福岡市急患診療 医薬品集 |
第 5 版 |
序 文 平成も4年を迎え、その間に東欧社会主義体制の終焉、貿易不均衡の拡大、ソ連邦の解体など、国内外の政治・経済情勢の変動は私達の予想を上廻る規模と速さで進んでおります。 国民生活の上では、急速な高齢化社会への移行と大幅な余暇の増大によって社会全般に質的・構造的な変化の徴候がうかがえます。 一方医療福祉の分野では、そうした変化に対応する政策面での立ち遅れが指摘され、国民の健康と生命の保全に直結した諸問題が先鋭化していく中で、医療現場の従事者が過重な負担を強いられている現状です。 昭和49年5月に福岡市民の休日急患診療体制確立を目指して発足した福岡市急患診療センターは今年で18年目を迎え、福岡市医師会館の早良区百道への移転に伴って、福岡市の救急医療の中核施設としてより一層の設備拡充を図り、その使命達成に努めるものです。日頃激務に精励され、奉仕の精神で急患診療活動にあたられている医師・薬剤師はじめ医療従事者の皆様にあらためて深く感謝いたします。 本医薬品集も今回で第5版を重ね、出動医師のニーズに応えて薬品の追補を随時行い、簡便・即応の用例集として編纂されておりますが、労多い編集作業を担当された福岡市薬剤師会に対し深甚の謝意を表するとともに、この便覧が医師・薬剤師・看護婦の座右の書として活用されることを願うものであります。 平成4年3月 第5版 改定にあたって このたび急患センター医薬品集第5版を発行することになった。 この医薬品集は、昭和50年5月に初版を発行して以来、多くの医師にご利用いただいている。前版より4年を経て、準備医薬品の変化、より有効な新薬の開発、薬効再評価や副作用情報による医薬品情報の変化に対応して改訂した。 第5版は、4版の編集方針を継承して、収載医薬品を最新の医薬品に変更すると共に、必要最小限に厳選し、それぞれの添付文書記載内容に基づいて編集した。また、多くの医薬品で体内薬物動態が調べられ、添付文書にも記載されるようになったことから、新たに体内薬物動態の項を作り臨床利用の便を計った。 編集者が多数になったため、編集経過の中で、用語・簡略化の方法・各項での記載順序等、できるだけ統一化を計ったが、まだ充分とは言えず今後の課題として残っている。 新しい急患センターの発足に合わせて、新しい医薬品集ができあがるのは喜ばしいことであり、休日の増加に伴って重要性が加速度的に増加している休日急患診療で利用される状況を考え身を引き締めて編集した。 この医薬品集が常時医師の傍らにあって、診療に活用されることを願うと共に次回改訂に向かってのご忠告をいただければ幸いである。 なお、今回の編集にあたり、福岡市薬剤師会学術委員会と福岡市薬剤師会勤務部会学術委員会との共同編集とし、今後の改定にあたってもこの協力態勢によって編集することとした。 編集にあたり、医薬品の選定にご努力いただいた福岡市医師会医薬品集検討委員会の先生方、および様々な要求をくんで努力して下さった各編集委員の先生方に深甚の謝意をささげます。 |
平成4年4月1日発行 発 行 社団法人 福岡市医師会 編 集 社団法人 福岡市薬剤師会 編集委員 編集委員長 長谷川宏明(済生会福岡総合病院 薬剤部長)副 委員長 唐澤 博順(九大歯学部附属病院 薬剤部長 編集 委員 梅津 剛吉(株式会社九薬 DI室 室長) 々 篠崎 正幸(福岡市民病院 薬剤部長) 々 深江 暉夫(株式会社 星薬局) 々 市花 晃(福岡市立こども病院 薬局長) 々 中島 英之(株式会社 太陽薬局) 々 福澤 敬文(済生会福岡総合病院 調剤室室長) 々 藤田 彰(株式会社 フジタ薬局) 々 湯川 英二(九大附属病院 薬剤部) 々 内村 公一(福岡大学筑紫病院 薬剤部) 々 成沢 哲夫(福岡市立急患診療センター) |
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