福岡市急患診療 医薬品集

第 7 版

序    文

 2000年ミレニアム(千年紀)の幕開けの年となりました。心配されましたY2K問題も関係各位の周到なご配慮もと特別な事態のの発生もなく無事にクリアーすることが出来ました。厚く御礼申し上げます。

 福岡市の急患診療事業は、昭和49年5月以来26年の実績を数えるまでとなり、現在では年間6万1千余名の救急患者の救命と初期治療にあたり福岡市民のみならず、近隣の市町村の住民にも貢献しています。

 平成9年6月からは、市民の強い要望に応え内科・小児科に限ってではありますが平日夜間急患診療を開始するに至り、文字通り年365日、福岡市民の一次救急を担い安心と安全を確保しております。

 さて、医薬品の研究開発は日進月歩の勢いで進んでおり治療にも多大な効果を発揮しておりますが、反面種々の副作用の報告もあり、福岡市急患診療センターにおきましても4年毎に医薬品の追加や変更を行ってまいりまいた。

 昨年、2回に亘り先ず医師会におきまして福岡市急患診療医薬品集改訂委員会を開催し、協議しました結果を薬剤師会の先生方による医薬品集編集委員会において、更に十数回ご審議いただき本医薬品集第7版を平成12年4月1日付けにて発行の運びとなりました。関係各位のご努力に深く感謝申し上げます。

 福岡市急患診療センターに準備します医薬品の中には、日頃先生方が診療で使用されている医薬品とは異なる種類もあることと存じますが、何卒事情をご賢察のうえ、ご了承の程お願い致します。また、事前に本医薬品集をご熟読のうえご活用されますとともに、約束処方の利用にもご協力賜りますようお願い申し上げます。

     平成12年4月1日
     福岡市医師会 会長 竹島 康弘


第7版 改定の編集にあたって

 昭和50年5月に初版を発行して以来、4年毎に改訂を行い、第7版を発行することになった。

 今回は、福岡市薬剤師会学術委員会と急患委員および急患診療出動者数名の共同作業で編集行った。今回の医薬品集は、新記載要領に沿って改訂された添付文書に従って編集した。

 患者の安全を確保し、適正使用を図り、医薬品の使用にあたって、使用禁忌や副作用、相互作用について一層の注意を喚起する目的で、「警告」「禁忌」「原則禁忌」「併用禁忌」については極めて重篤かつ非可逆的な副作用が発現する場合、又は副作用が発現する結果極めて重大な事故につながる可能性がある場合、特に注意を喚起する為、黒枠で囲み、見やすくし、それぞれ採用薬品の冒頭に記載した。

 又、重大な副作用や事故を防止する上で特に重要な使用上の注意がある場合は、それぞれの項目に記載した。注射薬の溶解方法、薬物動態データの追加など、第6版に比べ、かなり内容が充実されている。

 約束処方に於いては、読み違えをなくすため、略号を変更した。当然のことながら、副作用、相互作用の項が大幅に増加している。しかし全体の頁数に制限があるため、添付文書の内容を変えないで、出来るだけ簡略化する様に要請があり、編集委員それぞれが努力を強いられた。

 この医薬品集は、急患センターで医療にたずさわる先生方に活用されることを願い、誠意を込めて作成いたしました。

 編集に当たり医薬品の選定にご努力頂いた福岡市医師会医薬品集検討委員会の先生方、また、各編集委員の先生方に深甚の敬意を捧げます。


医薬品集

平成12年4月1日発行

 発  行 社団法人 福岡市医師会

 編  集 社団法人 福岡市薬剤師会

編集委員

担当副会長 市花  晃(福岡市立こども病院 薬局長)

編集委員長 千坂 善弘(浜の町病院 薬剤部長)

編集 委員 中尾 泰正(福岡市立こども病院 副薬局長)

  々   豊福 順一(千早病院 薬局長)

  々   龍 三千子(友愛病院 薬局長)

  々   山本 淳子(株式会社 薬局白十字)

  々   堀之内真紀((有)アワーズいずみ薬局)

  々   高木 淳一(そよかぜ薬局)

  々   権藤 雅彦(長尾病院 薬剤科長)

  々   白石 聡美(株式会社 そうごう薬局)

  々   神崎 圭子(原病院・前薬局長)

  々   野村 徳子(松尾内科病院 薬局長)

  々   野見山 登(福岡市薬剤師会薬局)

  々   今岡  恵(恵愛団薬局)

  々   成沢 哲夫(福岡市立急患診療センター)