福岡市急患診療 医薬品集

第 6 版

序    文

 阪神大震災、オウム事件と日本全土が揺れ動いた平成7年の年も終わり、期待で迎えた平成8年は未だバブルの後遺症やいじめによる自殺など暗いニュースがマスメディアを賑わす昨今です。

 医療福祉面におきましては、入院看護の大幅見直し、在宅医療の促進、特に付添い看護の解消や公的介護保険の法案化と大きな転換期を迎えております。

 急患診療センターも早良区百道浜に移転して5年目を迎え福岡市のみならず近隣の市町村からの患者さんも多く、その数は来院者の1割に達します。週休2日制が定着しつつある今日においては、急患診療センターに対する期待と役割もますます増大しております。

 医薬品の研究や新薬の開発は日進月歩の勢いで進んでおり治療及び効果範囲も拡大され、それに伴い急患診療センターにおいても医薬品の追補・変更がなされております。また、今回の改訂は平成7年7月1日施行のPL法(製造物責任法)に対応すべく注意事項等の記載についても配慮いたしましたので適応症、副作用等をご熟読の上でご使用いただくようお願いいたします。

 本医薬品集も第6版となり発刊より20年を経過し内容もより充実したものとなり、これまで以上に急患診療全スタッフの必携の書になることと確信いたします。

 最後に、医薬品の選定にご尽力いただいた改訂委員の各先生方、並びに編集を担当された福岡市薬剤師会の編集委員の方々に対し深甚のの謝意を表します。

     平成8年4月1日
     福岡市医師会 会長 多田 秀敏


第6版 改定にあたって

 この医薬品集は昭和50年5月に初版を発行して以来版を重ね第6版を発行することになった。

 今回の改訂は、前第5版改訂と同様に、福岡市薬剤師会学術委員会と福岡地区勤務薬剤師会学術委員会の共同作業で行った。

 添付文書の記載内容が平成6年11月に日本製薬工業協会が自主的に記載内容の改訂を行い、改訂にそった添付文書の発行期限を平成7年12月までとしたこと、さらに平成7年7月からPL法が施行されたことから、第5版にくらべ使用上の注意の部分が大幅に改訂されると同時に内容が増加し、特に一般的注意、相互作用が詳細になり、その他の項に外国での副作用発生例が多くの薬剤で追加記載され、また、新たに高齢者への投与の項がほとんどの薬剤で加わり、さらに過量投与時の処置などについても記載された薬剤もあった。

 従って使用上の注意の部分は医薬品集にすでに収載されている薬剤もほとんど新たに書き換えなければならなkった。

 さらにPL法の施行によって編集作業中にも内容の追加や変更が頻繁に発生し、その度に書き換えを行い、最終的に10月末時点での最新情報によって編集したが、各編集者は大変な苦労を強いられた。

 これらの事情から今回の医薬品集の頁数も大幅に増える結果となった。

第5版編集当時に決めていた簡略化の方法などは大幅に変更せざるを得ず、新たに作り替えて統一化を計ったが、各メーカーの表現などがまちまちで種々の疑問が発生し、充分な統一化はできなかった点はお許し頂きたい。

 この医薬品集が急患センターで医療にたずさわる先生方に活用されることを願うとともに、編集に当たり医薬品の選定にご努力頂いた福岡市医師会医薬品集検討委員会の先生方、また、様々な要求をくんで努力して下さった各編集委員の先生方に深甚の謝意をささげます。


医薬品集

平成8年4月1日発行

 発  行 社団法人 福岡市医師会

 編  集 社団法人 福岡市薬剤師会

編集委員

編集委員長 長谷川宏明(済生会福岡総合病院 薬剤部長)

副 委員長 唐澤 博順(九大歯学部附属病院 薬剤部長

編集 委員 比田勝悌子(原三信病院 薬剤科長)

  々   千坂 善弘(浜の町病院 薬剤部長)

  々   福澤 敬文(済生会福岡総合病院 副薬剤部長)

  々   豊福 順一(千早病院 薬局長)

  々   玉嶋 史朗(白十字病院 薬局長)

  々   中島 英之(株式会社 太陽薬局)

  々   篠崎 正幸(福岡市民病院 薬局長

  々   市花  晃(福岡市立こども病院 薬局長)

  々   石飛 達男(株式会社九薬 DI室 室長)

  々   藤田  彰(株式会社 フジタ薬局)

  々   成沢 哲夫(福岡市立急患診療センター)