通 史 昭和37年(1962) 日薬−県薬−市薬
九州薬事新報 昭和37年(1962) 3月10日号

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 県薬務当局の斡旋により 佐賀市郡薬業組合と 大洋ストアと協定

 佐賀県下に於ける有力なスパーストアーは業務発展のため佐賀市庁田江に豪華な二階建の鉄筋建築をなし、昨年十二月から花々しく開店したが、これに先だち旧店の薬品部を新店に移転開業すべく許可申請を県へ提出していた。

 然るに県は以前同ストアーに無免許毒劇物販売の違法事実があり、許可保留の方針をとっていたが、開店以来三ヶ月にもなり、なかなか許可のおりないのに業をにやした同ストアーは最近に至り又々社会党の県会議員に泣きついて県当局へ大きな政治的圧力を加えるに至った。

 県もこの攻勢にたじたじとなり、遂に佐賀市郡薬業組合との円満なる解決の下にこれを許可すべく組合に懇請していた。佐賀市郡薬業組合(理事長川内一男)ではこれが対策のため数回の役員会を招集して協議したが、更にこの問題を契機として組合の自主規制を強化し、組合事業を活発にするため紙面による総会を開催し、大衆討議にかけ意志の統一をはかることにした。

 そこで組合員の意志にもとずき、三月一日午後三時、県側より石橋薬務課長、舟倉主任、組合を代表して川内理事長、島理事、大洋ストアーより古賀、柴垣常務が大洋ストアーに於て会談し、今後を正常なる薬店的対面販売をなし、業界の経済不安をひき起さぬよう県知事に対し誓約書を提出し左記の通り薬務課長を立会人として協定覚書を交換して調印を了り、漸くにして大洋ストアーの医薬品販売が許可された。なお大洋ストアーはこの機会に組合運営に賛助して金壱封を組合に寄付することになった。

 ◆協定覚書

 佐賀市郡薬業組合は、県下薬業の正常なる経済発展をはかり、過当なる廉売競争による不良医薬品の進出を防衛するため新規開業申請人「大洋ストアー株式会社」との間に左記の通り協定を実行する。そのため佐賀市郡薬業組合理事長川内一男(以下甲という)と申請人「大洋ストアー株式会社」(以下乙という)との間に協定覚書を取交す。

 記

 一、乙は一般販売業の許可申請が許可されると同時に、甲の組合に加入し組合員としての権利及び義務を有し、組合の規定に従うものとする。
 二、甲と乙は常に薬事法の精神に従い、県民の公衆衛生の向上に寄与し、相互に誠意を以て正常なる流通機構を維持し努めて過当なる廉売競争をさけ薬業界の経済的安定のため努力する。
 三、乙は甲の組合の自主規制に協力するため、厚生省の通牒に基く広告宣伝の規制を確実に履行し、販売価格についても業界の経済 不安をひき起さぬよう県に対し誓約書を提出してこれを履行する。
 四、甲の組合並に乙はその取扱う医薬品の販売価格を次のように定める。
 一般的には定価の一割引以内とし、特に大衆に宣伝広告され大量販売を余儀なくされる特殊の品目に限り二割引までを限度として販売する。
 前項の特殊の品目については別にこれを定めるものとする。
 五、甲と乙は医薬品をオトリ販売の具に供し、如何なる名目によるとも景品的販売又は二重価格の表示等ビラ、ポスター、放送等如何なる方法によるとも行ってはならない。
 六、甲と乙は常に県の行政指導に協力し、相互間に於て紛争又は意見の相違を生じ、自主的解決が困難な場合は、県の調停指示を受け甲乙共にこれに従うものとする。
 七、この協定は後日のため県当局の立会監督の下にこれを定め、甲、乙共に各一通を取交すものとする。
 昭和三十七年三月一日
 甲 佐賀市郡薬業組合
 理事長 川内一男
 乙 大洋ストアー株式会社
 代表取締役社長 西村惣吉
 立会人 佐賀県厚生部
 薬務課長 石橋忠
 尚 前記第四項の別に定める特殊の医薬品とは左記の通りとする。
 1.サロンパス 2.シロン 3.ノーシン 4.アリナミン 5.綜合強肝剤 6.綜合ビタミン剤 7.アンプル製剤

 紙面総会 業界の方針立てる アンケートの動向

 佐賀市郡薬業組合(理事長川内一男)ではスーパーストアー、大洋ストアーの薬品部開設許可に先だち、組合員に紙面総会の形式で次のように組合員の意見を集めた。
 然るに組合員の回答数五七通が集ったが
 @別記販売価格の協定についての諾否(自分もこれを厳守する)
 承諾するもの 四七
 A流通機構確立のためスーパーマーケットと地元問屋との取引を承認するか
 承認する 三六
 B大洋ストアーよりの寄付金について
 組合幹部に一任する 四三
 C組合の共同仕入事業を希望するか
 希望するもの 二五
右のような数字が現われ、今後の組合運営に大きな示唆が与えられた。

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 第十六回 日薬代議員委員会

 会長=高野、副会長=竹中・可児
 日本薬剤師協会第十六回通常代議員会は二月廿三、廿四、廿五の三日間東京で開催されたが、第一日は午前十時半から丸の内日本倶楽部で開かれ田島章太郎氏(和歌山)を議長として議事に入った。
 先づ議事運営委員九名を選び、次いで左の報告事項が担当理事から説明された。
 ▽報告第一、昭和卅六年度会務並に事業報告
 ▽報告第二、昭和卅五年度収支決算報告並に監事監査報告
 午后高野会長の挨拶(本紙別掲)に次いで来賓瀬尾厚相、安井自治相、中野衆院社労委員長、八田衆議院議員及び上田、鈴木、藤田、谷口の各参院議員の挨拶があり、他に当日の特別出席者武見日医会長は「三師会の提携は非常に意義深いものであり今後も益々強化して行きたい」と挨拶し、薬務行政担当者として出席した牛丸薬務局長は「諸君と一緒に、乱売問題解決のために一歩一歩、日常の経済活動を通じて改善して行きたいと思っている」と今後の行政方針を述べた。
 それより次の議案を一括提出し理事者側からそれぞれ説明があった。

 ▽議案第一号、昭和卅七年度事業計画に関する件
 ▽議案第二号、昭和卅七年度収支予算に関する件
 ▽議案第三号、日薬定款施行細則別表一部改正の件
 ▽議案第四号、日薬協会賞受賞規程一部改正に関する件
 ▽議案第五号、日薬定款並に施行細則一部改正の件(注=三号議案は会費値上げに伴うもの、四号議案は八名を五名に改めるもの、五号議案は日本薬剤師協会を日本薬剤師会に名称変更、役員は副会長二名を三名に増員する同時に職種部会の設置を認める等)

 何れも質疑応答の後、決算委員(二八名)、予算委員(三五名)、定款改正委員(三〇名)を選び、それぞれの議案を委員会に付託して第一日を散会した。

 翌第二日(廿四日)は各委員会を開会、付託された各案件につき活?な論議検討に終始した。

 第三日(廿五日)は午前本会議に於て各委員長から報告があり、第五号議案の副会長の項など一、二項目を修正した外、各案件とも執行部原案通り異議なく承認した。午后は任期満了に伴う役員選挙に移り、一九名の選考委員によって候補者を決めこれを本会議に諮って投票した結果は次の通り決定した(投票総数八二票)
 ▽会長=高野一夫
 ▽副会長=竹中稲美、可児重一
 ▽監事=稗忠雄、山内十造、大宮兼蔵

 日薬代議員会での 高野会長挨拶「要旨」

 会長として私は色々と努力はして来たが十分成果をあげ得なかったことは申訳ないと思っている。経済問題については、商業組合の員外者規制命令問題も厚生省と談合の結果、三月中には出る見透しがついた。又価格調整をやり易い様にするために団体法の改正が準備されており、これ等を綜合的に運営すれば明るい見透しもつく様である。日薬として小売業界の乱売に関する確たる資料が無いので、従って主張も弱くなることは洵に遺憾なことである。次に昨年二月から施行されている新薬事法が、都道府県によっては、その精神をはき違えて地方行政上に徹底していないことは、これ又遺憾なことである。例えば薬局薬店等の新設に当っても登録制と許可制とを殆んど同様に扱うかの様な実情が見られる。

 その他。日薬の歩みについて、病院勤務薬剤師の中に兎角、批判的な人が見受けられる様だが、日薬は今日迄病勤剤師のために仕事を勤めてやって来た。例えば給与改訂にせよ、国立病院薬剤師の定員増にせよ、日薬の運動がその成功の本をなしている。もっと視野を広くして日薬に協力して貰いたい。又日薬は三師会の提携を今後益々強化して行きたいと思っている。薬局の適正配置、開局権の制限など薬事法改正の重要問題は、医系の病院診療所の適正配置、開業権の限定などと相通じ、各自単独で改正することは仲々困難である。処方箋発行、即ち実質的医薬分業についても三師会提携の必要は益々大であり、そのためには地方三師会をより以上に設けられんことを要望するものである。

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 福岡県薬商組 理事・支部長会 四月廿七日総代会開会決定

 福岡県医薬品小売商業組合では第二一回理事・支部長会を三月六日午后一時から県薬会舘で開会、次の事項につき報告並に協議した。

 (1)日本薬業協会第二回、第三回理事会出席報告
 白木理事長から報告、第一回二回に於てはメーカーの考え方に不明瞭な処があったが、漸く三回目から三者(小売、卸、メーカー)の話合いも本格的となってメーカーの態度も好意的になり、次回よりは具体的な話合の運びとなる。

 (2)全国医薬品小売商業組合理事会並に全国薬業協同組合連合会出席報告
 各地区毎の加入の希望もあったが、福岡県は県一本として加入した、将来の見透しは同業組合の性格を持って経済行為も合せ行える様になり、一本として合理化されるものと思う。昨年十月十一日付で全国連合体は認可され調整規程は近く認可されるものと思う。

 (3)総代会開催の件
 昨日(五日)の臨時理事会で四月廿七日総代会を町村会舘で開催することを決定した。今回は役員改選期に当る、商組認識のため一般組合員の出席を奨励することとする。

 (4)その後の東映問題経過報告
 白木、藤野、形井の各理事から説明があった。二月六日覚書をとり換し、十日開店、九、十、十一、十二日と引続き接渉、地元卸屋も参加して十九日話合いをなしたが、東映側の主たった者が欠席したので目的を達しなかった。二十七日東映側の薬品部担当主任者が価格案を持って組合側と接渉することの約束を破って出席せず、東映側の誠意が一層疑がわれるに至った。組合側としては、価格は県と地元との二本建の線を出すことに決めている。

 (5)会費の件
 @東映対策費、A一般賦課金の何れも相等の未納があり、この際完納に努力し、尚且つ不足の分に対する対策は当日具体的に協議された。

 (6)県下の薬価調査表発表
 当組合に於て詳細調査した薬価表を当日発表したが、一般には公表しないことになった。以上にて支部会を終了。

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 福薬国保組合 臨時組合会に就て 理事会

 福岡県薬剤師国民健康保険組合では三月九日第九回臨時組合会開催についてその附議事項協議のため三月五日午后一時半から県薬会舘で第十六回理事会を開会、四島理事長、工藤常務外理事監事五名出席次の議題につき協議した。

 (1)第九回臨時組合会の三月九日午后三時から県薬会舘での開会を決定した。

 (2)同組合会附議事項
 ▽報告一号、国保事業実施報告について
 ▽議案一号、歳入歳出追加予算について(療養給付が不足するので予備費からこれを充当するため)
 ▽議案二号、規約一部改正について(助産費支給の値上と組合費の値上げ「組合員年額千二百円値上」のための改正)
 ▽議案三号、職員等退職給与積立金特別会計規程に就て
 ▽議案四号、一般会計歳入歳出予算について(前年度より一一%増の予算)
 ▽議案五号、職員等退職給与積立金歳入歳出予算について

 (3)被保険者証更新について
 四月一日より更新する。今回はウスフジ色、旧証は三月中に返すこと、大体組合費滞納者には新証は渡さないことにする。

 (4)保険料滞納者の措置について
 滞納者(保険料のみと県薬会費と共に)についての措置を組合会に諮る。

 (5)組合会議員、議長、役員改選について
 七月改選となる。

 (6)職員給与について

 (7)五周年記念式準備に就て
 十月頃にする以上にて理事会を終了。

九州薬事新報 昭和37年(1962) 3月20日号

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 開局薬剤師部会

 四月七日午前九時〜午后五時、第二会場(三号舘地下特二講堂)
 (一)開会
 (二)日本薬剤師協会薬局委員会報告
 (三)特別講演「欧米薬局の実態」(日本薬剤師協会長高野一夫)
 (四)シンポジウム「社会保険医療について」(日本医師会副会長、日本歯科医師会副会長、日本薬剤師協会副会長)
 (五)研究発表
 @調剤報酬改正に伴う保険薬局の影響について(神奈川 大田裕)A社会保険調剤請求様式の問題点(東京 松尾学)B開局薬剤師と公衆衛生活動の一例(神奈川 大内正文)C薬業経済不安と薬局製剤(東京 村田義郎)D薬局製剤の能率化(埼玉 神田完治)
 (六)特別講演「薬局のPR活動」(明治大学教授 清水昌)シンポジウム「薬局改造」
 (七)新薬事法による設備基準について(厚生事務官 大森薫)
 (イ)理想的な薬局改造方式(店舗建築研究所長 井関正)(ロ)医療融資について(医療金融公庫審査課長 松山忠夫)
 (八)閉会

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 学校薬剤師 部会

 四月八日午前九時〜午后五時、第二会場(三号舘、地下特二講堂)
 (一)開会の辞(神奈川県学校薬剤師会会長井関祐太郎)
 (二)日本薬剤師協会学校衛生委員会報告(日薬学校衛生委員会委員長小林泰朔)
 (三)日本学校薬剤師総会
 @挨拶(日本学校薬剤師会々長可児重一、日本薬剤師協会々長高野一夫)
 A事業報告(日本学校薬剤師会副会長永山芳男)
 B事業計画(永山芳男)
 C役員改選
 (四)特別講演「食品の腐敗」千葉大学教授宮木高明
 (五)協議会
 (六)シンポジウム「学校における薬品の問題点」座長=東京都立衛生研究所医薬品部長湯本芳雄
 @救急薬品(愛知県教育委員会渡辺正)
 A集団用薬品(駆虫剤=新潟県学校薬剤師会鈴村春海、栄養剤=東京都学校薬剤師会窪田栄一)
 B消毒用薬品(消毒剤=熊本県学校薬剤師会青木達、洗剤消毒効果=神奈川県学校薬剤師会高橋輝一郎)
 C理科用薬品(横浜市学校薬剤師会々長森下一男)
 (七)閉会の辞
 (八)懇親会

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 福岡県薬剤師協会 第八七回支部長会議
 執行部原案を変更し会費値上を決定

 福岡県薬剤師協会では第八七回支部長会第七三回理事会を三月九日十一時から理事会を、一時半から支部長会を県薬会舘で開会、甘木、三井、糸島、粕屋外一支部が欠席であった.。支部長会は五郎丸会長の挨拶に次いで直に左記協議に入った。

 ▽中央情勢報告
 (一)第十六回日薬代議員会報告
 二月廿三日から三日間東京で開催された日薬代議員会に出席した本県日薬代議員長野、野口、古賀、山本の四氏から報告があった。役員改選、会費値上げ、定款会則改正が主たるものであるが、役員改選は会長(高野)副会長(竹中、可児)は何れも留任となり、会費値上げはA会員五〇〇円、B会員三〇〇円の値上を決定した。又定款会則改正については会名を「日本薬剤師会」に変更、正会員は薬剤師に限定した都道府県薬剤師会員を以て日薬会員とする。従来の副会長二名を三名迄置くことができる様に改正され、職種別薬剤師会を設置し得る様規定されることに決定したのである。なお、本会に日本医師会長、歯科医師会長が列席挨拶したことは初めてのことであり、日薬が三師会の協調融和に積極的であることを示し、日薬としては地方に於ても三師会協調に一層の努力を注ぐ様地方協会に期待している。

 二)日薬共済部総会報告
 加入者は現在一、四七〇名であるが前年度の七四%に減っている、地方薬協でも加入者増に協力して貰いたいとの要望があった。

 (三)全剤連執行委員会、同評議員会報告 会長から報告があった、役員改選が行われたが、磯田副会長が辞任したので大分の瓜生田定氏が代って就任しその他は留任となった。参院選については連盟としては、剤界よりの統一候補は出馬しないことになっているので、全国区36名中医歯系その他六名に絞り協議し鹿児島の迫水、山口の重宗、医師会の谷口、歯科医師会の竹中など話題になったが、近く正式に決定して地方に通知することになった。

 ▽第十六回県薬代議員会開催について
 (一)期日、会場の件
 三月二十六日(月)福岡市の町村会場に於て開会決定した。
 (二)付議事項について
 報告一号 事業報告
   二号 日薬代議員会報告
   三号 会計中間報告
議案一号 事業計画の件    二号 会費決定の件
   三号 予算決定の件
   四号 定款並に細則一部改正の件

 報告並に議案についてはそれ?担当理事から別刷により説明があり、四号議案は日薬との関連上今年は準備が間に合わぬので次回に延ばすことになり、三号議案については相等活?な論議がなされ予算の一部を変更することを決定した。

 問題は歳出予算中第四款補助費に於て卅六年度は@病院薬剤師協会に対して十五万円、A女子薬剤師会に五万円、B学校薬剤師会に二十五万円、国保組合に十万円が補助されているが、卅七年度にはこれが廃項となり、補助打切りとなっていること及び第五款第一項の支部への報償金卅六年度の百三万五千五百円が卅七何年度には四十九万に減額されていることである。これについて執行部では次の様に説明している。

 去月開会の日薬代議員会でA会員五百円、B会員三百円の会費値上げが決定したので、県薬でもそれだけ値上げすれば何も問題はないのであるが、なるべく会員のために会費値上げをなさずして新年度を歩みたいと考慮して、これに代るべき財源として補助費の大部分の打切りと報償金の減額を決行することによって予算を組んだのである。殊に補助金制度については根本的に考え方を変え、従来育成するとの意味に於て実施し来たことを、今後はこれを県薬の事業と云う考えで、その都度必要経費は事業費より支出する。即ち補助費の名目をなくして県薬事業と云う考え方をとったわけである。

 これに対し、執行部の考え方については一同了解したが実際問題として、学校薬剤師会ではまだまだ年浅く、積極的活動を要する今日、独り立ちは困難である旨述べられ、又各支部では運営上これ亦甚だ困難であることが訴えられ、各自それ?の意見が開陳され、論議されたが、五郎丸会長は終に「原案通りか、補助復活、従って会費値上げか」何れかに結論つけて貰いたいとの発言があり、結局次の通り決定することになった。
 一、五百円(勤務者三百円)値上げする。
 二、値上げによる約五〇万円は学校薬剤師会に十五万円、病院薬剤師協会に十万円、残余を支部報償金に配布する。ことを絶対多数によって決定した。
 因て二号議案の卅七年度会費はA会員(薬局開設者及び上級勤務者)年額七千円、B会員(勤務者その他)三千三百円となったわけである。なお既存会員は八千円を一万円に値上げすることを決めた。

 ▽その他
 (一)保険調剤については三月提出の分からの請求書、明細書様式改正につき説明があった。
 (二)日薬の定款改正は全会員の半数以上の同意書が必要であるので各支部で三月廿五日迄に署名の上提出されたい。
 (三)会費滞納会員の措置については支部で退会届を、或は県薬より直接角文書を出したい。
 (四)季節の手帳は既に四ヶ年を迎えたが、この程スポンサーと協議の結果二ヵ年五万部迄の協力を得た、誌代一部一円は愛読者大会に当てるが、二千部以上の支部には還元するもそれ以下には還元しないことになった。これ等は市部の大会に招待することにする、四月中旬に大会開催計画がある。
 (五)福岡市支部は他県の県薬にも相等し仲々会費徴収には困難があるので会費完納報償金の面に於ては福岡市の部会を他の支部並に取扱うことを決定した。以上にて支部長会を終了、引続き「県連盟評議員会」に移った。

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 福岡県薬剤師連盟評議員会

 四島会長は先づその後の東映問題について説明、次いで参院選挙問題に移り、連盟としては統一候補は出馬しないことになったので他の立候補者中から理解ある候補者に応援したい。この点については時期の問題もあるので執行部に一任して貰いたいと希望、異議なく左様決った。

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 福岡国保 臨時組合会 組合費月百円値上

 福岡県薬剤師国民健康保険組合では第九回臨時組合会を三月九日午后六時から県薬会舘で開催した。四島理事長並に五郎丸県薬会長の挨拶後、角田議長は席に着き、組合会議員二五名中一七名出席、本日の組合会は成立した旨を宣し、議事録署名人に斉田、馬場の両氏を指名、それより直に議事に入った。

 ▽附議事項
 報告第一号 昭和三十六年度福岡県薬剤師国民健康保険組合事業実施報告について
 須原理事説明、承認
 議案第一号 卅六年度福薬国保組合一般会計歳入歳出追加予算について(佐々木理事)
 議案第二号 規約一部改正について(佐々木理事)
 議案第三号 職員等退職給与積立金特別会計規程について(野口理事)
 議案第四号 卅七年度一般会計歳入歳出予算について(工藤理事)
 議案第五号 卅七年度職員等退職給与積立金特別会計歳入歳出予算について(野口理事)
 一号議案は療養給付が不足するので予備費から充当するためのもの、二号議案は助産費支給の値上と組合費の値上げ(組合員年額千二百円値上)のための改正、提出議案全部異議なく決定した。

 ▽組合今後の運営に就て
 (1)被保険者証は四月一日より更新し新証はウスフジ色で旧証は三月中に返すこと、組合費滞納者には新証を保留することとする。 (2)七月の総組合会で組合会議員、議長、役員の改選を行うこととなる。組合会議員はなるべく県薬支部長兼任であることを組合運営上から希望する。以上に組合会を終了。

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 福薬国保 保険証更新 四月からウス藤色

 福岡県薬剤師国民健康保険組合もスクスクと育って四月の新年度で創立五年度に入ることになった。この新年度を迎えるに当り組み合では次記二、三の事項を組合員に対し連絡且つ要望している。

 (1)被保険者証更新について組合では四月一日付で新証(ウスフジ色)に更新するので、未だ旧証を提出されていない方は至急組合に送付すること、引換えに新証が送付される、旧証では四月一日以降は受診ができない。

 (2)助産費値上げについて
 従来助産費として出産の都度、千円を給付していたが、四月一日以降は二千円に増額された。

 (3)保険料値上げについて
 昨年中に二回に亘り医療費は引上げられ約20%の増高となっている。今後の医療費の見透しでは、現在の保険料(組合員四百円、その他百五十円)では国庫、補助率が20%から25%に引上げられたとはいえ、医療費の支払いに不足を来たすことは確実と見られるので、止むを得ず新年度から、去る九日開会の第九回臨時組合会に於ける決議により組合員四百円(月額)を五百円に引上げることになった。この五百円、百五十円の保険料は、全国の薬剤師国保或は福岡県下の他組合の保険料に比較して最低額のものである。

 (4)滞納保険料の一掃に就て
 国庫補助を年間約二五〇万円受けて組合の運営に当っている関係上、業務についての国の指導監査は厳重であり、特に滞納保険料は国庫補助にも関係し、又組合員相扶共済の趣旨からも是非完納すべきである。なお、長期滞納者は除名処分に付せられることもあるので充分留意すべきである。

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 福岡市薬理事会と実力者懇談会

 福岡市薬剤師協会では三月十三日県薬会舘に理事会を開き四月十日開催予定の定時総会事務分担などその準備につき協議し、本薬協としては今回は役員改選、会費値上の可否問題、又未納会費対策等、色々の問題を持っているので、この際、今後の会の確固たる発展策を考慮するため、福岡剤界の実力者十数氏との懇談の場を持つことを決め、早速翌々日十五日にその懇談会を開催、各自忌憚なき意見を開陳交換して福岡剤界のために努力、最善の道をとることになった。

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 昔を懐う◇宮原軍平

 礒田秀雄兄の「薬剤師生活五十年の回顧」の記録文を私は毎号興味深く真劔に愛読さしていただきました。同兄とは四十年来の御交誼をいただいて居る間柄でしたが、当時業界の動行を共に語り共にはげましあって、故白水象次郎氏のもとに行動を共にして居りました同志の内、今は森下源太郎兄は早く故人となられ、徳島敏雄兄は昨年末薬局を癈局されて、平尾の自宅に悠遊自適晴耕雨読の極めて恵まれた環境の中に健在、小生は終戦以来健康を害してもっぱら社界から身を引き、どこに居るやら居ないやらの存在になってしまって居ますが、ひとり礒田兄のみが業界の第一線に立って五十年一日の如く、今日は福岡明日は東京といった工合に薬剤師業界発展の為めに、東ほん西走福岡九州の礒田としてでばかりでなく、日本の礒田として広く剤界人に知られて居ることは、今更私が申し上げることもないことでしょう。

 私は同兄の毎回の回顧の記事を見るたび、あああんなこともあった、お互に手を取って大いに憤慨したこともあった、又われわれのみしか知らない、愉快な面白い思出話しも頭の中にちらちらと浮んで来ます。

 兄は薬剤師協会長としての外に、何々会長何々委員長何々議員など数へきれぬ程の公役職につかれて、華々しく御心労もあった五十年のあゆみの中にあって、回顧記事完結十六回目「近頃の私の健康」とした記事を見るにつけて、兄が健康であって大活躍されて居る時の事を振り返って見ての、私の思い出からして何とも寂寞な感に堪へないのであります。然し年齢的にいってもまだまださしせまったわけでもないのですから、きんこん一番御自重御自愛の上昔日の礒田兄とまでは欲ばりませんが再度業界の為め御活躍の機の来るのを切々祈って止みません。

九州薬事新報 昭和37年(1962) 3月30日号

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 福岡県薬剤師会 第一六回 通常代議員会
 役員改選、松村副会長の外は留任

 福岡県薬剤師会第一六回代議員会並に総会が三月廿六日十時から福岡市薬院堀端県町村会館四階ホールで開会された、出席者九十余名、先づ工藤理事の開会の辞、次に会長挨拶に次いで来賓祝辞が県知事代理尾崎薬務課長、九州、山口薬剤師会長瓜生田定氏、藤田第一薬科大学長代理から述べられ次に祝電披露、高野会長の電文次の通り。

 貴会代議員会に於て熱意ある論議が行われ、剤界諸問題の解決のため強力に前進されんことを祈ります。それより直に議事に移った。志岐議長席に着き、代議員六七名中只今の出席者三八名、因て代議員会は成立した旨を宣し、会員の死亡者五名に対して黙?を捧げた。

 ▽報告事項
 報告第一号 昭和卅六年度会務並事業報告
 須原理事から説明
 報告第二号 第一六回日薬代議員会出席報告
 代議員会長野、野口、古賀、山本の四氏から報告、従来は会期が二日間であったが今回は三日間であり、経済安定、医薬分業、日薬の組織等の問題が主たるものであった。従って会費の値上、定款改正に及んだと説明。
 報告第三号 昭和卅六年度歳入歳出中間報告
 鶴原理事は、中間報告は支部長、監事の承認も受けないので不備な点が多く非常にむつかしい、左様ご諒承下さいと述べ、以上三報告を一括して質疑に附し、種々質問もあったが承認。

 ▽議案
 議案第一号 昭和卅七年度事業計画決定の件
 福田理事から日薬の事業計画に基き作成した旨説明があり、質疑応答に入ったが、大体に於て今後は経済的政策に重点を置くこと、県審議会を有利に導くことなどを希望し、メーカーとの社保懇談会に関連しての質問などあって原案通り異議なく決定した。
 議案第二号 昭和卅七年度会費決定の件
 議案第三号 昭和卅七年度歳入歳出予算決定の件
 一括上程、佐治理事より説明、日薬会費値上げに応じてA会員五百円、B会員三百円値上げしたのみで、現在の物価高に対するため団体への補助金を実質的に減額した旨が特に説明された。女子薬の綱島氏から「特別事業費」の対象として備考中に女子薬剤師会を加えることの要望があってこれが承認され、その他質疑があって原案通り異議なく決定。
 議案第四号 定款並に細則一部改正の件
 日薬定款の改正に做い本県に於ても薬剤師協会を薬剤師会に、副会長二名を三名以内に改正のため定款並細則中の関係部分の改正である旨工藤理事から説明があったが、二、三質問の後原案通り可決した。
 ▽役員並に日薬代議員選挙の件(任期満了による)
 選考委員制によることになり、福岡地区から三名、北九州、筑豊、筑後各地区から各々二名宛、計九名の委員によって慎重選考の結果左記の通り委員長から報告、満場に諮って選考通り承認可決々定した。

 ▽会長=五郎丸勝
 ▽副会長=四島久、長野義夫、松村久吉(新)
 ▽監事=友納英一、吉柳富雄
 ▽代議員=長野義夫、古賀常吉、野口秀夫、竹内克己(新)
 ▽予備代議員=1馬場勘二、2三淵学、3南義雄、4高島慶四郎
 それより総会に移った。

 総会
 会長挨拶後須原理事から前記代議員会決定事項の報告があって、次の優良支部に対し表彰状並に褒賞金が各支部長に授与された。
 1若松、2八幡、3遠賀、4直方、5宗像の各支部

 それより県薬剤師連盟懇談会に移り、四島会長から先の参議選違反事件の結果、小倉東映問題その後経過状況久留米医大に関する薬品部設置問題、本年実施の参院選挙と本連盟、等について詳細な説明があって懇談会を終えた。次いで六時半早川氏の閉会の辞により代議員会その他一切の集会を終えた。

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 第二回 福岡県薬事審議会 薬局等構造設備基準審議決論を出す

 第二回目の福岡県薬事審議会が三月廿二日午后二時から県庁裏の建設会館で開催された。委員一五名中行政関係の岩川、本多、学識経験者関係の岡橋、内野の四氏が欠席であった。

 当日の議題は全会審議未了となっていた「薬局及び医薬品販売業構造設備整備基準内規案」であり、その審議で、特に論談の中心となった条項は薬局に関する条項中の次の二項であった。

 ▽調剤室を常時貫通する通路に使用してはならないこと。

 ▽関連物品及びその他の物品売場面積が医薬品の売場面積と同等以上のとき又はその他の物品が医薬品以外の物品の売場面積の二割を超ゆるときは原則として医薬品売場との間にガラス、板張り、又はこれらに準ずるもので隔壁を天井まで設けること。ただし隔壁には保安上1m(三、三尺)以内の扉を設けることができる。

 この二項について特に種々意見が開陳され、内容変更について審議会としての結論を出した。現在薬務課長によって意見の整理、結論による答申案について検討中であり四月早々具体案が出来上がるものと見られている。

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 福岡県女子薬 全体理事会 五月総会役員改選

 福岡県女子薬剤師会では全体理事会を三月十七日一時半から県薬会館で開催、先づ各支部の現況報告があり、次に会長より四月六〜八日に神奈川大学で開会される第十五回薬学大会に付いて説明があり、女子薬部会に於ては長崎県女子薬から女子薬地位向上対策の一つとしての調査資料をもとに給与ペースに関する研究を「九州に於ける勤務薬剤師の現状」と題して、野川フミ氏より発表をなすことに決った旨の報告があった。

 なお今回の総会(五月頃開催の予定)は役員改選期に当り、予算編成の必要もあるので、これ等について協議、各自の意見発表があった。その結果総会開会準備については福岡支部に一任することになった。尚、現山田会長は一身上の都合で非公式的に辞意を漏らしているので総会に於ける会長選出に関し候補者選考に幹部間では頭を痛めている模様である。

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 福岡市薬剤師協会 福岡地区協同組合 定例部会長会 会費値上問題協議

 福岡市薬剤師協会並に福岡地区薬業協同組合では定例部会長会を三月十六日正午から協会、協組と引続き開かれた。

 ▽協会側 先づ、去る九日開会の県薬支部長会報告を鶴田、馬場両理事からなされ、次いで季節の手帖については、愛読者大会を四月廿五日十時に西日本新聞社前に集合(参加者一六〇名の予定)し曲淵水源地、TNCテレビ内部見学、高宮浄水地参観によって催すことにした。尚五月下旬にカマ廻り英彦山登山をも計画している旨報告があった。次に権藤会長から本会々費について話しがあった。

 四月十日の総会は役員改選期であるので次期執行部に引継ぐために色々の調査をしたが、会費については完納部会が五部会、四分の一の会費は常に滞納の形にある。この際リストを作成する必要があり殊に一般善良な会員に非常な迷惑を及ぼす非協力会員の名簿を提出して貰いたい。尚先の県支部長会で福岡市薬協の部会は特に報償金の面に於ては他支部と同様な取扱いを受けることに決定した。部会長のない部会については今日迄正常の部会構成に努力して来たが未だ解決していないものがあるが洵に遺憾である。これ等の会員は今後支部直属として会費など徴集するが、納入勧告後六ヵ月間滞納した場合は退会届を提出して貰い、協会を必要とする会員のみの、本質的に強固な会を構成したいと思うと、その決意の一端が述べられた。

 次に馬場理事から新年度会費並に報償金について説明があった、会費値上げは止むを得ぬ事情にある。
 A会員
 日薬二、五〇〇円が三、〇〇〇円(五百円値上)
 県薬四、〇〇〇円(同)
 市薬一、五〇〇円を二、〇〇〇円(五百円値上)
 合計八、〇〇〇円が九、〇〇〇円(千円値上)
 B会員
 日薬七〇〇円が一、〇〇〇円(三百円値上)
 県薬二、三〇〇円(同)
 市薬一、〇〇〇円を一、二〇〇円(五百円値上)
 合計四、〇〇〇円が四、五〇〇円(五百円値上)

 報償金は七月迄に完納の場合日薬と県薬の合計六、五〇〇円に対し従来20%であったが新年度からは日薬の三、〇〇〇円に対し40%となったのでこれを標準に予算を組む必要がある。尚賛助会員の八、八〇〇円を一〇、〇〇〇円に値上したい。

 その他@今後配布物等については従来通り非会員は区別し、本人直接でない場合は部会長捺印の配布票を使用することとしたA調剤報酬請求書用紙は変更になったB請求明細書は当分の間前のものを使用のことC薬価基準改正は日薬協会誌二月号54頁を見ること、など説明があった。以上にて終了し引続き協組側に移った。

 ▽協組側
 須原理事長からその後の東映問題について次の様な報告があった。二月六日許可、十日開店組合と交換した覚書の内容は既にご承知の通りである薬品部は現在余り売れていない。然し宣伝並に安値のため漸次販売が増加することは必定である。地元卸商その他の斡旋にも拘わらず価格の話合いは仲々結論を得ない、近くに二、三廉売業者が存在するためである。県商組としては八ヶ月間この問題ととり組んだので相等の費用を要し又相等の赤字ともなっている。次に山手理事から組合費対策について要請があった。未納組合費及び対策費は至急納入して貰いたい。以上にて部会長会を終了。

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 福岡市薬勤務 部会三月例会

 福岡市薬協勤務部会三月例会を廿四日二時から若狭屋商店会議室で開会、先づ小児マヒ映画に次いで病院薬局業務の映画(九大薬局に於ける丸剤、錠剤、坐剤及びヒートシラーの実況)を映写、引続き九大薬局の鶴岡道雄氏の「ヒートシーラーの使用経験」と題した講演があった。それより協議に移り、四月例会は麻薬取扱いについての講習会開催、五月は総会開会を予定することを大体決めた。次に廿六日の県薬総会に臨む勤務部会としての態度を話合って四時半散会した。

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 挾子

 ▼某県の処方箋に関するアンケート実施の結果を見ると、薬局での調剤拒否の理由が「薬品の不所持」が約50%になっている一方「処方箋の不備」は約15%、矢張り罪は薬局にある様だ。強制分業でない今日、洵に止むを得ぬことの様ではあるが、今後何とか考慮しなけりゃならぬ問題である。

 ▼日薬の調査によると本年三月卒業の薬大生の就職状況は卒業総数二、三二六名の内一番就職率の大きいのは製薬、輸入、販売従事者即ち大会社勤務だが、約58%、病院診療所勤務が約10%、薬局を開設する者は僅かに約5%、今の若い者には薬局開設なんか魅力ないらしい。実質的に医薬分業になってない今日、尤なことである。薬局開設がアポのご隠居仕事の観があるのも亦尤もなことである。

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 薬界短信

 ◆福岡市校剤会理事班長合同会議=三月廿八日二時から県薬会館で開催左記事項を協議した。(詳細次号)  @卅七年度事業計画に就て
 A会費設定の件、その他

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 福岡県薬協 メーカー 第三回社保懇談会

 福岡県薬剤師協会とメーカーとの第三回社会保険懇談会が三月廿日一時半から県薬会館で久し振りに開催された。出席者は次の通り。
 メーカー側=三共、台糖、塩野義、稲畑、鳥居、中滝、化研、興和、中外田辺、山之内
 薬協側=中村、芳野、古川、側島、工藤

 先づ中村大牟田市薬協会長から「保険処方発行による病院経営改善方策の一試案について」と題する同氏編纂の別刷(医師処方箋発行の得失についての考察)について約一時間の説明があって懇談に入った。

 第一回二回の懇談会で医師発行の処方箋に対する処方箋料の新設の意義、医薬分業並に各メーカーの新薬拡売推奨との関連性について各自会得する処があったが今回は主としてメーカー側の意見を聞くことになった。当日のメーカー側の話しを要約すれば次の様なものであった。

 @メーカーがPRするに当っての隘路は未だ処方箋発行のムードが出来ていないこと
 A地方的(ブロック的)にムードを作る方が割合い容易ではないかとの意見
 B病院勤務薬剤師の考え方その立場を能く理解した上でPRすべきである
 C医師会の組単位ぐらいで説明会を催し、その結果によって次々と催すこと
 等であった。

 この懇談の趣旨に賛成して分業推進に協力されるメーカーは自社推奨の薬品のリストを協会に提出されたいと協会側から要望があった。協会側で纏めて一覧表を作成することを決定した。