通 史 昭和34年(1958) 日薬−県薬−市薬

 昭和34年(1959)

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 新国民健康保険法 1月1日より施行

 この保健法は国民皆保険を目指したもので未加入の国民2,300万人が35年度末までに加入することになる。

 九州ブロック選挙対策協議会

 1月12日午前10時 県薬会館
 高野選挙対策として九州各県代表者会議が行われ九州ブロック本部長に礒田氏が就任した。

 第13回日薬通常代議員会(2月23日〜24日)

 薬事法の改正促進に関する決議を行ったが出席した坂田厚生大臣は、今国会提案は困難な状況にあると挨拶した。
 日薬協設立10周年記念式(2月25日)
 礒田秀雄 古賀常吉 長野義雄 五郎丸勝の各氏が表彰された。
 石館日本薬学会頭「薬学会の分離独立」を宣言した(2月23日)

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 ☆☆コラム 乱売 34,3,20日号 ☆☆

 医薬品の乱売を静観していた大阪の九つのデパートが3月1日から一斉に総合ビタミン剤10品目の3割値下げに踏み切りいよいよ問題は深刻化した。

 日本薬学会社団法人として復活(3月7日)

 同会は昭和23年GHQの勧告によって日本薬剤師協会に併合され、その学術部という形で運営されてきたが文部省、日本学術会議、内外の学会等との交渉上支障を来たす場合が多いので復活したものである。なお23年の日薬との合併後従来の社団法人日本薬学会の解散登記は行わず法律上存続の形となっていた

 第12回日本薬学大会

 4月7日〜10日大阪毎日ホール
 参加5,000人
 日薬協会賞 松村久吉氏

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 小売商業調整特別措置法公布 4月23日

 ○購買会の員外利用規定(員外利用阻止)と紛争に対する県知事の斡旋や調停を盛り込んでいる。
 ○生協関係は除かれているが、その代わり消費生活共同組合法の一部改正で組合員外に対する販売や事業が小売業者に影響がある場合は許可してはならないとされた。

 福岡県庁薬剤師会設立総会

 5月30日午後1時 県薬会館 出席50余名
 会長 阿部理
 副会長 野口修一 中野重信
 事務局長 岩橋孝

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 高野一夫日薬会長 参議院再選(6月2日)

 高野候補は得票見込み30万票で5〜7万票不足するとし苦戦が伝えられていたが、336,139票獲得して当選した。

 厚生省調査 33年末現在

 薬剤師による開局 63%
 非薬剤師による開局 37%
 無薬局町村数 1,363

 福岡県薬業師会定時総会

 6月25日午前10時 消防会館 出席250名
 役員選挙 深田徳次郎氏(前会長)

全 国薬業共同組合連絡協議会

 6月25日 午後1時 大阪府薬会館 50余名出席
 1、組織強化について
  今秋全国連合会を結成したい
 2、再販売価格維持について
 黒竜、大正製薬が好成績を上げている。
 大メーカー6社でも研究しているので、全薬協組連の力で実施に持っていきたい。
 3、スーパーに於ける医薬品販売を規制するよう法制化する件について

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 スーパーマーケット実態調査

 参院調査団派遣
 参院社会労働委員会では6月24日、今後医薬品の特殊性を考慮して薬業経済関係問題も同委員会で取り上げること申し合わせた。従来は商工委員会で取り扱っていたものである。
 7月4日の理事会で、スーパーマーケットにおける医薬品の乱売を重視した参院社労委では、7月26日から31日迄問題が悪化している高松市、岡山市、福岡県、広島県に視察団の派遣を決定した。
 メンバー 加藤武徳委員長 高野一夫理事 阿具根登理事

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 ☆☆ コラム 水俣病 昭和34年7月30日号 ☆☆

 昭和28年も押し迫った暮れの15日に発見されて依頼6年来各界から注目されている奇病に水俣病がある。
 水俣地方のみに発生する病気で、先ず手足末端に知覚異常、次いで目や耳の視聴覚の故障次いで食物の摂取が出来ない状態に移り3割が死亡しているとのことである。
 ほとんどが水俣近海に取れた魚介を食して起こる。
 その原因が菌か、病原体か、或いは他の有毒素かと研究を続けられ、2年間熊本大学医学部で研究の結果は有機水銀の中毒と判定しているが、未だに結論に達していない。
 同市所在の新日窒工場より出る排水中の無機水銀となりこれが人体に害を及ぼすものであるらしい。
 沿岸漁民の獲ったものが売れず漁民の生活問題となりさらに8月中旬は生活保障要求問題で会社側と紛争を起こし、市や議会側が調停に乗り出した。

 昭和33年福岡県薬業界十大ニュース(1月20日号)

 福岡市薬業者有志が募集し発表したもの
 1、県薬国保の発足
 2、福岡県商業組合の発足
 3、礒田氏藍褒章受賞
 4、早川氏文部大臣表彰
 5、薬業懇談会発足
 6、県薬執行部交替
 7、歯科協定処方成立
 8、季節の手帳配布
 9、薬局の製剤発表
 10、薬剤師会館の整備

 福岡地区薬業共同組合

 「薬局脱脂綿(おたふくわた)」、「薬局石鹸(日産石鹸)」選定発売 1月

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 県庁購買会問題起こる

 県庁内に職員互助会による大規模な売店が新設され直営による薬局の開設問題が起きた。
 市薬協並びに市共同組合では3月14日午後1時から県薬会館で合同部会長会を開催し対策を協議。
 1、商工会議所でも問題になっておりその対策
 2、県当局並びに議会に対する反対陳情
 3、その他関連団体に対する協力依頼
 以上決定し常任対策委員を次の様に決定
 礒田秀雄、四島久、白木太四郎、大賀栄一、入江正俊、大隈次郎、須賀勇助、那須宗治、 峰松善人、波多江嘉一郎、工藤敏夫、波多江賢二、戸田蓮城

 昭和34年4月地方選挙

 古賀治氏県議選再選 44歳
 現福岡県薬剤師協会副会長
 福岡県薬業組合連合会長
 富永泰資氏村議当選
 友納栄一氏市議落選

 第13回福岡県薬剤師協会通常代議員会

 5月9日 午前11時
 正副議長選挙
 議長 志岐 寿一
 副議長 安部 寿

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 第14回福岡市薬剤師協会定時総会

 5月13日 午後2時 櫛田会館
 昭和32年度末会員 278名
 昭和33年度末会員 286名(A212、B74)
 昭和34年度会費 A会員8,000 B会員4,000
 昭和33年度決算額 2,025,520
 昭和34年度予算額 2,217,467
 役員選挙
 任期途中であったが四島会長より、友納氏落選の責任をとる意味で役員一同辞任したいとの申し出によるもの。なお当日は理事・監事の選出のみで正副会長は翌14日理事互選で決定。
 会長 権藤徹
 副会長 中島義雄 馬場正守 鶴田久雄
 監事 柴田伊津郎 富永昇蔵

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 第7回福岡市学校薬剤師会総会

 5月13日 午後1時 櫛田会館
 役員選挙  
 今回より任期2年とし全役員再任決定

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 第6回福岡県女子薬剤師会通常総会

 5月23日午前10時半 県薬会館 出席約80名
 特別講演
 「各国女性の地位について」
 世界各国視察帰朝談 火野葦平氏

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 第6回福岡県学校薬剤師会定時総会

 6月5日 午前11時 県薬会館 出席者薬100名
 昭和29年の学校薬剤師設置以来現在薬200名で300校を担当。早川会長挨拶より  「伝達講習会」午後1時
 1、学校保健法の概要及び学校薬剤師の職務
   県教育庁保健課 山下泰弘氏
 2、学校環境衛生検査の実施について
   八幡市平野小学校 神谷武信氏
 3、学校給食用の食品及び器具の検査について
   福岡市千代小学校 荒巻善之助氏
 4、学校環境衛生検査について
   久留米市小森野小学校 松枝栄一氏

 福岡市薬剤師協会同好会を設置

 6月15日の理事会で会員の親睦を目的として決定
 @魚釣り 担当 高倉
 A麻雀 担当 長野
 B囲碁将棋 担当 権藤
 Cカメラ 担当 天野

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 スーパーマーケット対策総決起大会

 6月20日 午後2時 県薬会館
 全国的にスーパーの医薬品販売が問題になってきたが福岡市でも西陣のサンエス商会、市役所横のバーゲンセンター、渡辺通りの司産業スーパー、箱崎のソゴウストアや香椎地区にもスーパーが医薬品部設置の動きをみせてきたためその反対運動に立ち上がったものである。
 なお、決議によりスーパーマーケット対策委員会を設置(委員22名)し、7月4日の委員会で白木氏を委員長に決定した。

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 第2回スーパー対策委員会

 委員の職務及び会員に対するアンケート内容を検討
 委員長  白木太四郎
 副委員長 須原勇助 塚田豊 藤野義彦 国武一人 碇道良 川上孟悟 宇山安宏 権藤徹 上田ヨシ江 綱島幸枝
 常務委員 指導部長 大隈次郎
      指導委員 藤田胖 吉村善吉 斉田和夫 大賀栄一
      統制部長 瀬尾周二
      統制委員 鳥飼善人 種兼肇 花田一郎 上野弥久治
      庶務部長 鶴田久雄
      庶務委員 勝目一郎 久保川憲彦 馬場正守 灘谷武重
      会計部長 工藤益雄
      会計委員 武田準一 柴田伊津郎
      委員 梅津てい 梅原茂俊 荒巻善之助 樋口泰滋 白木保美 細井徹一 小野信方 戸田蓮城 友納英一 山手陽一 三津家正友 柴田正夫 坂本励 獺越寿 早船助次郎 田添喜久子 西森基泰 白水静次 石田和長 岩永栄次

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 福岡市薬剤師協会部会長会

 7月14日 12:00 県薬会館
 第2回スーパーマーケット対策委員会の決議受けて開催
 1、白木委員長による現況報告
 @市役所横バーゲンセンターは今後3年間は医薬品販売中止。成功と見るべき
 A藤崎のサンエス、主婦の店中央店(渡辺通り)薬品は等分の間中止
 B箱崎のスーパーは中止確約
 C主婦の店(鳥飼)薬品部のイナバ薬局は一応考慮となっているがなお工作中
 D主婦の店(雑餉隈)は中止、しかしと理解が販売再開すれば開始する
 E仲屋百貨店支店及び西新町に新たな開設がある模様
 2、アンケート内容決定(要旨)
 @不幸にして阻止できず京阪地方のように3〜7割引の乱売になったとき正価を守るか何割引にするのか、それも協調して行うのか各自で行うのか。
 A乱売に突入したときの資金対策として一組合員当り1万円拠出(当時の平均日商5千円)、300万円又他団体の協力を得て500万円作りたい。
 B将来のスーパー薬品部進出の抑制及び割引訪問販売の阻止のため一部有名マスコミ品のサービス価格を協定したい。

 福岡市薬協勤務部会総会

 7月24日午後5時半 県町村会館 出席50余名
 会長に松村氏再選

 福岡大薬学部開設申請

 35年4月開設目指す

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 福岡県薬業商業組合緊急役員会

 8月19日 午前11時 県薬会館
 ○33年11月本組合の設立総会が開催されたがその後認可申請の手続きがされておらず、県商工課からの指摘で至急認可申請をおこなうこととした。
 ○友納副理事長及び那須専務理事辞任申し入れにより後任として副理事長に白木太四郎氏。専務理事に瀬尾周二氏が同日午後開催された福岡市スーパーマーケット対策委員会で推薦された。

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 福岡市薬剤師協会理事会

 8月25日 午前11時 県薬会館
 1、市国民健康保健連絡協議会報告
 委員として医療担当者側から。医師会6名、歯科医師会3名、薬剤師協会から3名(権藤、高倉、鶴田)委嘱され、6月15日第1回開催により発足しその後9回開催された。35年1月1日から市国保が実施されることになっており薬局の売上には脅威的影響を与えるものと思われる。
 2、季節の手帳について
 手帳中の「薬局の活動分野」の一頁は従来日薬本部から提供されていたが新聞社からの要望で市薬協より原稿を提供することに決定(第1回は9月10日まで)各薬局への配布は70部を50部に減じあまりは希望者へ有償で配布
 3、薬と健康展開催について
 35年2月大丸デパートで開催