通 史 昭和39年(1964) 日薬−県薬−市薬
九州薬事新報 昭和39年(1964) 3月10日号

福岡県薬支部連絡協議会並県薬政会評議員会

 福岡県薬剤師会では三月廿六日代議員会並に総会を開催するので其準備打合せ会を主として理事、支部長連絡協議会を三月二日午后一時から県薬会館で開会した。会長挨拶、工藤常務司会して先づ38年度事業(会計)実施状況について須原専務から大体予定通り進んでいる旨、並に39年度事業計画及び予算についての説明があった。

 予算は支部別会員割当表に基いて編成しているので、年度内の変動は認められない事をも予じめ諒承される様話しがあった。37年度決算報告に関しては友納監査員から、去る一月十七日監査した結果異状なき旨の報告があり、総会に於ける支部表彰は五支部とし又名誉会員に礒田秀雄氏を推薦することをも引続き決定した

 次に公衆衛生委員会(担当理事古賀哲弥氏)社会保険委員会(担当理事中村里実氏)の38年度に於ける活動状況についてそれぞれ詳細説明があり、次いで四島副会長から最近の県薬事審議会及び県薬業安定協議会の動静について次の様な説明があった。

 審議会については、距離の基点として生協などを採り上げるか否かは考慮を要するので去月廿一、廿二日の二日間実地について調査した。各支部に於ても色々のケースがあるので是非調査して貰いたい。距離条例の適用地域二八地区に新たに九地区を追加することを審議会に於て了承し、既に去月廿七日に県会の厚生、総務両委員会を通過したので本月本議会に提出することになっており又通過の見込みである。

 新追加地区は、中間市、豊前市、山田市、水巻町、福間町、宗像町、志免町、大野町、吉井町の三市六町である。

 次に、県安定協の歩みは遅々として早いとは決して言えないが、既に不良業者について安定協は何等かの対策を考えねばならぬ段階に来ていると思う。原則としては中央、中央と持って行くことになつているが、実際問題としては小地区に於て対処することが問題の解決を早めるのではないか、各支部に於ても地区的に実態調査について会員を積極的に指導されたい。

 次いで第18回日薬通常代議員会(二月2526日開会)出席報告並に感想が長野、野口両代議員から述べられた。以上にて一応連絡会を終了し同席に於て県薬政会評議員会に移った。

 県薬政会評議員会

 先づ四島副会長の挨拶があつた。何時の場合も同じだが本会は政治活動と経済安定対策でおわれ、38年度には地方選挙と県条例作成等で終始した。事業内容の詳細については四月の評議会で説明することとし、兎も角39年度の予算編成を、そして決定せねば歩けないことになっている。

 薬政会即高野後援会とも云うべきであるが、39年度の後援会費は早急な納入をお願いすることになると思う。四月からは真剣に高野選挙にかからなければならぬ。今回は50万〜60万票、前回の二倍が是非必要となっている。関係団体からの応援の必要なことは勿論であるが、吾々会員自体が先ず積極的に行動せねばならぬ。来年二月には北九州市では長野、五郎丸両氏の選挙もあり、39年度は明けても暮れても選挙選挙であると考えねばならぬ。経済安定も政治問題もなくてはならぬものは金である、資金が無くては仕事はできぬことになる、篤と考えて頂きたい。

 会長挨拶に次いで友納氏から日本薬政会出席報告があつた。役員改選についてはブロツク別選出委員による選考委員会(九州よりは瓜生田九州薬剤師会長が委員であった)で先行の結果次の様に決定した。
 ▽会長=竹中稲美(日薬副会長)
 ▽副会長=沖勘六(前会長)
 ▽栗村ハツ(女子薬西部連合会長)

 高野後援会に関しては引き続き「後援会中央総会」が開かれ、迫水会長は起って、高野先生は同郷の先輩で私と同じ学校の出身であり、私の二女が薬剤師であるので、PTA会長のつもりで差し障りもあるが敢えて会長を引受けた。との挨拶があり、次いで選挙戦の具体策について詳細な説明があり55万が最低の線であるので惧らく60万票を獲得せねば当選しないであろうと結ばれた以上にて評議員会並に後援会中央総会を終了した。

 福岡県薬商組理事・支部長合同会議 会費滞納につき非難の声あり

 福岡県医薬品小売商業組合では理事・支部長合同会議を去月廿七日午後一時から県薬会館で開催、左記報告並に協議がなされた。

 ▽中央薬業安定協議会、九州安定協連絡会並に県安定協出席報告が理事長からあった。

 ▽県薬商組としての外売実態調査の件については、去る一月例会よりメーカー卸側とも種々協議しているが、各地区により実態も異なるので、これを正確に把握する必要があり、依って各支部では其実態を能く調査の上三月十五日迄に執行部に報告することに成った。

 ▽家庭薬メーカーとの懇談の件については、去る一月廿五日開会の件安定協終了後同所に於て卸、小売と当日特にオブサーバーとして出席した家庭薬メーカー(サロンパス、ロート、大学、ノーシン)四社と懇談したが、指導価格の点で両者の意見が折合わず、メーカー側の打ち出した価格では小売側としては強制値下げの結果を来すので更に再検討することになっていたが、其後の模様では家庭薬メーカー側には再び談合する考えはないと見受けられる旨の報告があった。

 ▽九州各県の指導価格の格差調査の件については、先の九州安定協連絡会でも協議されたが、格差のある県境地区に於ては九州が一本化する時期迄は相互に歩みよって調整を図るべきであるとのことになった。

 ▽県薬事審議会は去月七日開催されたが、県下全域の許可実態について報告があり、これに関連して生協を距離の起点として取扱うや否やにつき特に小委員会が作られ、廿一、廿二の両日に亘り調査検討されたが、其結果は次回の審議会に於て報告されることになろう。

 ▽調整規程違反の件(浅野良永事件)に関する過怠金再審査委員会は去月三日開会されたが、その審査報告に基き、早急に訴訟の準備を進めることになった。

 ▽会費の件については、二月廿四日現在で総額一〇三万六千二百五〇円の未納会費があり、未納金一〇万円以上の支部は「福岡の三一万四千円」「小倉の二六万四百円」「久留米の一〇万六千円」であり、福岡支部の如きは地元でありながら斯る未納金があることは支部の怠慢であるとの他支部からの声もあり、兎も角県商組としては早急に善処すべきであるとの事となり当日の合同会議を終了した。

 福薬国保組合臨時組合会 保険料値上げ承認

 福岡県薬剤師会国民健康保険組合では三月二日県薬支部連絡協議会並県薬政会評議員会終了後引続き県薬会館で第14回臨時組合会を開会した、先づ四島理事長は本日は主として来年度の予算を審議しますが、39年度の給付は恐らく20%位増加するものと思われるので保険料値上げは必至である。市町村国保には相当の助成金があるが吾々の国保には其成り立ちの性質上補助金は少なく、然し今の処未だ市町村国保よりも有利と思われるが、若不利の場合が来れば解散することになろうと思う。と挨拶し、それより角田議長席につき議事に入った。

 報告第一号 38年度組合事業実施報告について
 須原氏説明、承認
 議案第一号 組合規約一部改正について
 野口氏説明、助産費及び葬祭費増額、保険料は六千円を八千四百円に、千八百円を二千四百円に値上げすることになり、一同承認
 議案第二号 組合職員等の給与規程改正に就て
 議案第三号 組合役員費用弁償規程一部改正に就て
 議案第四号 組合会議員費用弁償規程一部改正
 議案第五号 組合職員旅費規程一部改正に就て
 一括上程、勝目氏説明、諸物価値上げに伴い時代に即応した値上、一同承認
 議案第六号 卅九年度組合一般会計予算に就て
 工藤氏説明、総歳入出何れも十四、一一〇、〇〇〇円である。異議なく承認
 議案第七号 組合職等退職給与積立金特別会計予算 工藤氏説明、承認

 次いで、協議に移り、@執行部より「悪質な保険料長期滞納者に対しては至急納入なき場合は除名又は強制執行の旨通知した」との報告がありA被保険者証は例年の通り四月より更新するB次回は役員改選になるので各地区では議員は会に必ず出席する人を予じめ選定して貰いたい。できれば県薬支部長兼任が望ましい。以上にて組合会を終了した

 医薬品の店頭価格表示指導

 昨年九月から既に「市場安定対策要綱」は実施されているが、医薬品に対する国民の信用恢復対策の一環として其価格を店頭に明示し購買者の不安を除くことは必要なことであり、先に中央安定協小売側委員は厚生省の協力を得て此趣旨を全国の小売薬業者に徹底、実行を図るため其方法について検討した結果左記によることを今回決定した。

 @差当り指導価格品目から実施する。
 A表示方法はなるべく購買者の注目をひく様なプライスカードによる、其大きさはハガキ半折以下が適当である。
 B価格を連記したポスター式のものは避けること
 Cこれ等の実施は成可く各単位組織で統一すること

 福岡県毒劇物試験三月二十九日実施

 福岡県では今回毒物及び劇物取締法第八条に基き毒物劇物取扱者試験を左記により実施の旨発表した。
 ▽試験方法
 (1)筆記試験=@毒物及び劇物に関する法規、A毒物及び劇物の性質及び貯蔵その他取扱方法
 (2)実地試験=毒物及び劇物の識別及び取扱方法
 ▽日時及び場所=@卅九年三月廿九日午前九時から午後四時迄、A福岡市西新町県立修猷館高等学校
 ▽受験手続及び受付場所=@規定の様式(住所地所管保健所又は県薬務課に問合せること)A受付場所は(住所地所管保健所)
 ▽受付期間=卅九年二月廿九日から三月廿一日迄
 尚合格発表は四月十三日で各保健所長に通知する。

 福岡大学薬学部合格者氏名発表

 一一六名 男子 四八 女子 六八

 福岡大学薬学部では新年度入学試験を去月廿九日実施したが、三月四日合格者氏名を発表した、合格者一一六名(男子四八名、女子六八名)で受験者は合格者の三、二倍であつた、合格者氏名次の通りである。

 板井英子▽小金丸昭雄▽重松美津子▽大村美代子▽清本登紀子▽福原恵▽渡辺倭子▽細山田みどり▽園田彰一▽唐川洋子▽里協昭▽永尾公一郎▽今村年美▽堀田純代▽脇野道子▽藤井宣人▽光武照之▽吉田紗智▽姫野智子▽田添昭弘▽浦上晃之▽松本節子▽林佐登美▽木原喜芳▽野村孜▽福島一恵▽日吉明江▽牟田順子▽奥原睦▽金政紀子▽菅尚子▽刀根徳雄▽高木美博▽佐藤嘉朗▽内山剛▽鈴木里子▽紫牟田一彦▽山田勝士▽迫田法子▽藤崎スミ子▽横道治子▽木村三郎▽山内克之▽堀部伸子▽千々和*▽早田喜久子▽松口富貴子▽林文子▽土肥里子▽大林久美子▽原田淑子▽柴田稔▽江藤洋子▽織田喜六▽*佑二▽浜遊雅子▽竹田孝子▽林田千鶴枝▽吉岡強▽小川慶子▽沖野光子▽竹内由紀子▽岩本三枝子▽三好セチ子▽守下秀治▽稲田成子▽伊藤亮三▽田仲孝男▽村上卓夫▽古山之啓▽松隈光矩▽平田初代▽栄雅子▽佐藤知▽永田益子▽牛島良輔▽岡恵美子▽吉田起久子▽鈴木睦朗▽松尾律子▽奥村真許美▽川越哲美▽江頭敏男▽大谷光昭▽立石万代▽岸本孝子▽沢村康弘▽井上清博▽松村久子▽田中由美子▽稲倉光佐子▽横井悦男▽永田淑子▽川口聡子▽島田良昭▽田村智英子▽三輪猛▽平野智子▽宮原恭子▽清原美代子▽市丸朝恵▽志賀達男▽伊藤美知子▽猪尻ゆみえ▽高村摩利子▽宮地聡子▽牧田明▽松井和子▽柴田紀子▽土井すみえ▽西広吉▽中島和俊▽牛島房子▽尼児和美▽岩谷泰▽藤本昌徳(以上一一六名)


九州薬事新報 昭和39年(1964) 3月20日号

 全国薬商組連合会幹部九州各県薬商組幹部福岡にて合同懇談会開催

 大阪に於て去る二月五日理事会を開催した全国医薬品小売商業組合連合会では、中央薬業安定協議会の小売側の窓口として全国薬商組連の強化を図る必要を認め全国各県薬商組との意見の交流や全国薬商組連えの加入勧誘等のため、荒川連合会長及び立木同専務理事の両氏が全国の各ブロツクで懇談会を開催することになったが、三月十四日午后一時から福岡市の料亭松幸に於て九州ブロツク各県薬商組理事長との懇談会を開催した。

 出席者は地元福岡県―白木須原、吉柳、藤野▽佐賀県―川内▽熊本県―椿、坂梨▽長崎県―隈、の諸氏であり、特に地元県薬務課より大庭課長補佐が列席した。

 先づ白木福岡県薬商組理事長は、九州では先に、九州は九州なりに各県同一歩調で薬業安定協議会を推進する意味で九州ブロツク会を開催したが、本日は小売側の窓口としての薬商組だけで談合したいと挨拶し、次に荒川全国薬商組連会長は会の幹部だけは度々会合しているが、各安定協も商組が中心に推進せねばならぬ時に、各地区の情況は必ずしも全国同一ではなく、又吾々は知らず知らず或は独走しているのではないかと思われるので、是非地方薬商組の幹部の方々のご意見も伺がい中央に於ける考えなども伝達し、今後充分に連繋を保ちたいとの挨拶があつた。

 それより荒川会長を座長に推し、先づ立木専務より詳細な全国薬商組連の情況報告があつたが、其要旨は次の通りである。

 現在全国で薬商組の認可を受けた府県は三五府県で、その内全国薬商組連に加入しているのは二一組合いであるが、これは薬商組の魅力が問題視されていると思われる。現在事業の点でも安定協が中心であるが、厚生省では薬商組が小売側の窓口でありたいと考えている。メーカーも亦積極的に商組に期待しているので、商組自身でも組織を強化しアウトサイダー、SM等をも包含してやつて行きたいと思っている。流通機構の面では各県共試買を推進し、其結果の是正について努力したい。又九州では宮崎県と熊本県が未加入県であるので色々其点も話合いたいと思う。

 それより協議懇談に入り薬商組の強化策、事業所問題指導価格の地区による格差卸組合との協約、家庭薬メーカーとの交渉等につき協議した。商組強化については種々建設的意見が出されたが、安定協との関連上、今この機会を利用して強化を図るべきであり、東京薬業界の商組結成に関する混乱に全国業界は大いに禍いされているので、吾々としては其点について遺憾に思っている旨並に速かに結成されんことを勧告することになった。

 事業所問題については、中央安定協の事業所問題特別委員会で線は出したが、この問題は地区により非常に事情が異なるので各地区でも実情に合せて推進することになったが、指導価格が強いられれば外売の妙味はなくなると思われる。

 指導価格の格差については現況に於て大勢は無視出来ず、地区によりバラツキがあるが、特に厚生省でも此点に注意しているので次第に是正され其差異も縮められることになろう。又同一県内での格差、例えばダイエー等と一般店との格差は認められてはいない。

 卸組合との協約については一般に前進的であるので各地区により事情に応じて実現できる処から推進することになった。又家庭薬メーカーとの折衝に関しては種々意見も出たが、メーカー自体に自力のない処があり、卸のウエートが大きいこと等で仲々困難であるが、既に価格の下り切ったものについてはこれに代る製品を新たな価格で発売する様な方法で協力する様要望したいとの意見もあり、中央は中央で又地方は地方でそれぞれ交渉を続けることとなった。

 以上で大体の懇談を終えて同処に懇親の宴を開き、各地区の業界実情などを語り合い和やかな雰囲気の裡に午后八時散会した。

 福岡県薬務課大庭技師栄進

 福岡県技師、薬務課監視係長大庭寛夫氏は三月五日付で薬務課長技師補佐に昇任された。同氏の手腕は既に定評のあるところであるが、今後の活躍を期待し、業界各方面とも双手をあげて歓迎している。

 薬界短信

 ◆田川三師共同主催健康優良児コンクール=其第一回が本月十日田川医師会館で開催されたが、薬剤師会からは手島、側島の正副会長が審査員として出席した。
 ◆福岡県薬調剤抜術委員会=三月十八日午后二時から九大病院薬剤部図書館で次記につき開会した。
 @九州薬学会準備委員会について
 A福岡に於ける明春開催予定の日本薬学会準備委員会の中間報告並打合せ
 B卅九年度事業計画に就て
 ◆福岡国保臨時組合会=三月廿六日県薬代議員会並総会終了後同所で開催、療養給付費増蒿のため追加予算計上の目的で開会。

 福岡県薬 代議員会並総会 三月廿六日十時

 福岡県薬剤師会では第18回代議員会並総会を三月廿六日午前十時から福岡市、県町村会館四階ホールで開会議案は次の通り。

 ▽報告
 (一)昭和卅八年度会務並事業報告
 (二)第18回日薬代議員会出席報告
 (三)卅八年度歳入出中間報告

 ▽議案
 (一)卅七年度歳入出決算認定の件
 (二)卅九年度事業計画決定の件
 (三)卅九年度会費決定の件
(四)卅九年度歳入出予算決定の件

 福岡県三師会代表者会 中央三師会の要望書の検討

 福岡県に於ける三師会は医療費の是正等、其他の問題について従来代表者が随時会同して共通の目的達成のため研究協議を尽して来た。又県下三師会全会員を動員して三師決起大会を二回も開催して其都度大なる成果を挙げたが、本年は特に三師の協調を強化するために先づ三師会代表者会を三月十日午后四時から福岡県医師会館で開催した。

 当日の出席者は
 ▽医師会側=熊本正照副会長、青柳成利副会長、斉藤辰己専務理事
 ▽歯科医師会側=古賀道則副会長、堀尾義勝専務理事、中村正雄常務理事
 ▽薬剤師会側=四島久副会長、工藤益夫常務理事、中村里実理事
の九名であつた。

 清沢医師会長(日医副会長)上京中不在のため熊本副会長司会して開会、左記事項につき協議した。

▽協議事項
 (一)県下地区三師懇談会について
 二月廿五日付で日医、日歯医、日薬の連名により全国都道府県各会に次のような要望書が送られたが、先づこの要望書について説明があつた。

 ▼都道府県及び地区三師懇談会について
 現在中央三師会は、当面する医療報酬の緊急是正として再診料十点、基本調剤料五点要求貫徹のため強力な団結のもとに協力態勢を敷くとともに、社会保険制度の抜本的改正医療報酬の適正化、医療の近代化等の基本問題の解決に相協力してあたっております。これらの問題の検討を更に一層具体的に進めるため、三師会はさる二月四日三師合同特別委員会を設け、以後数回にわたって協議を続けております。

 つきましては、このような三師の協議は、単に中央においてのみならず、各都道府県ないし、都・市単位で行なわれる必要があると考えられるので、この際特に貴地区三師懇談会を開催し諸問題の検討と共に、三者の結合のより緊密化を計られるよう要請いたします。なお、都道府県及び地区三師会の連繋状況をそれぞれ日本医師会、日本歯科医師会及び日本薬剤師会にすみやかにお知らせ願います。

 この事については今後共機会を求めて懇談会を開催することに申合せを行なつた。然し地区に於ては現在これについて活動している処とそうでない処とがあるので県下全地区が将来活?化する様、県医、歯、薬各会共指導に努力することを決めた。

 (二)中央社会保険医療協議会について
 医師会の斉藤専務から同協議会の速記録の朗読があり中央に於ける情勢を承知検討した。

 (三)処方箋の発行について
 これについて医師会側の説明によると、一部の抵抗はあるが、大体逐次発行の機運に向いつつあるので、将来中央の状勢(模範処方の作成等)に即応して具体的に検討研究することになっているとの話しであつた。

 (四)国保審査委員会委員の薬剤師委嘱について
 薬剤師会の申入れである委員委嘱の件につき次回改選期に三師会として協力することになった。

 五)参議院議員選挙についての意見の交換
三師各会からそれぞれの意見が述べられ相互協力の実を挙げることに決めた。 以上にて協議を終了し別席に於て懇親会が催され和やかな雰囲気の裡に懇談を重ね暮七時に解散した。


九州薬事新報 昭和39年(1964) 3月30日号

 福岡県安定協三月例会 最初の販売対策委員決定

 福岡県薬業安定協議会三月定例会は廿五日一時より福ビル九階で卸側の司会により開催された。 先づ地区安定協の報告として北九州地区は小倉薬品の阿部氏により、筑豊地区は吉柳氏によりそれぞれ報告された(本紙前号記事参照)。これに関連して各地区の商組強化については小売側としては勿論であるが卸、メーカーに於ても機会ある度に協力をすることとし、末端まで安定協の趣旨徹底するよう努力する事になった。

 前回より宿題となっていた販売対策委員の決定については製企会は中外支店長より、卸は大黒社長より、小売は藤野事務局よりそれぞれ次の第一回目の委員の発表があつた。  製企会=田辺製薬、山之内製薬、藤沢薬品
 卸=大黒社長、高木専務(五郎丸商店)大石専務(大石薬品)
 小売=白木太四郎、福田忠吾、岡野辛一郎

 この委員会は三者一丸となり具体的な原動力になると思われるので、その下部組織として地区にもその下部委員会を作り、次回には具体的な問題を討議するまでにしたいとの小売側意見で第一回委員会を四月早々出来るだけ早い機会に開催することにし、前回小売側より提出した安定協細則案については文書化せず、内容は含みの上参考資料にすることになり、次に指導品目の価格表示については厚生省でも好ましいとして指導しているので指導品目を持っているメーカーは品目毎に品目名を記入した(価格は各自で記入)カードを作成して貰いたいとの小売側の要望に対しては、製企会側として既に前日同会で討議したが、これは全国的な問題であるので中央で統一した上で決定したい旨の報告があつた。

 事業所外売問題については実態調査した結果にもとづき検討する事になっていたが、本当の実情把握が出来にくいので販売対策委員会も発足した事ではあり、先づ一つの具体例からでも早急に取り上げて貰う事となった。

 以上で審議を終り田辺製薬よりアスパラドリンクが四月十五日より新価格体系による指導価格の変更の申出があり、一同了承したが、度々値下げの問題が出ることは不信感を与えるので考えられたいとの要望もあつた。尚次回例会の廿五日は九州麻薬協会総会(廿四日)のため廿七日に変更開催することになった。以上にて三月定例々会を終了した。

 医師・薬剤師間の処方箋違法取扱いについて

 中央三師会に於て漸く医薬分業の推進に積極的傾向を示し各県並に地区三師会に於てもこれに順応して歩一歩と分業意識が浸透しつつあることは特に剤会にとつては喜ぶべきことである。福岡県歯科医師会でも県下郡市歯科医師会に、この処、処方箋増発について指導してその成果を逐次あげつつあるが、或特殊歯科診療所と特殊薬局との間に処方箋の授受について医薬分業制の本旨に反する様な方法が採られているやの噂さがあり又事実あるらしいので県歯科医師会では全会員に二月一日機関紙「歯界時報」によって次の様な事項により注意を喚起しているので、県薬剤師会に於ても正常な分業制本旨に戻る様な薬局の行為に対しては極力これを排撃すべきであるとし、歯界時報記載事項其儘を次記再刷して県下全支部長に通報、全会員にこれ等の事を充分留意する様指導方を要望した。

 処方箋の発行
 処方箋は必ず患者又は主として患者の看護に当るものに手渡すこと。次の取扱いは違法です。
 一、薬局に処方箋を直接渡すこと。
 @患者を待たせて薬を取り寄せて直接薬を渡すこと。
 Aあらかじめ薬剤の予託を受けて患者に薬剤を渡し、後に処方箋を発行すること。
 B電話で薬局に処方内容を連絡して患者に取りに行かせ、後で処方箋を発行すること。
 二、薬局を指定すること。
 処方箋に薬局名又は薬局の広告が印刷してあるものを使用すること。
 三、各種処方内容が全面的に印刷してあるもの。
 四、薬価基準に登載してないものを処方すること。

 九州・山口県会長会議 薬学大会10月14、15、16日開会決定

 九州山口薬剤師会では各県薬会長会議を三月廿三日別府温泉白菊荘で開催し左記事項につき協議決定した。
 (1)卅八年度宮崎に於ける薬学大会の予算決算は共に何等の支障なく終わった旨の報告があつた。
 (2)卅九年度の大分に於ける薬学大会は会場がオリンピツクの時期の関係もあるので10月14、15、16日の三日間開会と決定した。会場は別府市観光会館に決めた。
 (3)日薬理事推薦については大体福岡県薬に一任することになった。

 若松市薬と「三師会館」

 若松市薬剤師会では現在同市の三師共同で「三師会館」設立準備中であるが、今の処四月に起工、六月には竣工の見込みである。建物は五〇坪二階建てで総工費(敷地共)一千万円はかかる見込み。三師共同の企画であるため、薬剤師会では会の組織を社団法人とするため只今手続等準備を進めている。

 福岡市薬理事部会長会 分割問題其他重要事項協議

 福岡市薬剤師会では重要問題処理のため理事部会長会を三月廿一日午後二時から県薬会館で開催した。先づ白木会長の「本日は重要案件があるのに部会長の出席の悪いのは誠に残念である」との挨拶があり、議事に入った。

 ▽議案

 1)市薬運営方針の再検討について(部会を保健所毎に分割する案について)
 三部会に分割すれば福岡保健所管轄内約一〇〇名博多も一〇〇名、南は四〇名となる、現在本会運営の色々の点に於て会員に徹底しない憾みがあるので、当日は如何にしたらスムースな運営ができるかについて検討したが、本市薬の場合、この儘にしても結局は一長一短があり、勿論会員が会其ものについての理解を持って貰う事は絶対必要であるが、要するに結局は世話する人の問題であるとの意見もあり分割案は一応撤回し、今後本会としては、会員には国保の資格、法的手続の便宜、調剤請求業務の援助、薬務当局の指導等々種々な特別な利得点を有することを強調して形は現状のまま会運営に努力することになった。

 (2)保険調剤に関する件
 県歯医会機関紙記載の「処方せんの発行」について説明あり医、薬両師間に於ける処方箋扱いについて注意があつた(本紙別掲記事参照)。

 (3)会費徴収と来年度予算の再検討について

 本市薬の県薬納入会費に関する特点は、部会を単位として県薬と直結して他支部と同様な取扱いを受けているので、市薬会計としては非常な収入減となっている。これがため会運営上会費の値上げは止むを得ぬので、これについては次の13日開会の理事会に於て再検討することになった。

 (4)来年度会費徴収方法に関する件
 省県薬務当局、日薬等も薬業安定の問題については薬商組を中心とすべきであるとの意向であり、依って会費の面に於ても薬剤師会費の中に商組会費も含めて徴収することの是非について検討する必要があるのではないか、との意見があり当日の検討の結果は結論を得ず、これ亦次回13日の理事会に於て再検討することになった。

 (5)総会開催準備に関する件
 四月廿四日午後一時から総会を田辺製薬三階会議室で開催、午前は学薬総会を開会する予定である、其準備のため十三日午前に監事会、午後理事部会長会を開会することになった。

 代議員会準備其他重要事項 福岡県薬理事会

 福岡県薬剤師会では廿六日の代議員会並総会を控えて第98回理事会を十八日午後一時半から県薬会館で開会した。議事次の通り。

 ▽第18回代議員会並総会及び薬政会懇談会に就て、優良支部表彰は五位迄とし、表彰状並に副賞授与、副賞一位三千円、二位三位二千円を決定、四年連続入賞は直方、八幡の二支部、三年連続若松、遠賀、二年連続浮羽、久留米である。

 ▽昭和40年福岡に於ける薬学大会準備について
 近く役員改選も行われるので兎も角一応大会委員=四島、工藤、開局部会=白木、学薬部会=友納、女子部会=田中の諸氏に決める。

 ▽社会保険処方箋の取扱いについて
 県歯科医師会からその会員に通達した処方箋発行に関する事項(本紙別掲)について保険薬剤師の職責上又品位上能く考慮の上善処されたい。

 ▽薬局等の配置の基準を定める条例施行細則の一部改正について
 全会員に印刷配布することに決定した(内容について本紙前号三頁記事参照)。

 ◆五百米以上の場合 許可申請書に測量図面不用

 福岡県の薬局等の配置の基準を定める条例施行細則の一部が昭和三十九年一月廿居一日福岡県規則第一号を以て改正された。その内容は次の通りである。

 薬局等の許可申請で「適用地域」内にならのものについては条例施行細則第三条第二項の規定により添付書類として「土地家屋調査」の測量図面が必要であるが申請地と最短間にある既設薬局等との距離が明らかに五〇〇メートル以上あると認められるものについては測量図面の添付を要しないことに改正されたものである、なおこの場合、県薬剤師会支部長が発行する「確認書」を測量図面に替えて添付させることになったのである。

 ▽県庁薬剤師(約90名)の給与等改善に関する請願について
 日薬代議員会の決議に鑑がみ標記改善の一方策として請願書を県議に提出する予定であつたが、本会と県議及び県職員組合との間に意見の相違もあり一応請願は取止め、他の方法によって運動することになった。

 ▽勤務管理薬剤師の研修会開催について
 県薬務課主催により三月廿四日町村会館で開催される、県薬としても積極的にこれに協力し其実現を期している、竹内理事に担当して貰うことに決定した。

 ▽その他=福岡県公衆衛生学会が五月14、15日開催されるが、研究発表予約申込みは四月卅日迄、聴衆の関係上なるべく大衆向のものが好まれる様である。以上にて理事会を終了。

 小売薬局薬店 勤務管理薬剤師 関係法規講習会

 福岡県勤務管理薬剤師会結成準備

 薬局薬店に勤務する薬剤師の中には薬剤師自身が内職的意識のもとに雇備される者があり、又それを利用し管理薬剤師として安値報酬により雇備せんとする薬局薬店の開設者も多くあるので、剤界に於ては其非常識な事実の前に公憤さへ覚えていたが、今回福岡県では、県業務当局として法規的管理の完璧を期するための、又県薬剤師会では薬剤師の地位の向上、待遇改善の目的で、先づ県業務課の主催で県下小売薬局薬店を対象として二〇七名の勤務管理薬剤師参集方の通達をなし三月廿四日午後一時から福岡市の県町村会館に於て「管理薬剤師関係法規講習会」を開催した。

 定刻開会、工藤県薬常務理事司会して先づ県薬代表として四島副会長は、県衛生部に於て勤務管理薬剤師の在方がややもすると適正を欠く惧れがあるので、兼て考えていた関係法規の講習会を開催したいとの結構な話があつたので、薬剤師会ではこれを喜んで後援することとなり且つ又薬剤師自らの職域に於ても地位の向上は重要な薬剤師会の事業の一つでもあるので其一環として勤務管理薬剤師の地位向上と待遇改善のために努力したいと思っていたのである。

 自ら経営していない管理薬剤師の地位は全国的に非常に低く又報酬も尠なく平均一万三千円位であったが、今日それを物価指数より換算すれば三万五千円位にはなる、何故に今日斯る有様になったか反省すべきであり、自らの手で自らの地位の向上ご待遇の改善のための努力の一端として本日の講習会を意味つけたいものと思っている。との挨拶があり、それより県薬務課長補佐大庭技師の講演に移った。

 大庭技師は管理薬剤師関係法規について諄々と約一時間半に亘って講義して一応終り、引続き薬務行政並に事務上などから次の様な気付いた事につき談話的に説明があつた。

 ▽薬局薬店の薬品監視実施に於て目についた事など医薬分業の受入れ態勢や医薬品の供給能力のテストをしたことがあるが、薬剤師が自分の免許証と名前を身売りしてお客に迷惑をかけている例が非常に多いと思った。

 今回適正配置の条例ができ、従来の店は所謂既得権が認められているのであるから、薬剤師として法規上又薬業常識上完全な行為をしていなければ業権を守ることはできない。又守っているとは言えない。内職的に思っている管理薬剤師は自然出勤も少なく管理も怠慢となっている。又経済問題即ち販売に関しては安定要綱ができており、行政取締り即ち法規と、経済安定即ち要綱を守って行けば完全になると思う。この際頭を切り変え真面目な薬剤師になって頂くことが今日の開講の趣旨でもある。

 ▽販売面の義務など
 医薬品販売の際、其薬品について用法用量が正しく指導されているや否や、薬事法の前に正しい使い方を指導する義務が起る筈である、二日に一度、三日に一度、五日に一度、一週間に一度の出勤で此様な大切な正しい、薬の用い方の指導ができる筈がない。こんな事で差支えない、又満足だと思っている様な薬局薬店なら、薬剤師は薬剤師として責任上断然職を引くべきである。薬事法其他の関係法規の違反については全体から見れば%も少ないが、然し相当数ある。特に前記の様な薬局薬店は注意すべきである。又催眠剤につての違反は昨年五月の全国統計を見ると15%が見受けられるが、色々と説明会や何かと指導したので七月頃からは余程下火になった様である。

 ▽物、基準等による義務などについて
 品質の管理、これ等の管理も当然管理薬剤師の責任であるとの自覚を持って貰いたい。調剤室や冷蔵庫等の使用法など適切でないのが見受けられる。試験室や試験器具の設備は使用し得る又充分に利用し得る能力のある管理薬剤師が居ればこそ法規によって規定されているので、これを活用しないのは薬剤師自身が自分の特権を放棄することになり恥ずべきことである。

 ▽処分調剤などについて
 処方箋受入れ態勢ができているや否や、努力している処には次第に処方箋が集まって来る。一枚でも二枚でも来るのは、今日では誠に貴重な物であるが、規定の書入れは殆どなく、ややもすれば調剤を投げやりにしているかの薬剤師が多い。薬事法に従って年月日等の所定の書入れをなし調剤後の措置を完全になすべきである。

 ▽薬局薬店の薬剤師の定数について
 調剤件数と売上金額によっての定数について
 調剤件数と売上金額又は売上金額によって定数が決められることになったが、既設のものは来年八月より実施されることになる。以上にて抱いた大庭技師の話が終り、二、三質疑応答があつた。

 此時、引続き司会者工藤氏は、講習会一応終了したが本日は洵によい機会であるので、これから「県下勤務管理薬剤師の懇談会」と云う事にしては如何と満場に諮り、一同異議なくこれを認めることになった。

 司会者工藤氏の開会の挨拶次いで四島県薬副会長並に上田県女子薬会長の挨拶があって竹内健薬理事から日薬の年来の重要事業の一つである、勤務薬剤師の地位向上運動に対応して県下病薬の地位向上に永年私は取組んで来ましたが、又其一環として昨年より、本日の様な機会を得たいと考えていたが、薬事法改正など其他によって県薬務課も多忙を極めたので其のため漸く今日の会合となったわけである。

 県薬務当局と共に県薬の態勢もでき、現在剤師の不足も現れて来ており好機と云うべきであり、皆さんの総意により勤務の管理薬剤師の団体を結成すべき時機ではあるまいか、全国では現在京都府に唯一つ結成されているのみである。と経過報告と同時に回の設立を促したが、一同はこれに賛成、座長選出を司会者に一任し、司会者は竹内氏を指名した。

 竹内氏座長となり会の設立について各人の忌憚なき是非の意見を求めたが(以下○印は会員の発言)

 ○勤務管理薬剤師会を作る事には賛成であり、それを育てて一般勤務の薬剤師に持って行きたい。

 ○会のできることは結構なことであるが、其会費の面はどうなるか。
 竹内氏は、会が結成され仕事を始むれば費用を要するが、県薬でも何等かの考はあると思う。然し多少の会費(例えば通信費など)は負担して貰わねばならぬと思う。この会としては、薬剤師の正しい在方、適正な方策を建てて行けば其位の経費は出るのではないかと考える。雇傭者に対しての要望等には積極的にやるが、会の運営としては皆さん方の考えで自由にやって頂きたい。全々費用がなければ何も仕事はできない。今日の催しについても費用は県薬が負担している。それでは此処で設立準備委員を選ばれて決定されればよいと考える。

 ○会が成立し其後の運営に当たって、会員の問題処理について世話する場合、全部会を通じてやる程の強力なものであるかどうか。
 竹内氏は、法的には強到はできないと思うが、できるだけ和らかに話合って有利な何等かの努力をすべきであると考える。悪質な者に対しては会としての圧力もかけられると思う。と答え尚同氏は、反対意見もないので会を設立することにして準備委員を決めてはどうか。と一同に諮つたが満場これに賛成、委員の決定は貴方の選出によるのがよいが、只今参加者の間では互に見当もつかぬとの声もあるので、座長を初め当日の世話人の人々によって談合の上、次の様に人選(十名)し一同の賛成を得てこれを決めた。

 福岡地区四名=内藤、草場、磯本(女子)、原口(女子)
 筑後地区二名=片井、佐藤(女子)
 北九州地区二名=野田、広瀬(女子)
 筑豊地区二名=木村、栗田(女子)
 初期の仕事の都合上、福岡の四名の中から委員長を出すことになり「内藤氏」に決定した。

 内藤氏は「吾々の立場は恰も内職かの様に思われ従って待遇もみじめであるが、県薬、県当局に於てもこれについて色々と考慮されて今日に至り誠に感激している次第であります、所期の目的を達するにはお互の団結が必要だと確信致します」と挨拶があり、会の設立については@組織についてA役員についてB経費についてC其他、等準備委員に一任することに決定。近日中に設立計画案を作成して文書で送付し、改めて発会式を挙げることを決めた。

 それより大庭課長補佐から喜びの言葉があり、次いで工藤氏の閉会の挨拶によって午後四時講習会並に懇談会を終了した。

 支部別保険調剤調査票 昭和39年2月分 福岡県薬剤師会



 福岡県薬剤師会 通常代議員会並総会

 役員改選=会長に四島久氏

 福岡県薬剤師会では第18回通常代議員会を三月廿六日午前十時から福岡市、県町村会館で開会した。工藤専務理事司会して開会先づ五郎丸会長の挨拶に次いで来賓、県衛生部長によって県知事祝辞が述べられ、日本薬政会長の祝辞を友納理事が代読、瓜生田九州薬剤師会長の祝辞が述べられ、次に迫水高野後援会長、県医師会長其他の祝電披露があつた。

 それより志岐議長席に着き代議員定数66名中35名の過半数の出席で代議員会成立の旨を宣し議事録署名人に斉田和夫、荒巻善之助の両氏を指名し、物故会員(八名)に黙祷を捧げて議事に入った。

 ▽報告事項
 報告第一号 昭和38年度会計並事業報告
 須原、中村、白木、竹内、古賀、早川の各理事から別刷により報告があり、何れも異議なく承認
 報告第二号 第18回日薬代議員会出席報告
 長野、古賀、野口の三氏から口述報告、これを了承
 報告第三号 昭和38年度歳入歳出中間報告
 佐治理事から別刷により説明、異議なく一同承認

 ▽議案
 議案第一号 昭和37年度歳入歳出決算認定の件
 須原専務理事から別刷により説明があり、友納監事から去る二月十七日監査の結果何等異状なき旨の報告があり、一同異議なく承認
 議案第二号 昭和39年度事業計画決定の件
 福田理事から別刷により説明があり、異議なく決定
 議案第三号 昭和39年度会費決定の件
 議案第四号 昭和39年度一般会計並予算決定の件
 一括上提、佐治理事別刷により説明、原案通り決定

 ▽選挙
 役員及日薬代議員並予備代議員選挙(任期満了による)
 定款により会長一名、副会長三名、理事一五名以内、監事二名、日薬代議員四名、同予備代議員(序列を付す)四名を選出することになるが理事は代議員会の承認のもとに新正副会長により氏名決定する。

 選出方法は選考委員制となり先づ次記十一名の委員を決めた。
 福岡(三名)斉田和夫、藤田畔、世利一夫
 北九州(三名)本山常比古、平川武彦
 筑豊(二名)渋田守夫、側島希允
 勤務(一名)福井正樹
 委員は別室に於て選考、其結果を議長は満場に諮って拍手の裡にこれを決定した。  ▽会長=四島 久
 ▽副会長=長野義夫、岡野辛一郎、堀岡正義
 ▽監事=須原勇助、杉山官
 ▽日薬代議員=古賀治、長野義夫、野口秀夫、竹内克己
 ▽同予備代議員=1.白木太四郎、2.岩崎秀夫、3.山本一郎、4.林真一
 代議員会の承認を得て現会長五郎丸氏を本会顧問に決定し、次いで四島新会長起って 吾儘も言えぬので会長をお受けする。理事は近く氏名の上文書で承認を得たい。顧問も五郎丸氏以外に今後決める場合があろうかと思うので予じめご承認を願っておきたい。以上で代議員会を終え総会に移った。

 総会
 林理事開会の挨拶、会長の演述、本日の代議員会の報告があって、次に恒例によって優良支部の表彰式を行い代表者に額縁付表彰状及び副賞(金一封)が授与された【( )内は代表者】。
 ▼優良支部=第一位直方支部(吉柳)▽第二位若松支部(古賀)▽第三位遠賀支部(宮崎)▽第四位八幡支部(大木野)▽第五位浮羽支部(原)
 ▼躍進支部=久留米支部▽門司支部
 ▼名誉会員=磯田秀雄(推薦状授与「代理柴田氏」)

 式を終え、谷岡日薬専務理事の「中央情勢」と題して約一時間に亘る特別講演があつた。三師提携、分業推進問題等は特に聴集に感銘を与えた(講演要旨次号へ)。これにて総会を終え引続き県薬政会に移つた。

 薬政会懇談会

 四島会長は、表は薬剤師会で、表向きやり悪い事は薬政会でやる。仕事のやり方は異なっていても結局内容は同じである。38年は地方選挙であつたが各関係地区は地区毎に殆ど予定通りに成果をあげた。これ全く会員各位のお蔭げである。七〜八月にかけては通るべき筈のない法律改正ができたが、これは混乱がこのまま続けば大変なことになると認めさせたことである。親が無理にできたので子が難産することになったが、選挙応援の結果これも苦労はしたができ上がつた。決して満足であるわけではないが、特殊性から考えても吾々は二、三年前から経済統制をやるべきだと云って来た。

 然し自由経済の元では不可能なことだと云うことで今度の改正となったもので、大体既得権が認められ、一方安定要綱と云うことに成った。尚今後も沢山の問題が残っている。これと取組むのは薬商組自体の仕事であるが、手伝っている薬剤師会ではこの商組の問題だけに打込むわけにはゆかぬので薬政会としてカクレミノでやっている。

 既得権の優先と云うことは当然のことであるが、大体、薬剤師であるから「開局」と云う考え方は間違っていると考える。今後の薬剤師の在方は多方面の仕事、其分野を広げると云うことは吾々剤師自身の仕事でもある。吾々は広い視野に立って、広い大きな方向に向つて邁進し突進せねばならぬと考える。

 来年の高野選挙では県下で少なくも五万票の獲得を目標とせねばならぬ。これがためには巾の広い運動が絶対必要であり、従って費用の面も充分考慮に入れなければならない。後援会費は早期にお願いしたいと思っている。

 分業問題に関して三師の談合は県薬としては或程度進めてはいるが、直接面している末端の努力が尤も必要であり、一薬局一医院から始めることを基調とせねば成功しないと信ずる。開局薬剤師個々が相手医師にあたって砕けることが尤も大切である。今年は是非左様に進めたいと思う。と語り、それより一同は種々意見を述べ、懇談を続けて午後五時半終了した。尚当日の出席者は約90名。

 謹告 販売店の皆様へ

 平素のお引立て、本当にありがとうございます。
 皆様のご推販のおかげで、アンネも多くの女性に、ご愛用いただけるようになり心からお礼申し上げます。反面私どもが、業界に不慣れなためもございまして、無秩序な乱売状態が発生し大変ご迷惑を、おかけしております事を、あらためて深くおわび申し上げます。 かねがね、何とかこの様な状態を改善し、ご安心してご販売いただける様に、なりたいものと考え、皆様方からも、いろいろご教示賜り、いよいよ四月一日より次の様な方法で新販売制度を実施させていただく事になりました。

 (1)今迄の「アンネ・ナプキン」は全面的に生産を中止致します。
 (2)これにかわり、全く新しいタイプの「アンネ・ナプキンF」を、新販売方式により、価格維持商品として、新発売させていただきます。
 (3)新商品「アンネ・ナプキンF」は、アンネ独自の技術により開発された画期的な生理用品で宣伝も、ますます強化させていただきたいと存じます。
 (4)新販売制度により、新しく代理店、特約代理店が、各地域ごとに設定された私共と共に、各地域ごとにアンネ会を結成し、相互に販売価格の状態を監視し、違反には罰則を適用するなど、積極的に秩序ある販売を、推進する事になりました。
 新制度の詳細に、つきましては、代理店、特約代理店より、ご説明させていただきますので、なにとぞお聞きとり下さい。
 メーカーとして、現在ご好評をいただいております主力商品を生産中止することは、真に残念なことではございますが、皆様方に本当に喜んでいただき、共存共栄の理想を実現し、秩序ある販売を成功させるためにあえて価格の乱れた従来の商品をすて、新製品の販売に、踏みきらせていただいた次第でございます。なにとぞ「アンネ・ナプキンF」を多くの女性の方々に、ご推販下さいますように、真心よりお願いいたします。
 大変略儀ではございますが、くれぐれもご協力とお引立てを、賜ります様に、ご報告旁々重ねてお願い申しあげます。 敬具
 昭和39年3月
アンネ株式会社 社長 坂井泰子