通 史 昭和31年(1956) 日薬−県薬−市薬

 昭和31年(1956)

 協同組合活躍す

 第10回日本薬剤師協会通常代議委員会(2月10日)

 会長  高野一夫
 副会長 竹中稲美、野沢清人
 留任

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 昭和31年2月6日 第1回九州小売薬業連合会協会議会

 午後1時 熊本薬剤師協会事務所
 九州各地に官公労の生活給同組合が続々と設立され、その影響が大きくなり、それにつれて乱売問題が出てきたためその対策を協議した。
 なお、協議会の会長は福岡県が担当することとし、事務所も福岡県に置くことを決定した。

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 昭和31年2月20日 日本医師会の動き

 新医療費体系に反対して全国保険医総辞退決議

 福岡県薬剤師協会「薬事審議会」設置運動開始

 「陳情書」

 我々薬剤師にとりては来る4月1日より医薬分業が予定されており、調剤室の設備、調剤用医薬品の整備、薬局の適正配置、無薬局村への薬局開設、保険薬剤師の教育等、或程度の基準をつくり、指導を必要とする点がありますので、県に於いて薬事審議会を設置していただきます様御願ひ申し上げます。
 昭和31年3月1日
 社団法人 福岡県薬剤師協会 会長 磯田秀雄

 昭和31年4月1日 任意分業法実施

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 厚生省 医薬分業について都道府県へ通知

 分業の留意事項について
 1.薬局を管理する薬剤師の責務について
 2.薬局に勤務する薬剤師の責務について
 3.調剤応需の態勢の整備について
 4.処方箋の保存義務について(2年間)
 5.麻薬小売業者の免許取得について

 第9回日本薬学大会

 昭和31年4月6日〜9日 九大 参加約5,000名

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 厚生省 分業留意追加事項通知

 1.処方箋に記載する医薬品の名称は公定書名、一般名、または商品名のいずれでもよい。
 2.商品名を使用する場合は、処方医は(特)と付記すること。
 3.(特)の注意がなくて、その商品名の医薬品が手許ない場合は、他の同一成分分量を含有するものを使用してよい。

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 昭和31年5月20日 コラム 九州薬事新報

 ▽医師会のアバレン坊で有名な武見前副会長が、薬局の選び方について次のようなビラを患者に配布した。

 @処方せんを批判する薬局、A別によい薬がありますと別の薬をすすめる薬局、B病状を聞いて勝手な説明をする薬局、C自分のところで注射してあげるという薬局、D処方せんの期間が過ぎたのを調剤する薬局、E薬剤師の名義を借りていて平常はいない薬局、この様な薬局にはお頼みならない方がよろしい。

 ― 仲々面白い ―

 ▽新規開局の距離問題が全国的に問題になりつつある。現在都の武蔵野地区協組で問題が火の手をあげている。「300m以内に新規に開局しないこと」という規約があり、そこに問題が生じ協組理事長が辞任した。

 福岡地区では100mになっているが、規約を無視するのが非常識なのか、規約そのものが無理なのか・・・。

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 昭和31年6月29日 福岡市学校薬剤師誕生

 福岡市学校薬剤師会発会式並びに辞令交付

 午後2時 櫛田会館 出席 57名
 会長  友納英一
 副会長 矢野憲太郎、柴田伊津郎
 監事  工藤益夫、早船助次郎
 福岡県学校薬剤師会理事
 友納英一、矢野憲太郎、柴田伊津郎、早船次郎、宇野益夫
 福岡市学校薬剤師会理事
 柴田源一郎、富永九郎、小金丸三郎、石田和長、宇野益夫、岸田清輝

 ○小学校担当

 秦雄三、岸田清輝、徳永文夫、河辺武雄、佐々木正喜、馬場正守、篠崎正十郎、柴田益美、荒巻善之助、梅原茂俊、武田準一、樋口泰滋、塚田功一、灘谷武重、花田一郎、野入益穂、細井徹一、因幡正義、倉等、白木太四郎、山口十郎、矢野憲太郎、松枝茂雄、富永九郎、友納英一、小田浩平、榎田睦、松尾英熙、久保川憲彦、竹内文人、波多江嘉一郎、大島源三郎、石橋光一、田尻浪一、坂本妙子、土肥善衛、竹尾啓二、西森基泰、河野貞子、田添喜久子、川上孟悟、勝野?子、那須春枝、白水静次、重松俊康、船津静夫、宇野益夫、上野弥久治、大橋喜平、藤幸江

 ○中学校担当

 平野哲郎、徳永文夫、馬場勘二、柴田伊津郎、須原勇助、広田勇、工藤益夫、西島朝喜、鳥飼善人、因幡正義、柴田源一郎、鶴田久雄、大隈次郎、三津家正友、瀬尾周二、平山良次、藤田胖、早船助次郎、小金丸三郎、田添喜久子、石田和長、仁位弘、三根東三

 昭和31年7月8日 竹中稲美 参議院議員選挙に敗れる(7月8日)

 30万票を目標にしたが得票は198,913票であった。
 医師会は全国区5名立候補中2名当選、地方区6名中3名当選し、歯科医師会は全国区1名立候補し当選した。

 日薬 薬事法改正大網決定し厚生省へ提出

 8月20日薬事法改正特別委員会で決定
 @体系としては身分法と業務法に二分する
 A薬剤師会令を設定し、都道府県毎に組織を作り中央組織はその連合体とする。そしていずれも法による強制設置とする
 B会員は薬剤師に限定し、名称は薬剤師会とする

 厚生省ペニシリンショック防止対策通知

 医薬制度合理化同盟全国青年行動隊

 「全国青年薬剤師会」と名称を改める

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 薬と健康の週間

 11月19日〜25日
 主催 日本薬剤師協会、都道府県薬剤師協会
 後援 厚生省、都道府県、薬事関係団体
 1.医薬分業制度の普及
 2.純良医薬品の知識と正しい使い方
 3.覚せい剤防止運動への協力
 4.その他

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 第6回全国学校保健大会

 10月13日〜15日 大津市 参加2,000名
 全国学校薬剤師大会(10月12日) 参加約200名

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 薬事法改正問題で日薬と二号業者(薬種商)の対立激化

 日薬は薬種商の廃止を主張。これに対し薬種商は「薬業師」の名称で身分の制度化を主張した。

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 福岡県薬業協同組合連合会、メーカー、卸と三者懇談

 1月20日 正午 クラブ九州 出席 約40名
薬業界における各種購買会及び生活共同組合の進出による乱売対策が緊急問題として浮上していた。

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 福岡市薬剤師協会理事会

 2月13日 午後2時 県薬会館
 ○学校薬剤師設置の件
 馬場会長 経過報告し、4月の日本薬学大会へ向けて実現のため、市長、市議会等へ陳情を行うことを決定。

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 福岡地区薬業協同組合「福岡薬業青年隊」結成

 2月20日 県薬会館
 福岡地区薬業協同組合では、生協購売会の圧迫、同業者の乱立、乱売等の難問題に直面し、その対策の一つとして問題処理を目的に、実際に活躍する薬業青年隊の結成を行った。
 なお、隊員は40歳以下の組合員とし約80名中20余名出席した。
 隊長  石田和長
 副隊長 種兼肇、細井徹一

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 福岡地区薬業協同組合部会長会

 3月7日 県薬協会館
 1.新規開業対策に関する件
 100m以内(歩行距離)には新規開業を認めないことを申し合わせた。
 なお、既設の馬出(佐々木)、春吉(矢崎)、高宮(岩永)の件について協議したが結論出ず。
 2.組合非協力者対策に関する件
 @組合の認めないものに協力する者
 A乱売者
 以上を一応非協力者とみなすことを申し合わせた。

 第10回福岡県薬剤師協会通常代議委員会

 5月15日 午前10時 福岡商工会議所
 会長  磯田秀雄(留任)
 副会長 五郎丸勝、古賀治(留任)
 監事  鶴原正蔵、友納英一

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 第3回福岡県学校薬剤師会総会

 5月7日 午前10時 給食会館 出席 約60名
 伝達講習会実施
 1.学校薬剤師の制度について   福岡市 馬場勘二
 2.学校薬剤師執務の実際について 福岡市 友納英一
 3.その他

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 第11回福岡市薬剤師協会定時総会

 5月23日 午後2時 櫛田会館 出席 282名中40名
 31年度予算額 2,308,845円
 会費 A会員 7,800円 199名
    B会員 3,500円 83名
 会長  四島久
 副会長 波多江嘉一郎、斉田一夫
 監事  柴田源一郎、工藤益夫

 福岡県薬剤師協会新役員会

 6月3日 午後2時 県薬協会館
 新理事
 専務理事 須原勇助
 理事 柴田源一郎、大隈次郎、柴田伊津郎、藤純太郎、山本秀一、佐々木正喜、長野義夫、屋形健一、塚元久雄、馬場勘二、工藤益夫、藤野義彦、早川政雄、加藤多美子
 県薬協主催による三志会開催決定(6月12日)

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 第3回福岡地区薬業協同組合臨時総会

 6月9日 午後2時 櫛田会館 出席36名
 白木理事長外役員全員の辞任により開催
 理事長 馬場勘二
 理事  瀬尾周二、二位顕、樋口甲、高崎知臣、三位所清澄、大島源三郎、深田徳次郎、田中日出夫、木村基
 監事  荒巻政次郎、富永泰資

 福岡県青年薬剤師会設立総会

 6月20日 午後2時 櫛田会館 出席33名
 会長  古賀治(大牟田)
 副会長 樋口昌徳(飯塚)、安部寿(八幡)、瀬尾周二(福岡)
 監査  富永九郎(福岡)、佐治八郎(飯塚)

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 福岡県女子薬剤師会 福岡地区支部総会

 7月1日 午前11時 正金グリル 出席 40名
 支部長  鶴キヨ子
 副支部長 森山とみ江、綱島早苗
 会計   藤幸江

 私立薬科大学設立の動き

 福岡薬業界は久留米市に。
 佐賀では鳥栖市に。

 福岡県病院薬剤師協会発会式並に創立総会

 8月11日 午後3時 九大薬学科講堂
 会長 松村久吉(九大薬局長)
 日本病院薬剤師協会(30年5月設立)の下部組織として設立。
 当面の問題は人事院の給与改正勧告中に「薬剤師を医療職から除外し、一般行政職に入れる。」ということに対して取り組むことであった。

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 第4回福岡地区薬業協同組合 通常総会

 8月25日 午後1時 百道海水浴場設備屋ホール 出席 64名
 非適正薬局対策について公正取引委員会の勧告もあり、統制を撤廃すべきかどうかでもめ近く臨時総会で検討することとした。

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 第5回福岡地区薬業協同組合 臨時総会

 9月11日 午後1時半 恵比須会館 出席73名
 大賀薬局新柳町支店、長野薬局新規の開局について問題が生じ、理事者間にも距離制限するかどうかで意見の相違があったが、総会では、統制(制限)すべきであるというのが殆んどであった。
 しかし、その具体案については、結論が出なかった。
 又、乱売対策も含めて、理事を増員することになり、友納英一、荒巻実、吉村善吉、斉田和夫、冨永昇蔵、国武一人、峰松善人の各氏を指名したが、国武氏を除き就任の承諾を得られず、馬場理事長は一時辞表を提出し、退席する騒ぎとなったが、須原議長も後日就任要請に協力することでおさまった。

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 福岡地区薬業協同組合部会長会

 9月12日 午後1時半 県薬協会館
 1.乱売者に対しては、その所属部会で反省を求め、もし反省しない者に対しては、定款に基づいて制裁を加え、又配給ルート遮断等の方策を取る。
 2.新規開業等に大賀薬局支店開設問題については1.と同様の手段をとるよう進める。

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 福岡地区薬業協同組合理事会

 9月7日 午後2時半 県薬会館
 9月1日の臨時総会で新たに指名された7名の中で、斉田氏が固辞されたため、戸田蓮城氏が代わりに指名された。

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 薬と健康の普及展(観覧車2万人で盛況)

 31年10月16日〜21日 大丸デパート4階
 福岡県、福岡市、県薬剤師協会、市薬剤師協会主催で実施。なお、11月に行われる「薬と健康の習慣」とは別個のものであるが、市薬協は行事が重なるので、11月は実施しないことにした。
 1.薬効別医薬品展示
 2.有名製薬会社より特別出品
 3.学術映画
 4.血圧測定
 5.結核の保健及び医療相談指導
 6.その他

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 第6回福岡地区薬業協同組合 臨時総会

 10月11日 午後2時 労働会館 出席84名
 大賀薬局支店開設問題 卸協会の具体的な協力まとまらず、継続審議となる。

 第7回益進クラブ総会

 11月11日 午後1時 恵愛会館ホール 出席 約70名

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 福岡県学校保健大会

 11月30日〜12月1日 福岡市立女子高
 研究発表
 「児童の視力について」 馬場正守(筥松小学校)

 福岡県病院薬剤師会 臨時総会

 12月8日 午後2時 九州温泉センター 出席 約150名
 松村会長 挨拶
 「人事院勧告(7月一般行政職に含めたこと)の不合理に対する日薬並びに日病薬の猛運動の結果は、その目的であった医療職編入を実現(11月7日)したが、特に衆・参 野沢、高野議員の国会、その他に於ける活躍のおかげで、我々としては感謝にたえないところであり、国家に我等の代表者を持つことがいかに大事であるかを痛感した次第である。以下略」