通 史 昭和38年(1963) 日薬−県薬−市薬
九州薬事新報 昭和38年(1963) 9月10日号

再び県条例問題に就て 九州各県薬剤師会長会議

 古賀県議私案を基に統一見解を出す
 福岡県薬剤師会では去月廿二日開催日薬主催の九州山口各県薬剤師会長会議並に同薬務課長との合同会議に於ても満足な結論を得ていないので、本月二日再び九州各県薬会長会議を福岡県薬会館で午後二時から開会した。
 出席者は、佐賀=江ロ、木元、川内▽長崎=村尾▽熊本=芦田▽大分=瓜生田▽宮崎=欠▽鹿児島=山村▽福岡=四島、古賀、須原、工藤の諸氏であった。
 四島氏司会し、先づ瓜生田九州薬剤師会長の挨拶があり、次いで地元代表として四島氏は最近の中央情勢並に福岡県薬界状況等について報告し左記議事に移った。

▽議 事
(1)適正配置に関する県条例作成について
 各県に於る業界情勢及び条例作成作業進捗について報告があり、それより古賀福岡県議厚生委員長の作成の県条例私案正ついて慎重な検討を加えて結論を出し、厚生省条例準則(第一次案)及び古賀私案についての統一見解を取纏めたが、各県共九月県会に上程成立を期することを申合せた、これによって各県条例の統一を図ることになった。

(2)市場安定対策要綱に就て  四島氏から八月以降福岡市に於る、突如として発生した広告ビラ合戦の実態について其実情の説明があり、九月八日開催予定の九州ブロツク協議会迄には結末を直すために、現在メーカー卸、小売業の三者それぞれの立場に於て善後措置を講じつつあるが安定対策要網の完全実施のために是非解決を得たいと努力している。
 若し本件が要網実施迄に解決しなければ実質上、要綱実施は不可能となる惧れが充分に考えられる、と語り要綱実施のため九州各県薬に於ては個々の実情に合致した方策、意見等を充分検討用意して置くことを申合せた。
 以上にて協議を終え、最後に福岡県薬から各県共薬学講習会場を至急決定して連絡されたい旨要望した。

第14回九州地区学校保健研究協議大会 鹿児島市に於て

 第十四回九州地区学校保健研究協議大会は八月廿四日(土)〜廿六日(月)の三日間に亘って鹿児島市県体育館を主会場に、八ヶ所の分科会場に分れて行はれた。幸い会期中は快晴に恵まれたが、南国の残暑は流石に厳しかった。

▽研究発表
 第一日目の午前は開会式についで各県代表の研究発表が行はれ、福岡県からは保健組織の面で北九州市錦町小学校PTA保健委員長宮本豪夫氏の「学校保健会活動をどのように推進したか」と云う題で発表があり、又環境衛生面では「照度測定の結果とその考察」と題して、鹿児島県の学校薬剤師から発表があった。

▽第三分科会
    (環境衛生)
 学校薬剤師の主力分野で、第十四回九州地区学校保健研究協議大会は八月廿四日(土)〜廿六日(月)の三日間に亘って鹿児島市県体育館を主会場に、八ヶ所の分科会場に分れて行はれた。幸い会期中は快晴に恵まれたが、南国の残暑は流石に厳しかった。

▽第三分科会
    (環境衛生)
 学校薬剤師の主力分野である第三分科会は廿四日の午後と廿五日の年前に亘つて、新装の県立工業高等学校において開かれ「学校環境衛生の改善を図るにはどのようにすればよいか」と云う研究主題の下に(1)環境衛生検査の実施について、(2)教室環境の衛生的改善について、(3)プールの衛生管理について、以上三項目に分けて熱心な研究討議が行はれた。
 中にも教室内空気汚染から見た炭酸瓦斯の問題、仮性近視と照度の問題特にプールの衛生管理については、最も時期に適した問題だけに、長時間に互つて検討され最後に「プールの設題普及と、それに伴う完全な衛生的附属施設に対する国庫補助を要望する」と決議して本会議に提案し満場の賛成を得たことは、流石に各学校のプール熱の強さを痛感した。

▽特別講演と全体協議会
 廿五日午後一時から県体育館において文部省体育局学校保健課教科調査官荷見秋次郎氏の「学校における安全対策について」と題して生命の尊重論から事故災害の発生防止、救急処置の必要性等について約一時間半に亘る特別講演があった。

 其の後引続き全体協議会に移ったが吾等学薬に関連性のあるものを拾って見ると
一、各県提出議題中
 1、学校三師の手当を増額するの件
 2、学校環境衛生の拡充に必要な検査器具費を地方交附税に積算されるよう要望するの件
 3、学校環境衛生検査器具の整備の国庫補助について

二、九州ブロック学校医会提出議題中
 1、学校保健室整備のための国庫補助金要望の件
 2、学校保健、環境衛生施設に関する規準を速かに法制化するの件

三、第三分科会(環境衛生)提出議題(前記)

四、九州ブロック養護部会提案された六件について要約すると、つまり養教の完全配置早急実現に対する要望となるが、之学薬としても身近かに体験して居るだけに心からその成功を祈った。幸い以上全面的に承認され、次回開催地大分県を決定して閉会した。

▽教育視察
 廿六日八時半旅館出発指宿市立丹波小学校並に指宿市立南指宿中学校を見学したが、自家製パン工場の整備、特殊学級の教育施設特にフェニックスの茂った南国的な校庭の雰囲気が印象に残った。

九州連合学校薬剤師会

 九州各県学校薬剤師代表者会は廿四日午後五時から山下町満洲館において開催された。出席者は福岡県=早川、矢野、内田▽佐賀県=久保▽長崎県=馬場▽熊本県=長須、青木▽鹿児島県=白男川、黒岩、外三名▽宮崎県=児玉、三浦▽大分県=教委(代理)  先づ地元、白男川会長の開会の挨拶についで、早川連合会会長を議長???????に次の議事に移った。

一、環境衛生測定用器具整備状況報告と、今後の対策について(参考資料配布)
 先きに環境衛生活動推進の為め、環境衛生測定用器具整備の状況調査を各県一斉に行ったが、結果的には各県の間に相当の開きがあり、文部省の基準の完成を前に今後の対策を検討した。それによると器具費の支出先きは殆ど教育委員会、学校薬剤師会(薬剤師会を含む)、学校保健会の三会に限られ、学校自体の整備は之からだと云う事が証明された。

二、第32回九州、山口薬学大会学薬部会開催と表彰について、(宮崎県)
 今年の学薬部会は十月十七日第一日目の年後に行はれることになって居るが、与えられた時間が短いので内容を有意義に完了するため、前日各県の部会代表者運営協議会を持ちたい旨宮崎県代表者から意向が洩らされた。尚この際学校薬剤師の普及と振興に貢献した者の表彰たついて検討したが、本代表者会においては実施することに決定し、宮崎大会までに規定を草案することになった。

三、第14回全国学校薬剤師大会開催について、(熊本県)
 今回は折角の熊本開催を記念して、九州連合会が一団となって協力し、成果を挙げるよう計画きれていたが、特に日本学校薬剤師会からの申入れもあって、開催県における最近の活動状況集録の配布(研究発表にかえる)特別講演、懇親会の三点にしぼることにした。尚開催県としては九月中に案内状を発送し、十月廿日頃までに出席者の申込みをとることにきまった。

四、新蟯虫駆馳除剤ポキールについて、(パークデビス)
 蟯虫駆除剤としての効果率が高いので、漸次学校集団用に供せられるようになったが、何分にも値段が高いので、実際の普及に当っては難点があると云う意見が多かった。斯くて閉会すでに午後八時に近く直ちに懇親会に移った。

      句 三 昧  筑前 徳島 山花

         風に踊る天神様の小提灯
         銀紙のヒラヒラ小提灯夏祭
         夏祭夥しうも小供やま
         街中の児が有頂天夏祭
         踊の輪ちゞめひろげて通られぬ

      句日記より  山鹿 清水 鹿山

         挨拶の言葉を汗にして坐る
         虫時雨二の丸趾の樟の闇
         妻の寝息ききつづ虫に思ふこと
         菱売の月傾むけて戻りけり
         (耕人先生来訪)
         秋の風思い思はれつゞ語る

福岡市ビラ合戦開始 市内四者懇談対策協議

 福岡市薬業界では市内白木屋、中央薬品の新聞折込み宣伝ビラによる医薬品の景品付等の広告に端を発し、六本松、西新などに於ても広告合戦ムードになって来たが、これは近く実施の選びとなっている市場安定要綱にも逆行するものでありその対策検討のため福岡市部四者懇談会が8月26日10時から県薬会館で開かれた。

 出席者はメーカー側二十社、卸側九社、小売側幹部級十名、県薬務課からは大庭技師が列席した、鶴原氏(卸)を座長に推し懇談に入ったが、今回の宣伝ビラ事件について、引いては根本的な小売業者と宣伝問題について検討し、各者の意見が述べられたが、結論に至らず各団体から五名宛の委員を出し、今後度々懇談を重ねて業界の安定に乗り出すことになった。

 其後三者各団体から左記の委員を選出し、八月廿九日十一時から県薬会館で再び懇談会(委員会)を開催した。

∇委員
 武田、三共、塩野義、第一、大黒、鶴原、川口屋、富田、白木、藤野、須原、大隈、斉田、山手、四島

 藤野氏司会し白木氏を座長に推して懇談、先づ商組側から西新の五氏連名の言伝についての会見の模様が報告され、それより約二時間に亘つて今後同様な又一層悪質な宣伝問題が生じた場合、如何なる措置を採るか、又差当り如何に措置するかについて検討懇談の結果、先に市薬、薬商組、薬務当局からの警告書発送の趣旨に沿い、若しをの趣旨に協調実行しない業者がある場合は、卸、メーカーとしても何等かの措置を講ずる事を文書を以て通知することを決定した。

 尚この問題は福岡市をテストケースとして実施し、漸次県下全体に広げ実施することになる模様である

福岡市広告ビラ合戦 対策決定と実行委員会

 製企会の市場安定要綱実施を前にして起った広告ビラ合戦が、福岡市薬業界を攪乱したのでその対策協議のため、薬商組福岡支部では緊急部会長会、四者合同会議を九月四日午后一時から県薬会館で開催した。出席者はメーカー六名、卸十名、小売三十名であり、薬務課からは大庭技師が列席した。

 山手理事司会し先づ須原理事長開会の挨拶後、議長選挙に移り、国松、鶴原、須原の選考委員によって大黒清太郎氏が議長に決定。同氏議長席につき、本日の会合は卸側から特に希望したものである旨挨拶、直に議事に入った。

 今回突如として起った西新五店、大正系十三店の広告ビラ事件の発生に唖然たる業界、当日はビラ配布について今後四者は、如何なる考えで進むべきかを中心に、熱心な論議が戦かわきれ、メーカーの塩野義、武田、卸の鶴原、大黒、高瀬、小売の四島、小野、藤野、須原、国武などの諸氏から種々建設的な発言があった。

 小売側組合員の協調が弱いために今回の様な問題も起るのでないかとの卸側の見方も一部にはあったが、これに対し小売側では、小売業者の10%は不良分子であるが、その内更に検討すれば不良の中心は四、五人になって来る。今回の事件でも従来より定評ある不良者が安定要綱実施を前に、馳け込み宣伝をなし、これに同調者が出て、又これに刺戟された人々が現われたためである。誠に遺憾であると述べ、然しバーゲンなどの広告は安いと云う表現を用い名前からが「安売屋」と自称している位で、実際吾々としては顧客をとられるばかりである。

 本日バーゲンと中央薬品について試買してみたが、バーゲンで二千円位の買物に対し「グロンサンA二本、アスパラ三〇錠入サンプル一個、名入りタオル一本」をサービスしてくれた。

 優良小売店と自認している、吾々の店では「アスパラ三〇T入サンプル」など見たこともないが吾々が不良店と見ているバーゲンではこの様なものが沢山あるのは誠に皮肉であると思つた、との話もあった。

 小売業者の一部には割切れない考えもある様であるが、自身のためにも同業者に対しても、業界のためにも此際ビラ合戦に終止符を打ち、今後ビラ配布を止むべきであるとの四者統一の結論を得たので、大黒議長は、ビラ合戦は速かに休戦せしむる。ビラを配布した者に対する措置及び将来の対策は三者代表による実行委員会で検討推進する。との事を一同に諮り満場異議なくこれを決定した。直に三者協議の上実行委員を選出することになった。

宮崎県薬事審議会 薬局等の適正配置 具体策に就て審議

 宮崎県では本年度第一回の薬事審議会を県庁貴賓室で九月二日午后一時から開催した。県議会文教衛生林務常任委員長である内田委員を会長に選出して薬局等の適正配置の具体策について審議、主管課長の説明の後指定地城、適正数の算定基準及び距離基準の三点について審議したが、牛島委員(日向短大教授)前田委員(県医師会長)安松委員(県薬種商会長)矢田部委員(県薬剤師会副会長)田中委員(県衛生部長)宗委員(県医薬商組理事長)の諸氏より夫々慎重な発言があった。

福岡県薬剤師会 第1回 社会保険委員会

 委員長に小須賀氏
 福岡県薬剤師会では社会保険委員会の常置について中村担当理事を中心に準備中であったが、愈々初顔合せである第一回委員会を八月廿三日午后二時から県薬会館で開会した。

 出席者は委員十名中九名(小須賀正義=福岡、竹内克己=福岡、山本市郎=宗像、岩崎雅夫=八幡、岩崎安俊=若松、園田福一=直方、大野修弘=門司、片井正夫=久留米、桑野郁夫=八女、井手上鴻=田川、欠)。県薬側から中村担当理事、工藤常務理事であった。

 工藤常務の挨拶に次いで中村理事は、本委員会設定の経過、県薬として今日迄の保険調剤推進態度の大要及び方法、委員構成とその委嘱の経緯、本会の使命と任務等について報告及び要望を開陳して挨拶にかえ直に議題に入った。

(1)正副委員長選任
 次の通り決定した
▽委員長 小須賀正義(福岡)
▽副委員長 岩崎雅夫(八幡)

(2)会長諮問事項について
 諮問事項については決定をみていないが、本年度県薬事業の重点事項である「社会保険の分業推進と保険医療報酬の適正化促進」について特に検討且つ活動される様、工藤理事(会長代理)から要望があった。

(3)運営と活動方針について
 概ね二カ月毎必要に応じ開催、次回は10月初旬に開くことを決め、それより各委員の活動方針についての意見発表があり協議のあと中村理事からその四項目の提案があり全員の賛同を得て確認することとなった。
@医薬分業の完成を目途とし、その中心的存在として活動することを基調とする。
A推進に当っては変則的手段を採らず飽まで正々堂々と前進し、同時に薬剤師会の主体性を確保しつつ推進する。
B開拓対象を主として開業医(診療所)に指向、病院開拓の場合は薬局長他病院勤務薬剤師との了解の上運行する。
C各委員は周辺の後進支部(社会保険の)を指導強化する。

(4)九州山口薬学大会社会保険部会研究発表について次の通り決定した。
@題未定=園田福一委員
A日赤福岡病院における処方箋の実態(開局者に必要な部分)=竹内克己委員
 当日の委員会は各種問題に対する質疑、意見発表などあり、社会保険に関する意想統一を測り且つ関心を昂め、分業推進の第二段階を迎える態勢整備に役立っ処が非常に大であった。

趣味縁喜 王樹屠蘇 本年も謝恩特売

 趣味と緑喜の王樹屠蘇は昨年三十周年記念謝恩特売を好評のうちに実施したが、本年は三十一周年、謝恩特売として景品に喜寿を迎えた王樹翁の俳画絵はがきを差上げることになったそうだ。屠蘇お買い上げの方には特に年賀はがきなどその他のために百枚一口としてご注文に応ずることも考えているそうだ、兎も角次号に見本俳画並に特売規定など詳細なことを発表することになっている。

第一製薬 新発売品

 第一製薬では現在好評を得ている筋弛緩剤トランコパールの大量使用に便利なヒートンシール一〇〇〇錠を左記により八月廿日新発売した。 ▽品名=筋弛緩剤トランコぱール
▽包装価格=トランコパール (一〇〇mg)一〇〇〇錠(一×一〇〇〇)一四、五〇〇円、卸価格一一 六〇〇円。

ロート製薬 新ロート目薬 特売発表

 ロート製薬では今回「新ロート目薬」の特売を次の通り発表した。
▽一口内容=新ロート目薬
 八八個、割増八個
▽特売期日=九月四日
▽発売地域=京都、滋賀、奈良、和歌山以西の府県
なお小児用ロート目薬に対しても特売条件を通用する。

佐賀県代表サロンパス本舗女子バレーチーム惜敗す

 サロンパス本舗女手バレーチームは八月廿九日から四日間、秋田県鷹巣町で行なわれた本年度全日本九人制ハレーポール総合女子選手権大会に佐賀県代表として出場し善戦したが終に東邦レースに惜敗した。

      句 帳 よ り  合屋 杉峰

         新聞にのる出来事や夏休
         こきぶりの真逆さまに這ひ降り来
         篭枕探せば有ると言ひしのみ
         日月の経つこと早し虫を聞く
         地鎮の儀修す父子に天高し


九州薬事新報 昭和38年(1963) 9月20日号

薬業安定協議会主催 九州・山ロブロック懇談会 福岡市、博多帝国ホテルで

 市場安定対策要綱実施に関する中央の薬業安定協議会主催の全国ブロック別四者懇談会(官庁、メーカー、卸、小売)の一つである九州山口ブロック懇談会が福両市、博多帝国ホテルで九月八日午前十時から開催された。主催者側から滝川、荒川の両氏、製企会から木村委員長を初めとして各界代表五名、官庁側薬務課長七名、メーカー側廿八名、卸側十八名、小売側卅名が出席した。

 午前は卸、小売各別に懇談会を開き、小売側懇談会は先づ瓜生田九州薬剤師会長挨拶後、荒川氏司会して滝川氏から次の様な経過並現況報告があった。 今日迄SM対策としては加入して貰う様意見も聞き交渉もして進んで来た。去月十九日には第三回安定協議会を大阪に開いて、大体要綱実施目標を九月廿日に置くことを決定し、SMについては各地区毎に四者充分連絡をとりSMと交渉し、薬務課に斡旋役を頼み、メーカー及び卸がこれを援助すると云うケースを用いる様決めた。 第四回安定協議会を九月十六日開会して最終的に価格安定につき価格の立て方を決めることにしている。

 価格の立て方の概要は、第一に新製品又はマスコミ品で価格の乱れていないものの新価格は一〇〇−七五−七〇とする。第二に乱れているマスコミ品は実勢価施(その地方で)に応じた指導価格を作る。第三に極端な値くづれ品(C価で販売されている様なもの)はその実勢価格で販売し、卸、小売に対してはリベートを与える、土地によって指導価格が異なるので、地方安定協議会で決定する。

 要綱を進める上に於て再販契約が必要ではないか。その利用で最大効果が期待される。卸との契約を検討準備中である、次に小売に持って行く様にしたい。その実施について小売側としては要求がある、先づSM、事業所、DSえの解決違反者に対する責任の所在その判断者、それには三者の安定協議会設置(トラブルの処置、調査、地方価の諮問、等々)、報酬制を適用しない、仕入ルートを止める等である。 要綱内容については詳細説明があり、四島、白木その他の諸氏から質疑や意見が述べられて一応終了し、午后は四者合同懇談会が引続き開かれた。

四者合同会議

 白木氏開会の挨拶、荒川氏主催者側を代表して挨拶後、議長兼司会者となり、尾崎県薬務課長、木村委員長(製企会)大黒清太郎氏(卸側代表)滝川末一氏(小売側代表)が相次いで挨拶をなし、会議に入った。

 会議は安定要綱を中心に実施運営、推進見透し、などについて懇談、要綱実施が失敗すれば小売各団体は崩壊を来す、などの意見もみられ、忌憚なき意見や質問、寧ろ深刻とも思われる意見、質問が続出し、これに対し木村製企会委員長を始めメーカー、卸の面々から応答があり、説明があり、活発なる発言によって懇談が続けられ、結局新要綱を四者団結して強力な実施を確認することになり、地方薬業安定協議会を四者の責任に於て早急に設置して、これを中心に今後の問題を処理することになった。指事価格の設定も速かにメーカーに於て配慮することになった。以上懇談後和かなパーティが催された。

九州各県薬剤師会長会議  薬局等適配距離問題につき決議

 九月八日の九州山口ブロック懇談会終了後、博多ひさや旅館に於て九州各県薬代表者会議(会長会議)を開催した。

 出席者は木元(佐賀)村尾(長崎)戸田(熊本)瓜生田(大分)宗(宮崎)山村(鹿児島)四島、古賀、工藤、白木(福岡)の一〇名であった。 協議々題は本月三日厚生省薬務局長通牒として各都道府県知事宛出された「薬局等の配置の基準を定める条例準則」であり、特に第三条について検討、慎重協議の結果次の様な決議をなし、この決議事項の実現に各県共努力することを約した

▽決議事項
(1)準則第三条について
 @本文の○○米は三〇〇米を一応了承する
 A第二号の○○米は過密地域は二〇〇米、その他の適用地域は一〇〇米とすること
(2)薬務課と協議し(1)の線により条例案を作成せしめる
(3)前項実施困難の場合は、厚生委員等を通じて主旨を徹底せしむる
(4)提出条例案が日の主旨に反するときは、議会で修正するように働きかけること
(5)修正も不可能の際は廃案に追込むこと

対症薬学=竹内克己 (五〉神 経 症

 神経症という概念或は診断名は非常に広く又多くのあいまいな部門を含んでいるが、さし当って関心のある部門に精神々経症があり、これを(1)強迫神経症、(2)神経衰弱症(3)ヒステリーの三群にわけた。

 最も定型的な神経症の症状としては、所謂ヒステリー性の精神身体症状、強迫症状、神簿衰弱症状、病的不安等がある。

 一般に我々が使いなれているノイローゼという言葉は古くから存在した言葉でその中から色々の病状が分離されて、その範囲は段々とせばめられている、結局身体的原因が明かでなく、機能的障害で色々な身体症???????群と解される様になった。

 神経症にはその症状や経過には多種多様のものがあり、而も同一患者に於てもその示す症状に変遷がありそして時代と共に変り、ヒステリー症状を示すものが減少し、強迫症状を示すものが増加する傾向を示すと言われている。

 又次に示す様な神経症類似の症状を示す場合がある
(1)身体疾患、外傷等による神経症の合併症で頭部外傷性神経症の如きもの
(2)過労等による全身倦怠感、頭痛等は神経症とは区別さるべきもので精神療法の範囲ではない。
(3)中毒、脳動脈硬化、進行麻痺等に頭痛、睡眠障害、記憶強迫等の神経症類似症状を呈するものがあるが、これは原因療法によらねばならない。
(4)幼児に見られる睡眠障害??????夜尿、吃音等は精神療法的手段を必要とし、親の態度の改善で全快し得る場合がある事を確認されている。

 神経症の薬物療法には多分に薬理学的な効果と心理学的な効果とが一体となってその効果を示すといわれている。従って神経症患者に薬物を与える場合には、全体としての治療方針を決め、その体系の中で薬物をどの様に使うかを考えねばならない。只慢然と薬物を与えていると症状がある状態に膠着してしまうことがある。又薬物によって作る神経症と作らぬ神経症とがある、神経症が性格的なものであったら又複雑な心理的加工によって症状が現われている様な場合は薬物療法の対象になり得ない。

 要するに生活態度にあまり偏りがなく、表面的にはっきりした心因があり、不安を主徴候として経過的にこじれていない神経症が最も薬吻療法の効力を示すものである。

適配条例準則発表  特定地域のみに適用

 厚生省では愈々正式に本月三日付薬務局長通牒で各都道府県宛に「薬局等の配置の基準を定める条例準則」並にその制定の留意点、なお卸業に関する省令改正などにも触れ通達し、五日には各地方庁の条令制定にあたっての参考資料として薬務局で作成した適正店舗数算出方式を地方衛生部長宛内翰として送付した。

 元来薬局などの適正配置の条令制定は憲法二二条の制限と関連性があるが、医薬品は一般消費者自身ではその品質の判断が甚だ因難であるにも拘わらず国民衛生上重要な意味を持ち従って種々な規制が加えられるので、流通過程に於ても規制が加えられたわけである。薬局等配置の基準を定める条令準則の本文次の通り。

薬局等の配置基準を定める条例準則

 薬事法(昭和三十五年法律第百四十五号)策六条第四項(第二十六条第二項及び第四項ならびに第二十八条第四項において準用する場合を含む)の規定に基ずきこの条例を制定する。

薬局等の配置の基準を定める条例

(目的)
 第一条 薬事法(昭年三十五年法律第百四十五号、以下「法」という)第六条 第四項(第二十六条第二項及び第四項並びに第二十八条第四項において準用する場合を含む)の規定に基づく、薬局ならびに一般販売業及び薬種商販売業の店舗(以下「薬局等」という)の設置の場所の配置の基準はこの条例の定めるところによる。

(適用範囲)
 第二条 次条に規定する薬局等の配置の基準は、次の各号に掲げる場合における薬局の開設の許可又は一般販売業若しくは薬種商販売業の許可以外の薬局の開設の許可又は一般販売業もしくは薬種商販売業の許可の区域(以下「適用地域」という)。
(1)許可の更新を受けようとするとき
(2)薬局開設者が、薬局を廃止した後、引き続き同一の場所で薬局を開設しようとし、または一般販売業もしくは薬種商販売業を行なおうとするとき
(3)一般販売業(法第二十六条第二項ただし書の規定に該当する一般販売業の許可を受けた者であって同条第三項ただし書の許可を受けていないものを除く。以下第五号から第七号までにおいて同じ)が、一般販売業を廃止した後、引き続き同一の場所で一般販売業若しくは薬種商販売業を行なおうとし、又は薬局を開設しようとするとき
(4)薬種商(法第二十七条第四項において準用する法第二十六条第二項ただし書の規定に該当する薬種商販売業の許可を受けた者であって、法第二十八条第四項において準用する法第二十六条第三項ただし書の許可を受けていないものを除く、以下次号から第七号までにおいて同じ)が薬種商販売業を廃止した後、引き続き同一の場所で薬種商販売業若しくは一般販売業を行なおうとし、又は薬局を開設しようとするとき
(5)薬局開設者、一般販売業者又は薬種商が、薬局、一般販売業又は薬種商販売業を廃止した後、その者を代表者とする法人が引き続き同一の場所で薬局を開設しようとし、又は一般販売業若しくは薬種商販売業を行なおうとするとき
(6)薬局開設者、一般販売業者又は薬種商が死亡し、又は法人である薬局開設者、一般販売業者又は薬種商を解散した後、その相続人又は法人の解散の際代表者であった者若しくは合併後存続し若しくは合併により設立された法人が、引続き同一の場所で薬局を開設しようとし、又は一般販売業若しくは薬種商販売業を行なおうとするとき
(7)薬局開設者、一般販売業者又は、薬種商が、天災事変、土地の収用その他のやむを得ない理由により他の場所で薬局を開設しようとし、又は一般販売業若しくは薬種商販売業を行なおうとするとき
(8)職域内に勤務する者のみを組合員とする消費者生活協同組合が、その組合員のみに利用させるため組合員の勤務する事業所内において、薬局を開設しようとし、又は一般販売業若しくは薬種商販売業を行なおうとするとき

(薬局等の配置基準)
 第三条 許可を受けようとする薬局又は一般販売業若しくは薬種商販売業の店舗の設置の場所が配置の適正を欠くと認められる場合は、その薬局又は一般販売業者若しくは薬種商販売業の店舗の設置の場所が次の各号のいずれかに該当する場合とする。ただし、許可を受けようとする薬局又は一般販売業若しくは薬種商販売業の店舗と適用地域内に現に存する薬局等の設置の場所との間の距離が〇〇メートル以上である場合及び住民に対し適正な調剤の確保又は特定の医薬品の供給を図るため、知事が特に必要と認める場合ではこの限りでない。
(1)現に存する薬局等の数が人口、交通事情、住民の調剤及び医薬品に対する需要状況等調剤の確保と医薬品の需給に影響を与える各般の事情を考慮して、ちじが定める数にしている市町村の区域内であるとき
(2)適用地域内に現に存する薬局等との間の距離が〇〇メートルに満たない場所であるとき

  附  則
この条令は昭和〇年〇月〇日(公布の日)から施行する。
〔別表〕
一、○〇市
一、〇〇市
一、〇〇町

長崎で駈込申請に抜打許可
  県衛生部と県議厚生委員会並に県薬剤師会の意見対立

 厚生省は本月三日付薬務局長通牒で各都道府県宛、薬局等の適正配置の基準条例準則並に其制定の留意事項が通達され、各都道府県薬務当局では本格的に条例作成に没頭している折も折、長崎県では突如として提出された八月廿四日付申請長崎市における某新規薬局、所謂かけ込み申請(既設薬舗との距離僅かに約30米)九月九日抜打ち的に設置許可を与えたので、これに驚いた長崎県薬業界では直に県衛生部に対し「全国的に薬事法改正に対しては条例街が常識になっている今日、如何なる理由で許可きれたのであるか」と糺した処、これに対し衛生部長から、先の次官通牒に基づいて許可した旨の答弁がなされ、茲に県衛生部対県議会厚生委員会(厚生委員側では既に条例待ちが常識であるとして申入れしていた)、薬剤師会(薬業界)との間に意見が対立したので、厚生省当局の意向を糺すため本月十三日県衛生部から二名、県議厚生委員会側から二名、薬剤師会から一名計五名が急遽上京した、その後の成行きが注目されている。

 尚長崎県業務当局では三日付通達の厚生省条例準則により目下県条例案作成中であるが、県内八市一町を特定地域に指定し、距離は去月廿二日福岡に開催された九州各県薬務課長会議で内定していた(秘密にしていたもの)一○○米の線が打出されたので、これ亦其意外な県薬務当局の考え方に驚ろいた県薬剤節会 県薬政会及び県薬商組では三団体一丸となってその名により直に、距離は少なくとも二〇〇米にすべきであるとして県議会に対しその旨請願書を提出した。これ亦その成行きが注視されている。

 長崎県薬剤師会ではこの様なゴタゴタのため十一月開催予定であった薬学講習会も今年は中止することとし専心条例作成やかけ込み許可問題の解決に向つて邁進することをこの程理事会で決定した模様である。

福岡県薬遠賀支部 社会保険講習会

 福岡県薬剤師会では遠賀支部の要請で左記により社会保険講習会を開催した聴講者は非常に熱心で活?な質疑応答があった。
▽日時=九月三日午后一時半から五時迄
▽会場=水巻町役場別館
▽出席人員=一五名
▽講師=県薬剤師会理事中村里実氏
▽講習内容=@全国及び県内の社保推進A処方箋取扱と請求事務及び実演B処方箋増発の方策について

日本新薬 増資決定

 日本新薬では八月十六日の取締役会で左記増資を決議決定した。
▽発行新株式数=五八〇万株(額面一株五〇円)
▽株主割当=本年九月卅日現在株主に対し二株につき一株の割合
▽申込期間=本年十一月十一日から同廿二日まで
▽払込期日=本年十一月卅日
なお同社は増加後資本金は八億七千万円である。

      句 三 昧 筑前 徳島 山花

         秋場所の人気久々柏戸に
         しばらくは相撲一色秋一色
         紙にさがす王樹の俳画巳に秋
         菊売りが病院前にうづくまり
         風鈴や病気見舞のカステーラ

      句日記より  山鹿 清水 鹿山

         秋の風三十年の灸のあと
       祥月命日
         耳すます虫に仏の声すなり
         桑括りすみれ女の日やけかな
         芒長々山に没す日の影ゆるる
         無花果の雨に傷みしものばかり

      句 帳 よ り  合屋 杉峰

         戸袋に来て法師蝉一しきり
         かなかなの昼も鳴くなる住居かな
         妻よ来よ真向に月の出るところ
         月見酒存外酔ふて居られけり
         婆入院秋灯ひくゝ爺一人

無駄ある記 浮羽支部  原美喜夫

 街の化学者をもって任ずる薬剤師が環境衛生にタッチして活動する事は天職を生かすに打って付けのメイ案だ。

 県道の端近ある私の家は一日中千を数えるトラック、バス、三輪車の巻き起こす砂ほこりで店を掃除する意欲も何も無くなってしまう。一日私は五寸角のガラス板を八畳間の床に翌日まで二十四時間放置して見た。沈降したホコリを秤量して見ると〇.五G検出された。

 これを八畳間に換算して見ると何と年間にドラム缶一杯位になる。雨の日もあるがこれ又泥水を引っ掛けられるからそれ以上だ。これが金ならナアと溜息が出る。たまるのはゴミばかりか、これだけではそれこそ無駄になるから早速町長殿を訪れこのデーターを御覧に入れ、何とか早く舗装をとブツて見る。

 あの道はこの冬項から舗装に着手する予定との事、この一連の行動環境衛生活動の一助になるやら。

福岡市のビラ合戦終焉せず 県薬業安定協議会設置

 福岡市のビラ合戦、安売競争は前月から引き続き激烈に行なわれているが、業界の平和を願い、正常な取引、特に堅実な小売業界の建設のため市場安定対策要綱を本月廿日から実施することになっていることをも殆んど無視している様であり、所謂薬業界の安定ムードを醸成せねばならぬ時期に逆行して、却って安売ムードを益々増長させていることは誠に遺憾な情勢であり、これを激退激滅して小売業界全般のために善導転向させる対策について、メーカー、卸、小売は三者一丸となって、執行部としての三者委員会を設けて既に数回会合を重ねて最善の努力を傾注している。

 一方市場安定要綱の実施を控え県薬務課長の指導の下にメーカー、卸、小売側より各委員を出し正式に「福岡県薬業安定協議会」を作ることになり、十四日県薬務課で白木(小売)鶴原(卸)吉野(メーカ−)の三氏が課長と懇談、左記十九名の三者代表委員を決めた。

 武田、塩野義、田辺、三共、第一、中外(以上メーカー)、大黒、川口屋、鶴原、吉村、坂田、水田(以上卸)、白木、福田、若柳、岡野、深田、陣内三郎、松島(以上小売)。

 九月十九日午后一時から福岡ビル九階で初の会合を開き製企会より指導価格の説明があり、引き続き第一回県薬業安定協議会を開催し、当面の措置として指導価格の決定、アウトサイダーに対する協力方要請、小売薬業者に対する啓蒙、説明の徹底等について協議することになった。

日本薬学会九州支部  第34回例会  9月28日熊大で

 日本薬学会九州支部では第34回例会を九月廿八日(土)午后一時から熊本大学薬学部講堂で開催、演題次の通りである。

(1)非イオン性界面活性剤溶液中の薬物の半透膜通過に関する研究(3)PH Effectの検討=(九大薬学科、福大薬学部)井口定男、○松本久男
(2)デヒドロ酢酸とヒドロキシルアミンとの反応=(九大薬学科)○井上敦子、井口定男
(3)水銀塩の放射能測定における水銀の逸散とその阻止について=(熊大薬学部)○田中善正、北原一太、吉田洋子
(4)人工甘味料に関する研究(第3報)サイクラミン酸ナトリウムのキンヒドロン法による呈色物質について=(熊大薬学部)一番ケ瀬尚、児島昭次、○市川正孝
(5)Brucineの生体内変化に関する研究(第2報)その選撰的脱メチル化反応について=(九大薬学科)吉村英敏、○渡部烈、桐野恵智子、塚元久雄
(6)2−Methyl−3−O−tolyl-purinazolone-4(M.T.Q)の生体内変 化に関する研究(第l報)ヒト尿中より代謝物の分離=(熊大薬学部)村田敏郎、○山本郁男
(7)2-Methyl−3−O−tolyl−purinazolone-4(M.T.Q)の生体内変化に関する研究(第2報)代謝物質の化学構造の決定=(熊大薬学部)村田敏郎、○山本郁男
(8)キノン誘導体の生理化学的研究(第1報)牛血清アルグミンとキノンのInteraction(熊大部薬学、東大薬学部)林清五郎、○植木寛、伊藤四十二

▽特別講演=「核酸をめくる諸問題」(熊本県蚕業試験場栽桑部長稲神馨)

次回第35回例会は十一月十四日(土)午后一時から九大薬学科において開催予定 演題申し込み締切は十一月十三日、申込先は九大薬学科内日本薬学会九州支部例会係である。

福岡県病年会 病剤師研修会  九月甘八・九両日

 福岡県病院薬剤師会では予て準備中であった県病院薬剤師研修会を九月廿八、廿九日の両日福岡市、県医師会館で左記により開催することを決定した。

第一日(九月甘八日、土)
 (9時30分)開講式
 (10時)麻薬取締法の改正について=県薬務課佐藤技師
 (13時)最近の新薬特に鎮痛剤について=武田薬品 学術部長遠藤武男
 (14時30分)病院薬局の管理=虎の門病院薬局長上野高正
 (17時)懇親会開催

第二日(九月廿九日、日)
 (10時)薬事関係法規=県薬務課大庭技師
 (13時)シンポジウム「病院薬局業務の在り方」
 @病院と薬局の関係=福岡日赤病院 竹内克己
 A薬局の業務範囲=済生会福岡病院 福井正樹
 B薬品管理=虎の門病院 上野高正
 C統計のとり方と活用法=国立福岡南病院 相島徹
 (16時)開講式

 薬界短信

◆サロンパス本舗城本常務欧米視察=約二カ月の予定で欧米医薬品業界視察のため去月甘八日羽田発、帰朝予定は十月十九日である。
◆北九州市薬剤師会=薬と健康展行事最后の打合会を九月廿日午后二時から八幡薬業会館で開催、県薬と県薬務課係員同伴出席の予定。
◆福岡県薬調剤技術委員会=九月十七日午后二時から九大薬局図書室で開会した。
▽議案=@九州薬剤部長協議会報告事項A同提出議案についてB病院薬局職員研修会開催の件、其他。

九州漢方研究会 五周年記念  特別講演会

九州漢方研究会(会長薬博 塚本赳夫氏)では同会五周年記念特別講演会を左記により盛大に開催した。
▽会場=福岡市天神町天神ビル十一階特別室
▽日時=九月十九日午前十時より午后五時半まで
▽講師=東亜医学協会監事 医博 山田光胤氏
▽演題=漢方処方の用い方 かんどころ
▽質疑応答=講演後卅分間
▽歓迎晩餐会=講演会終了後同会場で開催

随想片々【7】 医療の堕落  議 田 秀 雄

 欧米の人々は衛生知識が非常に高く家庭衛生や衛生道徳や医薬界に対する知識の高度なことは日本の比でないが、それでも一たび病気に罹ると治療の一切を挙げて医師に委ねて病名も病変も使用薬等もその作用も何も聞こうとしない。

 基礎知識が高いので質問して説明を聞けばわかりも早い筈であるが、自分の身体が大切である故に治療の一切を医師に委せて敢て啄を容れないが、日本人は医師にかくれていろんな薬を服み治療法を批判し、医師の指示に甘んじようとはしないとは文芸春秋九月号に「クスリ恐るべし」と題して掲載されている酒井威医博の論説の一部である。

 そこで思うことは、何が故に斯る日本人の習性が生じて来たかについてであるが、その一半の責は医師にも在ることを反省する必要があるようだ。

 日本の医療制度は開業医制度がその枢軸をなして来たが、開業医は医療を営利事業と心得て投薬を収益を挙げる手段として利用してきた。医師の投薬一日分三十銭と云う時代が長く続いたが、その頃厚生省で調査したところ、投薬の実費は一銭五厘から二銭であった。

 健康保険制度創設後は、ホ印薬等と称する廉価粗悪薬品が使用されていて問題になったこともあったが、斯る投薬を二剤も三剤も投薬しそれでも飽き足らずして、無暗と注射を行なってきたこの習慣は現在でも行なわれており「米国の注射は患者一人当り日本人患者の四十分の一であり、日本人の好きな混合注射を延べると米国は百分の一に過ぎない。

 静脈注射はよく訓練された熟練の医師でなければこれを行なわない」と酒井医博が述べている通り、日本の医師は注射を乱注して之れ又収益の手段に利用して日本の医療費は高額に失し、日本人の貧乏?落の原因はその殆んどが病気に原因していたことは周知の事実であった。

 斯くの如くして医師の投薬、それも看護婦か女中の調剤による。薬剤は高価な割に効かぬというのが常識となってひそかに薬剤を用いる習慣が発生し、一方医薬品のメーカーはよい薬剤を輸入製造して発売しても廉い薬しか使用せぬ開業医は、それらを用いぬので大衆に宣伝して需要を喚起することとなり、これらが両々相俟って現在の習慣が醸成されるに至った。

 米国では医師は神と人との中間に在りとして、至大の尊敬と信頼とをうけているが、日本では左程のことはないのは営利に汲々たる開業医の態度に基因するものであることを反省すべきであろう。

 それらは如何にして我邦の悪い習慣を改むべきか、他なし開業医はよろしく投薬行為を捨てて完全な医薬分業制を実施すべしである。医師が処方箋を発行するなら効く薬を処方することは当然で、従って薬剤の卓効が如実に現われ医師の手腕は十分に認識されるだろう。

 技術料を薬価に托して収得している現行習慣を改むべきである。診察料の値上げ再診料の設立等は医薬分業制を採用すれば当然生起してくる問題である。酒井医薬の所論も結論として医薬分業を考慮すべきであることを指摘している。

九州山口薬学大会日程     於=宮崎市

 第32回九州山口薬学大会は十月十七日から四日間宮崎市で開催されるが、その日程は左記の通り決定した。尚大会前日十六日后四時から各県代表による「運営委員会」が白亜館で開催されることになっている。

第ー日(10月17日、木)医療の堕落
 午前=8時30受付(公会堂前)▽開局保険部会(公会堂)▽薬剤部長協議会(図書館)▽衛生薬学部会(同)▽薬学部会(同)▽薬務部会(県庁)▽午后=学校薬剤師部会(公会堂)▽薬剤部会(図書館)▽衛生薬学部会(同)▽薬学部会(同)▽薬務部会(県庁)▽組合部会(公会堂)▽日薬議員、薬政会長会議(日向寮)▼6時 - 女子薬部会(日向寮)

第二日(10月18日、金)医療の堕落  午前=特別講演「学校環境衛生の動向」文部技官元山正氏(公会堂)大会開会式、表彰(同)▼正后昼食レクリエーション (同)▽午后日薬学会総会(教育会館)▽特別講演「未定」日薬会長高野一夫氏(同)▽大会議事(同)▽記念撮影(同)▽五時=懇親会(公会堂)▽各大学同窓会

第三日(10月19日、土)医療の堕落  午前=薬剤部会(図書館)▽薬学部会(同)▽衛生薬学部会(同)▽13〜17時=亜熱帯植物見学会(青島サボテン園、日南海岸)宮崎大学平田教授指導

第四月(10月20日、日)医療の堕落  観光=Aコース (えびの高原林田温泉)Bコース (西都原、一ツ瀬ダム)Cコース (高千穂峡)

藤沢薬品東京支店  新ビル建設

 藤沢薬品では東京支店、東京営業所新社屋建設計中を検討中であったが、同社旧支店所在地に藤沢薬品並にダイハツ工業、桃谷順天堂の三社共同の新ビル(名称−信和ビルディング)を建設することになり去月廿三日その地鎮祭が行なわれた。

 信和ビルは三社共同出資(藤沢、ダイハツ各二千三百万円、桃谷四百万円、計五干万円)であり 役員として社長井口道太郎氏(ダイハツ相談役)副社長大森勝治氏(藤沢相談役)取締役に藤沢薬品の常務天野勇氏、監査役に藤沢薬品社長室長の藤原二一氏などが就任されている。

 ビルの建設場所は「東京都中央区日本橋本町二丁目」で施工大林組、着工九月一日完工予定は昭和四十年三月鉄筋コンクリート造り、地下二階地上九階塔屋付、床面積約八三〇平方米、延面積約九一○○平方米、敷地約九〇〇平方米。総工費約六億五千万円である。二〜五階を藤沢薬品が使用し地下は共有となる予定である(写真は完成予想図)。

和光堂福岡営業所  吉塚倉庫新設

 和光堂(株)福岡営業所では従来の蔵本町分室が狭隘のため商品の荷渡発送に不便となったので今回左記の吉塚倉庫を新設し九月十一日から業務を開始した 蔵本町分室は十日限り閉鎖となった。
▽新倉庫=和光堂(株)福岡営業所吉塚倉庫
福岡市吉塚一丁目八三〇
電話????

趣味と緑喜の 王樹屠蘇  王樹画絵はがき

 王樹翁が「王樹屠蘇」を発売して今年で卅一年目である。相も変らぬ皆様のご愛顧で年々調製増加の一途を辿っているが、同翁の性格が粗製乱造を許さず、自づから製造量を限定して真心をこめての調製である。

 而も例年の通り俳味豊かな新包装が準備されている、昭和卅九年の干子は申辰にあたり、それに因んで芽出度き喜寿を迎える王様翁は自祝をかね今年は龍を画いて包装とし、又それを以て「年賀用はがき」を作ることになった。

「王樹屠蘇」今年卅一周年度景品付規定は次の通りである
▽王樹屠蘇一口内容=一〇〇個定価二 〇〇〇円、卸側八五〇円
▽屠蘇風呂一口内容=六個 定価一、 二〇〇円、卸価 格八四〇円
▽添付サービス品=何れも一口毎に王樹画「絵はがき」一〇枚
 なお、王樹絵はがき多数入用の方には実費、一口百枚(但し無記名)に付五百円でお求めに応じます。

 王樹屠蘇並屠蘇風呂の発売元は次の通り
▽阿部東岡堂薬院
 直方市大字植木五〇九
 電話(直方植木)三八番
▽取扱い問屋は次の通り
 大石薬品、川口屋、小倉薬品、坂田救命堂、筑豊薬品

第一製産 消化管造影剤 バリアンS新発売

 第一製薬では同社の消化管造影剤パリアンを最も使用頻度の高い濃度に調製した左記「消化管造影剤バリアンS」を九月五日新発売した。

▽品名=消化管造影剤バリアンS
▽組成=迢微粒子の日本薬局方硫酸バリウムを八〇W/V%含有の懸濁性製剤で適量の香料と甘味が付加されている。
▽特徴=@流動性附着性がすぐれ、胃酸による影響も軽度で、造影効果がすぐれ、充盈像は勿論レリーフ像も鮮に得られるA均等良質な懸濁性の製剤、長時間の静置で多少分離することはあつても振盪により容易に均等となるB最も使用頻度の高い濃度であるので殆んどの場合其儘使用できるC香料甘味が添加してあるので口あたりが良好です。
▽用法用量=胃充盈像及レリーフ−一〇〇〜一五〇ml▽食塩−八〇〜一○○ml▽直腸、大腸(注腸用)−三〇〇mlに約七〇〇mlの水又は温湯を加える
▽包装・価格=()内は卸価格=バリアンS六〇〇ml四〇〇円(三四〇円)

田辺製薬 MSC九州ブロック会 支部長・特約店全員出席して盛大に

 田辺製薬の再販契約を中心とした正販売推進方策「MSC」(マルゴセールスサークル)が発足して約三カ月になるが、今日迄順調に進み会員数も増加の一途を辿っている。 この時、MSC九州ブロック会が九月十三日正午から福岡市、天神ビル十一階ホールで開催された出席者は九州に於ける左記支部長十二名、特約店十三店であった。

▽支部長=北九州の池田、福岡の白木、福岡の平島、筑後の上村、佐賀の徳永、唐津の森本、長崎の隈、佐世保の石井、熊本の石原、大分の内田、宮崎の小野、鹿児島の池田 ▽特約店=門司の鶴原、門司の双信化学、福岡の川口屋、福岡の九鉱薬品、久留米の米倉薬品、佐賀の西部薬品、唐津の唐津薬品、佐世保の東七太郎商店、島原の宮崎温仙堂、宮崎の吉村、鹿児島の春天堂。

 正午開会、取締役吉野福岡支店長の挨拶があって中食、吉野支店長は
 MSCも確固たる組織ができ上ったので、其運営などにつきご希望、ご意見をお聞きしたいために本日の会合を催した様なわけであります。九州では最初二五〇店位のご賛同を得たいと思っていた処、順調に進み只今四五〇位となっています、製品も発足当時は五品目であったが其後感冒薬等も加え八品目となっている。今後益々増加したいと居っている、サンプルなど間に合わぬ不手際もあったが、今後充分注意して良くしたい又送品も従来遅れがちで誠に申しわけなかつたが、それで八月廿一日からは福岡支店から出荷している、

 今後は月一回の計画注文にして頂いて事務をスムーズに行なう事を念願しています。 と挨拶し、それより経営講座に移り、マルゴ経営相談所講師水野鉄蔵氏から約二時間に亘り「今後の問屋の在り方と薬局経営は如何にすべきか」と題して、一般商業界及び薬業界の現状、スーパーとの関係、今後の見透し、特に卸、小売薬業界について推理的な詳細な説明があり、田辺製薬のMSC方式が現在業界情勢に特にマッチした方式であると結び、質疑応答後、祝電披露があり、次いで吉野支店長から、支部長の発会に対するお骨折りに対し田辺本社よりの感謝状が贈呈きれた。次に田辺の宮本営業本部長起って次の様な挨拶があった。

 本日の第一回九州ブロック会の全員出席を感謝し、業界安定の立場から製企会の一員としても茲にお礼を申上げる(MSC誕生迄の経緯について詳細に述べ、それに引続き)MSCの構成員については一地区に卸は一店、小売はMSCの精神と方式を能く理解して頂だけた方だけに限定している。

 商品A価は再販契約価、利益率は一〇〇−七○−六三の削合となっている、良い製品を最も安くとの精神で日夜精進している、SMについては医薬品がそのオトリ商品になることを根底に持ち、SMにないもので而も利益のあるもので対抗のできるものを田辺の小売体勢としたいと考えている。

 滝川構想の滝川氏、協商組指事の荒川氏にも相談に乗って貰い此方式が小売のものであり公に支持される様なものにしたいと思っている、然し飽く迄営業であるので従来の商習慣を止め、できるだけ経費減のために商品直送でスタートしたが、送品が円滑を欠いたので今回各地支店よりの送品方法に変えた。

 MSCの発足については九州ではメーカーからの形になっているが、他地区では卸、小売側の要望で田辺が協力する立場に置かれた形で、チェーンに近い型であり気心の能く知れた同志でとの考えでSMその他に対抗して行くべきで、チェーンは問屋を無視し、中間廃除の傾向にあるが、私共は従来世話になった問屋さんを通してどこ迄も販売したいと考えている。

 さて、十月には田辺本社で、会員並に特約店の各ブロック代表と田辺の三者で本部運営委員会を開催の予定であるのでブロック代表選出となり次の代表者を決定した。 ▽福岡地区代表=門司の鶴原(特約店)、小倉の池(支部長) ▽福岡を除く九州地区(六県)代表=熊本の吉井(特約店)、熊本の石原(支部長) 本部運営委員会開会の日時は決定次第通知することになり、又各支部の例会日の決定していない処は決定の上お知らせを願いたいとの希望があり 次いで各支部担当者(田辺の)の自己紹介があって、四時同処で懇親パーティが和やかに催された。


九州薬事新報 昭和38年(1963) 9月30日号

福岡県条例原案なる  九月廿八日開会の県議会に提案

 先に厚生省から条例準則が発表されて以来福岡県薬務当局でも県条例案作成に一層の努力と一層の慎重さを以て作業が進められていたが、一方薬業界側としては、条例内容、特に距離問題などは経済面に於て薬局薬店には致命的影響を与えるので、県薬幹部、薬系県議などを中心に真剣に協議検討が続けられ、連続当局と折衝し、密かに県議会請願書の準備迄していたが、漸く薬務当局との話合いが纏まって県条例原案の決定を見、九月23日県議の厚生常任委員会、次いで25日総務委員会でそれぞれ承認を得たので、九月廿八日開会の県議会に提案される運びとなった。

 県議会提出予定の原案は次の通りであるが、適用地域は二八市町地区で、地区内における薬局等の適正数をオーバーする場合の制限距離は三〇〇米、適正数の範囲内では一五○米となっている。

薬局等の配置の基準を定める条例(案)

(趣旨)
第一条 この条例は、薬事法(昭和三十五年法律第百四十五号。以下「法」という。第六条第四項(第二十六条第二項及び第四項並びに第二十八条第四項において準用する場合を含む。)の規定に基づく薬局並びに一般販売業及び薬種商販売業の店舗(以下「薬局等」という)の設置の場所の配置の基準について定めるものとする。

(適用範囲)
第二条 第三条に規定する薬局等の配置の基準は、次の各号に掲げる場合における薬局の開設の許可又は一般販売業若しくは薬種商販売業の許可以外の薬局の開設の許可又は一般販売業若しくは薬種商販売業の許可に係るものとし、同条の規定は別表に掲げる市町村の区域(以下「適用地域」という)について適用する。

 一 許可の更新を受けようとするとき。
 二 薬局開設者が、薬局を廃止した後引き続き同一の場所で薬局を開設しようとし、又は一般販売業若しくは薬種商販売業を行なおうとするとき。
 三 一般販売業者(法第二十六条第一項ただし書の規定に該当する一般販売業の許可を受けた者であって、同条第三項のただし書の許可を受けていない者を除く 以下第五号から第七号までにおいて同じ)が一般販売業を廃止した後、引き続き同一の場所で一般販売業若しくは薬種商販売業を行なおうとし又は薬局を開設しようとするとき。
 四 薬種商(法第二十八条第四項において準用する法第二十六条第二項ただし書の規定に該当する薬種商販売業の許可を受けた者であって、法第二十八条第四項において準用する法第二十六条第三項ただし書の許可を受けていない者を除く 以下次号から第七号までにおいて同じ。)が薬種商販売業を廃止した後引き続き同一の場所で薬種商販売業若しくは一般販売業を行なおうとし、又は薬局を開設しようとするとき。
 五 薬局開設者、一般販売業者又は薬種商が薬局、一般販売業又は薬種商販売業を廃止した後、その者を代表者とする法人が引き続き同一の場所で薬局を開設しようとし又は一般販売業若しくは薬種商販売業を行なおうとするとき。
 六 薬局開設者、一般販売業者又は薬種商が死亡した後その相続人が又は法人である薬局開設者、一般販売業者若しくは薬種商が解散した後その法人の解散の際、代表者であった者が、自ら又は法人の代表者として引き続き同一の場所で薬局を開設しようとし又は一般販売業若しくは薬種商販売業を行なおうとするとき。
 七 薬局開設者、一般販売業著又は薬種商が天災事変、土地の収用その他のやむを得ない理由により他の場所で薬局を開設しようとし、又は一般販売業若しくは薬種商販売業を行なおうとするとき。
 八 職域内に勤務する者のみを組合員とする消費生活協同組合がその組合員のみに利用させるため、組合員の勤務する事業所内において薬局を開設しようとし又は一般販売業若しくは薬種商販売業を行なおうとするとき。

(薬局等の配置の基準)
第三条 許可を受けようとする薬局又は一般販売業若しくは薬種商販売業の店舗の設置の場所が配置の適正を欠くと認められる場合はその薬局又は一股販売業若しくは薬種商販売業の店舗の設置の場所が次の各号のいずれかに該当する場合とする。
 ただし許可を受けようとする薬局又は一般販売業若しくは薬種商販売業の店舗と適用地域内に現に存する薬局等の設置の場所との間の距離が三百メートル以上である場合及び住民に対し適正な調剤の確保又は特定の医薬品の供給を図るため知事が特に必要であると認める場合はこの限りでない。

 一 現に存する薬局等の数が人口 交通事情、住民の調剤及び医薬品に対する需要状況等調剤の確保と医薬品の需給に影響を与える各般の事情を考慮して知事が告示で定める数に達している市町村の区域内であるとき。
 二 適用地域内に現に存する薬局等との間の距離が百五十メートルに満たない場所であるとき。

   附 則
この条例は公布の日から施行する

別表
一 福岡市
二 北九州市
三 直方市
四 飯塚市
五 久留米市
六 大牟田市
七 田川市
八 柳川市
九 甘木市のうち昭和二十九年四月一日合併前の甘木町の区域
十 八女市のうち昭和二十六年四月一日合併前の福島町の区域
十一 筑後市のうち昭和二十九年四月一日合併前の羽犬塚町の区域
十二 大川市
十三 行橋市のうち昭和二十九年十月十日合併前の行橋町の区域
十四 古賀町のうち昭和三十年四月一日合併前の古賀町の区域
十五 芦屋町
十六 宮田町のうち昭和三十年三月二十一日合併前の宮田町の区域
十七 杷木町のうち昭和二十六年四月一日合併前の杷木町の区域
十八 筑紫野町のうち昭和三十年三月一日合併前の二日市町の区域
十九 春日町
二十 前原町のうち昭和三十年一月一日合併前の前原町の区域
二十一 田主丸町のうち昭和二十九年十二月一日合併前の田主丸町の区域
二十二 小郡町のうち昭和三十年三月三十一日合併前の小郡町の区域
二十三 大和町
二十四 三橋町
二十五 瀬高町
二十六 金田町
二十七 苅田町のうち昭和三十年一月一日合併前の苅田町の区域
二十八 椎田町のうち昭和三十年一月一日合併前の椎田町の区域

福岡県の市場安定対策要綱の説明会
  福岡地区三三七名、県下で約千三百

 小売薬業界の価格安定対策並に流通秩序の確立が積極的に現在講じられているが、其主たるもの、製企会の市場安定対策要綱が九月廿日から実施と決定したので、全国的に要綱の説明会が催されることになったが、福岡県でも県薬務課、製企会、全国卸連、県薬商組が共催して県下四カ所、福岡、筑後、筑豊、北九州の各地区に於て説明会が催され、要綱の説明と実施方針、次いで質疑応答で実質的な熱意ある会合が開かれた。

 福岡地区に於ける説明会は、九月廿日年前十時半から約三時間福岡商工会議所ホールで開催され、主催者側出席者は
 県薬務課=大庭技師
 メーカー側=国松武田支店長、鈴木三共支店長、亀井第一支店長、吉野田辺支店長
 卸業側=大黒南海堂社長、鶴原商店支店長
 県薬商組=白木理事長、須原副理事長、藤野専務理事
であり業界からの聴講者は三三七名であった。

 先づ須原氏の開会の挨拶後、メーカーを代表して国松氏、卸を代表して大黒氏の挨拶があり何れも安定要綱の実施に協力し、その真の目的貫徹のため業界人一丸となって邁進せんことを強調し、次いで白木氏は
 薬業界安定のために協組商組が今日迄利用されて来たが、価格の協定ができず、又員外者の規制が不可能なので、最後の段階に於て結局行きつまる事になり 乱売合戦を来し医薬品の品位が地に落ちることになった。

 これがため厚生省の要請もあって、製企会の決起となり、市場安定要網の作成、一ヵ年半の努力が実って今回実施の運びとなったわけであるが、其内容(市場安定要綱小売向編)については庇に充分ご理解のこととは思うが、茲で其要網を朗読、要点を説明したいと思う。と述べ要綱を朗読、解説を加えて、引続き白木氏は、本月八日当地で開催された九州ブロック懇談会(中央の薬業安定協議会主催)での説明や質問を一括して、その要点を述べてみると‥不良卸並に小売についての説明、メーカーと卸との間に再販契約実施の研究が進められていること、価格を守らぬ者に対しては地方薬業安定協議会で処理すること、重大な問題は中央の安定協議会に持ち出すこと、不良メーカーの場合は製企会や社長会で措置をとり又安定協議会から厚生省え持ち出し厚生省の指導を待つ事等であった と述べ、それより質疑応答に這入った。

 質問に対しては夫々の担当者から答があった。その主なものを摘記すれば次の通り。
(○問、△答)

○価格協定に関し厚生省と公取委の考え方は。
▽大庭技師=厚生省のことだと思うが、今度の場合は価格協定ではないと思っている。従って公取とは関係ないのではないか。

○当局は協力(程度)を脱皮して積極的にやっては。
▽大庭技師=安定問題は本来業界がやるべき筋合いのものであり、当局としては深入りはできない。
 然し業界安定のために行政の面で斡旋指導、中介の労はおしまない。公的の権限は無論与えられてはいない。

〇要綱は規制力があるだろうか。
▽大庭技師=要綱は法的のものでもなく又価格統制でもなく業者の自粛規制である。此点間違いのない様に希望する。

〇@医師の斡旋販売Aバーゲン、スーパーなどの販売方法Bデスク廻りなど差支えないか。
▽大庭技師=@は薬事法違反となるAは一般医薬品販売者と共に一括して要網を守る様指導すべきであると思うBは実際の手段行為によって薬事法違反とそうでない場合とがある。従って法による規制ができる場合とできない場合がある。

○事業所廻りの可否について伺いたい。
▽卸側=本要綱では結論は出ていない。中央でも問題になっており追て結論は出すことになっている。福岡県でも四年前から起っているが、全国的に瞭きりした線が近く出ると思う。事業所廻りを殆んど専門にやっているものは卸の領域でないので、個々のケースについて充分に検討する必要があると思う。

○指導価格の発表がないが発表の意志はあるのか。
▽メーカー側=指導価格については本月八日の九州プロック懇談会で中央の対策委員から説明があったが、要綱は一年八カ月かゝつて漸く発表、それより実施期が極めて短かかったため各社が責任を持ち、タテの線でということに現在なっている。
 実際各社共調査はしているが、準備が既にできている社とできていない杜とがあるので、今日迄発表のできないことは誠に遺憾ではあったがご諒承を願いたい。品目についてはできるものから順次やっている、此機会以外には現在の業界の混乱を阻止することはできないと思っているので、此機会に是非徹底的に実施すへきであると決意しておる。指導価格の発表は協議会に詢って夫々の機関を通じて発表することになると思うが、月末には各社揃って出したいと思っている。
 尚それ迄の期間は夫々のメーカーの立場に於て従来の通りでお願いしたいと思う製企会会員メーカーは20社であるが、員外メーカー例えばチェーンとも既に十数回会合している。分科会毎に協力して貰う様話合っている。其他のメーカーに於ても協力して貰っている、本要網の目標としている医薬品は現在の処大衆向製品だけであって医療医薬品は問題となっていない。要綱実施の目的を達するにはメーカーだけでは到底でき得ることではなく卸、小売の協力が絶対に必要であり、業者の相互信頼と吾々の固い覚悟と決心がなくてはできない事だと思っている。

○特売条件はチエーメーカーにも適用きれるか。
▽メーカー側=チエーンは分科会で折衝努力することになっているが、できると思っている。

○卸業者の態度、不良小売(乱売店)の法的制裁について知りたい。
▽卸側=本要綱は法的裏付はない(商組ならばあるが)。今日流通機構の内一番困難な立場に在るのは卸であることはご承知の通りである。他の業界ではメーカー、小売が直結しているものも沢山あるが、吾業界では卸を通すと云うことで姿を正しくしている。不良小売業者に対しては或意味でのキメ手と思われるのは各メーカー夫々のタテの線であると思う。然し不良、優良の判定は仲々困難であり、或メーカーから見た時は不良、又或メーカーから見れば優良だと考えられる場合がないとは限らない。然しどこ迄も三者の談合協議によって決め、判定難の場合、最終的には中央の協議会に持ち込むことになっている。

○小売店の広告宣伝の範囲は。
▽組合側=小売店では「安い」又これに類似したもの、二重価格、乱売を助長するものと認められる価格の標示、景品販売(メーカーよりの景品の転与は差支えない)など何れもよくない。

○ビラ合戦については。
▽組合側=今後は不良小売と見なされ、処置されると思う。

 以上の様な問答であったが、一応これにて終え、藤野氏の閉会の挨拶により午后一時説明会を終了した。
 他地区の説明会も大体同様であるが、要綱実施に期待をかけている真面目な質問と皮肉的質問の二種類があった様である。

運営についての五項目を決定
 初の福岡県薬業安定協議会  指導価格説明の会合はお流れ

 福岡県薬業安定協議会構成委員のメンバーは既に推薦決定されているので、九月十九日午后三時から福岡ビル九階ホールで初会合を催すことになり、協議会開会前(一時から)に同所に於て製企会(メーカー側)から指導価格の説明があるとしてメーカー約40名、卸約10名、小売約15名が参集したが、この会合の主体性が瞭きりせず、又指導価格もまだ準備中で製企会各社の足並揃わず、三者の間に色々と問答がなされたが、結局当日の発表は困難なため指導価格の説明会は中止となって参会者は解散し、引続き同所で三時から予定の県薬業安定協議会の初顔合せをなすことになった。

 出席者は
 メーカー側=武田薬品、塩野義製薬、田辺製薬、三共、第一製薬、中外製薬
 卸売業者側=川口屋、大黒南海堂、鶴原商店、吉村薬品、坂田薬局、水田薬店
 小売業者側=白木、福田、若柳、岡野、深田、陣内、松島
 県薬務課=尾崎課長、大庭技師
の一九名であり、大庭技師司会して先づ尾崎課長の挨拶があって、大黒社長を座長に推して協議に入った。

 本会の今後の運営について、主として協議したが、本会は純然たる執行機関ではないので、規約などは作らないことになり、協議の結果、次の五つの事項を決定した。

@本協議会の座長は三者(メーカー、卸、小売)輪番制とすること。
A本会の正式の名称を「福岡県薬業安定協議会」とすること。
B本会の構成人員は三者六、六、七名(前記本日の出席者)であり、小売側よりの薬剤師会の代表者として別に一名を追加したしとの要望を諒承して、其人選は小売側に一任することとした。
C三者各窓口は、メーカー側は製企会の当番杜、卸側は大黒社長、小売側は白木県薬商組理事長とすること。
D委員の代理出席は原則として認めないが、止むを得ない場合は予かじめ登録した人の代理は認めること。

 尚指導価格については各社準備中であるので本日発表はできない(準備既にできている社もあるが、足並を揃えるため)。月末迄には発表されたいとの小売側よりの要望に対し、次回の本会開催日を本月28日と決定した。それ迄に発表の運びになる様各社共努力することとして六時、第一回県薬業安定協議会を閉会した。

福岡県下の学校保健室備付薬品

 福岡県学校薬剤師会では県下各学校(高校、中学校、小学校、特殊学校、幼稚園)保健室備付薬品の調査を去る七月行なったが、各種(五種)学校に備付けられた薬品は次の通りである。
 尚五番学校の一部にのみ備え付けられていた薬品は「其他」として附記した。

保健室備付薬品
▼胃腸剤
 クレオソート丸、健胃散、健胃錠、乳酸菌整腸剤、ロートノアスターゼ錠
▽其他=内用アクリール錠、ヒマシ油
▼感冒、鎮病、強心(注射剤を含む)
 アセチルサリチル酸錠、抗ヒスタミン感冒
▽其他=ピタカノ??ー注、ブドウ酒、セデス錠、ピラビタール錠、鎮咳剤、グレニン錠、ノーシン
▼創傷消毒、撒布剤
 マーキユロクロム液、オキントール、稀ヨートチンキ、消毒用エタノール、アクリノール液、亜鉛華澱粉
▽其他=アクリノール錠、ホルム散
▼軟膏、塗布剤
 複方ヨートグリセリン、ホウ酸軟膏、ペニシリン軟膏、抗ヒスタミン軟膏 ▽其他=ナシ ▼あん法、合そう、点眼、歯科用剤
 市販目薬、ホウ酸水、オキシドール水、イクトモール
▽其他=白陶土ハップ、酢酸鉛水、重曹水、今治水
▼防疫用薬剤
 クレゾール石鹸液、市販殺虫剤、逆性石鹸、BHC、オルソ剤、DDT
▽其他=ナシ
▼ほう帯材料、その他
 脱脂綿、ホウ帯、ガーゼ、絆創膏、乗物酔防止剤
▽其他=VB剤、VAD剤、駆虫剤、VB剤、油紙

 各種学校共備付ている薬品等三三種、一部学校での備付薬品等二〇種であり、合計五三種、これが福岡県下の高校以下の学校保健室備付薬品(等)であると云うことになる。

大牟田市 三師会

 大牟田市三師会では三師会各会幹部三名宛計九名出席で九月十二日開会。 なお顧問として保健所長列席、主として再診料設定及び調剤料問題について協議したが、緊急議題として中村市薬会長から
(1)適正配置県条例
(2)健保組合保健施設医薬品交付
の二件を提出説明し医、歯両会並に市保健所長の協力方を得たが、特に平木医師会長からは強力な協力確約をなすに至った。同会長は現在県議であるが、長崎薬専出身の薬剤師であり、三池都高田町に薬局の開設者でもあり又県薬の会員(大川柳川支部)でもある。

九州山口各県薬 薬学講習会 日程変更

 長崎県薬剤師会では某駈込み申請に対し県衛生部が非常識にも抜打設可を行なった問題や県条例距離問題などの処理活動のために寸暇なく、本年の薬学講習会の中止のやむなきに至ったので、既に決定していた九州山口各県の開催日に変動を来したため次の通り各県の開催日を新に決定した。

 福岡十一月11 12日▼佐賀12 13日▼熊本13 14日▼鹿児島14 15日▼宮崎15 16日▼大分17 18日▼北九州18 19日▼山口19 20日

福岡県 公衆衛生大会 薬系人表彰

 第11回福岡県公衆衛生大会が九月廿三日福岡市東中洲、タマヤホールで盛大に開催されたが薬系人及び同団体の知事或は県公衆衛生協会長からの表彰者は次の通りであった。

▽古賀哲弥氏(薬剤師、開局、北九州市若松区)
 学校薬剤師として地域公衆衛生に寄与すること大、依て「県知事表彰」
▽戸畑薬剤師会(会長倉石 久氏、北九州市戸畑区)
 学校環境衛生の改善指導、特に各種試験、検査並に調査等を行ない、学校保鍵の向上に貢献した 依て「県知事表彰」
▽柴田伊津郎氏(薬剤師、開局福岡市馬出)
 学校環境衛生の向上に努力寄与した、依て「県公衆衛生協会長表彰」
 なお、側島希允氏(学校薬剤師、田川市)は県公衆衛生学会から第20回日本公衆衛生学会に派遣され「学校プールの基礎調査」と題して研究発表することに決定した旨紹介があった。

要網実施に伴う SM等との懇談会

 製企会、全国卸連、県薬商組が主催して安定要綱実施に伴う運営に協力を要請するため福岡県下の主なSMバーゲンセンター其他を含めて十社を招いて九月廿八日福岡市、クラブ九州で懇談会を開催した。
 主催者側の出席者は武田、塩野義、三共(製企会)大黒、鶴原、川口屋(卸)白木、須原、藤野(商組)の諸氏であった。

   句三昧  筑前 徳島 山花

      横網に集まる人気天高し
      大鵬の守りゆるがず相撲城
      蔵前の秋悠々と豊山
      秋場所の豊国とても好調に
      この次は博多が呑んで河豚の場所

   句日記より  山鹿 清水 鹿山

      遠き人思うて虫をかなします
      鈴虫や夜ふけはことにいのちすむ
      虫の闇瀬音ききわけ径曲る
      鳴く虫に遠きかなしみきかせけり
      かなしめばしきりに虫のなく夜かな

随想片々【8】   磯 田 秀 雄

剤界の黄金時代

 強力無比の日本医師会の勢力を以てしてさえ解決し得ぬ問題もあるから薬剤師会の力では解決し得ぬ問題も幾多あることは己むを得ないが、それでも薬事法の改正案は危機を切り抜けて成立し今や全期界は挙げて改正薬事法に対処すべく対策を練りつゝある。

   〇  ○
 行政、立法、司法の三権は戦前も分立していたが、官僚の勢力が絶対的に強力で薬事法規の改正の如き薬剤師会は、陳情が関の山で之れを左右することは聊かもできなかったが、戦後は立法の府たる国会の強化により、国会議員の言動は強力なものとなったがそれでも代表を有せぬ剤界としては悲惨なる境遇にあり、分業問題の論議の頃は重要なる会議は秘密会として傍聴者を退場せしめるので、剤界の意見を主張するものもなく、出席議員から断片的に情況を聞くのみで切歯扼腕、悲運に泣いたものであったが、その後国会に代表を送るべしとの叫びに参議院に高野一夫氏、衆議院に野沢清人氏を送ったものの惜しくも野沢氏は他界し今では高野氏一人を有しているに過ぎないが、それでもその目覚しい活動によってこの成績を挙げている。

   ○  ○
 従来薬剤師の国会議員を擁したことはあったが、それは偶々薬剤師であったに過ぎなかったが、高野氏は薬剤師を標膀した議員であるだけに剤界への貢献は至大である。今次の薬局適配を含む薬事法改正案の如き違憲とする意見もあったので、厚生省当局の提案は望み得ず議員提案となったわけであるが、一度ならず二度までも自民党の単独採決による改正案の成立に野党からの反撥を見ないのは、同僚議員としての高野議員があるがためであった。

   〇  ○
 斯くの如くして一人の代表を送っているのみですら一剤界の主張が徹っているが、高野氏とて永久に議員たるわけにもゆかぬので、之れを継ぐものの養成は喫緊の急務であるが、これは極めて至難のことであろう。

   〇  〇
 さあれ、医薬分業問題だけは医師会と云ふ強靭な障壁があるためにその解決は至難であるが、其他の懸案問題に至っては今こそ解決すべきときであろう。竹中、可児両日薬副会長は外遊して新知識を広めるし、剤界は今こそ黄金時代と称すべきではあるまいか。将して然らばこの時代をゆめゆめ無為に過してはならない重要時代と心得るへきであろう。

== 挾子 ==

▼この程公衆衛生大会で表彰されし学者肌のS学薬氏が、大嫌らいな大勢の前に立たされた時のむつかしい顔。あとでの同氏感想に日く「会から推薦されたことには非常な喜びを感ずるが、表彰状なんか送って貰った方がありがたい」とは洵にS氏らしい。又日く「学校薬剤師の仕事は自分でも好きでやっているのだからいいが、そのために店をおしつけられている女房こそ気の毒であり、本当の功労者だ」とは誰れでも判っていて仲々すなおに言えない言葉。

▼薬局等の適配・県条例第一号として、岡山県で十一日議会を通過した。厚生省希望通りの一00米と三00米で下々、第二号が岐阜県で十七日成立。これは二00米で成績は上々、若し福岡県が議会を通過すれば一五0米で中々だ。処が東京都では厚生省の準則なんか全々無視して定数もなく、地域指定も都市計画法を採用して商業地域を一二0米、其他を二四0米の原案を廿六日の議会に提案するそうだ。商業地域は全部の24%を占めているだけだそうで、議会通過すればこれこそ上々の上であろう。

▼福岡の乱売合戦酣なわな時の噂話しだが、組合幹部の一人、お酒をのんだら天下泰平!!悪い事にお酒の這入った後で、ビラ合戦の大御所の所え掛合いに行つた迄はよかったが、大事な組合の虎の巻を入れていた大切なカバンを置忘れて来た。さあ大変!大御所は此虎の巻を見てカンカン翌日は逆襲、色々と突込んで来たが‥他人のものを無断で見た方が悪いのだ。と云う事でケリがついたがさてさてつみなお酒ではある、との噂さ話しだから真偽の程はわからない。若し嘘であればとんだ災難。

福岡県薬 薬と健康の週間 行事略ぼ決定

 福岡県薬剤師会本年度の「薬と健康の週間」行事は北九州市誕生の記念をからめて同市薬剤師会が主幹となり、行うことになっているので、九月廿日午后三時から八幡薬業会館で週間行事の打合せ会を開催した。

 出席者は長野北九州市薬剤師会長、同神谷専務理事、同市各区薬剤師会長並に女子薬会長、来賓として、同市衛生局長外同市民生局より三名、四島県薬副会長及び県薬務課大庭技師が列席した。

 長野会長の挨拶後、週間行事の企画概要並にこれに伴う予算案について説明があった。当日の打合せを終った行事計画は次の通りである。

(1)生活保護世帯えの駆虫剤 無料配布の件
 @対象人員を五三、〇〇〇人、投与予想人員二五、〇〇〇人、一人に対する単位四円、総額一〇〇、〇〇〇円と見る
 A薬局に於て薬局製剤(駆虫剤)として投与する(奉仕券引替えに)
 B奉仕券発行等については民生局え依頼すること
(2)市弘報紙によるPRの件
 「薬の正しい使い方」などの原稿は10月5日迄に提出すること、その担当者を古賀、岩崎、倉石、安部の四氏とする
(3)体温計の無料検査の件
 森下仁丹の協力を得てこれを行うこととする
(4)各地区報道関係に就て各新聞社に後援を依頼する様行動する
(5)無料検尿、検便の件
 各薬局に於て受付け、検査すること
(6)実施期間の件
 10月28〜11月3日の一週間とする
 以上大体を決定し、それより来賓を交え和やかな懇談が行われて当日の打合せ会を終了した。

薬と健康の週間 福岡市薬会 11月1 2日実施

 福岡県薬界の本年度「薬と健康の週間」行事は北九州市に於て実施することになっているが、其一環として福岡市薬剤師会では市役所との共催で十二月一日午后と翌二日、市内新天町、新天会館を会場として九〜五時の間会場内に「栄養相談所」を設け、市役所から栄養士二名の派遣を得て市民一般の栄養相談に応ずることとし、一方、同時に衛生に関する「画版展示会」並に「学術映画」を上映することを決定した。

薬と健康の週間 標語選考決定

 「薬と健康の週間」の行事は来る十月十四日から一週間全国に展開されることになっているが、先に日本薬剤師会が薬の週間標語を日薬会員から募集した三二四の応募標語から選考委員(牛丸薬務局長、横田薬事課長、長浜監視課長、谷岡専務、永山常務、山本常務の六氏)により選考、その結果、左記秀作一、佳作四を決定、週間中使用することになった。

▽秀作一名(賞金五千円)
○よく注意 薬を飲むとき 使うとき
 (金沢市、出島照久)

▽佳作四名(賞金各一千円)
○良い薬 正しくのんでいつも健康
 (金沢市、木瀬康博)
○良いくすり 正しく使って丈夫なかだ
 (大阪市、田中美津子)
○正しい知識に クスリは生きる
 (福島県、八牧道泰)
○にこやかすこやか よいくすり
 (京都市、水野弘平)

大牟田市薬主催 家族計画の講演と映画の夕

 大牟田薬剤師会(会長中村里実氏)では山之内製薬、同市保健所の後援で左記により「家族計画(受胎調節)講演と映画の夕べ」を開催したが、約一五○名が集り予想以上の数であり、薬剤師職能のPR、受胎調節用薬品、器具の増売などの「効果をも見た。県薬としても薬局委員会、公衆衛生委員会を中心に県下各支部でも開催する様指導奨励されることを希望している。

  左 記
▽日付=九月十四日午后六時半から
▽場所=大牟田市草木上、託隋寺
▽講演=家族計画について 大牟田市薬剤師会長中村 里実氏
▽映画=(1)受胎の神秘(文部大臣賞受賞映画)(2)薬とくらし(前同)(3)小児麻痺映画(ゴキブリ)
 なお、入場無料、サンプル及び参考文献進呈などのサービスがなされた。

     句 帳 よ り  合屋 杉峰

      お彼岸の秋の雨降る夜なりけり
      店閉めてよりの燈下に親しめり
      子の辞書を借りもし燈下親しけれ
      吾が肩を叩き並びて月の友
      職退きし顔の揃ひし月の宴

サロンパス提供 テレビ新番組 どんたくばあさん

 サロンパス本舗提供のテレビ番組「奥きま多忙」は本月十三日で終了、二十日から新番組「どんたく ばあさん」を提供、本番組は博多淡海の当り役「博多なまりのおばあちゃん」を主人公にくりひろげる泣き笑い爆発コメディ、淡海を中心に演出、毎回一人のゲストを招くことになっている。

 放送時間は毎週金曜の12時15分〜12時40分、実施局は東京放送をキーに二十局、九州ではRKB、熊本、長崎、大分、南日本の五局である。

藤沢薬品 プレコール ホットドリンク 新発売

 藤沢薬品では先年来感冒薬としてプレコール内服薬カプセルを発表し好評を得たが、更に研究を重ね今回新剤型プレコールホットドリンクを九月十九日新発表し、これを加えプレコールトリオとして本格的な販売が始まることになった。

 本品は顆粒状で一回分(2g)ずつをユニットパックに入れてあり 用時約80mlの熱湯に溶かして服用するもので、身体を温ため発汗を促がしてすっきりさすことに非常に効果がある、使用については勿論顆粒のまゝ用いてもよいのである。
▽包装価格=六包A価二〇〇円B価一五〇円、一二包A価三五〇円B価二六三円

森下仁丹 クールガム コーヒーガム 新発売記念セール

 森下仁丹では今回若人向きのジンタンクールガム、ノンタンコーヒーガムの二種を新発売したので次の様な記念セールを発表した。

▽一口内容=クールガムとコーヒーガム、いずれも六枚入二〇円、一ボール二〇コ入一口三ボール 計六ボール定価二 四〇〇円
▽一口景品=@一ボール毎に仁丹お楽しみ商品券一八点(三点×六ボール)A一口毎に金券六〇円一枚添附Bクール及びコーヒーガムの内包紙にはセ パ一二球団のうち、希望の球団バッジが当る「バッジラツキー券」が入っている。
 尚一梱内容は五口詰である。

森下仁丹 秋季特売発表

 森下仁丹では今回卓上ケースの新発売を機に次の様な、仁丹の秋季特売規定を発表した。

▼一口内容=銀粒普及用五〇円四〇コ定価二 〇〇〇円▽同徳用一〇〇円三〇コ定価三 〇〇〇円▽同三角ケース一〇○円一〇コ定価一〇〇〇円(シヨ−ケース入り)▽同二〇〇円一〇コ定価二 〇〇〇円▽卓上ケース三〇〇円五コ一五〇〇円(ショーケース入り)▽赤小粒徳用一〇〇円三コ三〇〇円▽赤大粒徳用一〇〇円二コ二〇〇円、合計定価一〇、〇〇〇円

▼一口優待=@一口に優待 ラッキー券一枚(一〇〇〇本を一口として抽せんにより各組毎に左記の通り贈呈)「各組共通」
 一等 五〇〇〇円 五本
 二等 二〇〇〇円一〇本
 三等 三〇〇円二三五本
A仁丹ハブラン五〇円一二本(詰合内に添付)
▼特売期間=十月十五日より売切れ次第締切
 なお、新発売の仁丹卓上ケース(三〇〇円銀粒四〇g入)は今回初めて発売のもの、オフィスや応接間のテーブルにふさわしいものである。

山之内製薬 サンシーゼリー  特売中

 山之内製薬では一姫、二太郎、三サンシーのサンシーゼリーの有利な特売、左記の様なセット内容で只今特売中である。

▼特売セット内容 ▽20gロ=サンシーゼリー 20g九個、割増品同一個定価一 000円卸価七二〇円
▽50gロ=サンシーゼリー 50g一八個、割増品同二個、定価四,〇〇〇円卸価二 八八〇円
▽セットロ=サンシーゼリーセット包装20g一個注入器一本、数量四個、割増品サンシーゼリー20g一個 定価一一〇〇円卸価八〇〇円
▽特売期間=十月末迄