福岡市急患診療 医薬品集

第 1 版

序    文

 最近我が国に於ても、経済状態の改祢、国民所得の増大に伴って休暇を楽しむ風潮が高まり、更に週休2日制の実施も次第に実行するところが多くなっててきている。国民の生命をあずかる医療関係者も例外でなく、休養に、スポーツに、また新しい医学医術の研究や読書に休日を利用し、日曜祭日は完全に休院するところが増大してきている。

 このため休日の急患診療の問題が提起されて、之が解決について論議されるようになった。日常生活が複雑多様化し、急激に発展している今日、救急患者は増大の一途をたどり、その診療内容も益々多極化して高度な専門化が求められ、休日急患診療は医師個人の良心と熱意と努力だけでは解決出来ないところに来ている。

 市民の休日の健康を守るために休日急患診療体制をおくことで福岡市と福岡市医師会は話し合いを続けて来たが、合意に達し、昭和49年5月より休日急患診療が開始された。

 この休日急患診療に於て準備された医薬品並びに補充された薬品について、薬効分類、調剤申し合せ等についてユニークな記述がなされ、休日急患センター並びに診療所に出勤される医師、薬剤師、看護婦が困惑してる問題の解決をされたことは大いに意義あることである。

 今後の医薬分業についても薬剤師の参考になるものと思惟される。この著作は今後追加完成されて休日急患診療に出動される医師、薬剤師、看護婦の好伴侶となるものである。この著作をなされた福岡市薬剤師会並びに福岡市勤務薬剤師部会の労を多とするものである。

     福岡市医師会副会長  阿部 輝明


発 刊 の こ と ば

 福岡市では,他市にさきがけて休日診療が積極的に推進されており、市民の福祉のために、まことに喜ばしいことであります。然し、なにぶんにも、その運営の特殊性から寄合世帯的な傾向はまぬがれ得ず、又、内科、小児科を主体とする救急処置薬を中心とした備蓄構成になっております。

 このため、医薬品の選択、投与にあたっても,他の診療機関異なる特殊な情況下にあり、その不便さを緩和することが強く望まれておりました。この医薬品集はそのような情況下で、現在備蓄中の医薬品について、医師の要求に緒応じて、迅速正確な医薬品情報を提供することを目的としたもので、併せて開局薬剤師の処方せん受入れ態勢整備に資するために企画されたものであります。

 以上の実情から、当然収載品目にも限定があり、不備な点も多々ありますが、今後、医師、薬剤師の協議によって、より完全なものができることを切望して止みません。

 本書の出版にあたって、終始熱心に御協力いただいた編集委員各位の労を多とします。

     昭和50年5月
     福岡市薬剤師会々長  斉田 和夫


医薬品集

昭和50年5月1日発行

 発  行 社団法人 福岡市医師会

 編  集 社団法人 福岡市薬剤師会

編集委員

編集委員長 河野 義明(九州大学歯学部附属病院 薬剤部長)

編集 委員 荒巻善之助(福岡市薬剤師会 専務理事)

  々   磯田 正春(九州大学医学部附属病院 副薬剤部長)

  々   大橋  研(九州中央病院 薬剤部長)

  々   白勢 栄治(浜の町病院 薬局長)

  々   吉本喜四郎(福岡市立第一病院 薬局長)

  々   鶴岡 道雄(九州大学医学部附属病院 薬剤掛長)

  々   河野 貞子(中村病院 薬局長)

  々   秀平 照子(九州中央病院 薬局)

  々   市花  晃(福岡市立西新病院 薬局)

  々   成沢 哲夫(福岡市立急患診療センター)