通 史 昭和24年(1949) 日薬−県薬−市薬

 昭和24年(1949)

 第1回 薬剤師国家試験実施(5.15日)受験者2,800余名

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 厚生省23年の麻薬違反件数発表

 医師 729件、薬剤師 170件、歯科医師 89件、獣医 28件、無資格者 725件 計 1,741件

 日薬会員数 正会員 9,306名 賛助会員 53社

 福岡は未報告

 欧州を風靡するイタリア風邪 日本も対策準備

 23年12月にイタリアで発生し、わずか1ヶ月で欧州全土に広がったもので、日本にも浸入必至と予想される。

 ペニシリン大幅値下げ

 国産ペニシリンの大幅値下げを急いでいた物価庁では、2月22日新価格を告示した。従来高価薬と見られていたペニシリンも、今回の改正で対象薬と見られるようになった。

 10万単位入り 260円、20万単位入り 838円

 家庭配給輸入DDT

 6大都市と福岡市に限り、輸入DDTが1家庭平均2個(150g入)の割合で配給されることになった。

 日薬学校衛生委員会 学校薬剤師設置促進の動き

 全国薬剤師協会長会議(3月24日)

 厚生省薬務局廃止案に絶対反対を決議。4月4日の臨時閣議で存続決定。

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 米国薬学使節団 マッカーサー元帥の招請により来日(6月29日)

 団長 グレン・エル・ジェンキンス博士(米国薬剤師協会長、パーヂュー大学薬学科長)
    ヒュー・シー・マルドン博士  (ヂュケスン大学薬学科長)
    トロイ・ダニエル博士     (カリフォルニア大学薬学科長)
    ドン・フランタ氏       (ミシガン大学付属医院薬局長)
    エフ・コイス・フランゾール氏 (米国薬事委員会連合会副会長、ワシントン市で開局)

 日薬臨時総会(7月5日〜7月7日)

 米国使節団を歓迎して行われた。この年、マッカーサーの要請により、日本の制度、事情等社会問題にまで、各種調査及びそれを基にしての勧告を目的とした米国使節団に薬剤師会は多大の期待を寄せた。


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 覚醒剤の乱用、社会問題化 九州薬事新報覚醒剤問題で大いに批判

 ▼社会問題にまで発展している覚醒剤問題について、全国開局薬剤師は「何も知らぬ半兵衛」を決め込んでいる。

 ▼開局者を対象とする世論調査(大阪府薬協)で63%が「製造禁止するを可とする」と回答。「直ちに販売取止めを可とする」というのはズット降って、18%弱だそうで、この間にきたない心の流れがある。

 ▼さんざんお客本位のご希望通り、今日まで売ってきて、ようやく社会問題となり、薬品の性質について百も承知の薬の専門家である薬剤師が、非難の的となりそうになってあわて出し、直ちに自粛「吾等は即刻販売を中止すべし」とはいわず、断るに困るから「製造を禁止せよ」とは余にもエゴの言い分で虫がよすぎる。

 ▼某幹部薬剤師がある公開の席上で「私は薬局も被害者の一つだと考えています」と放言したそうだが、ここに至って何をか言わん、鉄面にも程がある。

 ▼市警察の報告によると、調査した開局者の80%が薬事法(劇薬としての販売手続)を無視しているそうだ。開局薬剤師顔色ありやと言いたくなる。

 ▼米国使節団は「日本薬剤師よ、今後一層一般大衆の保健衛生に対し極力奉仕せよ。これが薬剤師の社会的地位を向上し、大衆には尊敬され、医薬合理化が実現する起因となる」との言葉を残して行った。

 ▼「覚醒剤と薬剤師」この薬剤師に対し医薬分業が望めるであろうか。この薬剤師に対し、安心して調剤が委せられるであろうか。薬剤師よ、よくよく三省すべきであろう。
 S.24.9.10日号


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 米国使節団薬事勧告書提出

 米国使節団は7月に来日し、1ヶ月にわたり、本州及び九州を視察し、勧告書を提出した。9月13日、サムス准将は、厚生省及び三師会の代表を総司令部に呼び、それぞれに手渡しした。

 その内容は45項目に渡るが、法律的、教育的方法で完全医薬分業を目指している。調剤に関する医師の特例事項の廃止、薬局の分散及び過剰防止のための開局制限、薬種商は新たに認めない、又薬事審議会等の委員は過半数を薬剤師とする等。 これによって、分業運動はいっそう加速度を加えることになった。


 旧福岡県薬剤師会 解散総会(1月12日)

 第1回 福岡県薬剤師協会代議員会(第1回総会)(1月12日)
 福岡商工会議所にて40名出席
 会長  磯田秀雄(福岡県医薬品協組理事長)
 副会長 五郎丸勝、四島久(協組専務理事)
 理事  白木太四郎、須原勇助、田熊清隆、竹内文人、鶴原正蔵、辻進、長野義夫、野口勘三郎、松村久吉、八牧貫一
 監事  梶原正造、中村吾一郎

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 福岡市薬剤師協会主催 学術講演会

 24.2.5日 午後1時 福岡市商工会議所 出席110名
 1.「新薬事法の実際について」県薬務課 尾崎技師
 2.「皮膚科領域における最新の新薬試験経過 ペニシリン及び抗ヒスタミン剤の効力について」 九大医学部 樋口教授
 3.「薬局に必要なる試験法」九大薬局 栗原氏
 4.「塩化安門中毒死事件の真相調査」前原町開局 井手氏
 薬業界の集会としてはまれに見る盛況さであった。

 福岡県製薬協会創立総会(2月19日)

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 福岡市薬剤師協会世論調査実施

 会員に対するアンケート調査を行っているが、その結果は、
 1.会運営についての希望は@薬剤師の業権拡張A補習教育B開局者の営業改善C官庁との連絡D学術研究団体E教育と政治の順
 2.講演、講習会の内容について@通俗医学A新薬の解説B経済講演及び公衆衛生C薬局経営及び薬品鑑定Dその他

 磯田薬局の慶事

 福岡市のイソダ薬局主 磯田秀雄氏 長女幸子さんと、熊本市 吉野照子氏 三男正之氏が今回目出度く結婚された。正之氏は昨年、熊本薬専卒業以来、同校にて勉学。幸子さんは福岡高女出身の才媛である。
 4月10日福岡西中洲みかど食堂で披露宴が催され、来賓100余名、実に盛宴であった。
 九州薬事新報 4月10日号

 第2回 福岡県薬剤師協会通常代議員会開催

 6月25日 福岡商工会議所
 米国薬剤師使節団歓迎の九州薬剤大会開催に関する件、福岡県薬政会結成の件、他

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 第2回 福岡市薬剤師協会通常総会

 7月9日 午後1時 福岡商工会議所 出席者 約50名
 ○講演会「夏の育児衛星について」講師 九大小児科 遠城寺教授
 議事 会務報告(小松理事)
   会計報告及び24年度予算案(柴田理事)
   事業計画 3回の講演、会員名簿作成 他
   筑紫郡分離独立による定款一部改正(1市5群を1市4郡に)
   米国使節団歓迎 九州薬剤師大会開催の件
   福岡県薬政会 福岡支部結成の件 他

 博多仁輪加「医薬分業」

 「使節団の団長さん、日本医薬分業はどうなりますとな?」
 「そらぁ〜、あんただち薬剤師が、しっかり運動ば、しなれにゃむつかしかバイ。」
 「それが50年来分業運動して、金もつかいはたして、運動資金もござっせんたい。」
 「金銭のことぁ〜、心配しなさんな。大体あたきが(ジェンキンス)ゼンキン、ゼンキン」
 スハラ
 (注:米国使節団長 グレン・エル・ジェンキンス博士(米国薬剤師協会長))
 9月10日号

 薬業短信

 西新薬局開局披露宴 24.10月 開局者 竹内文人氏(福岡薬販社長)