。

 報告第四号 組合員数報告
 山手理事より別刷により報告、昭和33年度組合創立当時の組合員数は一、〇一三名。四年後37年度(S38.3.31付)一、一〇四名・翌38年度(S39.3.31付)一、〇四一名で前年度より六三名減であるが、これは浮羽支部の総脱退と其他個人脱退者によるためのもので、この点では現在復帰に努力中である。38年度組合員数一、〇四一名の内訳は、
 福岡地区 三二四名
 北九州地区 三五五〃
 筑後地区 二五九〃
 筑豊地区 一〇三〃である。

 ▽議案
 議案第一号 昭和38年度収入支出決算認定の件
 須原副理事長より別刷により説明。監事代表武田氏から監査の結果正確である旨報告があつた。この時芳野総代会員から、分類の仕方をもう少し分り易い様な書方にして貰いたいとの要望があつたが、白木理事長は「項目はモデルにより当局から指導を受けている」と答え、これに引続き来賓の通産局阿部氏は「大体この程度で指導している」と説明があつた。又総代会員の安村氏から「未収金額が多い様であるが…」との質問に対し山手理事は「其後一部納入のものもあるが、現在回収に努めている中で築上支部は成績不良で纏まらず、浮羽支部は昨年脱退したが再加入について努力している。小倉支部は東映問題で地元の入費が嵩み、過年度の分が残っているが、今話合中である。山田支部は組合纏まらず現在吉柳副理事長が折角努力中である。38年度福岡支部は過年度からの残りであり金額が大きいが次第に入りつつある」との答えであつた。以上原案通り監査報告と共に異議なくこれを認定。

 議案第二号 昭和39年度事業計画決定の件
 藤野専務理事別刷により詳細説明。商組としては其組織の強化が第一で、それが主たる事柄だと考えているので、安定要綱の線に沿って下部ブロツクを益々強化する事を目標としている。原案通り異議なく決定した。

 議案第三号 昭和39年度組合費決定の件
 須原副理事長別刷表によって説明。支部割当算出本年度基準は「二、五〇〇円×総事業者数×70%」である旨説明があつた。原案通り異議なく決定。

 議案第四号 昭和39年度収入支出予算決定の件
 山手理事別刷により説明、本年度は下部ブロツク強化に重点を置き、其線に沿って予算を編成した。調整事業費中に調査費や監査費等を安定推進の費用として含め、細分化せずに一つにした。予備費は増加したが、訴訟事件等のため費用を含めた、又報償金については、7月末迄納入額の10%、12月25日迄納入額の5%、別に12月迄に(過年度分も含め)ブロツク分を完納した場合は10%をブロツクに対する報償金とする。原案通り異議なく決定した。

 議案第五号 調整規程継続申請承認の件
 議案第六号 調整規程第二号第二項改正に関する承認の件
 第五、第六の二議案を一括上程、藤野専務理事説明、五号議案は調整規程は其効力が3月31日迄であるので継続申請の手続をとる必要があり、六号議案は、調整規程に於て定めている特定医薬品中現時点に於て、其品目中其後価値が変動したため不適当となった品目を削除し、市場安定要綱実施で決められた指導品目並に新価格維持品目を中心として追加訂正するものであるが、この品目は執行部に一任して貰いたいと思う。異議なく予算通り決定した。

 議案第七号 役員選挙に関する件(任期満了)
 藤野氏の定款説明により理事25〜31名、監事4名、過怠金再審査委員11名(内全地域の分三名)を選出するが、選考委員制によることになり、四ブロツク毎に選定、次の選考委員11名を決めた。
 福岡地区=戸田(連)、戸田(秀)、柴田(伊)▽北九州地区=角田、大坪、松島▽筑後地区=中村、松岡▽筑豊地区=安村、本松▽議長

 別室に於て慎重選考した結果、戸田(連)委員長から左記の氏名を報告、議長は議場にこれを諮つて拍手の裡にこれを承認決定した。
 ▽理事=福岡地区11名−白木太四郎、須原勇助、藤野義彦、斉田和夫、山口芳包、国武一人、大隈次郎、山手陽一、宇山安宏、谷口源吾(筑)、定宗喜多留(宗)▼北九州地区9名−福田忠吾(八)大嶋猛夫(八)井上浩一(若)近藤允(戸)杉山隆保(門)角田卓(小)白石実(京)藤井幸男(小)松島雄(小)▼筑後地区5名−岡野辛一郎(大)鶴田喜代次(久)中村若市(八)松岡嵩道(甘)八谷一正(久)▼筑豊地区5名−吉柳富雄(直)坂口寛次郎(飯)有吉三好(飯)松村精一(田)酒井春雄(山)
 ▽監事=側島希允(田)石松茂治(遠)武田準一(福)三砂弘(大川)
 ▽過怠金再審査委員=塚田豊(福)高倉等(福)原田種彦(八幡)大森義雄(門)岡野守男(大川)中村英貴(久)高橋亀千代(飯)安村研二(直)
 「全域の分」四島久(福)長野義夫(八幡)深田徳二郎(粕)
 追って正副理事長は理事互選により決定する。以上にて議案審議の全部を終了。吉柳氏の閉会の挨拶があって散会。午后五時。

 福岡県薬 保険調剤薬局推進の講習会

 日薬の本年度事業計画の重点項目の一つである保険調剤推進運動の一環として中央医師会代表よりなる特別対策委員会を設置して処方箋発行の方法、模範処方集の作成、薬局に於ける受入態勢の整備について検討を進めているが、福岡県三師会でも中央の情勢に応じて努力している。県薬剤師会でも下部第一線にある市、郡、町、村の組織或は各個人に於ても極力この点について努力されんことを切望している。就は処方箋増発対策、受入態勢強化、請求事務の適正化等のため左記により講習会を開催することになり県薬開局会員の全部が是非出席研修されることを希望している。

 ▽講習日時及び会場
 ○5月18日(月)=北九州市小倉区金田西日本新聞北九州総局
 ○5月19日(火)=飯塚市東新町 飯塚商工会議所会議室 ○5月22日(金)=福岡市上浜口町田辺製薬福岡支店五階ホール
 ○5月23日(土)=久留米市、久留米保健所会議室

 ▽講習時間
 午後一時〜四時
 ▽講師
 福岡県薬社保担当理事
 大牟田薬剤師会長中村里実
 ▽携行物件
 筆記具、薬剤師必携(S37・S38版)、薬学講習会社会保険テキスト(S37.・S38版)


九州薬事新報 昭和39年(1964) 5月30日号

 福岡県薬業安定協議会 五月例会 指導価格外反安定行動について討議

 福岡県安定協議会では五月例会を廿五日一時から県薬会館で開会した。 今回はメーカー側鈴木三共福岡支店長を議長として会議を進め、先づ五月九日長崎市に於て開催された九州薬業安定協議会連絡会議並にその決定事項(本紙前号記事参照)を白木委員及び鈴木三共支店長より報告、次いで大黒委員より五月廿一日大阪に於て開催された中央安定協出席報告があつた。

 次に当日午前十一時より同所に於て開会の県安定協販売対策委員会にについて大黒委員長より今月行われた県下各地区の試売の結果について(まだ全部は報告が出揃つてはいない)書類により報告があつた。

 次に当日午前十一時より同所に於て開会の県安定協販売対策委員会にについて大黒委員長より今月行われた県下各地区の試売の結果について(まだ全部は報告が出揃つてはいない)書類により報告があつた。次いで本委員会の委員を小売、卸各一名増員(筑豊地区から)したい旨、又今後の試売実施方法及び其期日については地区委員に一任して貰いたい旨の申出があり、小売側一名の増員は筑豊地区の吉柳富雄氏を、卸側の分は同じく筑豊地区の卸業者から後日決定報告することで了承、試売の方法、期日については地区委員に一任することになった。

 次に各ブロツクより其後の安定要綱実施情況について報告があり、筑後及び福岡地区から反安定的広告ビラの問題について報告があつたが、これに関連して単に指導価格だけの問題を(守らぬ者のみを)安定協の対象にするか否かにつき、相当長時間に亘り討議を重ねたが、その結果、安定協発足の趣旨からも当然安定協としては、指導価格だけは守っていても其他の商行為が反安定的である者については、これを採り上げるべきであるとし、斯る反安定的の行動をなす者に対しては、商組、製企会、卸、薬務課の四者がそれぞれの立場で安定協の趣旨徹底のためこれを説得し、其結果を待って処置を検討することとなった。

 次に今回の試売で、違反と認めた者については、このまま見逃せば今日迄の努力も水泡に帰するの観点から、全国でも最初のことと思われるが、近日販売対策委を開き再度その内容を検討の上、対策委員会の結論を出し、安定協で其具体的処置につき討議することになった。それより活性ビタミンの価格改訂についてそれぞれメーカーより説明がありこれを承認、尚指導価格追加品目としては次の品目があげられこれを了承、四時半協議会を終了した。

 ▼追加品目
 アリナミン25r三〇錠▽ダンチ小型錠六〇錠(新価格体系)▽ビオタミン25r三〇錠、同一〇〇錠、同三〇〇錠、同50r三〇錠、同一〇〇錠

 福岡県女子薬剤師会総会 会長 上田ヨシエ氏再選任

 福岡県女子薬剤師会では通常総会を五月廿三日午後一時から田辺製薬福岡支店五階会議室で開会、来賓として尾崎県薬務課長、大庭同課長補佐、四島県薬会長、友納市薬会長、古賀県議会議員が臨席した。

 市丸理事司会し先づ田中副会長の開会の辞、次いで上田会長は、今日迄女子薬は大体懇親の意味での歩みを続けて来たが、若々しい新女子薬を多く迎え入れねばならないので、今や一つの転換期に来た様で脱皮しなければならないかと考えられる。この点をよく認識して会の運営に、各自会員は自己の意志を反映させ、将来男子より多数となった場合困惑しない様に予かじめ考えておく必要があり、その考えに沿つて本会を運営すべきではあるまいかと思う。と挨拶があり、次いで来賓の祝辞となり尾崎課長、友納市薬会長、次に四島県薬会長は、薬剤師会の運営中女子部門特有の数々の事を一歩一歩進めて貰いたい、会の在り方としては薬剤師の地位向上、確立、確保と云うことが目標であるので、其一部門を女子の立場からリーダー格になって貰いたいのが、女子薬発足の意義である、高野選にも女子薬の特権をフルにつかつて県薬と共々やって貰いたい。と挨拶、それより議事に入った。

 司会者指名で山田副会長議長となり、@38年度会務報告(宮崎理事)A同会計報告(森山理事)何れも異議なく承認となり、B39年度事業計画並予算決定の件(宮崎理事)につき説明があり二、三質問並に要望などあって異議なく承認となった、次に役員選挙に移ったが、予かじめ各ブロツク選出の選考委員により会長に上田現会長が選考された旨田中委員長から報告があり、議長これを議場に諮って満場拍手を以てこれを承認決定副会長及び理事は新会長の指名によることとなり、新役員は左記の通り決定した。

 ▽会長 上田ヨシエ
 ▽副会長 田中美代(福岡)、市丸正美(北九州)、佐藤千代(筑後)
 ▽常任理事 森山富江、宮崎綾子、網島幸枝(会計)、末田スミ子、藤幸江、三和ヤス  以上にて議事を終えたが、当日は総会開催前、特別講演として九大助教授医博、宮地一馬氏の「ビタミンB1の誘導体について」と題する内容ゆたかな講演があつた。

 福岡県保険調剤のための講習会 出席会員約三〇〇名

 福岡県薬剤師会では日薬の今年度事業計画の中で其重点事業として保険調剤推進強化が採り上げられているが、その線に沿い保険調剤推進のための講習会を県下四ブロック毎に開催する準備を進めていたが、5月18日北九州地区、出席者約90名、19日筑豊地区、約40名、22日福岡地区、約80名、23日筑後地区、約70名の出席を得て、講師として県薬保険担当理事(大牟田薬剤師会長)中村里実氏が茲数年来自ら研究実施して来た経験に基づく解説講演を基調とした講習会が四地区同様の形式で開催された。

 其一つである福岡地区講習会の内容は次の通りである。五月廿二日午后一時より福岡市上浜口町、田辺製薬福岡支店五階ホールで開会、副島理事司会して先づ四島県薬会長は、完全分業が薬剤師の真の目的であり最大の目標であることは今更申す迄もないが、然し相手のあることであり、如何にして処方箋をより多く発行して貰うかにある。明治以来分業問題に関し医界は処方箋発行に絶対反対であつたが、二カ年ばかり前から同じ医療担当者である薬剤師を敵に廻すことは利口な行為でないと反省し又吾々薬剤師も一八〇度の転回を見せ処方箋科の新設に踏切り三師一緒に医療担当者としての実をあげて行くことになった。主脳部では実質的に分業に持って行くことが望ましいと云うことになり、三師協調して行くことに話合いがついているが、この流れに沿って末端の連なりで、即ち薬局と医師が直接接触、実をあげる様持って行くことが最も大切なことである。吾々本県薬に於ても二、三年前より中村理事を中心に医師薬剤師の接触、実をあげる様努力しているが、従って県下では大牟田がトツプである。

 県としては全国で東京、大阪、長野、福岡、四番目であることは皆様ご存知の通りである、分業促進について調剤センターの問題がある。最初医師から持ち出されたが、これは是非薬剤師側から早急に設定する必要があり、其方法としては会営又は適当な場所にある既設薬局をこれに当てるか何れにしても結構である。約束処方については全国的に一本に纏めることは困難であるので薬局では接近せる地区の医師から進めて行くことが先づ必要であり早道でもあろう。医師に処方箋を発行することのプラス面を指導する意味から今回の講習会も開催することになったわけである。

 一薬局が四〇枚の処方箋を取扱えば基本的に薬局は維持できると見られている。現在の販売面の乱れなど薬局にとつて問題でなくなるわけでもある。調剤技術料については今回は通らなかったが其基礎を作ったので今後認められる基礎となるものと考てよいと思う吾々は今後努力を続ければ大牟田支部の様に実績があがる事実を考慮に入れ一層の努力を発揮したい。との挨拶があり、次に中村講師は挨拶に引続き左記講演に入った。

 (1)保険調剤の全国現況
 ▽全国推計1カ月(窓口徴収を含まない)
 基金分 20万枚 二億円
 国保分 5万枚 〇、五億円
 計 約25万枚 二、五億円
 全国で東京、大阪、長野、北海道、福岡の順(月によつて多少の差がある)であるが、東京、長野は大学病院が予算の都合上院外処方を発行しているので、一般医、歯の発行数は実質的には福岡がトツプではないかと思われる、現在福岡県では次の通りである。

 ▽福岡県一カ月(39.3月)
 基金分 一〇、八〇五枚 六、六八二、〇〇〇円
 国保分 二、一四一枚 九二四、〇〇〇円
その他 三二九枚 二五八、〇〇〇円
 計 一三、二七五枚 七、八六五、〇〇〇円

 なお、県内の保険薬局数は六九四、処方箋取扱い薬局数は三五二、であつた。又一般情勢としては日歯は数年前より実施して来たが其後日医も任意分業推進を打出した様に、保険者、被保険者団体が医薬分業推進強調の態度を見せて来ている、斯る医薬分業の周辺雰囲気を眺めた場合、薬剤師が明治以来叫び続けて来たことが此処に好転し来たつたことが頷づけて、今こそ其推進強化に努力する必要を痛感する。

 (2)保険処方箋発行と医療経済について(中村氏編纂のプリント)
 医家が処方箋を発行した場合いか様なプラス面があるかを指摘するための資料として中村氏自身の開設がなされた。

 (3)実際問題について
 保険調剤と請求業務について実際上の取扱いについての質疑応答

 (4)今後の指針
 参考迄に申上げておきたいのは、新聞やメーカー薬学誌等に保険調剤に対する種々の批判も出ているが実際面を知らない記事が多いのでこれ等に左右されず信念を持って処方箋発行促進に努力して貰いたい。又先にメーカーの医家担当者と連繋を保つため三回に亘り懇談会も催したが、特に先日万有の医家担当者と懇談して非常に有意義であつたので、今後ともこの様な方向で進みたいと思う。又乱売については吾々の本文である調剤で立つて行けばよい様な態勢に持って行くことで解決して行きたい。保険の法規は殆んど31年前後にできたものであるがこの頃はまだ実際には処方箋が発行されておらず、机上作文とも称すべきものであるので、実際に即しない点が多く且つ誠に複雑であるが、今後日薬を通じ逐次改正される様要望して一日も早く簡単に、スムースに調剤ができる様な日が来るために一層努力して行きたいと考えている。以上にて講習を終え友納市薬会長の閉会の辞によって福岡地区講習会を閉ぢた。

 管理薬剤師会会則案なる 第二回 設立準備委員会

 福岡県管理薬剤師会設立準備委員会では第一回打合せ会(在福岡委員により)を会則等準備のため五月一日県薬会館で開催したが、第二回打合せ会を廿一日午后二時から同会館で開会した当日の出席委員は次の通り。
 内藤龍祐(委員長)草場近、山本秀一、原口静、野口美智子、磯本美穂、佐藤千代(筑後)広瀬清子(北九州)

 外に竹内県薬担当理事出席の上定刻開会、会則案によりて逐条審議の結果三、四個所改訂の上一応会則案を決定、六月中旬の予定で設立総会を開いて会則案を上程することに決めた。尚総会開会前に各委員は関係地区の管理薬剤師につき出来得るだけ調査して其の実態を把握する様努力する事をも話合った。審議を終えた会則案は次の通りである。

 ◆福岡県管理薬剤師会会則案
 (目的)
 第一条 本会は薬局、一般販売業管理薬剤師の管理業務の達成、地位の向上並びに会員相互の親睦をはかることを目的とする。
 (名称)
 第二条 本会は、福岡県管理薬剤師会と称する。
 (事務所所在地)
 第三条 本会は、事務所を福岡市におく。
 (事業)
 第四条 本会は、第一条の目的達成のため次の事業を行う。
 一、薬事関係法規の研修に関する事項
 二、会員の地位向上に関する事項
 三、管理薬剤師の待遇改善に関する事項
 四、会員相互の親睦及び連絡に関する事項
 五、就業の円滑に必要な事項
 六、薬業の繁栄と安定に関する事項
 七、管理薬剤師の斡旋に関する事項
 八、その他目的達成に必要な事項
 (会員)
 第五条 本会の会員は正会員・賛助会員とする
 (1)製薬業者、薬局及び一般販売業に勤務する管理薬剤師(法人の代表者を除く)は正会員とする。
 (2)本会の目的事業に協力する薬局、一般販売業開設者並びに薬業関係者を賛助会員とする。
 (役員)
 第六条 本会に、次の役員をおく。
 会長 一名
 副会長 四名
 理事 十五名
 監事 二名
 顧問 若干名
 相談役 若干名
 第七条 会長は会を代表し会務を主掌する。副会長は会長を補佐し会務を掌る。理事は会長、副会長を補佐し会務を分掌する。監事は本会の会務及び会計を監査する。
 第八条 各役員の任期は二年とする。ただし再選を妨げない。
 第九条 役員の任期満了の場合は後任者が就任するまでその職務を行うものとする。
 第十条 会長及び副会長並びに幹事は総会において正会員中より選出する。顧問は総会の同意を得て会長が推薦する
 (会議)
 第十一条 会議は通常総会、臨時総会、会長会、理事会とする。
 第十二条 通常総会は毎年一回開催する。
 臨時総会は会長が必要と認めたとき開催する。会長会、理事会は必要に応じ会長が招集する。
 第十三条 総会に附議する事項は会則の変更、決算報告、事業報告、事業計画、予算の決定その他会長が必要と認めた事項とする。
 第十四条 会議の議決及び承認は、出席者の多数決による。ただし、会則の変更については出席者の三分の二以上の賛成を得なければならない。
 第十五錠 会議の議長は、会長とする。
 (会計)
 第十六条 本会の経費は会費その他をもつてあてる。
 第十七条 会費の額及び徴収の方法は総会において毎年これを定める。
 第十八条 本会の会計年度は毎年四月一日に始り翌年三月三十一日に終る。
 附則
 一、本会則は昭和三十九年 月 日より施行する。
 二、設立総会において選出せられた役員の任期は選出の日より昭和四十一年三月末日までとする。
三、この会則施行について必要な事項は別に細則を設けることができる。

 当日の打合せ会では会則案中第六条の副会長四名は四ブロツク長(福岡、筑後、北九州、筑豊の四地区)四名を当てることとし、理事十五名は福岡地区四、北九州五、筑後三、中豊三名宛選出することとした。又第十条の顧問は県薬会長、県薬務課長その他を、相談役には各地区の薬剤師会長、県薬担当理事、その他を意味することとした。

 福岡市学薬会 初の理事会 班の編成変え実施

 福岡市学校薬剤師会(会長矢野憲太郎氏)では新役員による第一回理事会を五月十八日午后一時から県薬会館で開会、班の新編成をなし今年度の事業について検討したが、事業推進のために活動し易い様班を縮少して適当な大きさに編成替えを実施した。なお近日中に公衆衛生上参考のため市外古賀町に於けるし尿処理場を見学することを決めた。

 先に決定した本会の役員は次の通りである。
 ▽会長 矢野憲太郎
 ▽副会長 柴田伊津郎、馬場正守
 ▽理事 内田数彦、杉本好子、石田和長、江頭溜、土肥善伍、田尻浪二
 ▽監事 岸田清輝
 ▽顧問 友納英一

 九州大学薬学科 薬学部昇格記念祝賀会

 九大医学部薬学科が創設されて十四年、本年四月一日から九大薬学部に昇格独立した、なお二、三年後にはあと七講座増設されて十四講座となり東大の十二講座をしのいで最も大きな薬学部となる情勢にあり、従って又近年中に新らしい建物が新築される模様でもあり前途洋々たる薬学部と云うべきである。

 この九大薬学部では、今回の新学部設立に尽力された関係者に感謝の意を表すると共に設立を記念するために一同を招待して、五月十八日午后五時三十分から博多日活ホテル九階ホールで記念祝賀会を開催した。薬学科、薬学部創設昇格の関係者、東大、京大その他全国の薬学部長(学長)など、百三十余名の出席者であつた。

 定刻開会、西海枝教授司会して、先づ塚元薬学部長は開会の挨拶と共に感謝の辞を述べ、次に遠城寺九大総長の喜びの詞ばと、薬学科創設から今回の薬学部昇格迄引続き地元民間から特に元福岡県薬会長の磯田秀雄氏(先月逝去)並びに福岡市議会議員加藤藤次郎氏(元医薬品卸問屋)の一方ならぬご尽力に対して篤き御礼の言葉が述べられた。

 次いで文部省村山技監、福田鹿児島大学長(元九大医学部長、現九大名誉教授)の祝辞があり、それより立食開宴、福田学長の音頭により一同乾杯、各自談笑の裡に宮崎九大医学部長、天児前医学部長などの祝辞、祝電披露があつた。和やかな雰囲気の裡に、真摯な薬学の空気の流れに喜びの色を添えた温かいパーテイに時は過ぎ終りに塚本福大教授の音頭で万才三唱盛大な悦び溢れた記念祝賀会の幕を閉じた。