■ 巻 頭 言
その名に生きる〜保険薬剤師であると覚悟をすれば〜 (社)福岡市薬剤師会 常務理事 冨永計久

薬剤師会の会員は、いろいろな立場の方がおられる。会員別でいえば、正会員・賛助会員、種別でいえば、保険薬局・非保険薬局・一般販売業・薬種商・卸売業・製薬業・行政官・教育研究者・薬局勤務・病院勤務等々皆さんそれぞれ何らかの形で薬とかかわっている。

福岡県薬剤師会が昨年実施した「会員薬局・一般販売業実態調査」の報告によれば、福岡市の会員の87%が保険薬局である。もし87%の保険薬局が保険薬局としての仕事を責任をもってやれば、つまりどこの病医院の処方箋でも責任を持って受け入れれば、面分業はスムーズに行くのではないだろうか(もちろん処方せんを書く側の理論も色々あるだろうから、それを考慮に入れなければの話ではあるが)。

薬の調達、在庫の問題、保険請求の問題、スタッフの問題等、確かに難題は山積している。しかし保険薬局である以上、その処方箋を損得抜きで受け付けて当たり前ではないだろうか。なぜなら、患者さんはその薬局を当てにして来局しているのだから、その患者さんの期待を裏切ることはできない。

これはOTC販売でも同じことで、OTC販売でも保険調剤でもその他来局された方の期待に応えるのは当然ではないだろうか。それが患者さん(お客さん)にとっては「かかりつけ薬局」であり、我々にとっては「かかられつけ薬局」というのだと思う。

保険薬局として、やって当たり前のことをやっていれば、基準薬局なる奇妙な薬局は出てこなかったのではないかと思う。ちょっと厳しく言えば保険薬局の看板を上げている以上、処方箋受付は当たり前で、それを拒否する薬局は一般販売業にならざるをえない状況が、すぐ目の前に来ていると思う。

話は変わるが最近「極楽ガン病棟」という本を読んだ。30才代の男性のガンとの闘病記である。死の恐怖と戦いながら何とか生きよう、明るく生きようとしている姿が書かれている。内容を一言で言えば「患者は必死で病気と闘っているんだ。医者として、薬剤師として、看護婦として、検査技師として、その他患者に携わるものはプロとして必死でやってくれよ、患者は期待しているんだよ」ということを言いたいのではないかと思った。患者さんの気持ちがよくわかる内容でぜひ一読されることをお奨めする。

今後、薬局薬剤師の仕事はOTC販売、調剤、薬局製剤、学校薬剤師、訪問在宅介護、環境衛生、薬局経営等々目が回るほどである。しかし会員がそれぞれ『その名に生きる』つまり薬剤師であると覚悟をすればおのずと市民の皆様の支持は得られるのではないだろうか。評価は人がすると思う。

「できるかぎりで精一杯、しかしまだまだたらん」の気持ちで頑張りましょう。

※「極楽ガン病棟」 出版社:石風社 著者:坂口良

<私と薬> 顧問弁護士を仰せつかって (社)福岡市薬剤師会 顧問弁護士 吉原淳治

私は、本年6月より貴会から顧問弁護士を仰せつかりました。昭和53年に福岡県弁護士会に登録し、弁護士として約20年間訴訟の内外の活動に従事して参りました。その間約10余年は弁護士会において民事介入暴力対策委員会委員として被害者救済活動に携わって参りました。

そこで、挨拶にかえて「民事介入暴力とその対応」についてお話申し上げたいと思います。そもそも民事介入暴力とは、暴力団やその周辺の者が、一般市民の日常生活や経済活動にともなう民事紛争に、当事者として或いは代理人として介入し、不当な要求をする行為をいいます。

暴力団による民事介入暴力の変遷過程を概観して見ると、戦後の混乱期には愚連隊等の新興の暴力集団が、端的に裸の暴力を行使して民事紛争に介在していました。しかし昭和30年代には暴力集団の組織化が進み暴力団と呼ばれる集団となりました。

昭和30年代の後半から昭和50年代前半には、我国の経済成長に伴い暴力団の大規模化・広域暴力団の勢力拡大化傾向が顕著となりました。

この期において暴力団は検挙を免れるために民事紛争に仮託し、警察は私人間の民事紛争について、刑罰法規に触れないかぎり民事紛争には介入してはならないという「民事不介入の原則」を盾にとり容赦なく市民の日常生活や企業の経済活動等に介入し、被害が多発するようになりました。

そこで昭和50年代前半に至り、警察は、「民事不介入の原則」を堅持しつつ、民事介入暴力によって生ずる紛争当事者間の不均衡を、本来の平等、対等の関係まで回復する限度で民事介入暴力を排除するのは警察の職責であるとの考え方をとるようになり、暴力団等が介入する場合は積極的に介入して検挙するようになりました。

そこで、昭和50年代後半以降、暴力団は、警察の取締を免れるため政治運動や同和運動の大義名分を掲げて(えせ右翼行為・えせ同和行為)、民事紛争に介入するようになりました。

従前私たちは見るからに暴力団らしき人物を避け、或いはそのような人物であれば注意することができました。しかし、昨今の暴力団は、合法企業活動を通じ、或いは民事取引を仮装して資金源獲得の活動を行い、警察の検挙を免れようとするようになり、一般市民や企業は、知らず知らずのうちに、彼らと取引関係等に入り、私達は民事紛争に巻き込まれる結果となることが多くなりました。

ところで、平成4年3月から暴力団対策法が施行され、公安委員会に指定された暴力団の構成員が組織の威力を背景に不当要求する行為については、犯罪構成要件に該当しない場合でも、中止命令を発することができ、これに応じないときは刑罰の制裁を課することができるようになりました。この暴対法の施行により組織の威力を背景とする不当要求行為は著しく減少いたしました。

反面で暴力団は、その取締を免れるため、その資金源活動は、多様化、巧妙化し、また政治運動を標模するような街宣活動にみられるように知能化するとともに、一層の合法化を仮装するようになり(潜在化、マフィア化)、他方において企業幹部の殺傷事件に見られるように凶暴化の一途を辿るようになりました。

そこで、私達は不幸にしてかかる暴力団その他の者等から民事に不当に介入を受けるようになった場合は、次の点を心がけ対応しなければなりません。即ち、

(1)相手方がどのような人物かを把握する。
相手方が氏名等身分を明らかにしなければ応対しない。

(2)相手の言い分をよく聞き、会話を録音したりメモをする等して記録する。
裁判所に街宣禁止の仮処分などを求める場合に有力な証拠となる。

(3)相手方とは、毅然たる態度で対応し、期待させるような曖昧な返事をしない。
曖昧な返事は彼らに執拗に追込みをかけさせる結果となる。

(4)一札書けといわれても決して書かない。
一札書くことは更に事態を悪化させる。

(5)相手方と会うときは複数で対応する。
一人より心強く心理的に追い詰められることも少なく、また一人が対応している間に他方が考えることもでき、例えば聞き役と記録役などの役割分担も可能になる。

(6)相手方の指定する場所で面談しない。
商談するときは、ホテル等の公共の場で面談する。相手方の指定する場所は彼らの組事務所や企業事務所であったりするので注意する。

(7)担当部門が相手方と面談し、社長等の最終決定権者等は、相手方と直接交渉の場に出さない。
その発言が最終的意味合いをもつこととなってしまいかねない。

(8)病気治療の三原則は、「早期発見、早期治療、素人治療をしない」ことだと言われています。民事介入暴力が発生したら、直ちに専門の弁護士に相談するようにして下さい。
他方で、県警本部4課か暴力団対策課、最寄りの警察署の暴力犯係または、財団法人暴力追放福岡県民会議かに相談されることをお薦めいたします。

 最後に、今後、貴会の法律顧問として少しでも貴会及び会員の皆様のお役に立ちたいと思っておりますので宜しくお願い致します。


  吉原先生への相談などは、必ず市薬事務局を通して下さい。
  尚、先生のプロフィールは、ジャーナル7月号のP42をごらん下さい。

<特集:南区住宅モデル事業ウォッチング2>

在宅医療への薬剤師の参加の必要性を漠然と感じながらも、実際にどのような場面で薬剤師の職能が必要とされるのだろうかと思っていました。今回南区のモデル事業の最終報告を拝見し、また未田南支部長のご講演を聞きまして在宅医療への薬剤師の参加にはっきりとした道が付けられた、と実感しました。

ここに南区モデル事業の最終報告書があります。これは膨大な資料をA4判56ページにまとめられた物ですが、ページ数の関係でここでは全部を掲載できないのが残念です。できるだけモデル事業の全体像を損なわずに、具体的な取り組みと問題点をさらにピックアップして特集しました。 詳しい報告書をご覧になりたい方は、末田南支部長まで御申し出下さい。(M)

<特集:南区住宅モデル事業ウォッチング2> 「モデル事業」の成果を祝す 福岡市南区医師会 会長 森永英彦

厚生省の老人保健健康増進等事業の一つで、日本薬剤師会に諌せられた事業に「在宅医療に於ける薬剤使用の実態調査及び事例集作成事業」があり、平成8年度のモデル地区選定で全国7カ所の中に福岡市南区が選ばれ ました。

南区薬剤師会の未田順子会長よりその連絡と医師会への協力依頼があったのが昨年の11月になってからでした。薬剤師会としては大変名誉な事であるだけに、年度末までにその責務を果たされるには事業実施期間が数カ月しかない事が少し心配でした。

医師会も早速対応を協議し、藤野法康先生を委員長とする南区在宅医療委員会に全面協力をして頂く事を決定しました。12月の在宅医療委員会では早くも事業計画が検討され既に訪問薬剤管理指導を実施していた症例にあらたな症例を加える作業に入りました。

南区在宅医療検討委員会は平成3年5月に組織され、医師会7名の委員に保健所、歯科医師会、福祉事務所、更にPT、OTが参加し在宅医療への対応が検討されておりましたが、平成6年10月には医師会訪問看護ステーションと在宅介護支援センターが設置されて委員会に参加され、同時に在宅医療に薬剤師訪問が認められた時で、薬剤師会にも参加して頂いておりました。

そして平成6年12月には「在宅患者訪問薬剤管理指導」のテーマで検討がなされていたので、今回のモデル事業もあまり支障、抵抗なく受け入れられ実施に移されたように思います。

また幸いに歯科医師会を含めた南区三師会は、保健所と連携した健康増進活動をはじめスポーツ・文化事業等で親密な関係にあり、2年前より南区内の地区別の三師会懇親会も行われており、お互い顔見知りの間柄が素地にあった事が在宅医療の主治医と薬剤師との連携にも生かされたのかもしれません。

ともあれ今回南区薬剤師会が、短期間にモデル事業として充分な成果を達成されたその責任感と実行力に対し敬服すると共に、その功績を賞讃したいと思います。

しかし多くの問題と環境が解決されないままで医薬分業があまり進展しない状況にあるのと、在宅医療に於ける訪問薬剤指導が認められてまだ日が浅く症例も少ないのが現状ですが、少なくとも南区では今後在宅医療委員会を通じて必要な症例が増え、職能を発揮される機会も多くなろうかと思います。

その際医療の原点は患者さんとの信頼関係であることは今更言を待たない事です。そのためには医師と薬剤師が一体となった信頼関係と連携が絶対に必要であります。その延長に地域に於ける患者・家族と親密な薬剤師像があるはずであります。

今後医薬分業が進むとすれば、そのような薬剤師の存在が信頼されるものとして受け入れられることが第一の条件であると思います。一人一人の薬剤師が「臨床薬剤師」として研錬され、地域医療更には薬剤師として保健衛生活動にも大きな力になって頂く事を期待しています。

<特集:南区住宅モデル事業ウォッチング2> 「薬剤師訪問指導について」 福岡市南区医師会 副会長 宮崎忠

数年前から在宅医療に薬剤師訪問指導が加わっています。薬剤師が医療人として法的に認められた具体的なものとして、薬剤師会が力を入れている分野の一つのようです。

在宅医療で保健婦による訪問指導、訪問看護ステーションからの訪問看護、公社からのヘルパー派遣に薬剤師による訪問指導が加われば、無床診療所であっても入院患者をもっているのと同じことになります。病院のベッドサイドでは薬剤師による服薬指導が行われており900点業務とよばれていますが、これが在宅医療で行われているのが薬剤師訪問指導であると考えられます。

医薬分業をしている場合は勿論のこと、分業していない診療所であっても、かかりつけ医が「訪問指導」と記入した処方箋を交付すれば薬剤師訪問指導が実施されます。ただし全ての調剤薬局が簡単に受け入れてくれるかどうかは現状では疑問です。南区では在宅医療委員会に相談していただければ、南区薬剤師会との連携で、夫々のケースにとって最も望ましい薬剤師を選択しあっせんするシステムができていますので御利用下さい。

この薬剤師訪問指導の制度が導入されている利点については、今後南区医報に実際に経験している薬剤師から具体的な報告が寄稿されることになっていますので、会員の参考になることと期待しています。

一方これまでに経験ある会員から、薬剤師訪問指導の現状について、かかりつけ医の立場からの声をきかせていただき、参考にしたいものだと考えていますのでご協力下さい。

(南区医師会報に掲載)

<特集:南区住宅モデル事業ウォッチング2> 「モデル事業に携わって」 福岡市南区医師会 在宅医療担当理事 藤野法康

高齢化社会の到来により、要介護老人の介護について、チームとしての在宅ケアの必要性が高まっております。 福岡市は、平成4年より在宅ケア支援事業として、在宅要援護高齢者の相談窓ロである「在宅ケア・ホットライン」を各区保健所に設置しました。

福岡市医師会は、この在宅ケア支援事業を支える重要な柱として在宅医療に取り組み、市及び各区医師会内に「在宅医療検討委員会」を設置し、在宅ケアにおける医療面での後方支援システムを構築しました。(福岡市医師会方式)

南区在宅医療検討委員会は、保健所、医師会、歯科医師会、薬剤師会、訪問看護ステーション、在宅介護支援センターで組織され、相互間の連携体制が確立しております。この委員会では、各機関からの状況報告、事例検討を行い在宅医療研修会等も開催し活動しております。

平成8年12月、南区薬剤師会より「在宅医療における薬剤使用の実態調査及び事例集作成事業」への協力依頼が南区医師会へありました。事業実施期間が残り少なく、事例数の確保や、各事例に対する十分な検討を行う時 間的余裕がない等の問題点もありました。しかし、薬剤師会との連携強化、又、このモデル事業が今後の在宅医療の質の向上に役立つと考えられ、全面的に協力することになりました。

今回の事業に参加した結果、医師会サイドで評価できる事項は

(1) 各患者の服薬状況が把握できたこと。残薬の対処、処理ができたこと。

(2) 訪問薬剤師から患者の状況や処方薬の有効性、副作用について情報提供を受け、協議の上、投薬量、処方内容の変更の対策がとれたこと。

(3) 独居の要介護老人、痴呆性老人に対しての服薬指導が在宅ケアチームとの連携で可能になったこと。

 今後の課題として出てきた事項は

(1) かかりつけ医と訪問薬剤師間の情報提供が十分でなかったので、今後は密接な連携をすすめて、お互いの信頼関係を築くこと。

(2) 訪問薬剤師は「医師の処方がどのような意図や背景を基にしてされているのか」を考えながら、臨床薬学を基にして、患者や看護者に服薬指導する必要があること。

(3) 個々の症例に関わる関係者によるケースカンファレンスを行い患者のニーズに応じた在宅医療を行い、又、それぞれのケースの経験を基にして在宅医療の質の向上を目指す。

<特集:南区住宅モデル事業ウォッチング2> ご挨拶 福岡市南保健所長 横田清

平成4年6月から福岡市の全保健所で開設された「在宅ケア・ホットライン」は、高齢者が住み慣れた地域や家庭で安心して生活が出来るように、保健・医療・福祉の各機関の連携の下で増大・多様化するニーズに対応すべく、高齢者の在宅でのケアを支援していく総合相談窓口として機能してきました。

この間、在宅ケアを推進していく上で不可欠な医療は、福岡市医師会および歯科医師会の全面的なご協力をいただきながら、本市独自の在宅ケア支援事業として全国から注目されています。

その後、平成4年度開始の老人訪問看護制度による訪問看護ステーションが設立され始め、平成6年9月には福岡市医師会立の訪問看護ステーションが各区に設置されました。

ついで、平成6年10月には「在宅ケア・ホッ.トライン」を福岡市医師会委託の在宅介護支援センターとして整備し、在宅介護支援棟能が充実されました。

その他に、在宅介護支援の面では保健婦による訪問保健指導およびホームヘルパーによる日常生活面でのお世話は、そのニーズが増大しております。

また、医療機関などからの理学療法士(PT)や作業療法士(OT)による訪問リハビリテーション指導、歯科衛生士による訪問口腔衛生指導も導入されています。

一方、薬剤師による訪問薬剤管理指導も制度化されていましたが、平成6年10月に日本薬剤師会による在宅医療に関する薬剤供給推進モデル事業が開始され、本年度(平成8年度)福岡市南区がそのモデル地区として参加することになったということです。

高齢者の在宅医療に関しては当然のことですが、多くの薬剤による治療が行われており、薬剤師としての専門性が遺憾なく発揮されて、ますます良い在宅医療が高齢者に供給されることを期待します。

薬剤師会の今後のますますのご活躍とご発展をお祈りして、ご挨拶とさせていただきます。

<特集:南区住宅モデル事業ウォッチング2> 「モデル事業を終えて」 前南保健所予防課長 江上裕子

南区薬剤師会より、モデル事業を引き受けたのでよろしくお願いしたいと、平成8年12月の在宅医療委員会のなかで申し入れがありました。3月までにモデル事業を実施し報告するとのことで、早速、医師会・保健所・訪問看護ステーションより事例を出し、既に訪問薬剤管理指導を実施していた事例に新たな事例を加え、モデル事業を開始することになりました。

モデル事業は、薬剤師が訪問薬剤管理指導を実施する中で浮かびあがってきた薬剤使用に関する問題点やチームの一員として加わる中での問題点等の抽出と改善策、また薬剤師の専門性がどのように在宅の中で生かせる か、と広範囲におよぶものでした。短期間のモデルでは、すぐに結論づけられないことも多いため、モデル事業が終了してもこの事業を推進して行きたいとの薬剤師会の強い要望がありました。

今回のモデル事業の大きな成果は、なんと言っても薬剤師が在宅ケアチームの一員として、医師・看護婦・保健婦・ホームヘルプ協力員等に現実に認識されたこと、又このモデル事業に携わった薬剤師一人一人が、チームの一員であり多職種との連携の重要性を経験され学ばれたことにあります。

頭の中では誰もが分かっていたことですが、このモデル事業の中で、お互いが経験し検討を重ねる中で、そのことが認識できたように思います。しかし短期間のモデルで、関わった者も一部の者であったことを考えると今後の継続が望まれるところです。

さて、今回のモデル事業を通し、行政サイドで気づいた点を幾つか述べたいと思います。

(1) 薬を中心とした薬剤師の専門性が、在宅医療の中で生かされる為には、医師との信頼関係が不可欠です。病院の中であれば、お互い顔が見え相手をよく理解する事ができ情報交換もしやすい環境にあります。しかし、在宅になりますと患者ごと主治医がかわりますし、患者を通して初めてチームを組むことにもなるかと思います。

事例を通して地道にお互いの信頼関係を作っていくプロセスがどうしても必要となってきます。一人一人の薬剤師と一人一人の医師がこの地道な作業により結ばれ信頼関係の輪が広がっていきますことを願うと共に、事例を通して出てきた問題点について、医師会・薬剤師会が共通問題として話し合われることを願っております。

幸いに南区ではこのモデル事業を契機として、その芽が出てきています。今後も引き続き良きパートナーとして在宅医療を推進していただきたいと思います。

(2) モデル事業を通し在宅ケアチームの一員として、他職種より認識されたわけですが、薬剤に関する情報を医師へ報告・提供すると共に他のメンバーへも薬剤情報を提供し、ケアチームの薬剤に関する相談役として専門性を生かしていただければと思います。

また保健婦・看護婦・ホームヘルプ協力員が在宅患者の家へ訪問した後、気軽に薬局に立ち寄り患者の情報交換ができる様な、在宅ケアチームの情報交換のキーステーションとしての機能を果たしていかれることも重要な役割かと思います。

(3) 在宅の中での薬剤師の専門怪として、薬に関すること以外にも積極的に関わってみたいとの薬剤師会の強い要望があり、学校保健の中で担当している環境衛生面においてもアプローチされました。しかし、個人の家における環境衛生管理について誰がどのようにアドバイスするのかは今後の課題であろうと考えます。

南区における今回のモデル事業は、薬剤師会が在宅ケア(在宅医療)の中に積極的に参入するきっかけとなりました。しかし在宅ケアチームの中での活動は始まったばかりです。医師会の先生方との連携はもちろんのこと在宅ケアチームのメンバーが気軽に立ち寄り情報交換が行えるような薬局であり、薬について何でも聞ける薬剤師であることを希望します。

又地域の住民には、薬に関する相談はもちろんのこと、介護用品の相談や保健福祉へのパイプ役としても機能をいかしていただきたいと思います。地域住民も在宅ケアチームのメンバーも集まる薬局として、薬剤師として、今後益々活躍されますことをお祈り申し上げます。

<特集:南区住宅モデル事業ウォッチング2> 個別症例

モデル事業に参加された薬局の皆様の活動を1つ1つ詳細に紹介したいのですが、紙面の都合で表のみ掲載しました。

※印は患者さんの利用されている社会資源です。これを上手に利用すると在宅医療の質が良くなると言われています。(M)

<特集:南区住宅モデル事業ウォッチング2> 在宅薬剤管理指導の実例

医師から薬剤師へ

通常は「要訪問指導」と書かれた1枚の処方箋から、薬剤師による「在宅薬剤管理指導」が始まります。この症例はヘルパーさんからの情報により、東田先生が積極的に主治医に相談され始まりました。

症例: 85歳 女 高血圧 パーキンソン病 両膝変形性関節炎 骨粗鬆症 独居

<考察>

1)訪問薬剤管理指導になったきっかけ
 平成1年からの患者さん。パーキンソン病の発症により歩行困難になりホームヘルパーさんが薬をとりに来ていたが、平成8年10月ごろから、最近服薬状況が悪く残薬が多いと情報が入り、内科の主治医に訪問薬剤管理指導を相談する。
 平成8年11月訪問薬剤管理指導を開始
 残薬の改善 週刊服薬カレンダーの設置

2)服薬状況の改善(他科受診あり)
 両膝変形性関節炎、骨租髭症のため整形外科も受診していたことが判り、整形外科医に頼んで、院外処方を依頼し1包化して投薬しコンプライアンスは上がった。

3)処方内容の変更
 血圧高く、浮腫がでていると薬の内容について保健婦より問い合わせがあり、患者宅を訪問。浮腫の様子などを主治医に連絡。往診の結果ラシックスの投与。

4)薬の減薬
(1)不眠のため眠前にリーゼの服薬を続けていたが、夜間排尿のため撮腿状態でトイレにいくため、あちこちぶつかり打ち身、打撲、怪我が多いため、必要時のみに服薬回数を減らした。夜間のことは本人は全く記憶がなく、当初は打ち身、打撲や出血の原因が判らなかった。
(2)下剤の飲み過ぎによる下痢が判明し下剤の減量、必要時のみに変更した。

5)医師、保健婦、訪問看護婦、ホームヘルパー等との連携
 ケアチームカレンダーの活用
 介護ノート、電話などで情報交換を十分におこないより良いケアを目指す。
(1)ホームヘルパーさんの情報により訪問服薬指導を開始しコンプライアンスは上がり、残薬は無くなり在宅での薬剤管理は改善された。
(2)訪問看護婦さんより下剤と睡眠薬についての問い合わせ。
 状況を判断し医師と相談の上減薬、必要時のみ服薬などの対応。状態は常に観察していく。
(3)1月療養状態が悪化し、近く公立病院に入院、2週間で退院。  退院後、独居は不安なため医師等も老人ホームの入居をすすめ、本人もその気にな って見学にいかれた。しかしその老人ホームは6帖1間に2人部屋とのことで、現在 のたくさんの荷物のことなど悩んだ末に入居は断念。
 (対応)    保健婦の訪問回数の増加
   ホームヘルパーの時間延長
   ポータブルトイレの支給などで対処
(4)現在在宅での療養状態は落ち着いている。貴近とても痩せてきたとのことで定期的に体重測定を始めた。ここ1ケ月45〜46kgで安定している。食事の内容、量にも気を付けている。
(5)環境衛生の面でも観察している。
 ポータブルトイレの衛生管理
 ポットの水の管理
 手洗い、部屋の清掃

 

薬剤師から医師へ薬剤師による在宅患者訪問薬剤管理指導における薬局から医師への情報

「要訪問指導」の指示に基づき、薬剤師が患者宅を訪問し薬学的管理指導を行った時、患者の同意を得て主治医に対して、服薬状況等を示す文書を潰えて薬剤の適正使用に必要な情報を主治医にフィードバックすることが求められています。(M)

<特集:南区住宅モデル事業ウォッチング2> 訪問薬剤師として感じたこと 薬局ヘルシー高宮 坂口久美子

老人介護問題は、これから社会の負担になると言われて久しいが、それらを訪問薬剤師からの目で捉えてみると、どうなるでしょうか。

まず第1に、介護される人本人の問題で、その人がいわゆる“社会のお荷物”とならない様にするにはどうしたらよいか。また、終生何らかの形で“現役”として生きるには、と言う事が挙げられると思います。

私が訪問指導の際、「もう、いつ死んでも構わない」と、言われる患者もしばしばです。

第2に、患者を介護する人の問題(苦労)。これを、時間的・精神的・経済的な事と言い換える事ができると思うのです。避けては通れない事実と考えると、介護する人から「介護者への慰労金が欲しい」と言う事になる様です。

最後の問題は、介護する人の周りの人への(憤り?)問題。周りの人とは、主に患者の子供や兄弟になるのですが、一つの家庭に患者を押し付ける。これはよくある話です。

このように、私の目から見て3つの問題が浮き彫りになるのです。それでは訪問薬剤師としてこの人たちに何が出来るのでしょうか。

私は、次の点に注意して患者と接する様にしています。

1.薬をきちんと服用しているかどうかだけでなく、薬の効能を出来るだけわかりやすく説明する事。

2.薬を正しく服用する事により、患者がどのように症状を改善して行くか、そしてまた、症状が改善する事により今までできなかった事で、どんなことが出来るようになるか。

はじめは、「いつ死んでもいい」と言っていた患者が、このような訪問指導を受ける事により、どうでしょう、やはり「死んでもいい」と言うのはむしろ建前で、皆、本音は病気になる前に戻りたいのです。

患者が自ら進んで症状改善に努め、少しでも早く“介護”の状態から再起出来るようになると、自ずと第2・第3の問題は小さくなって行くようです。必死で起き上がろうとする人には、誰しも手を差し伸べたくなるものですね。

いつもより5分でも多く薬の説明をするだけで、薬剤師も「老人介護問題」に貢献する 事が出来ると思います。

 

“在宅医療における薬剤使用の実態調査”に参加して 塩原薬局 東千鶴

初めての在宅訪問は、平成8年4月、まだ開局して1年も過ぎておらず、毎日の調剤業務がどうにかスムーズになってきた時でした。何もわからないまま、手元にあった在宅訪問服薬指導に関する資料に目を通し、毎週訪問している看護婦さんに同行して、患者さん宅を訪問。

看護婦さんから「これからは、薬のことは専門の薬剤師さんにおまかせしますから、何でもわからないことは、こちらの薬剤師さんに開いて下さいね」そう紹介され、「よろしくお願いします。お薬は4種類処方されているので飲みやすいように1回分ずつ1つの袋にいれて、もってきましょうね」。患者さん、そして家族の方に挨拶をしてそのお宅を後にしました。

あれから約1年。いろいろな事を経験し学びました。それまでは薬局にいて処方せんをもって来られる患者さんにお薬を調剤し渡す、その患者さんの容体、体質、薬歴など、窓口での短かい会話のやりとりで判断しました。

在宅は、その患者さんの背景が、全て見えてきます。家族関係、生活状況等、ある面で、私達薬剤師の仕事にはあまり関係のないと思えることまで・・・そういう全てのものが見えてきた時、在宅医療のチーム−医師、歯科医師、訪問看護婦、ヘルパーそして薬剤師−の一員として、どのように関わっていたらよいか?

実はこの一年、暗中模索しながら在宅訪問を行ってきました。今回の実態調査に参加して医師会、歯科医師会、保健所、訪問看護ステーション、そして薬剤師会と、何回もの検討会を重ねていくなかで在宅患者さん、そしてその家族の方にとって「チーム医療」がいかに必要かそしてこの「チーム医療」が、うまくいかなければ、より良い在宅医療が望めないことを実感しました。

薬の専門家であるという立場で、薬局の外へ出ることのほとんどない薬剤師にとって、在宅医療をうけている患者さんや、その家族の方々をとりまく環境がどういうものか、又、どういうものがあるかなど今までは、全く知らなかったのが事実です。(私が単に勉強不足なのかもしれませんが・・・)

医療機関、保健所、福祉などの社会資源がどのようなものか?介護用品e t c.その使 い方、樽瘡に関する事、IVH在宅医療に参加する以上、薬剤師としての職能以外に、やはり最低限知っておかなければいけないことが、山ほどあるんだなあ〜と痛感しています。

ただ、この実態調査を通じて、私たち薬剤師が「チーム医療」の一員として参加できたことで、どのように関わっていけばよいかがやっと見えてきた気がしてます。「あそこのクスリ屋さんに行ったら、うちの寝たきりのおじいちゃんのことでいろいろ相談にのってくれるし、いろんなことも教えてくれて本当にたすかった!」そんな声があちらこちらで開かれるようになりたいものです。

 

在宅医療に参加して のばら薬局 毛利久美子

1/9、患者情報を受けて、医師・看護婦、保健婦・ヘルパー・家政婦のチームの中に薬剤師が参加することになった。木曜日午後の訪問にした。

 (1)薬の服薬状況、保管状態のチェック。
 (2)患者及びチームの方達とのコミュニケーションづくり。

を柱にして緊張のスタートをきる。

残薬の改善、古い薬の整理、市販薬との区別、残薬の保管方法、シップ薬の使い方等、介護日誌を通して家族及びチームに知らせていった。又、折々の便秘、腰痛、口渇、ふらつきの訴えに応じて、医師と連絡をとり乍ら対応していった。

3/24、脳梗塞で死亡までの短期間ではあったが得ることの多い経験であった。

例えば、ロ渇1つ取っても臨床経験のない私には薬の副作用か、糖尿病のせいか、食事の味付けのせいか判断がつかない。医師より、H5年からの血液検査報告書を見ることによって、初めて血糖値の推移がよく分かったのである。

このことから、まず病気に対する知識を深めること、そして患者の病歴を知った上でこそ薬剤師の役割が充実していくのではないかと思う。又、醇瘡の知識が乏しいため、現場での対応に手間どったことなどから、是非、知っておきたいことの1つだと思う。

そして、典型的なチーム医療が実現していたことから、チームの中での薬剤師の役割が明確にされ、各々が職務を果たせたと思っている。医師を中心にしてお互いが助け合い乍ら患者のケアに当たってきた。振り返る時、在宅医療への一歩を確実にしたと云う思いが湧いてくる。

仏前での家族の話によると、ここまで来るまでに介護人の選択に大変な苦労があったこと、在宅医療チームによる介護になって、安心して仕事が出来たと大変な感謝の言葉を頂いた。

薬剤師の在宅医療参加には、病気についての知識、患者及びチームの方達との上手なコミュニケーション、面倒をいとわぬ熱心さが求められていると思う。

 

『在宅患者訪問指導』 福神調剤薬局 福田司

昨年の3月より、在宅患者の訪問指導(以後『在宅』と省略)に行くようになって、最近は患者さんとのコミュニケーションもスムーズになり、最初からうかがっているお宅は、週に一度私の顔を見るのが楽しみだと話してくださる方もいらっしゃいます。

在宅を始めた頃は、なぜ医師の訪問とは別に薬剤師が来るのかといった雰囲気が多く感じられ、なかなか疑問や本音は間かれませんでしたが、回を重ねるごとに打ち解けてきて、患者さんも、私も会って話をすることが待ち遠しくなりました。ただ、それだけでは薬についての相談はしてもらえず、次は、患者さんとの会話の中から間違っていること、疑問に思うこと等を引き出すことに苦労しました。

私の場合、自己流の方法で始めたため患者さんからの情報の集約や、医師への報告書の作成がうまくいかず一人一人ばらばらでどのようにまとめてよいかわかりませんでした。

今回の在宅委員会によって、訪問時何に注意するのか、どのように報告書をまとめればよいか、また初めて受け持つ疾患の情報を知ることができるなど自分自身の在宅に関する考え方がとても進歩したように思います。これからも、在宅患者の情報交換をしてより良いものになってゆけばと思います。

在宅に限らず、調剤業務は、サービス業だと常づね思っていましたが、今後の課題として、「サービス」といったものを追求してゆきたいと思っています。具体的にいえば患者さんの要求について、何をすることが大事なのか即座に判断し、すぐに行動できるようになることです。

これは、患者さん個々によって求めるものが違い、その時の感情によっても異なります。さらに、介護者の方がいらっしゃればその意見を尊重することも大切です。患者さんを滞足させることができてからはじめて、専門知識を活かせる場ができるのではないかと考えています。

これからは、患者と薬剤師の信頼の上に成り立つ在宅訪問指導を目指してゆきたいと思います。

 

在宅訪問薬剤指導をおこなって 花畑薬局 熊澤正浩

今回訪問させていただいた2人の在宅患者さんのケースは薬剤師業務経験の浅い自分には幸か不幸か、どちらも患者さんを介護していただく家族の方がいらっしゃって、しっかりと薬の管理から服薬に至るまで気を配っていただく方々でした。そのため、患者さん個人に対して薬の服薬指導をするより、毎日一緒に暮らしておられる介護者に薬の内容を知っていただいた方が確実であると思い、介護者の方にしっかりと服薬指導を行っているのが現状です。

最初に訪問させていただいた時は医師の方から薬剤師の訪問服薬指導についてご説明があったため、比較的スムーズに薬剤師の訪問を受け入れていただいたように思いました。

ただ自分自身、訪問するときに気を付けていることは、決して長居しないこと、そして患者のみならず特に介護されてる家族の方の日頃の労をねぎらう意味で、何でもお話を聞いてあげることに留意しています。

お話を聞くことで医師に言いづらいこともこちらには話してくれるので必要なことは医師へフィードバックできることもありました。また、患者さんが自宅で療養できるのもそれをサポートしてくれている家族の介護があってこそ成り立つものだと今回訪問して強く感じました。

したがって、患者のみならず身近な介護者の心のケアに訪問の際に少しでも自分がお役に立てばと思い、お話を聞いたり相談にのるようにしています。

まだ薬剤師としての経験の浅い自分で大丈夫だろうかと当初は心配でしたが、実際に在宅をされている薬局の先生方のお話を伺っていきながら、薬剤師の訪問服薬指導において必要な要素が見えてきたように思います。

今後も勉強は続きますが、その中で患者やその家族の方々のお役に立ちながら地域医療に貢献できる薬剤師になれるよう日々頑張っていこうと思います。

 

今後「在宅医療」を発展させるために−薬剤師と介護者の立場から− 太陽薬局 中島英之

在宅医療は、外来医療、入院医療に次ぐ「第3の医療」と位置づけられ、今後の発展が期待されている。老人が、人生の終末を住み慣れた地域や家庭で安心して療養できるように、医療と看護・介護と生活の三者が一体とならなければならない医療である。超高齢化社会を迎えて、医療に関係する者全てが、深い関心を持って活動していかなくてはならない。

私は、薬剤師として、介護者の一人として在宅医療にたずさわって2年半であるが、いろいろと考えさせられることが多い。父(84才)の場合を例にとって述べてみたい。父は、パーキンソン病、狭心症、軽度の痴呆などがあり、完全に寝たきり状態になっていて、日常生活全てに全介護を必要とする。平成7年3月より「在宅医療」を受けている。

介護は母と妻が中心になってあたっているが、長期にわたってきたため最近では、介護者の疲れが目立ってきている。この父の例を通して、薬剤師の立場からいろいろな問題点が浮きぼりになり、また、介護者の一人としての意見も含めて、今後、「在宅医療」を発展させるためにはどうしなければならないかをまとめてみた。

(1)在宅医療制度は、患者の保健およびQOLの向上のためには最善の制度である。これを「医療の担い手」として、強く認識しなければならない。

(2)在宅医療にたずさわる全ての者が、Professionとして、「在宅医療はどうあるべきか?」、「患者のQOLを向上させるためにはどうしなければならないか?」を深く考え、それぞれの職能を発揮すべく行動しなければならない。

(3)患者宅を訪問する全ての者の連携とチームプレイが必要である。患者宅には、複数の医療関係者が訪問して、それぞれの考え方で、介護者にアドバイス(指示)を与えることが多い。しかし、同じ目的に対して異なる指示がしばしば行われている。これでは介護者がとまどってしまう。

(4)「Short Stay」の施設および人的充実は在医療発展のために不可欠である。在宅医療が長期間になると、介護者の精神的、肉体的疲労は相当なものである。これを続けると、介護者が逆に入院、そして在宅医療の中断といった懸念も考えられる。そのためには、ある期間、患者をShort Stay施設にあずけて、介護者 にリフレッシュしてもらうことは、この制度を続ける上で必須である。

しかし現状では、DayCare,Day Serviceの施設は、どんどん増えてきているが、本当に必要なShort Stay施設の現状は、数も少ないし内容もお粗末なところが多く、あまりにもPoorである。

父の場合で、具体的に述べると次のような問題点が発生した。

(1)患者の送迎に施設から職員1人で訪問して、小型バスタイプの車を使用する施設多い。しかし寝たきりでパーキンソン病で体が硬直した患者を車に乗せる場合、タンカが必要であるので職員1人でバスタイプの車では送迎できない。また、家族が持っている乗用車でも同じ理由で使用できない。このような場合、2人以上の職員、タンカを収容できる車種が必要である。

(2)現状の特別養護老人ホーム、養護老人ホームには、エアーマットを常備している施設はほとんどない。父の場合、Short Stayを利用する度に褥瘡をつくって帰宅する。褥瘡の予防にはエアーマットが不可欠であるが、この患者が利用した2軒の施設にはエアーマットがない。したがって、最近ではエアーマット持参でStort Stayしているが、施設の職員の中にはエアーマットの使用法すら知らない職員がいるのは残念だ。

(3)現状の施設では人的面で不足しているところが多く、細かい看護、介護が行きわたらずいろいろなトラブルが発生している。

父の場合では、

(3-1)先述のように毎回、褥瘡をつくって帰宅する。
(3-2)一度は水分の摂取が不十分で、脱水症状を起こし、39.5℃の熱と皮膚がカ サカサ状態で帰宅した。多量の水分(ポカリスウェット1.5リットル)の摂取により間 もなく回復した。
(3-3)歯の洗浄ができていなくて、入歯も入れっ放しであったため、歯肉炎を起こし、歯科医の訪問が必要になった。
(3-4)自宅ではほぼ毎日、車イスにのせてリハビリを行っているが、施設ではほ とんどできていないので、パーキンソン病が進行し、体の硬直が著しくなり帰宅直後は、車イスにものせられないことが多い。
(3-5)施設では会話量が不足するため、痴呆がどうしても進行する。

このようなことが発生している。施設の職員の方々は、頭が下がるほど懸命に看護をされている。このことは、施設を訪問すればよく分かる。しかし一方ではこのような現実があるということは施設および人的充実が行われなければ解決しないという結論になる。

私は、父をShortStayにあずける時、いつも悩む。父の立場から考えれば、ShortStayにあずけることはマイナスになり、きびしい表現になるが、極論すれば、少しずつ命をけずりとっているようなものである。一方、母と妻の立場から考えれば、介護が長期にわたってきたため、疲労が極度に達してきているので、父をShortStayにあずけて、その間は、介護から離れて、リフレッシュしてもらうことは、母と妻のQOLと父の在宅介護を継続する上でも必須である。

最近では、3〜 4日間のShortStayを1〜2ケ月に1度の頻度で、ある特別養護老人ホームのお世話になっている。安心してあずけられるShortStay施設が出来ることを、介護者として切に祈っている。

在宅医療は、高齢者のQOLのためには、素晴らしい制度である。医療の担い手である薬剤師が、この医療チームに積極的に加わり、この制度を充実、発展させることは責務である。また、一方では、この制度を真に発展させる環境作りとして大切な大きな柱の一つが、ShortStayの充実だと確信している。行政の方々にも現状を知っていただいて、その対応をぜひお願いしたい。

 

南区在宅医療研修会について

8月25日7時より南区高宮駅前のアミカスホールで南区在宅医療研修会が開かれた。講演は1部・2部に分かれ、1部では「日本薬剤師会モデル事業」に関して「在宅医療における薬剤使用の実態調査及び事例集作成事業」の報告ということで、56ページにも及ぶ冊子を作成して報告に当たった。報告書は非常に詳細に書かれており、今後の他支部への参考にもなると思う。

ただこの日、医師会のほうで診療報酬改正の説明会があったので医師会の出席者が少なかったのは残念だった。出席者は総勢126名だった。

「事業結果報告」で未田先生の全体的なお話があり、続いて坂口先生、福田先生より実際にモデル事業に参加して感じたことを具体的にお話頂いた。更に「主治医からの評価」では南区医師会の在宅医療担当理事の藤野法康先生より高い評価を頂いた。

具体的に評価のできた部分を述べていただき、更に今後の課題としてチーム医療の中で、より一層お互いの信頼関係を築いていく事が大事など、3項目に渡ってお話頂いた。「保健所からの評価」では楢崎明珠予防課長より多方面に渡る在宅医療の現状が語られた。

2部の「老人デイケアの実際」では大森整形外科医院の大森俊先生のスライドを使ったお話があった。たまには外に出ようということで「友泉亭」に出かけたときの写真を具体的に示していただいた。デイケアを受けている方々の刺激にもなるだろうし、痴呆の観点からも非常に積極的な試みをされていることを感じた。

骨折等の事故が起こるかも知れないとか、食中毒の問題等のリスクもクリアして前向きに取り組んでおられるが、薬剤師が在宅医療に参加することでもっともっと可能性も広がりをもっていくのではないかと思わせた講演だった。

(上村義徳)

<特集:南区住宅モデル事業ウォッチング2> 在宅患者の薬剤使用に関する問題点とその改善策等について

<特集:南区住宅モデル事業ウォッチング2> ケアチームのなかでの薬剤師の今後の課題

薬剤師の在宅での専門性について

1.調剤業務、服薬指導
2.薬歴簿の作成
  アレルギーチェック、副作用チェック
  他科受診などによる併用薬のチェック
  併用薬の相互作用チェック
  OTC薬のチェック
3.残薬の把握、管理、対応、処理
4.副作用の把握、対応
5.環境衛生の管理 環境衛生チェック表
6.在宅患者へのTDM対応
7.ケアチームの一員としての薬剤師の立場の把握

<考察>

 薬剤師の在宅医療における専門性をよく問われる。医師は患者に「訪問薬剤管理指導」の処方せんを出す時にメリットを説明するのにも苦労するといわれる。

 医師は診察、治療をする。保健婦、看護婦は血圧測定、採血、清拭など日に見えるいろいろな行動を行う。ホームヘルパーも多様な仕事をこなされる。薬剤師は単に「くすりの配達人」にはなりたくない。「薬の達人」にならなければいけない。

 薬剤師が在宅医療に薬学的な見地から関与することによって患者のQOLの向上に貢献していかねばならない。原点に戻り薬に関する知識をいかんなく発揮して、この第三の医療といわれる在宅医療という分野で経験も浅い薬剤師は、薬の専門家として地道な努力を続けながらケアチームの一員として認められる力を培っていくしかないだろう。

<特集:南区住宅モデル事業ウォッチング2> チームへのアンケート

末田先生より戴いた報告書を読むと、モデル事業の終了後、各機関へアンケート調査を行なっている。

モデル事業参加医療機関でのアンケートでは、在宅医療にチーム医療は(1)必要である(2)条件がそろえば必要である、を加えて100%になっている。

また在宅医療に薬剤師が参加したことについて、「よかった」が81%、「問題点もあったがよかった」が19%になっている。「必要がなかった」は0%になっており、「問題点もあったが」は気になるが薬剤師の参加が賛同を得られたことは大きな収穫であった。

問題点としては「患者宅を訪問する人が増えて患者が負担に思っている」「処方の意図と異なる服薬指導がされている場合がある」の2点が挙げられている。

特に2つ目の『処方の意図』というのは、広域処方箋を受ける上でも今後考えていかなければならない問題だと思う。

そして薬剤師が参加して良かったことは、「投薬に関して薬剤師と意見が交換できた」「患者について知らなかった情報が入手できた」がそれぞれ72%・63%だった。その他「残薬の把撞、対処、処理が出来た」が45%、「薬剤師が服薬指導することによって薬に関しての手間が省け医療に専念できた」「処方するにあたり薬剤師の意見が参考になった」が36%ずつあった。

保健婦、訪問看護婦、ホームヘルパーへのアンケートでは、在宅医療チームに薬剤師が参加したことについては100%が良かったと回答している。

良かったことに関しては、「処置するにあたり薬剤師の意見が参考になった」が最も多く80%、次に「投薬に関して薬剤師と意見が交換できた」「薬剤師が服薬指導することによって薬に関しての手間が省け処置に専念できた」が60%ずつとなっている。保健婦、訪問看護婦、ホームヘルパーからの期待も大きなものがあるようだ。

更に患者へのアンケートでは、「残薬がなくなった」が45%、「薬の内容が解かるようになった」が35%、「薬の飲み忘れがなくなった」が30%と非常にコンプライアンスが良くなり、不安の解消にも役だっていることが分かる。

他に「薬を取りに行かなくていいので助かる」「薬以外のことも相談にのってもらえる」などがあるが、特に薬以外の相談に関しては保健婦、訪問看護婦、ホームヘルパーとのコミュニケーションを密にとっていく必要があるのではなかろうか。

今回の南区在宅医療の報告書は非常に詳細に渡って書かれており、短い期間内での事業だったにも関わらずこれだけの実績を残すことが出来たことは賞賛に値すると思う。

(上村義徳)

<特集:南区住宅モデル事業ウォッチング2> 「モデル事業をおえて」 (社)福岡市薬剤師会 南支部長 末田順子

今回の「在宅医療における薬剤使用の実態調査及び事例集作成事業」というモデル事業は、平成12年に創設される「介護保険」の中に薬剤師がどの様な型で係わることが出来るかという足掛かりとして行われた。

介護保険はケアチームの連携によって行なわれるものであるため、地域での他の機関との関わりがとても重要になってくる。そのためには、いかに地域の連携ができているかが課題である。福岡市南区では地域医療機関との連携を中心にモデル事業を進めた。

福岡市の全保健所に「在宅ケア・ホットライン」が開設されており、高齢者が住み慣れた地域や家庭で安心して老後が送れるように医療、保健、福祉の連携により在宅のケアをしていく住民に直結した窓口となっている。

各薬局も「在宅ケア・ホットライン協力薬局」として直接患者さん達の医療、保健、福祉に関する相談をうけ、「在宅ケア・ホットライン」に紹介している。

訪問看護ステーション、在宅介護支援センター、ホームヘルプサービス、及びPT、OTなどによる訪問リハビリ、訪問口腔衛生指導、更に福祉などの社会資源の提供によ−り在宅医療が可能となってくる。平成6年10月より訪問薬剤管理指導が実施され、やっと薬剤師も在宅医療に加わる事ができるようになり、良質な在宅医療が供給されるよう薬剤師のあらゆる職能を発揮し、努力していかねばならない。

南区の在宅ケアは、南区在宅医療委員会が中心となって支援チームとして活動している。モデル事業は、この会に協力を依頼し多大なご指導、情報提供、提案によりいい成果をあげることができた。担当の薬剤師達もチームの一員として他職種との連携の重要怪を経験し、患者を中心に信頼で結ばれたチ一ム医療の大切さが理解できたかと思う。

モデル事業は終わっても、この事業を継続してこそ目的は達成される。この経験を生かして訪問薬剤管理指導の輪を広げていきたい。そのためには、薬剤師の専門性を発揮し、在宅ケアチームの一員として認識され、信頼される力を培っていかなければならない。

有り難いことに今回のモデル事業の成果により「在宅ケア・ホットライン」の社会資源の医療機関部門に「薬剤師による訪問薬剤管理指導」を加えようという提案が保健所からなされた。各地区の薬剤師会でも公的介護保険への関与のために地道な努力がなされていると思うが、他職種団体の介護保険に向けての素早く積極的な動向を目の当たりにすると、現状では、薬剤師の介護保険への介入は困難を極めるような気がする。

個々の薬局では成し得ないことも、日本薬剤師会という団体のもとでは、必ずや成就できるものと思う。日本薬剤師会の強力なバックアップを期待している。いつも適切な助言をして元気づけて戴くモデル事業座長の西三郎先生(愛知みずほ大学教授)の暖かい声援に応えるためにも、深い認識の上での更なる努力を迫られていると思う。

今回のモデル事業に参加を希望していただいた薬局数35、実際に症例をだして活動した薬局が11薬局25症例でホットライン、訪問看護ステーション、在宅介護支援センターなどにお願いして該当症例をピックアップしていただいたが、限られた数になった。更に、今後この事業を続けることによって地道に症例を増やしていきたい。

今回のモデル事業に参加し、データの収集、会議、検討会などで、並々ならぬ努力をしていただいた担当薬剤師の先生方に心より感謝致します。

最終報告会が5月22日東京芝会館で開催され全国7地区からの報告が発表された。各地区の地域怪を出した特色のある報告書が出され、福岡からはチーム連携を中心に報告し医師会から藤野法康在宅医療委員長、保健所から楢崎明珠予防課長、在宅ケア・ホットライン田中チツ子主査に参加していただき、医師会の立場から、行政の立場から意見を述べていただいた。

各薬剤師の努力により訪問薬剤管理指導も着実に増加している。

在宅医療の中で薬剤師の職能を広げ、在宅価値を高めていき、ケアチームの一員として患者さんに喜ばれる仕事をしていきたいものである。

<シリーズ:薬剤情報提供3>

薬剤情報提供が始まって半年、上田市薬剤師会の事件は象徴的だ。あちらこちらでトラブルが起きている。これらは現状における薬局薬剤師による、薬剤情報提供の難しさを示している。このようなトラブルを真筆に受け止め、もう1度「患者さんの為になる薬剤情報提供のあり方」を考え直し、足下を固めたい。

コンピューターのキーを叩けば、山のような情報が出てくるが、それを分析・評価するのは薬剤師各自の力だ。頼りにされる薬剤師になりたいものである。(M)

<シリーズ:薬剤情報提供3> 「薬剤情報における副作用と相互作用について」 福岡逓信病院 薬剤部長 藤井俊志

1.はじめに

患者主体性の医療が望まれる中、薬物療法において医薬品適正使用の観点から、薬剤師による医薬品情報管理(DI:DrugInformation)業務の重要性が指摘されています。

診療報酬制度の改正を始め、医療法、薬事法、健康保険法(保険薬局及び保険薬剤師療養担当規則)並びに薬剤師法等が相次いで改正され、DI業務の認知と共に、改正薬剤師法では「患者等に対し、調剤薬の適正使用に必要な情報提供」が義務付けられる等薬剤師によるDI業務も“活動−>業務−>責務(義務)”と変化してきました。

そして、情報提供の対象者は医療関係者のみならず患者自身およびその家族等にも拡がり、患者等への医薬品(薬剤)情報の提供のあり方も画一的なものではなく、個々の患者にとって「医薬品の適正な使用のために必要な情報」であることが求められています。

さらに、1997年の診療報酬改正では、薬剤の名称、用法、用量、効能、効果、副作用、相互作用に関する主な情報を文書によって提供した場合の薬剤情報提供料が新設されました。

この薬剤情報提供の基となるDI業務は、医薬品情報の収集、整理・保管、加工・評価(消化)および提供・伝達といった基本的業務なくして成り立たないものですが、若干の環境設備(スペースと資料等)があれば、業務として遂行することは可能であります。

DI業務を行うには医薬品に関する情報の収集は必須要件であり、得られた(る)医薬品情報を整理・保管し、情報内容を十二分に把握し、適宜医薬品情報の受取側(対象者)に即した形に加工・評価(消化)して提供・伝達する必要があります。

単なる医薬品情報の提供・伝達のみではDI業務を果たしたとはいい難く、医薬品情報の整理・加工・評価・提供といった一連の消化はDI業務の中で大切な作業と考えられます。

例えば、基本的なDI用参考図書といわれるものを手元に準備し、それらの特徴・内容を薬剤師が理解・把握しておれば、コンピューターがなくとも医師をはじめとする医療スタッフや患者等からの医薬品に関する質疑に対する手がかりは得られますし、ある程度の回答も得られるものです。

DI業務は医薬品情報なくして始まりません。そして医薬品情報は与えられるものではなく、薬剤師自らが探し出し入手する、いわゆる奪い取るものと考えられます。

通常、DI業務は受動的DIと能動的DIに大きく分けられ、それぞれに種々の業務内容が含まれていますが、最近では能動的なDI業務として、患者への適正使用に必要な情報提供が望まれています。今日は能動的DIとしての副作用および相互作用に関する考え方について紹介させて頂きます。

2.副作用

副作用に関する情報は医薬品情報の中で安全性情報として重要な情報の一つであります。一般に、副作用は通常の用法・用量で医薬品を用いている場合に生じる好ましくない反応を示し、医薬品の誤った使い方あるいは過量投与によって生じる重篤・致死的な反応は中毒と称されています。副作用に関連する 用語には少しばかりの混乱が見られており、改めて整理しておく必要があると思われます。

(1)副作用 side effect 従来から「好ましくない」という否定的な作用に用いられていますが、時に「好ましい」という肯定的な意味にもあてはまることから、ICH(日・米・欧3極医薬品承認審査ハーモナイゼーション国際会議)では使用すべきではなく、adverse drugevent(experience)や adverse drugreacionと同義語とみなすとされています。

(2)有害薬剤事象 adverse drug event 患者または被験者に医薬品が投与された際に生じる好ましくない、また意図しない徴侯(異常検査所見を含む)、症状、疾病をいい、医薬品の投与と必ずしも因果関係のある必要はありません。

(3)有害薬剤反応 adversedrug reaction 病気の予防、診断、治療あるいは生理機能をかえる目的でヒトに投与された医薬品に対する反応のうち、有害で意図しないもので、医薬品と有害事象との因果関係が否定できないものまでも指し、いままでの副作用の言葉に合致します。

また、副作用の表現において重症と重篤という言葉が用いられますが、これらの言葉は同義ではないことに留意すべきです。すなわち、重症はある特定の症状、疾患の強度(重症度)を表し、医学的に比較的生命の危険や後遺症を残す等の危険を伴わないこともあります。一方、重篤は患者の生命または機能を危険に転帰、機能障害をとるもので、医薬品添付文書に記されている重大な副作用に該当するものです。重篤な副作用としては次のようなものがあります。

(1)死に至るもの。
(2)生命を脅かすもの。
(3)入院または入院期間の延長を必要とするもの。
(4)永続的または重大な機能不全に陥るもの。
(5)先天異常、出産時欠損を来すもの。
(6)上記の結果を来さない処置を必要とするもの。

医薬品の副作用に関する情報は日々各種の情報媒体を通して、副作用の発生事例、発生メカニズム、予防法および対処法等が紹介されています。

医師および薬剤師は、医薬品の安全性を確保する上からも医薬品副作用情報に細心の目配りを図らなければなりません。本邦には医薬品の副作用をベースとした資料は乏しく、海外のものに頼らずを得ないのが現状であり遺憾ともし難いものです。

しかし、本邦でも企業報告、医薬品副作用モニター制度、薬局モニター制度およびWHO国際医薬品モニタリングといった副作用モニター制度により医薬品副作用情報が積極的に集積され、その結果が厚生省医薬品情報(随時)、医薬品副作用情報(隔月)、薬局モニター情報(毎年)および医薬品安全対策情報(DSU:DrugSafetyUpdate.毎月)等によって提供され、かつ医薬品添付文書が随時改訂され、必要に応じ緊急安全性情報も随時出されています。

これらのいわば公的な医薬品副作用情報を十分に把起さえすれば、最低限の医薬品副作用情報を捉えることが可能となってきました。医薬品による副作用が強く疑われる症例を経験した場合、この副作用モニター制度等を利用して積極的に報告することが望まれています。

報告の対象となる副作用は、既知で軽微なものを除く全ての副作用です。副作用が出やすいとされる肝臓、腎臓、血液、過敏症、呼吸器、消化器、循環器、精神神経系、代謝・電解質異常の9項目に関しては、医薬品等の副作用の重篤度を3段階のグレードに分類し、報告を行う症例の範囲についての判断のための具体的な目安となる基準が作成されています。そして、グレード3に該当する副作用は、30日以内に報告すべきとされています。

グレード1:軽微な副作用と考えられるもの。
グレード2:重篤な副作用ではないが、軽微な副作用でないもの。
グレード3:重篤な副作用と考えられるもの。すなわち、患者の体質や発現時の状態によっては、死亡又は日常生活に支障を来す程度の永続的な機能不全に陥る恐れのあるもの。

1996年度における副作用モニター施設(2989施設)からの副作用報告は1,914件と企業報告数の16,831件に比して著しく少ないことから、副作用モニター制度の活性化が望まれています。また、報告された副作用は中央薬事審議会医薬品安全対策特別部会内の副作用部会で評価され、未知または重篤な副作用のうち、同様の症例を調査する必要があると判断された項目は、品目指定副作用調査として副作用モニター病院に調査が依頼されます。

さらに、1997年7月から副作用モニター報告制度は副作用モニター病院制度をはずし全医療機関を対象とするなどの充実・拡大が図られるとともに(医薬品等安全性情報報告制度)国際レベルで新薬安全性情報を共有することを目指し、製薬会社に定期的安全性最新報告(PSUR:Periodic SaftyUpdateReport)の提出が義務付けられることとなりました。

PSURには、国内だけでなく、海外での同一成分の医薬品の副作用発生状況やそれに対し採られた対策等が盛り込まれ、新薬が世界で初めて承認された日(国際誕生日)から2年は6カ月毎、その後再審査期間中は1年毎に報告されます。

薬剤師は得られた(る)医薬品副作用情報をそれぞれの環境に応じて組み替え(加工・評価)、迅速・的確に医療関係者に、場合によって患者に伝達する義務を果たさねばなりません。医薬品副作用の伝達にあたっては、単なる副作用の事例を紹介するのではなく、副作用の予防策や処置法等に関する情報をも必要となります。

医薬品添付文書では副作用に関する事項が重大な副作用とその他の副作用に分けて記載されており、高松高裁や福岡地裁の判例等から重大な副作用に関する事項は患者に伝えるべき医薬品情報の一つとされています。

日本病院薬剤師会医薬情報委員会では、重大な副作用に関する事項をまとめ、患者に伝える初発症状等を記した「重大な副作用回避のための服薬指導情報集:薬業時報社」を作成し参考に供しています。

3.相互作用

高齢化社会を迎え、複数疾患を抱える患者の増大とともに、他科受診等による重複投薬等の可能性が高まってきました。現在の薬物療法においては、単一の薬剤で治療が行なわれることは非常に稀であり、二剤以上の薬剤が併用されることは一般的であります。

しかし、二剤以上の薬剤を併用することによって、薬物効果が増強し重篤な副作用を生じたり、目的とした効果が十分に得られないことが種々報告されており、医薬品の適正使用において、相互作用に関する情報は副作用情報と同様に有効性および安全性情報として重要な医薬品情報の一つであります。

医薬品添付文書においても、相互作用に関する記述は大きなウエイトを占めており、医薬品の安全性確保においても重要視され、患者に伝えるべき情報の一つとされています。

本邦では相互作用に関する資料は非常に乏しく、ようやく学問的解明が始まったばかりといえます。そして、TDMの活用、薬物代謝酵素の役割の解明および薬物動態学や薬力学等の積極的利用により少しずつ理解できるようになってきたことは医薬品の有効怪と安全性を一層高めるものであります。

さらに、薬物+薬物間の相互作用のみならず、薬物+食物(ワルプアリンと納豆等)や薬物+飲料物(フェロジピンとグレープフルーツジュース、トリアゾラムとアルコール等)等における相互作用に関する情報も生活上の留意事項の一つとして医薬品の適正使用上大切なものであり、必要に応じて患者等に伝えなければなりません。

薬物相互作用の多くは、薬理作用の変動に起因する相互作用と薬物動態の変動に起因する相互作用に分類され、さらに薬物動態における相互作用は吸収、分布、代謝および排泄の過程に分けられます。

吸収部位における相互作用は、吸着(コレスチラミンとワルフアリン等)、複合体形成(金属カチオンとニューキノロン系抗菌薬等)のような物理化学的要因に基づく直接作用、あるいは消化管内pH(炭酸水素ナトリウムとテトラサイクリン系抗生物質等)や消化管運動性(レポドパとメトクロプラミド等)といった生理学的要因の変化を介する間接的なものによって生じます。

分布部位における相互作用としては、血漿蛋白結合の置換現象(テノキシカムとアスピリン等)によるものが知られています。

代謝部位における相互作用では、肝細胞の小胞体に存在し、薬物の酸化的代謝に関わっている酵素チトクロームPー450(CYP)を介して生じる相互作用が注目されており、CYP活性の阻害(マクロライド系抗生物質とテルフェナジン等)あるいは促進(リファンピシンとプレドニゾロン等)によって薬物治療に重大な影響をもたらすことが報告されています。また、CYP以外の薬物代謝酵素で相互作用が問題となる場合も生じています(ソリブジンとフルオロウラシル系抗悪性腫瘍薬等)。

排泄部位における相互作用では、腎排泄としての糸球体濾過(フロセミドとアミノグリコシド系抗生物質等)、尿細管分泌(非ステロイド性抗炎症薬とメトトレキサート等)および尿細管再吸収(弱酸性薬物とアスコルビン酸等)の過程における相互作用が大きな問題となります。最近では、腎臓の近位尿細管刷子縁膜に存在し、薬物の輸送に関わりを持つP糖蛋白の役割が注目されています(キニジンとジゴキシン等)。

薬理作用の変動に起因する相互作用としては、同一の作用点(受容体)を巡る相互作用(ニューキノロン系抗菌薬と非ステロイド性抗炎症薬等)と異なる作用点(受容体)を介する相互作用(β遮断薬とベラパミル等)に分けられ、併用により作用の減弱、作用の増強さらには副作用の増大等が生じます。

薬剤師は薬物相互作用に関する情報を積極的に収集・評価し、薬物相互作用を防ぐために適正なアドバイスを医師や患者等に積極的に行う必要があります。そして、薬物相互作用の中でも、重大な結果を生じることが認められている薬の組み合わせにおいては、処方の変更を求める必要がある場合もあります。

日常の薬剤業務の中では相互作用の危険性を絶対的、相対的などに分け、少なくとも絶対的禁忌は処方の変更を絶対し、相対的禁忌は処方変更を促すなどの注意点を明らかにしておくと便利であります。

参考までに絶対的及び相対的禁忌等に相応するものを次頁に示します。参考になれば幸いです。

4.おわりに

薬剤師による薬剤業務のあり方にも大きな変革が求められており、薬剤師自らが患者情報を把握し、個々の患者に即した医薬品情報の提供が望まれています。

1988年の診療報酬改正における入院調剤技術基本料(1995年には薬剤管理指導料に移行)の新設に始まり、薬事法や健康保険法における保険薬局及び保険薬剤師療養担当規則等が相次いで改正されるとともに、1996年の診療報酬改正における処方科の薬剤情報提供加算(1997年には薬剤情報提供料として独立)および同年6月の通常国会で議決され、1997年4月から施行された改正薬剤師法に伴う「調剤薬等に関する患者への情報提供義務」等は医薬品情報の提供のあり方を示すものであります。

薬剤師には、日常の薬剤業務の場をより患者に近い位置にまで拡大させ、薬剤師自らが患者に関する情報を把握し、その情報の中から薬物治療上の問題点を見出し、薬剤師の薬学を基盤とした知識と技術を駆使して患者の薬物治療に携わり、個々の患者に適した医薬品情報を随時提供し、薬物療法の治療効果を高めるために患者の薬学的管理(ファーマシューテイカルケア)を行うことが求められています。

そして、このファーマシューテイカルケアを実践していくことこそ能動的医薬品情報の提供であり、真の生きたDI業務の展開といえます。DI業務を通して、患者とのよりよいコミュニケーションを図ることができればと願っています。

 

今回は紙面の都合上(1)絶対的禁忌 (2)相対的禁忌 のみ掲載しました。次回はひきつづき藤井先生に (3)併用間隔に注意すべき薬物の相互作用 (4)食品との相互作用 (5)嗜好品の相互作用 を御教示いただきます。

<シリーズ:薬剤情報提供3> 薬剤情報提供書 城南支部 別府部会 サカタ薬局 坂田博子

薬局ではOTC薬を中心の面分業をしており、現在、月に80枚ほどの処方せんを受けています。6〜7年前は歯科の先生からだけでしたが、少しずつ増えての枚数です。開局時(11年前)、調剤は嫁がないものと思っていましたが、時の流れか、薬剤師として当然という思いで調剤してきました。ファックスや分包機を設置し、そしてこの6月からは、ついにレセコンを導入しました。患者さんの為に手早く、且つスッキリした薬剤情報を提供したいと。

4月から手書きにて出しておりましたが、書くのに時間がかかりすぎ、レセコンが来たときのうれしさはひとしおでした。ところが、先ず出してみて息を呑んでしまいました。B5の用紙2枚にわたって延々と印刷しています。副作用の注意、相互作用の注意、生活上の注意、服用上の注意、保管上の注意、あれもこれもと、そして肝心の効能・効果はたった1〜2行。これでは患者さんの動揺を招くだけ。

それから削除キーをたたいて、たたいて・・、やっとスッキリとした提供書が出来上がりました。見ると何の事はない今までの分とそれほど変わりない物でした。

*効能・効果が目立つように。*服用後に変化、不安なことがあればいつでも連絡をと、連絡先の明示。*他科受診、併用薬の注意。これらに気を付けて、薬と提供書を照らし合わせ説明してお出ししています。

まだ数ヶ月ですが患者さんの反応も様々です。教えて下さってありがとうと喜ばれる人あり、又、要らないという人あり、忘れて帰ろうとする人あり。

聞くところによると、降圧剤服用中の患者さんが提供書をもらって、その副作用等々にびっくりし、服用されなかったとか。コンプライアンスを上げるために差し上げた情報が逆に作用してしまう、何の為のものかしっかりと肝に銘じなければならないと思っています。

今は副作用、相互作用、ほとんど抜きの情報提供書ですが、それを備えた提供書となるために感じた事が2〜3点あります。

(1)医師、薬剤師間のコミュニケーションづくりをより盛んにしたい。
(2)病院の患者情報、医師のコメントなど、処方せんと共に薬局へ伝えてほしい。
(3)「お薬について何かお尋ねになりたいことがある場合には遠慮なく薬剤師にお聞きください」ポスターを薬局内に掲示する。

6〜7年前、国立中央病院(現在九州医療センター)の処方せんが面に出始めた頃、処方せんを見ても処方医のお顔が見えなくてとても不安でした。患者さんの伝えたい情報があっても届かないようなとても深い隔りを感じていたものです。最近は処方検討会や研修会などを通じて少しずつお顔が見えてき、近いものになりましたが、それでもまだもどかしさがあります。

一方、初めは同じように、近くても遠い存在だった近隣の先生、その近隣の先生とは在宅医療を通じ近い存在となりました。お薬を出す時にもその先生よりの依頼書による情報が生かせました。今は在宅訪問指導をしておりませんが、その時の月に1回のやりとりはとてもよい習慣だったと思います。

報告書を書くことは、時には苦痛な時もありましたが、これを院外の処方せんに何らかの形で利用できないものかなと思います。先生よりの在宅の依頼書には病名から、症状、既往歴、治療の状況から薬剤管理指導に関する情報まで備えてあります。完璧に近い嬉しい情報です。

病院には患者さんの沢山の検査データが保管されています。刑法第134条に個人の秘密漏洩の罪、「医師、 薬剤師、薬種商、産婆、弁護士、弁護人、公証人又は、これらの職にありし者、故なくその業務上取り扱いたることにつき知り得た人の秘密を漏洩したる時は・・」とあります。

これにより患者さんの病院からの情報には縛りがあると開いています。院外処方せんで面に散る現在、これを一考し、修正の必要があるのではないでしょうか。この修正と共に薬剤師法第25条の2、薬剤情報提供の義務化が始まったならば、と思われてなりません。

7月21日付のPharma weekをご覧になられましたか?「処方せん発行停止も辞さない、情報提供をめぐって医師会からの発言」理想の面分業を実践の上田薬剤師会のトラブル。※ P37参照

何故にと驚き、一気にその文面を読んでしまいました。私たちへの貴重な警鐘だと思います。

城南支部では今、医師会の先生方との交流が盛んになろうとしています。合同の研修会、ソフトボールの親睦試合・・・、様々なことでよりコミュニケーションづくりをやっていこうと、とても期待しているところですが、それだけに開局薬剤師、勤務薬剤師、一緒になって受け皿づくりをすることを心掛けていきましょう。

(3)については病院薬剤師会の「患者情報提供の進め方」(H9.2月7日付)という資料の中に見つけました。「患者さん向けに「お薬について何かお尋ねになりたいことがある場合には遠慮なく薬剤師にお開き下さい」というポスターを作成し、掲示する」患者さんに安心していただけるメッセージを送ること、大切だと思いました。今このアイデアを頂いて作成中です。

長くなりましたが、薬剤情報提供書、数カ月たっての感じることを書き綴りました。1枚の提供書が患者さんの健康に役立つものと喜ばれ認められるように、深めて行きたいと思います。

最後にもう1点。学校薬剤師の仕事は学校環境衛生の充実とあります。その中で水の問題、薬物の関連など先輩の先生方の永年の取り組みにより今、学校より講演を依頼される機会が増えました。少しずつ学校薬剤師の存在がより確かなものになっていると感じます。が、それらのことを学校だけにとどめず、もっと社会一般にも広めていき、役立てるような努力をより一層していくステップだと思います。

先日も「覚醒剤、ダメ。ゼッタイ。運動」と、市民へのアピールが博多駅や天神、西新などの交通の中心地で行われました。啓蒙のビラ配りなどで、学校薬剤師会として私も一度参加したのですが、これにはもっと沢山の薬剤師の先生方に参加して頂きたいと思います。「覚醒剤、薬物乱用防止、これこそ薬剤師の範疇だからもっと力を入れてやらねば」とは、支部長として参加された先生からのコメントです

<会員の広場> 『環境問題の話を聞いて』 早良支部 原南部会 温和堂薬局 福岡英樹

  あなたは未来の子供達に何を残してやれますか?

   ちょっとだけ視点を変えてみませんか
   ちょっとだけ考え方を変えてみませんか
   ちょっとだけ自分を変えてみませんか

   他人を変えることは難しくても
   自分を変えることは出来ます

   みんながちょっと変われば
   世の中すごく変わります

僕は今、この言葉を出来るだけ多くの人に伝えたいと思っています。

地球の環境問題の話を開きました。開いてみると知らない事ばかりでした。

環境問題は、「健康」「命」に関わってくる問題です。地球上に住んでいる一人一人が考え行動しないといけない問題だと思います。その為には、先ず一人一人が知る、そして興味を持つ事から始まると思います。

今の世の中情報が多すぎます。中にはオーバーな情報もあるでしょう。抑えられた情報もあるでしょう。何が正しくて何が間違っているのか分からなくなってしまいます。そのような中で、環境問題に対して薬剤師 として薬局として何か大きな役割があるように思います。

環境問題の話題を幾つかあげてみます。

【ダイオキシンの問題】で最近「学校の焼却炉廃止を検討」等の記事を日にします。

ダイオキシンはプラスチックやビニール製品、ペットボトル等塩素化合物を燃やした時に発生します。皆さんはプラスチックは可燃物、不燃物どちらに出してます?ペットボトルは?ビニール袋は?台所用のラップは?これは全部燃やすとダイオキシンが発生します。紙は?紙からは出ませんね。でも上質のパンフレットや牛乳パック等ビニールコーティングしてありませんか。

ところでダイオキシンの焼却炉に対する規制値知ってました?ドイツでは1立中0.1ナノグラムでそこの焼却場の焼却炉は停止だそうです。日本では?新開で危険値を越した焼却場が現段階で105あると出ていましたが、この危険値とは80ナノグラムです。ドイツの800倍です。ただし厚生省のガイドラインでは0.1ナノグラム以下となっているようです。

又ダイオキシンは低温の方が発生しやすく、その為に「学校の焼却炉廃止」という問題も出てきているようです。WHOは「ダイオキシンには発癌性がある」と認めています。子供達から危険を遠ざけるという事では一歩前進だと思います。でも危険を遠ざけるだけで良いのでしょうか?

学校でゴミの分別をきちんと教え実行し、燃やして良いものは燃やしてゴミを減らす。子供達が家庭で「お父さん、お母さんゴミはこうしないといけないんだよ」と逆に教える。その方がその子供達が大人になった時に、そして又その次の時代には世の中変わるのではないでしょうか。甘い考えでしょうか。それともやはりそんな悠長な事を言っておられないのでしょうか。

皆さん、学校の先生から「学校の焼却炉使っていいですか」「ゴミの分別はどうすればいいですか」と質問されたらどう答えます?

【日本の焼却炉の数】知ってました?日本全国でおよそ1,850有るそうです。又ドイツを例に出しますが、ドイツでは全国で規模は知りませんが約50だそうです。

1,850と50、人口も同じ位の国で何故こんなに違うのでしょうか。今TVで「輸入してまで食べ残すおかしな国日本」というCMが時々流れています。食べ物に限らず明らかにゴミの排出量が多いのです。

【産業廃棄物処理場】の問題もよく目にします。経済発展とゴミの量は比例するところがあると思います。でも、敗戦後ドイツも日本も飛躍的に経済は伸びています。なのにこのゴミの違いは何なのでしょうか?

【リサイクル】と【リユーズ】全く違うという事知りませんでした。日本語で言うと「再利用」と「再使用」です。例えばビンとかペットボトル。回収して溶かして原料として使う。「再利用」です。でもエネルギーは消費します。回収して洗って又使う。「再使用」です。エネルギーの消費も少なくて済むのだそうです。缶はどうでしょう。「再使用」出来ませんね。

洋画で缶ビールを飲むシーンってあまり見ませんね。そうヨーロッパでは缶ビールとか缶ジュースは殆ど無いんだそうです。だから缶ビール缶ビュースの自動販売機も無いそうです。その上、ビンは各メーカー殆ど規格品を使うのだそうです。

私達も関係する物を扱っています。そうドリンク剤です。各社に規格品のビンを使ってもらえばドンドン「再使用」してもらえますね。理屈では。でも薬剤師会で働きかけなくて誰が働きかけるのでしょう。

NHK教育TVで【環境ホルモン】という特集をしていたようです。御覧になった方もいらっしゃると思います(すみません、私は見てません)。この「環境ホルモン」とは環境中に存在する化学物質が、生体内でホルモン様作用を起こすものをいうのだそうです。

一つの例として、イルカの脂肪組織から通常の1000倍濃度のPCBが検出されているそうです。細かい理論は省きますが、それが結果的に男性ホルモンのテストステロンを女性ホルモンに代謝してしまうのだそうです。それがどういう結果になるのでしょう・・・発情しませんね。種の保存?そういえば「セックスレス夫婦」という話題がありましたよね。まさかこれもPCBが関係してませんよね。

このような「環境ホルモン」による被害が自然界では起こっているそうです。 イルカは海の食物連鎖の頂点にいます。人間は地球上で食物連鎖の頂点にいます。今イルカや他の動物で起こっている事が人間に起こらないと誰が言えるでしょうか。

【環境問題】は【エネルギー問題】と切り放せません。

先日【温度上昇】の実験をTVでやってました。透明容器を2つ用意して、1つには芝を敷く。1つにはセメントをはる。その上にビルの代わりにブロックを置く。そこに水を撒き(雨の代わり)、その後太陽の代わりに光を当てる。3時間後に温度を計る。結果は27度と30度でした。

又都心部をサーモグラフで計る実験もしてみましたが、夜になっても赤い部分は少なくなりません。アスファルト、コンクリートは熱をこもらせます。その為にエアコンの使用が増える。その熟が又溜まる。悪循環です。アスファルトを勝手に剥いだらやっぱり罪になるのでしょうね。

僕は【原子力発電】は恐いです。でもだから反対とだけ言っていればいいのでしょうか。九電のパンフレットに1975年と1995年の電力消費量のグラフがあります。年間のピーク時で75年が622万KW、95年が1533万KWだそうです。この20年間で約2.5倍の消費増です。

電気は溜める事が出来ません。電力会社は最大消費電力に合わせて発電能力を持たなければなりません。無駄な電気は使わない。ただ使わないだけでなく、使わなくて済むためにはどういう努力をしなければならないのか、考えて実行しないといけないと思います。

国によっては、夏のエアコンタイム(電力消費が一番多い時間)は電気代を通常の10倍以上にしてある所もあるそうです。九電も「私達も出来ることなら原発は作りたくありません。でもこの電力消費に応えるためには仕方ありません。皆さん、もっと考えてください」と言われているように思います。

【地球温暖化】【フロンの問題−オゾン層破壊一紫外線の害】【電磁波の問題】【森林破壊】その他地球を取り巻く環境問題は沢山有ります。今騒がれています諌早の干潟間蓮にしても、福岡は特に和白の干潟があります。良い悪いではなく、一人一人が真剣に考えてみないといけない聞達だと思います。

今回はちょっと偉そうなことを書いてしまいました。でも「子供達に豊かな未来を」と言うけど、「豊かな未来」って何だろう。考えさせられる内容でした。

※この講演の録音テープあります。ご希望の方には貸し出し致します。ご連絡下さい。(温和堂薬局 851−7377)

 

石井道子環境庁長官をお迎えして

日 時 平成9年8月2日(土)午後2時
場 所 アクロス福岡2Fセミナ一室
出席者 県薬、市薬役員

駐車場捜しに手間取り、5分遅れでアクロスに着いた。

会場がわからず受け付けで「石井環境庁長官の会場は?」とたずねていると後ろから肩を叩かれた。振り返ると県薬の小野常務理事と市薬の中野理事だ。お二人とも会場がわからずウロウロしていたそうだ。セミナー室とわかり2Fへ急いだ。すると、向こうから見なれた体型のヒトがニコニコと笑いながら「会場がわからーん」と歩いてくるのに出会った。南島専務理事である。

なんとまあ、遅刻者も4人になると、「赤信号みんなで渡れば」だ。少し気楽になったが、会場に入ってみると最前列しか空いてない。昨日、昔とった杵柄で写真を撮ってきてくれと広報委員さんから頼まれている。仕方ない、と厚かましく前に行って撮ったのがこの写真だ。

石井長官は、(1)諌早湾の干拓事業 (2)今秋、京都で開催される地球温暖化の国際会議(診焼却炉から出るダイオキシンのことなどを環境庁長官らしく語られた。

終わって、少しばかりの質問の時間をとられた。県薬から阿波専務理事が大学教育6年制の問題を、そして県学薬会長の未宗先生は学校の焼却炉の問題について尋ねられた。また、要望として県女子薬の末永会長は、今秋開催が予定されている「女性国会」への女性薬剤師の参加をお願いされていた。

この懇談会で得たとっておきの情報は、来年の参議院選挙に、日薬はもしかしたら文部省の体育局長を推薦することになるかもしれないということであった。

さきほどの質問事項は、2つとも文部省に関わることであり、薬剤師会にとって非常に大きな力となるであろう議員さんの誕生を期待したいものだ。

博多支部長 木原三千代

<会員の広場> インド感傷旅行 城南支部 友泉部会 あいざわ薬局 合澤英夫

家族が僕に出した条件は“一人で行ってはいけない”“お土産は買って来てはいけない”勿論誰も一緒に行こうとは云ってくれません。7月の雨期の悪条件のインドに行く人も少ないらしい。

数年前からインド、インドと騒いで、インドに関する本を読み漁っていましたので、少々うるさくなったのか、是非行って来いとの話になったのですが、なかなか相棒が見つかりません。小学校の先生をしている甥に頼み込んで一緒に行ってもらう事にしました。

彼はモンゴルやパキスタン等の経験があるので心強く思いました。当然ながら費用一切は僕が持つ事になり、そのかわり荷物は総て彼が持ってくれる事になり、僕は大名旅行となる予定でした。

戸田(昭洋)先生曰く、インドを観た人は人生観が変わる。勿論そんな事はありませんでした。50才を過ぎているのに確たる人生観も持ち合わせていませんが、唯少し混乱してしまいました。

光安先生が云うには、彼の薬局に勤めていた薬剤師が、インドにはまってしまって毎年インドに行くようになり、そのうち辞めてしまったそうで、その人は・・、最後まで云わないでも判っています。少々変った人だったそうです。僕は30年近く一緒に居る妻から、結婚以来貴方のような変な人は見た事がないと云われ続けていますので、この話には納得と云った所です。

いい年をしてちょっと恥かしいのですが時々、人間とか人生とか考える事があり、インドにはその答えがありそうに思えるのです。ほんの短期間の通りすがりの観光客にそれが見つかる訳でもないでしょうが、ほんの少しでも触れてみたい、ちょっぴりでも臭ってみたい、そんな気持で出発する事になりました。

カルカッタにて

インドで1、2番目の大都市で人口1300万人、昼間人口は1800万人になるそうです。僕は観光が目的でもないので、朝昼夕ガイドなしで、少々不安ですけど街中を歩き回りました。朝ホテルの近くを歩き回っていますと路上に多くの人が居て、座っている人、寝ている人、いろいろな商売をしている人、犬、牛がいます。

髭が伸びていたので、路上で髭剃りのおっちゃんに呼び止められたりしました。5〜6ルピーで路上で髭剃りをやってくれるとの事です。1ルピーは約3.5円です。

ガイドさんが説明する所によると、カルカッタには、野良犬、野良牛、野良人が沢山いると云う話でした。時々所謂ホームレスが寄って来て手が服を引っぼります。その手が途中で欠けていたりしますので、申し訳ないけど気味が悪く、胸がつぶれる思いがします。

僕は少し小銭を用意しており、又自分の気持ちに素直に、あげたかったらあげようと思っていましたので、すぐに小銭はなくなってしまいました。バクシーシ(喜捨)と云った所です。カルカッタの街でマザーテレサの所を見てみたいと思い、これがこの旅の目的のひとつでしたので、案内してもらいました。

行く所のない子供達が、多数収容され、病気の子供達の部屋を見て回りました。もう途中から胸が一杯になってしまいます。年をとってだらしないのですが、もう涙がとまらなくなってしまいました。回復期の子供達の部屋では、子供が寄って来てキヤンデイをくれるのです。出来れば不潔だから触るまいと思っていたのですが、つい頭をなでたり、抱き上げたりしてしまいました。

外では食料をもらう人の列、又薬をもらっている人の列、のぞき込みますとオレンジ色のシロップ剤が多かったようです。又各国からのボランティアの娘さん達が目につきました。僕はここでもほんの少しバクシーシです。僕は疲れ果ててしまいました。

ジヤイナ教の寺院に行く途中、僕等の車の前にバスが走っていました。カルカッタは車の洪水なので走っていたと云っても、10〜20血位のスピードで人も車も牛も犬も大きな渦となって勝手気ままに動いている感じです。

渋滞でバスが止まった時の事です。10才位の子供が飛び出して来て、バスの後のライトをカバーしている金具を取りはずそうと片足をバスにかけて引っぱり出しました。バスが動き出すと、パリッと音がしてカバーがはずれ、その金具を持った子供は群衆の中に消えて行きました。車の部品屋に売るのだそうです。すぐ後ろの車の中でそれを見ていた僕が、思わず声を出すと、インド人のガイドは“インドは貧しいのです”と哀しい声でつぶやきました。

ハウラー駅にて

カルカッタの駅です。僕達はここからインド国鉄の列車でヴァーラーナスイ(ベナレス)に行く事になっています。ヴァーラーナスイはビンドゥ教の聖地、カンジス(ガンガー)河での沐浴で有名な所です。早目に駅につきましたので例によって駅の中を散歩する事にしました。この駅はとても大きな駅舎があり、交通機関と云うより半分生活の場と云う感じです。

衣食住の中で衣住を省略して食のみが存在するように思われます。地面にそのまま寝ている人も多く、ピクリとも動かないので生きているのか、まさか死んでいたりはしないでしょうが、少し気味が悪く感じます。僕達が移動すると物乞い人、子供達も一緒に動き、必死の形相で見つめられると本当に困ってしまいます。日本人の若い旅行者が居ましたが、彼等も多くの人にとり囲まれて途方にくれた顔をしていました。

人は生きなければならない理由はあるのだろうか、人が生きていくのに何か型があるのだろうか。

両手が途中からない手を差し出されると、ちょっと恐怖心もあるけど、たまらなく悲しくなってしまいます。ここでお金を出したら身動き出来なくなってしまうのは確かです。

法律は存在するだろうけど、社会規範とか衛生観念とか、その他もろもろの観念が意味をなさない場所であり、世界のようです。

僕の日本に於ける日常の生活が何だか、フワフワした軽い妙な感じがして来ました。生きる事、それだけに集中しているハウザー駅のインドの人達を見ていると何だかむしろ力強く感じられたりします。兎角ここは妙な世界のようです。

ガイドのセチさんの事

僕等の旅は勝手に出発して、インドでホテルとガイドが手配されている型のもので、比較的自由な旅でした。ガイドの方でも計画を立てていたようですが、こちらの希望で変更して見たい所だけ、行きたい所だけを注文してスケジュールに追われる事はありませんでした。暑い昼中は冷房の効いたホテルで休んでいる方が多い位でした。インドを訪れる旅行客はニューデリーから入って、最後にカルカッタで終わるのが一般的だそうです。

始めてのインドをカルカッタで迎えるのは、少し刺激が強過ぎるからだそうです。僕等はカルカッタから入ってしまいましたので、ガイドのセチさんはその為にニューデリーからカルカッタまで25時間列車に揺られて来たのだそうです。今の僕には25時間の列車の旅はとても耐えられそうにありません。その事を話すと“仕事ですから”と何でもないようです。

インドに関する本の中では、まずどの本にも悪質なガイドや商人にだまされないようにとの話が沢山書いてあり、それがインド旅行の面白味でもあるようですが、このセチさんは全くそんな気配は感じられませんでした。

日本語が余り上手でなくしゃべり過ぎない事も助かりました。僕がこのセチさんに驚いたのは、彼が21才の独身でベジタリアン(菜食主義者)であった事です。ビンドゥ教では牛は元々食べない事は知っていましたが、彼は牛も山羊も羊も鶏も食べません。昨年まで食べていたが、今年から止めたとの事、“いつまで”と聞くと、これから死ぬまでとの事でした。

インドでは菜食主義の人も多く、レストランでもベジタリアン、ノンベジタリアンのメニューがある位ですから、僕等が考える程の苦痛はないのかも知れませんが、それにしても驚いてしまいます。食べる事は人間の必要かつ最大の楽しみのひとつだと思いますが、何が彼にそうさせるのか不思議でなりません。

宗教に関する限り、僕たち日本人はそれに対する言葉がありません。何故そうするのか尋ねてみましたが、僕に理解出来る明確な答はありませんでした。大体次の行動をする時、ホテルのロビーで待ち合わせるのですが、時間はきちんと守ってくれるし、チップ等も自分のポケットから払ってくれます。僕のインド人に対する考えが少し変わってきました。

セチさんはヴァーラーナスイで僕等と別れた後、又15時間列車でニューデリーに帰るとの事でした。僕等を送った後、半日時間が出来るので、映画を見るそうでとても楽しみにしていました。インドでは日本の一時期のように最大の娯楽です。僕は何だか彼が可愛らしく思えて来ました。

ヴァーラーナスイ

カルカッタからの列車が奇跡的に時間通りムガル・サラーイ駅に到着しました。セチさんも驚いています。ガイドブックにもインドの列車は2〜3時間遅れる事は普通ですと書いてあります。僕はこの旅で10時間の列車が一番辛いだろうと思っていました。

而し、心配していた程の事はなく大きな二段になった座席に3人、冷房完備です。窓の外のインドの田舎の風景、日本の事、インドの事を話し案外楽しい時を過ごす事が出来ました。

ヴァーラーナスイはビンドゥ教の最大の聖地で、ガンガーで沐浴するガートのあるインドと云えば、眞先に憩い浮かぶ有名な都市です。ビンドゥ教の信仰によれば、ガンガーの聖なる水で沐浴すれば、すべての罪は浄められ、ここで死に遺灰がガンガーに流されれば輪廻からの解脱を得ると云う。

これはビンドゥ教徒にとって最高の幸福との事です。僕としては世界的に有名な観光地と思っていたので、それなりの都市だと思っていたのですが、街中に入るとそこはやはり強烈な生活の場でした。町の通りは、車、バス、トラック、自転車、リクシヤー(人力車と自転車を組み合わせた乗物、昔の日本のリンタク)人々、牛、犬、時には山羊、猿まで一杯に、忙し気にそれぞれ精一杯の音を発しながら流れていきます。

道の眞中に牛が居て、その為に当然渋滞になり、全体が止まってしまうけど、その間隙を縫って人、リクシヤーが行き交います。何と表現していいのか判りませんが、人が生きているすさまじい姿を見る思いがしていました。

早朝4時に起きて、例のガンガーの沐浴風景を見物に行きました。沐浴する場所(ガート)のひとつから小舟に乗って観光客は川の沖側から見る事になっているそうです。多くの船が出ていましたが、半分近くが日本人でした。60近くのガートがあるそうで映像で良く見るような沐浴風景でした。

数ヶ所で火葬場になっているガートがあり、ほとんど一日中煙が立ち昇っているとの事です。火葬場のガートに白布に包まれた死者が運ばれているのが見えました。ガンガーの流れに手を浸す位はしてみようと思っていたのですが赤茶色の汚い水についに触れる事はしませんでした。

インドの人は歯を磨いたり,洗濯をしたり,潜ったりしているのですが、ちょっと気遅れがしました。水は必ずミネラルウオーターを飲む事、病気には充分以上に気をつけなくてはと思っていましたのでついに聖なる川ガンガーには触れないままになってしまいました。

沐浴する人の中には欧米人の姿が見られました。日本人の若い人がガートに座って瞑想している姿にちょっと胸を打たれました。リクシヤーに乗って早朝沐浴する例のガンガーは見物したのですが、折角インドに来たのだからもう一度夕碁のガンガーを見ておきたいと思い他の観光をキャンセルして、今度はリクシヤーでガンガーまで行く事にしてもらいました。

ヴァーラーナスイはリクシヤーの町と云われています。以前バングラデイシュで乗った事はあったのですが、もう一度乗ってみたかったのです。然し料金の事で自分達だけでは乗れないのです。インドに於けるトラブルの多くはこの手のものが多いと聞かされていたのです。

ホテルからガンガーまで約30分、人、車、牛の間を縫って走ります。僕のリクシヤーには大人が二人乗っているのでとても重いはずです。全身水をかぶったようで、後から見ていると気の毒になってしまいます。

リクシヤーで働く人をリクシヤーワーラーと呼ぶそうですが、非常に苛酷な仕事です。ほとんど煮しめたようなシャツを着て、これ又ほとんど痩せています。少し上がり坂になれば、自転車を下りて引っぼって行きます。路上からジャパーニと声がかかったりしますので、僕等もそれに答えて手を振ったりして楽しいのですが、必死で自転車をこいでいる姿を見ると少し悪いような気がします。

夕暮れのガンガーは昼間の喧騒が嘘のように静かにゆったりと流れています。静かにもの想いにふけりたいのですが、回りには物売りや物乞いの人やガンガーに流す花を売る5〜6才の少女連がむらがってゆっくり出来ません。それでも30分程暮れゆくガンガーを心ゆくまで味わう事が出来ました。

帰りに同じリクシヤーが待っていました。走りながらリクシヤーワーラーがさかんに話しかけて来ます。向こうも知っているだけの英語で話し、こちらも知っているだけの英語ですが、何とか通じます。我々は友達だ、友達だと云っています。又自分には子供が4人いたが、1人死んでしまったとも云います。結局代金として150ルピー欲しいと云っているらしいのです。

僕はガイドにいくらで話をつけたのかその前に開いていました。50ルピーとの事でした。それを僕に150ルピーにするように懸命に働きかけているのです。インドの乗物は大変だとガイドブックに書いてあり、その中でも特にリクシヤーは一番トラブルが多いそうです。帰りは約40分以上かかり、もう汗が滝のようです。

やっぱり少し気が引ける思いがしました。僕としては150ルピー位の価値はありそうな労働に思えたのですがホテルに着いた時、案じた通りガイドと激しくやり合っていました。結局50ルピーしか払わなかったそうです。

僕は気の毒と思いましたが、ロを出すことはしませんでした。

ヴァーラーナスイの空港を飛び立ってカトマンズに向ったのですが、僕は窓に顔をくっつけて、ガンガーを探しました。大きな河が右に左に蛇行しています。ガンガーかどうか判りません。雲が出てきて僕のインド旅行はその中に包まれ、ゆっくりと消えて行きました。

つけ加えておきますとカルカッタの地下鉄で写真をとり警察に連行され、フイルムをとり上げられ、説明しようにも言葉が通じなくて不安だった事、ボディーガードの甥が腰を痛めて、結局は僕が彼を介護しながら大きな荷物を持つ事になってしまった事等がありましたが無事一週間後帰って来ました。その日福岡は記録的な大雨だったそうです。

<フレッシュさん> 「開局3ヶ月を経過して思うこと」 早良支部 原南部会 しか薬局 春日晃

平成9年4月1日、早良区四箇一丁日に開局した、しか薬局の春日です。会員の皆様、よろしくお願い致します。大学を卒業後、製薬会社に勤務し、大学病院、国立病院を担当しておりました。

当時は、今のように厳しい時代と違って景気も良く接待もかなり多かったように記憶しております。メーカーでの経験が開局してからの卸問屋との価格交渉に非常に役立っております。その後、漢方薬の勉強をしようと思い、南区若久にある漢方で有名な恵光会原病院にて漢方薬の修業をしました。

海馬、紫河車、壁虫など約300種類の生薬、約170種類の漢方エキス、斉寿丸などの15種類の自家製丸剤の作成、及び調剤業務はハードでしたが、私にとって貴重な体験でした。

漢方以外にも約800種類の西洋薬もあり、処方は複雑でした。患者も小児科から内科、整形外科、婦人科、皮膚科、精神科など多岐にわたっており勉強になりました。

病院薬剤師として入院患者に対する薬剤管理指導業務(いわゆる900点業務)で週1回患者のベットサイドにてカルテを見ながら(医師の許可を得て)服薬指導をしておりました。カルテには大変多くの患者の情報が記入されており、服薬指導する際、大変役立ちました。

そして平成9年4月に薬局を開業したわけですが、メーカー勤務、病院勤務で医療業界の裏表を経験したことが私にとって大きなメリットとなっております。薬局薬剤師(開局薬剤師)の経験しかなかったら「井の中の蛙」であったと思います。

いろいろな経験をして最近思うことは、医師と連絡を密にし、カルテを見ながら多くの情報を持って服薬指導する病院薬剤師と、処方箋1枚しか情報のない開局薬剤師とでは患者側からみてどちらがメリットがあるかは明らかです。このことは病院薬剤師と開局薬剤師だけでなくマンツーマン薬局と面分業薬局にも起こってくる問題であると考えられます。

私の薬局にも時々、広域病院から処方箋がFAX送信されてくるのですが、先日こんなことがありました。

処方箋に記載されている服用量が用量オーバーなので広域病院にTELしたのですが対応したのは担当医師ではなく薬剤師でした。その返事は「処方箋の通りに調剤して下さい」です。このような事で、医師との連絡を密にして情報交換できるのでしょうか?タイムリーな情報こそ患者にとって最も大切な事であると考えます。会員の皆様はどのように考えられますか?

■■トピックス■■

薬物とグレープフルーツとの相互作用

(社)福岡市薬剤師会 学術担当理事 千阪善弘

 

この2〜3年、添付文書が頻繁に改定され、目まぐるしいものがありました。最近、改定も一通り終了し、一巡した感があります。添付文書改定で充実した項目の1つに相互作用があります。その相互作用には薬物との相互作用および飲食物との相互作用があります。

薬物との相互作用については、ある程度雑誌にデーターが記載されていますが、飲食物との相互作用は対象になる飲食物の種類も少なく、又データーもあまり見受けられません。

添付文書の中ではグレープフルーツ及グレープフルーツジュースとの相互作用について「同時服用で○○○剤の血中濃度が上昇したとの報告がある」と記載されています。これだけでは具体的なデーターの記述が少なく、データー上でも知っておく必要があると思われます。

相互作用の作用機序

グレープフルーツ内に含まれるフラボノイド配糖体であるナリンジンが原因ではないかと考えられるが明確でありません。ナリンジンは経口摂取後、消化管でナリンゲニンに代謝され、このナリングニンがCYP-3A4を阻害することにより、薬物の代謝が抑制され血中濃度が上昇すると考えられてます。今回は、カルシウム拮抗剤について紹介します。

次回はカルシウム括抗剤の1部とシクロスポリン、その他について予定しています。

1.フェロジピン5mgを6名の男性境界高血圧者でグレープフルーツジュース又はオレンジジュースと共に服用させた。グレープジュースではバイオアベイラビリティは、水の284%(range:164〜469%)であった。AUC(area undercurve:血中濃度−時間曲線下面積)で見たデヒドロフェロジピン/フェロジピン比が小さく、拡張期血圧は低く、心拍数が高かった。副作用も発生頻度が高かった。オレンジジュースは影響を及ぼさなかった。ニフェジピン10mgを6名の健常人にグレープフルーツと共に服用させた。そのバイオアベイラビリティは水の134%(range:108〜169%)であった。

2.フェロジピン5mg錠投与し、9名の健常人男性で検討した。水と比べ、グレープフルーツジュースでの服用は平均Cmaxの6〜16m mol/lへ増加、AUCの23から65m mol.h/lへ増加した。朝服薬3時間後に測定した血圧は、グレープフルーツジュースでは9%の低下が見られ水の服用では変動は見られなかった。

3.フェロジピンとその主な代謝物デヒドロフェロジピンの体内動態を9名の健常人男性で検討した。薬物は水200ml、グレープフルーツジュース又はグレープフルーツジュースと同一の濃度のナリンギン水溶液と共に投与した。グレープフルーツジュースと共に投与した時、フェロジピンのAUCおよびCmaxは水と比べそれぞれ206±23%(range:123〜330%)と170±24%(range:127〜310%)であった。 ナリンギン水溶液は相互作用を起さず、何か他の因子が重要なものと思われる。

4.ニフェジピンおよびフェロジピン立体異性体代謝に及ぼすフラボノイドのナリンゲニン、ケルセチン、ケムフェロールの影響をラットおよびヒト肝ミクロゾームを用いて検討した。フラボノイドは10、50、100μmol/lの濃度で添加した。ラット肝ミクロゾームではニフェジピン、R−およびS−フェロジピンの代謝は同様に抑制され、その抑制はフラボノイドの化学構造と濃度に依存的であった。ナリンゲニンはケルセチンやケムフェロールよりも抑制作用が弱かった。 ヒト肝ミクロゾームでも同程度の抑制効果を示した。しかしナリンゲニンは300および500μmol/lの高濃度でも抑制を示さなかった。

5.ニフェジピン20mg徐放錠のバイオアベイラビリティを健常人10名でグレープフルーツジュース200mlを繰り返し投与(0、2、4、8、12時間後)し検討した。グレープジュースはニフェジピンのAUCを103%(range:48〜265%)、Cmaxを94%(range:23〜259%)それぞれ増加させた。デヒドロニフェジピンのAUCもグレープフルーツジュース群で高かったが、増加程度はニフェジピンより少なかった。(平均増加率66%、range:30〜236%)半減期はニフェジピンも、デヒドロニフェジピンもグレープフルーツジュースで変化しなかった。

6.ニトレンジピンラセミ体20mgを経口投与し、グレープフルーツジュースの影響を9名の健常人男性で検討した。グレープフルーツジュース150mlをニトレンジピン服用の15時間前、10時間前、15分前、5時間後、10時間後に投与した。全ての被験者でAUCが対照群より平均106% 増加し、Cmaxについても同様の成績が得られた。

7.ニソルジピンを12名の健常人男性で水又はグレープフルーツジュース又はジュースと同量のナリンギン末カプセルを投与した。グレープフルーツジュースは水と比べCmaxは406±73%(range:107〜836%)の増加、AUCは198±46%(range:81〜682%)増加、Tmaxは58 ±9%(range:13〜100%)の減少を示した。これは水で服用した体内動態からはその程度を予測することは出来ず、大きな個人差が見られた。ナリンギンカプセルはニソルジピンの体内動態に影響を及ぼさなかった。実験全群で横臥位血圧および心拍数に際立った変動は見られず、被験者が正常血圧者だったためと考えられる。

日本病院薬剤師会雑誌 Vol.32 No11 1996

<代議員会報告> 第39回 社団法人福岡市薬剤師会臨時代議員会(通算第67回総会)

日 時 平成9年6月23日(月)午後7時30分

場 所 福岡市薬剤師会館講堂


代議員会次第

1.開     会
1.会 長 演 述
1.議     事
(1)議  案
 第1号 平成8年度歳入歳出決算認定の件
     監査報告
1.閉     会

総 会 次 第

1.開     会
1.会 長 演 述
1.第39回福岡市薬剤師会臨時代議員会決定事項報告
1.閉     会


〔1〕議案

議案第1号 平成8年度歳入歳出決算認定の件

第39回市薬臨時代議員会議事録平成9年6月23日 福岡市薬剤師会館講堂

〔司会 市原常務理事〕
〔開会あいさつ 光安副会長〕

会長演述

 今回の医療法の改正はまさに政治の混乱によるものと考えている次第です。今月の17日に、医師会の会長を交え懇談会を行いましたときにもこの問題が出まして、患者に理解のできない内容ですので、これの早急な改正に我々も取り組む必要があるということで考えが一致したところです。

 又、九大の事業移管の件ですが、6月28日の県の代議員会で県下の各支部の代議員さんにこの問題についてお願いをしたいと、このように考えている次第です。福岡市薬剤師会の事業として移管していただく様努めます。

 皆様方のご協力をお願いしたいと思っております。


(この市薬代議員会は、6月23日に開催されたものです。現在は6月28日の県薬代議員会において九大病院事業が条件付きで来年3月から市薬に移る旨決定しております。)

〔式町正信議長、樋口昌嗣副議長登壇〕

○式町議長 出席代議員数45名、過半数は37名であるので代議員会成立を宣言する。

〔梅末芳彦議事運営委員長 日程説明〕
〔博多区の田代義徳代議員、中央区の平島公彦代議員を議事録著名人に指名〕

議 事

1.議案 第1号 平成8年度歳入歳出決算認定の件

〔川上常務理事説明〕
〔長谷川監事監査報告〕
〔式町議長、樋口副議長と交代〕


〔質疑要旨〕

○磯田代議員(博多)

 先ほど今回の医療法改正について、今後は医師会とも話し合ってこの間題に対処するようにおっしゃったと思います。それは正論だと思いますが、もう一つ見方を変えれば、私たちが「これは正しい、これは間違い」に関係なく、この医療法改正は一つの方向性を示しているのだという見方に立たざるを得ないのではないかと思います。

 というのは、今回の医療法改正が医療法のみについて出てきたとは、どうしても考えられません。これはやはり国の今抱えている400兆円からの国債依存度をいかにして低めるか、いわゆる財政再建の大きな流れの中で出てきていることだと思います。

<国民のためにベストな医療法>

 そういう中で、我々薬剤師が医療法をどう理解し、どういう医療法が国民のためにペストなのかと考えることはもちろん必要ですし、流れがある一定の方向に向いているのではないかということであればそういう冷厳な事実も見つめる必要があると思います。

 薬剤師会が存在して会員が存在するのではなく、薬局、薬剤師が存在しての薬剤師会が存在しているわけですから、個々の薬局、薬剤師が今からどういう経済的な立場に向かうのかをまず考えて、今後の薬剤師会の運営というものを検討していかねばならないと思います。今回9月を目の前にして、うちの薬局でも大変多くの患者さんから「これからどうなるんですか」、「いくらになるんですか」と切実に開かれます。

 恐らく、今回の医療法改正はそんなに甘いものではないと思うんですが、藤原会長の市薬剤師会をまとめて引っ張っていかれるリーダーとしての立場から、この間題に関してこれからの薬剤師会は今まで通りの運営を考えられるのか、それともそういう見方は悲観的すぎるのか、あるいは自分たち薬剤師会が努力すれば、日薬が努力すれば、医療法改正は、もとの流れの中に押し戻せるのか、その辺を会員に示していただきたい。その中で、我々は会長の姿勢を見させていただきたいと思います。

○藤原会長

 これから我々がどう取り組んでいくかということは非常に大事なことですので、私の考えを申し上げておきます。ただ、福岡市のレベルでできることと、県薬のレベルでしなければならないことと、日薬のレベルでしなければならないという問題は当然あろうと思います。

<混乱を伴う法改正の3年間>

 だいまの医療法の改正の問題ですが、赤字財政が差し迫ってきてどうしようもないというのが日本の国の状況ですから、それに対応していこうと、この改正の問題は出てきているわけです。当然のことに介護保険の問題もこれに絡んでいるわけです。

 現実的なことを言えば、我々個々の薬局にとっては非常に厳しい問題が出てくるのは当然の認識です。ただ、処方箋の絶対枚数が増えることはまず間違いありません。これから3年間、平成11年までにかなりの混乱を伴う法改正もあるでしょう。またそれに対するいろんな変化が出てくるだろうと思います。

 たとえ厳しい情勢であっても我々は医療人ですから、やはり医療を前向きにとらえなければならない。 先ほど、医師会の話もしましたが、我々薬剤師会だけでは力が弱い。やはり正すベきことは医師会と一緒にならないと、なかなかできないと思っているわけです。

 今回の改正の問題は患者さんに説明できない。これだけは、何としてでも患者さんに説明できるような改正にもう一回やり直してもらわなければならないだろうと思っています。

 具体的にお話しするというのは難しいことですが、いずれにしても分業率が上がる、処方箋枚数が増えるというのはまず間違いないことです。医師会の内科医会の中にも今度の改正を控えてぜひ薬剤師会と話し合いをしたいと、多くの会員の先生方が分業をしたい意向があるという申し入れが来ています。

 公立病院関係についても、突然すごい数の処方箋が出てくる可能性があろうと思います。それに向けて我々は準備を怠らないように進めていかなければならないと思います。

○木原代議員(博多)

 支部への交付金のことについてお尋ねします。支部の方に来るお金というのは支部活動費と支部分推事業費、これだけだと思いますが間違いありませんか。

○川上常務理事

 部へお渡ししているお金ですが、分推関係で1支部当たり症例検討会の17万円、健康フェアの10万円、在宅関連の10万円で合計37万円。それから保険薬局等が大体3,500円になりますが、それを薬局数分出しております。それと支部の活動費、県薬からいただくお金がありますが、こちらは2,000円×会員数です。

 あとは、特定事業推進補助金として、薬草観察関連、支部の企画事業の補助金、例えば南区への160万円の件これらが主な項目になっております。

<各支部の大変苦しい財政>

○木原代議員(博多)

 ほとんどがA会員の会員数でされているのだと思います。例えば博多区で去年、自賠責の問題、損保の問題で会員が困っていましたので、私たちは市薬の方にも取り組んでほしいとお願いしましたが、ちゃんとした動きがありませんでしたので委員会をつくり、損保会社と話し合いを持ちまして、困っていた会員の分はちゃんと話し合いがついております。

 このような事業も私たち博多支部は、会員は128人くらいですが、その中に薬剤師を15人とか20人とか持っている薬局もあります。大きい支部は大きい支部なりにいろいろ抱える問題も多いので、A会員の会員数に対しての補助金という考え方と、もう一つそれだけ大きい薬局というのは特別会費をたくさん払っておりますので、できれば特別会費の中の一部を支部の方に返すという考え方を持っていただけたらと思います。

 市薬がなさる事業と各支部がやる事業というのは、それぞれに分かれております。

 最近は各支部でやる事業も大変多くなっておりますので各支部は大変苦しい財政になっています。そのことも前向きに検討していただきたい。

 それから、損保間題の委員会で使った費用もかなりあります。本来これは市薬がなさるべき事業ではなかったかと思っておりますので、配慮していただけたらと思っております。要望ということでよろしいですが、代議員の皆様方にも支部への交付金ということなので考えていただけたらと思っております。

○樋口副議長

 これで代表質問の方は終わらせていただき、一般質問に入らせていただきます。

<非常に大きな保健所とのつながり>

○大庭代議員(南)

 木原代議員の質問の関連です。福岡市は、支部の保健所とのつながり等々が非常に大きくなり、支部での活動が大変になっております。非常にお金がかかります。それに対して今までどおりの状態をまだ引きずっているわけです。という問題が1点。

 それから薬草観察会において、予備費的に補助してくれるということですが、南支部で盛大な薬草観察会をした時、17万5,000円かかりました。しかし、結果として10万円しかくれなかった。7万5,000円は、我々が頂いている支部費から出さなければいけないような状態です。これが2点目。何らかの方法を検討していただきたい。

○南島専務理事

 支部に対する補正予算が、変わっていないというご質問ですが、これについてはかなり大幅に変わってきていると認識しております。前執行部のときに37万円、分業推進費の交付金として出されました。引き続き私どもも実行してきましたし、この2年間では薬草観察会の補助、及び支部企画事業補助、あと目薬の補助については、これは日薬のことでしたので私どもは全面的に協力したということ。薬草観察会については、2支部に20万円。支部企画事業補助金として、2支部に50万円補助を出しております。

○大庭代議員(南)

 南支部に160万円を在宅の問題でいただいたようにおっしゃいますが、これは日薬から市薬に120万円か何か入っているんでしょう。160万円全額を執行部が我々に出してくれたのではないのです。70万円の予備費的なものを置いておいて申請すれば出すというだけなんです。木村前会長のときから変わっていない。ほかに、1件あたりの3,500円です。これもずっと昔から10年ぐらい変わっていないです。

○南島専務理事

 分推事業費については、各支部、及び部会に出す金の単価については変わっておりません。ただ、件数が増えた分はそれぞれに増やしていっております。

 それと、支部に対して8年度は100万円別枠として立てておりました。その結果、70万円を出したということです。

○大庭代議員(南)

 70万円増えたということですね。

○南島専務理事

 単価掛ける件数、この部分が増えた件数分は増えていっております。そのほかに、定額の70万円が出たということです。

<日薬学術大会の補助>

○大石代議員(博多)

 まず第1款の旅費交通費。長崎の目薬学術大会の出席者が38名。これにどの程度の補助をなさったか質問します。参加費程度の補助であるか、それとも旅費と宿泊費全部見られたのかどうか。それと市薬薬局に関して質問します。純利益が3,833万円とありますが、人件費が2,155万4,000円の給料。それと、業務委託費272万5,000円。これを2つ合わせますと64.22%の人件費がかかる。45%を過ぎますと赤字になります。それを64%も人件費を使っているということはどういうことでしょうか。

<原則として各支部長>

○川上常務理事

 まず、第1款3項の旅費交通費ですが、日薬の学術大会に38名出席しております。執行部は原則として常務理事以上ということと各支部長の先生方に行っていただいております。

 費用は1人35,500円かかっております。その内訳ですが、会場費が8,000円と長崎までの往復で7,500円、日当が2日分で1万円、宿泊代が1万円です。市薬薬局の方の、給料関係ですが、現在は薬剤師4名、事務1名、パートが交代で2名です。これに対しては処方箋枚数と合わせて、どれだけ人数が必要か、あるいはまた不足しているのか、社保分推の方から説明します。

○光安副会長

 市薬薬局の現状を報告します。平成8年度の平均を言いますと13から14%。5月から6月にかけて15%を超えているんです。15%を超えますとピーク時では80枚とか100枚になるわけです。

<毎日残業の打開策>

 現実的には、市薬薬局はほとんど毎日、残業をやっている状態です。その打開策として、今、1人、研修の薬剤師を入れているんですが、それでも手いっぱいです。

 国立病院というのは、集中する時間が大体決まっていてそれに対応するためにはある程度の人数が必要なわけです。

○大石代議員(博多)

 38名の出席のことはよくわかりましたが、会員に対して支部長か部会長から参加費だけを補助するから学会に行ってくださいというような連絡は何もありませんでした。11月にまた熊本で九山がありますが、会員の方で行きたいという人がいるかもしれませんので、一応入場料だけは出してあげて、希望者を募るということが必要ではないでしょうか。

 それと、市薬薬局のことですが、非常に難しい問題があると思います。1億円の借金をして、それをいかに返すかということもありましょうし。ところが、会員薬局側はほとんど受け入れ態勢はできていると思うんです。みんながつくった分業支援センターですから、一応、会員の方に処方箋を紹介するのが当たり前じゃないでしょうか。

 もう一つ考えますのは、市薬薬局が例えばデッドストックがあったら、相互に交換等をやっていただきたいと思うんです。それと、薬品の購入はどういうふうにやっておられますか。問屋が言うとおりの値 段で購入しておられるんですか。見積もりはちゃんと取っておられるかどうか。

○樋口副議長

 先ほどのご質問の11月の熊本の九山の件につきましては、今後、執行部の方で考えていただくという先生のご要望というふうに受けとらせていただきたいと思います。それと、支援センターだから、もっと面に散らせということも執行部への今後のお願いということで、議長としては判断させていただきます。薬品の見積もりの件については、担当の方から説明をお願いします。

○川上常務理事

 江田薬局長に非常にご尽力いただきまして、医家向けは、ユニック、九宏、キョーエイ、九薬、富田、ヤクシン、スズケン、鶴原、福岡ということで各品目ごとに見積もりをとって作業をしているところです。
○大石代議員(博多)

 大体、何%ですか。

○川上常務理事

 パーセンテージは、ちょっと、私の方でいただいていないんです。

○大石代議員(博多)

 それは出していただきたいですね。

○川上常務理事

 わかりました。後で報告します。

○大石代議員(博多)

 処方箋の手数料と仕入れの価格が、幾らですかということです。
 何%にあたりますか。今租利が25%しかないでしょう。

○光安副会長

 ただいまの粗利の件ですが、これはOTCなどのトータルの粗利なんです。例えば調剤だけの場合は、技術料のウエイトは22%ぐらいです。要するに、大体、月1回の処方ですので薬剤料のウエイトが非常に高いんです。

<予算のあり方と監査の仕方>

○松島代議員(城南)

 大石先生の市薬薬局の質問に私が答えるのはなんですが、市薬薬局の技術料は20%になっております。それから、薬価差益は5.何%になっているというふうに私は理解しております。去年に比べると租利が29%から25%に落ちています。

 この決算書を見ると989万円の赤字になっていますが、棚卸しが200万円ぐらいふえていますので、もっと赤字になっているということを最初に申し上げて本会計に移ります。

 平成8年度の予算というのは、会長選挙を昨年の1月にして、会長の手づくりによる予算をやろうということで立てられた予算ですが平成7年度の決算に比べるとおよそ1,000万円オーバーした予算を組んでお られるわけです。実際の8年度の決算を見ると、それよりも534万円のオーバー。7年度の決算に比べると、計1,400万円をオーバーしているということです。

 そういう意味で、さっき監事の方からすべて事業に対しても問題はないと監査報告でおっしゃいましたが、予算のあり方と監査の仕方について答弁をお願いしたいと思います。

<事業の適否より経費の適正>

○長谷川監事

 監査の立場で、事実そのものを、事業を執行された中でどういう支出をされたかということ、それが適正な状況であるかということを監査いたしました。8年度は、当然7年度とまた違った新たな事業もやっておられますし、そういうものが果たして市薬の事業として適正かどうかというところまでは監査の立場としては判断できないと思います。

 いろんな社会情勢もありましょうし、また相手があるわけですから、やはり予算のとおりに行くということはなかなか難しいだろうし、これだけいろんなことが起こってきますと、市薬としてはそれにフレキシブルに対応していかざるを得ない。

 また、国家公務員とか県の場合であれば、予算がありませんからこの事業はできませんで、おしまいになるかもしれませんが、やはりそういうわけにはいかない部分が市薬の場合にはあろうと思うんです。

 行われた事業そのものが本当に必要だったかどうかということ、それは当然理事会その他で決議をしてやろうということを決めたわけですから、その部分について監事の立場で、それは不通正だと言えるかどうかというのは判断できない。

 むしろ事業そのものの適否というよりも、その事業が行われて使われた経費が適正であったかどうかは、特に8年度については井原監事と相談しまして、主要な事業についてチェックしました。その事業規模、 関連した人数、その支出の中で適正であろうと判断はいたしました。

<今の時代の通信費>

○松島代議員(城南)

 お金があれば使ってもいいということにも理解される可能性もあると思うんですね。いずれにしても、監 事の方もやはり会の運営にかかわる部分に対しては、ある程度の指導は必要であろうと私は思っています。

 4、5年前の予算の過去の流れをずっと見ますと、かなりオーバーしているわけです。例えば、旅費交通費280万円で、先ほど134万円がいわゆる学会の費用であると。例年120万円ぐらいで推移しているわけです。

 それと交際費、これは慶弔費になるわけですが、予算は150万円になっていますが、例年は110万円から120万円であると。それが180万円になっているということです。通信費は今の時代ですから、かなりお使いになるのは仕方がない。消耗品、これはコピー代なんですが、これも422万円と120万円オーバーしている。

 コピー代が非常に大きくなったということですが、3款の事業費の印刷費にもコピー代が入っているわけです。第6項印刷費、例年、これは20万円なんです。予算では170万円を計画しておられて、175万円になっている。合わせると何と600万円ぐらいになっているということです。

 何のための決算、予算をしているのかという部分が、非常に代議員会の否定にもつながるような感じがします。

 役員会費にしても、回数を見てみますと、ほとんど一昨年と変わらないということですが、金額は非常にオーバーしているというわけです。そういった部分で、理事会ではどういう話し合いをして、予算を施行されたのかということを会計常務にお伺いしたいと思います。

○川上常務理事

 基本的に第1款の事業費の件ですが、通信機器器具消耗と会館維持関係で200万円はどアップしております。これは先ほど松島先生もお認めになったように、時代の流れに即しまして、かなり整備させて頂きました。

 第2款の会議費の役月会費ですが、これは46万円ほどですが1月から3月までの分の繰り越しが入っております。理事会等は平成9年4月26日の代議員会の付議事項に回数等を出しておりますので、それをお読 み下さい。

 予算の作成の手順ですが、まず各委員会から予算の概算要求を出していただき、それをとりまとめて三役に諮問します。それを受けて、一部修正等経て理事会に提出し、いろいろ意見を集約して予算を作成しています。

<早く終わらせたい借入金>

○松島代議員(城南)

 平成9年度の予算は平成8年度よりもさらに714万円オーバーの予算を組んでいらっしゃるわけです。ぜひ、この予算の範囲内で施行してほしい。そして、この代議眉会の中で、例えば公的な費用としてユニバーシアードの170万円とか、そういったきちっと対外的に見えるものの予算のオーバーであれば、代議員も納得できるだろうというふうに思っております。

 それと、土地代金があと7,750万円残っているわけです。ぜひ、この資産勘定の中に、今、市薬が持っている定期預金が4,000万円ほど、これはもちろん市薬薬局が1,400万円から持っていますので、その中の3,000万円ぐらいは、7,700万円の借入金に対して払えるお金でもあるわけですので、早くそれを終わらせたいというのが私の望みです。

○井上代議員(南)

 予算とか決算、補正予算はどのくらい前から数字的に上がってくるものなのでしょうか。

○南島専務理事

 4月の予算に関して検討を始めたのは1月ごろからです。

 大体煮詰まってきますのが2月の終わりごろからという状況です。今度の決算については5月の初め、4月の代議員会が終わった後すぐ始めた結果、6月にギリギリの線で立てられたという状況です。

 補正予算の12月については、10月ごろから補正について考え出して、大体11月ごろに数字的にはじいてきたという状況です。

○井上代議員(南)

 大体2ケ月から3ケ月ぐらい前からと理解してよろしいでしょうか。そうしますと、補正が出たのが、12月10日の代議員会で、11月ごろに大体数字的に上がってきたということです。ということは、12月、1月、2月、3月の4カ月で大体補正を組んで、これだけの予算で3月いっぱいまでやりましょうということで、補 正を出されたわけですね。

○南島専務理事

 12月10日に臨時代議員会を開きました。その結果、付議事項の補正予算については可決されませんでした。その結果、在宅医療関連事業、及びホットライン支援事業、それと目薬から来ました160万円の事業。これについて、事業をしていいと代議眉会で可決していただいたわけです。結果的に補正予算が組めなかったとい うことです。

 今回の決算についても補正予算は一切上がっておりません。事業の160万円とホットラインの100万円と在宅医療の160万円のみ予備費から上げてきています。

○井上代議員(南)

 もしこの補正が通っていた場合には、この12月の補正のとおりに大体計画は行っていたわけでしょう。

○南島専務理事

 補正予算が通っていれば補正予算どおり行っているということはないです。実際にやりまして今回の決算の数字が出たということは事実です。補正が組まれたところでオーバーしましたので、それについては責任を感じます。ただ補正は通っていなかったということは事実です。

○井上代議員(南)

 試験センターにしても、当初予算が1,250万円。そして流しが悪くなったから60万円補正していただきたいと 1,310万円の補正を出された。それが決算を見ますと1,500万円になるわけです。あと3ヶ月か4ヶ月でこれだけ上げてくれと言われて、それから200万円もふえてくれば、お金があるから出したのですか。 だから、あのときに監事の先生も「補正は必要だからということで認めた」と樋口代議員の質問に答えられていると息うんですが、余りにも突出して上がってくれば、あのときの補正はどうだったのかと私は感じます。

○川上常務理事

 まず、第2款の会議費は、役員会費が200万円のところを補正で250万円組ましていただいたんですが、これは46万円の繰り越しがありましたので、実質的には227万3,000円です。180万円のところを20万円上乗せして200万円でして、実際の決算額が214万6,789円ですので、そんなにプレはないのではないかと思います。

 第3款の事業費の試験センターは、1,250万円のところを補正で1,310万円にしていたにもかかわらず、1,582万7,838円出たということで確かにかなりオーバーしておりますのでおわびいたします。

○井上代議員(南)

 金額の云々ということではなくて、あの時点で3月までこれぐらいでやりましょうということになったわけ ですから、予算に若干何%かの上下はあるかもしれませんが、やはりある程度の当初予算また補正予算の中でやっていってほしかったということがありました。

○本村代議員(早良)

 会長にお尋ねします。まず、この決算に会長は何点つけられますか。

○藤原会長

 点数でつけられるというような問題ではなかろうと思っております。

○本村代議員(早良)

 会長は会長に就任なさるときに事業を引っ張ってくるというふうなことを随分言われました。実際に引っ張ってきた事業で大体どれだけの収益を上げていますか。

<びっくりした衛生局>

○藤原会長

 その前に申し上げておきます。福岡市の行政に予算を要求した、というのは今年が初めてだろうと思っております。そのときに衛生局は、福岡市の薬剤師会が予算を要求するのかとびっくりしているんです。

 それから、試験センターの件にも今いろいろ意見が出ておりますが、流し以外にも緊急かつ必要に迫られて器具を買っています。試験センターの予算が若干増えています。これは年度の途中ですから予算措置がなされてふえたということではない。教育委員会が努力してくれて50万円か60万円かふえていると思うんですが、それは行政がそれだけ評価したということ。これは後につながる事と考えております。したがって、まだまだ整備しなければならない問題がたくさんあります。

 委託事業の問題についても、例えば水の試験は十数年間1万円だったのが11,000円に上がっただけです。これが現実です。

○本村代議員(早良)

ホットラインの支援

 事業費の100万円。早良支部は確か10件以上出ているはずですが決算はゼロになっているんです。まだお金ももらっていませんけど、どうなっていますか。

○南島専務理事

 これは3月末で全部締めまし牢。3月末の決算に上げられなかったということです。在宅医療委員会で各在宅委員から何件出たということを報告していただいて、それと行政との突き合わせをしたりしていましたら今回の決算に間に合わなかったということです。今期の決算で上がってくるということになります。

○本村代議員(早良)

 それはいただけるんですね。

○南島専務理事

 はい、差し上げます。

○本村代議員(早良)

 一番大事なところなんですが今度の決算で大体千何百万円オーバーしているわけです。そして、自然増と いうのがやっぱり1,200万円ぐらいある。結局予算以外に自然増を1,200万円食いつぶしたわけですね。

○川上常務理事

 確かに自然増の件は事務費関係の第6項、7項、8項と、それから13項に200万円ほど費やしております。整備と同時に一般で言う社会資本のような市薬の資本として必要ではないかということで思い切って出させていただいたお金です。

 それから、第2款の会議費が100万円。事業費の試験センター関係を含め350万円ほど出させて頂きました。

○本村代議員(早良)

 事業総費用が2億1,400万円という予算を執行部が遊んで、それをまた1千何百万円もオーバーするようなずさんな会計というのを代議員の皆さんは認められますか。

<会という生き物>

○藤原会長

 予算は、一応立てた以上は予算どおりにやるというのが原則です。ただ、会というのは生き物ですから1年間のうちにはいろんなことが起きます。当然、それに対応していかなければならないので予算どおりに決算ができるという保証はありません。また、それは不可能なことです。そのために、私たちは昨年1年間、毎月支部長会を行い、会のやってきていることを説明しているわけです。

 そこで、今後はもう少し会員の方にまでそういう情報の伝達が必要なのではないかと思います。

○冷川代議員(博多)

 この決算についてですが、これは使われて戻ってこないんですから、9年度の予算の見直しをやる必要があるんじゃないかと思います。

 監事の先生は金の出入りしか監査することができないと言われましたが、監事の仕事は会計の監査だけではありません。会の運営を監査するのが監事ですと、以前会長もおっしゃっています。

○長谷川監事

 もちろん監事の仕事は十分心得ておりますが、当然、理事会にも監事は出席しておりますし、その中で議論される行事については、我々も十分発言しております。また、行事そのものは先ほど会長も言われましたように、かなり変革してくるわけです。

 それが、その時点で本当に会のために必要かどうかの判断というのは、先ほどちょっと言葉足らずで誤解を与えたかもしれませんが理事会で議論される分については十分我々も発言して、場合によっては修正をお願いしております。また、そうして起こってくる事業というものに対して本当に必要なのかどうかは、ある部分やった後でないと評価できない部分もあるわけです。

 まして経費の問題になってきますと、どう使われたかということについては後でしかチェックできないものがあります。監査もいわゆる四半期ごとにやっておりますが、実際に4月に使われた分は3カ月後、4カ月後にしか監査できないという部分もあります。

<発言・修正・チェック・注文>

予算がもう使われてしまっているわけですから、その使われ方が適正かどうかということしか判断できないわけです。監事の仕事というものは、理事会の中でどう発言していくか、どう修正していくか、どうチェックしていくか、どう注文つけていくか、それが監事の仕事だろうと思っております。

〔10時まで時間を延長〕

○藤野代議員(東)

 決算の件はもう執行されていますので、これをどうのこうのと言うのは難しいと思っております。返済の件 を、全然執行部として考えていただいていないんじゃないか、代議員会の席でも何件か出ております。返すのか返さないのかはっきりしていただきたい。代議員会の決議で10年間で返すと一応言われたんですが、ご返答を執行部の方からいただきたいと思います。

<10年計画の執行>

○南島専務理事

 古賀会長の時代に10年計画で返すということが決まりました。それを今執行している状況です。もしこれを変えるのであれば、代議員会で変えていただくよりないと思います。

○藤原会長

 ちょっと補足いたします。金がたくさんあるのであれば返すことにやぶさかではないんです。今から3年間、これが大きな山だと思っています。この間に何があるかわかりません。それに対処もしなければならないだろうと思っています。

 ただ、金を返すことだけに集中するならば事業の面がおろそかになるのではないかと思います。現に3,600万円の予備費がございます。しかし、今度、来年の3月には九大事業移管でまた金が必要になるだろうと思っています。もちろん、幾らになるのかわかりませんが、そのときにもやはり一時的には予備費を流用せざるを得ません。

 非常に混沌とした状況にありますので、例えばこれを100万円上乗せして返せとか200万円上乗せして返せとか、そういうレベルのものであるならば、これは可能だろうと思いますが、毎年1,000万円返せということになってくると、果たしてそれが可能かどうかというのは、まだもう少し時期を見なければ決められないと考えています。

 10年で返すというのは皆様方が決められた問題です。枠組みの変更であるならば、これは代議員の先生方が動議を出されても構わないだろうと思っております。ただ、私は、ちょっと時期が早いのではないかと思います。もしそれを決めるのであるならば、これは来年度の予算のときに、また議論をされたらいいのではないかと思います。

<先が読めないときこそ>

○本村代議員(早良)

 先が読めないときこそ、金を節約すべきではないですか。毎年1,000万円ずつ予算がふえ、今度は2億2,900万円、平成9年度の予算を組んでありますが、そういうふうに使っていったら金はたまりません。お金を使いたいんだったら、今、貯めなければいけないんじゃないでしょうか。

○藤原会長

 決して何もむちゃくちゃに使ったということではございません。必要という判断のもとに協議をして使ったと私は判断いたしております。

○中島代議員(南)

 確かに返済というのは10年の縛りがあります。この代議員会決定というのは非常に厳粛です。それは守らなくてはなりませんが、一方、現状を見た場合に、やはりこちらの方がベターだと思えば、ぜひ動いていただきたい。

 まず、収入の部の昨年の決算と今年の決算、例えば一般会費と保険薬局会費、両方合計して幾らぐらいアップしましたか。

○藤原会長

 昨年度の資料も持ってきております。これを読み上げますか。

○中島代議員(南)

 では私の方から言います。会費が、昨年度の決算より218万円アップ、保険薬局会費が718万円アップ、合わせて936万円アップしています。収入の合計全体から言えば、昨年の決算から見て1,678万円アップしています。このうちの幾らかは市薬薬局の返済の方に、借入金の返済の方にぜひ考えていただきたい。

 それから福岡市に対するいろんな積極的アプローチをして市薬薬局の建設のときには約1,000万円ほど福岡市にお金を頂いています。今回が初めてのアプローチではないと思います。

<会費の趣旨>

○正岡代議員(東)

 保険薬局会費ですが、市の会費が4154万3,874円、応需薬局負担金というのが2275万8,920円、合計で約6,400万円ありますが、この会費の趣旨を教えてください。何のための会費なのか、何に利用する目的の会費なのか、その辺を詳しく話してください。

○光安副会長

 一番の事業としては医薬分業です。医薬分業にかかわることに対する事業の支援です。それが、まず第一の費用負担だと思っています。

 それと応需薬局の負担金ですが、これはいわゆるそれぞれのファックス分業による人件費、設備費、リース費、そういった費用負担目的で先生方から徴収しております。

○正岡代議員(東)

 この保険薬局会費が6,400万円ありますが、現実に分業推進費というのは4,200万円しか掛かってないんです。収入に対して支出の方は2,000万円ほど余分に別の部分に使っているということですか。

○藤原会長

 特別会費というのは分業のために使うので分業以外には便うなということで、以前は分業関係のところにみんな持っていっていたわけです。しかし、今、薬剤師会がやっているすべてのものが分業推進関係の事業です。薬局であれ、組織であれ、何も分推委員会がやっている事だけが分推の事業ではないということで、全体的に判断をしていただきたいと思います。

○正岡代議員(東)

 今、福岡県の分業率は45%です。これから伸びても30%伸びないと思います。


それから、今、1枚10円ですが、今度の改正で、かなり厳しい薬局がいっぱい出るのではないかと思うんです。そういう意味で、先ほど1億円の返済の話が出ていましたが、その辺を利用して返済していただければと思います。 
 そういう目的でつくられた予算であれば、極力その中で執行していただきたい。

<質問というよりお願い>

○梅未代議員(中央)

 質問というよりお願いですが、代議員会の日程の決定の仕方と付議事項の発送の問題。先ほど、会長からご指摘がありましたが支部長会のエキスがどうも下部に流れていない。これは、いろんな問題点があるかと思いますが、代議員会の付議事項をもとにして、支部での話し合いをし支部代表質問制をとるときに、今回、議運の中でも日程がこのような状況ではそういうことができないということでしたので、もう1週間余裕を持った日程を組んでいただきたい。これでは支部で会合を持てないです。

 それから、中央区の医師会の暴犯担当の理事から窓口での今後のトラブルに関して組織的な動きをしていただくようにアドバイスとして申し上げたい。9月までには少なくとも暴犯面での、例えば嫌がらせのようなこととか、現実に、八幡かどこかでは一色化の中で薬がないものを投薬されて、それが訴訟になるようなことも出てきております。

 そういうときは、やはり弁護士を置くとか、いろんなことも必要でしょうし、そういう意味で会月がみんなで取り組む暴犯システムというか、いざ自分のところで暴力ざたが出た場合に、どの警察の何課にどんな電話をすればすぐに飛んできてくれるか。110番だけではすぐ来ません。我々組織として動きたいと思いますので、これは執行部にお願いです。

 これにまつわるうっとうしい話を中央支部は抱えておりますので、ぜひ警察公安と、この辺の連携プレイをとっていきたいと思います。光安副会長も、この件で真剣に取り組んでありますので私も一緒に頑張っていきたいと思います。ぜひ皆さんのご賛同をいただきたい。この2点をよろしくお願いします。

<顧問の弁護士を置く>

○南島専務理事

 一応、その旨を先生の方からご意見いただきまして、あるところに相談致しまして、この代議員会が終わりましたら、早々に県警に行くことにしております。県警にどういう形でやっていただけるのか、その辺は今から相談していきたいと思っております。私の知っている範囲では県警の方で説明会をしてくれるということです。

 皆様にお知らせしておきたいのは、福岡市薬剤師会も顧問の弁護士を置くという形に持っていきたいということで、今、契約の段階に入っております。

(市薬の法律顧問として吉原洋治先生と顧問契約をいたしました。詳しくは今号の“私と薬”のコーナーP.2、7月号のP.42に掲載のプロフィールをごらん下さい。)

○梅未代議員(中央)

 代議員会の日程について説明して下さい。

○南島専務理事

 代議員会の日程ですが、1週間早めようとしますと、事務員が1人必要になってきます。それほど、これをやり上げるのに時間がかかっております。付議事項をつくり上げるまでに、いろんな会議を通って理事会、及び支部長会でご相談申し上げて、そしてそれを発送するという形をとっておりますので、非常に厳しい状況です。努力はいたしますが、2週間前に出せということについては、お約束はできません。

○冷川代議員(博多)

 代議員から返済金に関して2,000万円にしてはどうかという意見が出ているから、それも代議員に問うていただけたらどうかと思います。

○式町議長

 会長の答弁の中にもありましたが私は今、来期の10年度の予算の中で考えるということを含まれたと理解したんですが9年度はもう予算は通っていますよね。

○冷川代議員(博多)

 通っていますが、その答弁の後にもやはりまだ正岡代議員からも中島代議員からも出ていましたので。

○式町議長

 それは必要ですか。ここで決をとって幾らかでも支払いの方に予備費を回せという意見でしょう。ここで採決するべきかということになりますが。

<緊急動議>

○小野代議員(中央)

 決議されるのなら緊急動議でされたらどうですか。緊急動議じゃなかったら採決するわけにはいかないと思います。されないんだったら、先ほどの会長答弁と議長答弁とで来期ということにされたらどうでしょうか。

○式町議長

 緊急動議として取り扱うべきか、それとも来期でいいんではなかろうかという2つになると思います。

○正岡代議員(東)

 現状は3,600万円ですか。それから2,000万円も払ってしまうと、恐らく会の運営が回らなくなると思います。だから、もうそれは執行部の方にお任せします。

○式町議長

 緊急動議として取り上げた方が。

○小野代講員(中央)

 緊急動議と言ってもですね、額は出てないんです。今、2,000万円と言われたけど額が出ていないので緊急動議をきちっと案として出されるんなら出されたらどうですかと申し上げているんです。額は2,000万円なんて何も出ていないです。

○式町議長

 冷川代議員は、その辺はどう思いますか。緊急動議として出すという意味ですか。

○冷川代議員(博多)

 はい。返済金を1,000万円増額して2,000万円とするということで、緊急動議といたします。

○式町議長

 ただ、予備費が3,600万円あるというのは、私もわかります。これは9年度を執行するに当たって1,000万円を乗せて2,600万円予備費があるとする。実際、お金が入ってくるのは城南区で7月、来月から集金を始めます。各支部もそうだと思います。それは借入限度額とかあることも承知しております。しかし、そこまで緊急動議、それは代議員に誇りますが、とった方がいいかどうかという決を必要としますか。冷川代議員は1,000万円、2,000万円。

○冷川代諸員(博多)

 1,000万円を2,000万円にということで。

○式町議長

 この9年度に2,000万円支払うべきだという緊急動議を出したいということですが、皆さん、どう考えられますか。

○小野代議員(中央)

 1,000万円プラスという額がきちっと出たんですから決議されたらどうでしょう。

<1千万円とか2千万円>

○冨永代議員(早良)

 今、緊急動議という形が採用されているようですが、緊急動議を採決するにしても、今おっしゃるように、 1,000万円とか2,000万円という金額は、現段階では決められない状態です。正岡先生は2,000万円は無理だと。また1,000万円が可能かどうかもわかりません。

 例えば幾ら以内での返済を、執行部に任せるというような動議にしたらいかがでしょう。そうすれば、ある程度の自由な幅が選べます。前の代議員会で決定されたことを、今執行しているんだということであれば、今回の代議員会で緊急動議で出して、それが可決されれば、その範囲内で執行できると思います。そういう幅を持たせないと歳入も一体幾らふえるかもわかりません。

 もう予算が既に組まれていますので。ある程度ふえた段階で、少しでもお返しいただくということになれば、今、動議を出された先生たちの意見も通りますし、それから幾分今から先にためていくという趣旨にも沿えるんじゃないかと思います。

 先ほどの日にちの件なんですが、私め方にこの付議事項が届きましたのは13日です。文章を読みますと既にハガキで通知していますと書いてありましたが、そのハガキが来たのは、その翌日でございます。それを付け加えます。

<補正予算を組めば>

○藤原会長

 返済の問題でいろんなご意見が出ております。私たち執行部としては皆様方の意見を参考にして事業に当たるというのが当然の立場です。

 それと、昨年度の補正予算のときにも申し上げたんですが、1年の中にはどうしても必要な金が出てまいります。したがって、補正予算を組む必要があります。これは監督官庁に報告するわけですから、余り予算と決算のかけ離れたものを出すというのはいかがなものかなと思っているわけです。

 県薬がやっているように、やはり補正予算を組めば、それほどの差異がない決算報告を監督官庁に出せると思っています。皆様方の賛同が得られるならば、今年はまた臨時代議員会を開いて、補正予算を提示したい。その補正予算のときになら、この予算の変更はきくわけです。

 代議員会のたびに1回決めた予算を変更するというのは、これまたおかしな話です。皆様方が承知して決められたわけですから、それを何カ月もたたずに、すぐまた変更しようというのも代議員会の権威がなくなるわけです。ただ、補正予算をやろうとすると、これはもちろん金がかかります。その金も節約せよということであるならば、これはもう来年度の3月のときまでひとつお待ちいただきたいと思います。

○本村代議員(早良)

 さっき私が言ったことを全く理解されていないみたいですね。8年度予算が2億1,400万円です。今度使った以上に、また使って、そしてまた補正を組むと言うんですか。

○藤原会長

 補正というのは、増えるのもあれば減るものもあるんです。その地ならしをするのが補正です。何もかも全部増やそうということではありません。

<ある一定の幅の中で>

○冨永代議員(早良)

 今の補正予算は、増やす場合と減らす場合とがあるとおっしゃいましたが、補正予算というのは減らす場合はほとんどいたしません。というのは、予算内であれば補正する必要はございません。

 それともう一つ、私が提案しました後からの意見は、時間的にも非常に無理でしょうし、1,000万円とか2,000万円を決めるとしたら、1時間2時間討論になると思います。収入が多くなって、少しでも余裕がつけば、ある一定の幅の中で返していただけるという幅を私は提案したわけです。今、緊急動議として出た以上はどちらかに決定しないといけません。それを執行部で否定されたら緊急動議を出す意味もございません。

 やはり緊急動議の採決に任せていただくべきだと思います。

 その緊急動議のときに安協できる筋か筋でないかは、代議員みんなの総意で決めることだと思います。

○式町議長

 先ほどは緊急動議として冷川代議員は2,000万円を返済に向け、冨永代議員は金額はともあれ上限を例えば1,000万円以内で返済できるものであれば今期の間にそれを処理してはどうかという2点の案が出ておりますので採決をします。

○冷川代議員(博多)

 今、冨永代議員の方から幅を持たせる案が出ていますから、それに妥協する分には別に構いません。

○式町議長

 では、冨永案でいいわけですね。

○冷川代議員(博多)

 構いません。
○式町議長

 では、冨永案に対して賛成の方は挙手をお願いいたします。

〔賛成者挙手〕

○式町議長

 33名。それでは今期は必要ないという方は挙手をお願いします。

〔挙手〕

○式町議長

 33名対16名。その金額は上限は1,000万円だけれども、その範囲内でできるだけ借入金を少なくする意味で、今期中に予備費の方から出していく事を執行部にお願いすることに決定しました。目標に向かって努力していただきたいと思います。

 それでは、採決に入ります。議案第1号平成8年度歳入歳出決算認定の件について、賛成の方は挙手をお願いいたします。

〔賛成者挙手〕

〔閉会のあいさつ 篠崎副会長〕

〔午後10時19分 閉会〕


第67回総会議事録平成9年6月23日 福岡市薬剤師会館講堂

〔午後10時19分 開会〕

○藤原会長

 代議員会の決定事項は、総会に報告するということになっております。総会の案内は、会員の皆様方に出しているわけですが、今日出席されている方がすべてです。これにて報告に変えさせていただきたいと思います。

〔拍手〕

○藤原会長

 今日、真剣な討議をしていただき、代議員さんの貴重な意見が数々出ております。これを其撃に受け止めて、皆様方のご期待に沿うよう、頑張っていきたいと思っております。

 それからぜひお願いしておきたいことがございます。それは学薬の問題です。学校薬剤師の方が沢山ここにいらっしゃいます が、開くところによると、通知を読んでおられる方が少ないようです。一点だけ申し上げますが、検便をしないで学校の給食室には絶対に入らないようにしてください。それだけはひとつ頭に入れておいていただきたいと思います。

○合澤会員

 緊急動議というときは、定款からすれば、緊急動議を取り上げるかどうか、冷川先生が言った返済金を上げるかどうかという問題を討議する場をつくるかどうかということを、まず代議員の過半数で決定して、それから金額なりを討議した上で採決するのが本当だと思います。

 執行部側の意見は何も開かないまま、ああいうふうな採決をされたら、この間決めた予算との整合性はどういうふうになるんですか。もう既に予算が立ててあるわけでしょう。代議員会で承認されたのに、1,000万円プラス1,000万円の範囲内で返済をするようにここで決めてしまったみたいですけど、その予算の執行は大丈夫ですか。何かちょっと心配です。

○南島事務理事

 ただいま合澤先生からご指摘受けましたように、緊急動議というものは、緊急動議を取り上げるか取り上げないかということがスタートです。これについては、私どもはロをはさむことではありませんので、合澤先生のご心配になられているように、私どもが今後予算についてどう執行していくのかということについては、できる限り努力はしますけれども、できないときはできません。そういう方向で行かせていただきます。

〔閉会あいさつ 篠崎副会長〕

〔午後10時28分 閉会〕


<試験センターだより> 『頑張ります』(社)福岡県薬剤師会 福岡試験センター 早田三佐子

6月から福岡市薬剤師会の試験センターで勤務させて頂いております。

私は平成6年に九州大学農学部を卒業し、その後約3年間、関西にある食品会社で品質管理の仕事をしていました。以前所属していた品質保障部では、名前のとおり、自社の製品の品質が食品衛生法で決められている基準に適合しているか検査をするという、目的の明確な職場でした。

現在、こちらで約1ケ月勤務いたしましたが、市薬試験センターという所が本来どういう目的のために又、何を試験するためにあるのか不明です。だから今、自分の状態を言うならば、ボールを投げようとしても投げる方向がわからないといった感じでしょうか。

不慣れな事が多く、とまどいの多い毎日ですが、「知は力なり」「無知は無力なり」ということを信じ、色々な事を経験し、知識を蓄積してゆければと考えています。試験センターがより充実する様頑張りたいと思います。ご指導の程、よろしくお願いいたします。

<市薬薬局のコーナー> 「市薬薬局の現状について」福岡市薬剤師会薬局 薬局長 江田隆秀

平成9年7月、博多の町を祇園山笠が彩る時、当市薬薬局も4年目の夏を迎える事となりました。と同時に私が市薬薬局の薬局長を預かり、1年の歳月が流れていきました。前薬局長の久池井先生の存在が大き過ぎ、かなりのプレッシャーがありましたが何とか2年目を迎える事が出来たのも、先生方のご指導と共に市薬スタッフの協力があったからこそと思っております。

さてここで市薬薬局の現状についてのべてみたいと思います。市薬薬局は先生方ご存じの通り、薬局と名前は付いておりますが、その働きは分業支援センターとして備蓄、調剤、研修、在宅及び相互作用の検索という情報支援が本来の働きであります。

まず備蓄センター、1日平均14〜15件程度の利用があっております。面分業を推進するにあたり、備蓄センターは必要不可欠な存在です。会員の先生方及び市薬薬局のデッドストックや在庫すべき品目のコンとユーター管理化等、考慮すべき問題点は多々あります。

そのなかで分譲時、Lot No、期限、薬価確認等、マンパワーによって業務が遂行されているのが現状です。当局スタッフとしても、できるだけスムーズに分譲薬品をお渡ししたいと努力しておりますので、規制区分の記入等必ずご協力していただきたいと思っております。また、市薬薬局は九州医療センター新規採用薬品及び削除品目についての情報提供も3ケ月に1度、社保委員会を通じて行っております。

次に調剤センター、1日平均71〜72件の調剤を受けております。件数のみをみますと、さほどハードと思われないかもしれませんが、1枚の処方箋単価は9,000円以上となっております。これが何を意味するか先生方にはおわかりの事と思います。1枚の処方箋に対する時間を含めた労力のウェイトがかなり重いのです。

投薬時においても出来るだけ患者一人一人の検査値や日常生活等のバックグラウンドを踏まえた服薬指導を行う様に心がけ、それを薬歴に記すようにしております。

また、服薬指導時、麻薬や抗ガン剤の処方されている患者や受診している科によって他の患者の存在を気にしている様な患者の場合は、奥の方のカウンターにて投薬する等の配慮をしております。地理的条件により、ファックスより患者の来局の方が早い時も多々あり、患者の待ち時間が長くなる事もありますが、以上の事は手抜き等する事の無いよう注意しております。

それにより患者から待ち時間についてのクレームもありますが、遠隔地の患者にはそれなりの考慮を行い、市内のどうしても納得のいかない患者には自宅もしくは都合の良い薬局の紹介を行う様にしています。

研修センターとしましては、毎年、薬局実務研修を終えた方で実技研修を希望される方を対象として、1年間で20−30数名に対しての研修を行っています。週の内3日間、3〜4名の方にしか実技指導は出来ない為、市薬薬局としては、2〜3ケ月間研修を行っている事になります。

研修内容は受講される方のクラスにて若干の違いはありますが、基礎から希望される方には、倍散の計算方法から指導しております。

また、九州医療センターからの依頼にて、病院実習に来ている学生の研修を週の内2日間受けています。期間としては、2、3、7、8月の4ケ月間です。研修内容としては、面分業における調剤薬局の存在意義、病院外来との違いを理解してもらい、調剤業務や服薬指導も見学させています。

この研修により、調剤薬局への就職を希望するようになったという学生の声も開いております。今年はテストケースとして、長期の研修生(6ケ月間)も受けており、処方箋の考察から服薬指導までの研修を行っております。

この長期研修制度については市薬薬局委員会にて話し合いを行っているところです。これらの研修は全て通常業務を行いながらの研修となります。在宅の方は残念ながらまだ実働はありませんが、委員会にてこれからについての話し合いが行われております。

相互作用の検索については、出来るだけスピーディーに行う様にしています。これは調剤薬局のみではなく、若干ではありますが、病院薬剤部からの依頼も受けております。かかりつけ薬局として存在意義を明確にする上でも、こういった情報は必要不可欠なものだと思っております。

メンテナンスとしては、1ケ月に1回行っております。そのメンテナンスに必要な情報は市薬薬局にて市薬薬局の在庫品目に限らず、注射薬を含めた全ての医薬品の添付文書の変更事項をカシオを通じて新潟薬科大学の高中先生のもとへ送付しております。

以上の様な業務の他に、1年間に10回以上、のベ100名を越える他県からの視察などを5名の薬剤師(パート含む)、1名の事務員にて受けております。もちろん視察には、執行部の先生方にも来て頂いておりますが、ルーチンの業務としてはかなりハードなものとなっていると言っても過言ではないと思っております。

薬局のグランドデザイン最終答申によると21世紀初頭の標準的薬局像における、従業員数は薬剤師4名(パート1名)、薬剤師以外のスタッフ2名となっております。もちろん、1日当たりの処方箋枚数は120枚と市薬薬局より多くなっていますが、1枚単価は3,500円となっております。

冒頭に示した棟に市薬薬局の1枚単価は9,000円を越えている事、調剤業務以外の業務を考えますと決して余裕のある人数ではないと言えると思われます。最後に代議員会にて毎回市薬薬局の従業員数についての質疑が行われておりますが、前薬局長の後を私が受けました後、私の後任は入っておりませんので、1名欠員のまま、業務を行っている事をここに明記しておきたいと思います。

日本全国に薬剤師会営薬局はかなりの数があり、その存在等についての賛否が問われる今日、調剤のみではなく、多機能な面をもつ支援センターとして市薬薬局の存在をこれからの医療体制において、ぜひとも必要な存在となる様にスタッフ一同努力してまいりますので、先生方のご指導の程よろしくお願いいたします。

[広報]

会議報告

【理事会】

日 時
平成9年7月16日(水)

議 事

1.会長挨拶

 県代議員会が終わり、九大移管の件は、予想以上の結果を得ることができました。
 会長公約で上げておりました試験センター拡充の件は、実質の事業はこれからだと思っております。6月末には、1名増員して対応しています。

2.報告事項

3.協議事項

(1)九大病院事業の移管受入れについて
 県代議員会で県薬より市薬に移管されることに決定。移管の方法は、県薬と九大病院との覚書はそのまま生きている。これからは、事務レベルの話合いを詰めていく。

(2)平成9年度の重点事業について
 4月終わりに予算委員会を開いた。本年度は、在宅介護に予算の重点を置いている。試験センター委員会には、常務理事位の役員がいないので役員を決めたい。

(3)支部活動費について
 分業が個人的であるので市薬の事業として面分業化できないか、という意見があるが、特に中小病院の面分業は、支部さらには部会の活動が重要であるので、枝葉の段階での、三師会の話し合いに出資していきたい(事業計画を支部に出させて理事会で決定する)。

 支部長会では支部の意見ではなく個人の意見ではないかと思われるケースが多いので社保、分推委員が己支部の分業の中心となり活動を開始し、これを支部長が事業計画としてまとめ上げてほしい。6月は部会長会を行う時期であるが、今は市からの報告のみとなるので見送る。

(4)その他
 ひとり薬剤師の薬局でも在宅はできる。先ず、歯科分業100%を可能なものとして活動していってはどうか。
 九山大会は、常務理事、社保理事+3名、支部1名の出席を予定したい。日薬大会は、市薬より2〜3名出席したい。

(K.T.)

委員会報告

【広報委員会】

日 時
平成9年6月3日(火)

議 事
○ ジャーナル(7月号)
・原稿・写真の回収
・未稿分催促
・各委員会報告作成
・今号より“商組のページ”新設
・特集・・学薬「ダメ。ゼッタイ。」

日 時
平成9年6月18日(水)

議 事
○ ジャーナル(7月号)
・編集会議
・未積分再催促
・写真選定

日 時
平成9年6月30日(月)

議 事
○ ジャーナル(7月号)
・編集・校正会議
・追加原稿回収
・代議員会報告の要旨作成証と南区在宅取材・編集班の班分け
○ ジャーナル(9月号)
・企画・・特集:南区在宅ウオッチングU
     シリーズ:2名に取材依頼予定

日 時
平成9年7月25日(金)

議 事
○ 6/23 市薬臨時代議員会要旨作成作業
○ 南区在宅医療関係報告書まとめ
○ ジャーナル9月号 企画の詰め
 ・各原稿・写真催促を各委員に確認薬局委員会

【薬局委員会】

日 時
平成9年5月30日(金)

議 事
○ 今後の予定
・9/28(日)市薬会員薬草観察会
・10/12(日)あいれふ薬草観察会
・11/9(日)あいれふウオーク
○ その他
・副会長より協同組合について研究するよう依頼あり

日 時
平成9年6月27日(金)

議 事
○ 7月薬局製剤研修会の件
・7月26日(土)午後5時より「健胃散1号」製造
○ 9月以降の薬局製剤研修会を現在入会してある中から再募集する。
 9月 鎮咳・去痰剤
 11月 解熱鎮痛剤2号A
 1月 UHクリーム
 3月 鼻炎散2号
○ 県薬、「薬局実態調査」を配布
・7/18〜7/19 薬物乱用啓発展出勤者
・7/18 11:00〜14:00 真鍋、中野、森
     14:00〜17:00 国武、光安、森
・7/19 11:00〜14:00 東、冨永、木原
     14:00〜17:00 滴生、行実、真鍋
○ 協同組合設立の為の研究
・7月薬局委員会に「福岡県中小企業団体中央会」の説明を聞く

日 時
平成9年7月29日(火)

議 事
○ 協同組合設立の件
・福岡県中小企業団体中央会の牛島氏より協同組合の基本的な内容の説明を受ける。
○ 薬草観察会の件
・場所:背振山ダム周辺
・9/28 市薬会員の薬草観察会(バーベキュー・会費2,000円)
・10/12 あいれふ薬草観察会
・10/初 薬局委貞会にて薬草の本作り
・講師:松島、坂田、大庭、有馬、本村、冷川、根津、篠崎 の各先生にお願いする。
○ 薬局製剤研修会の件
・9月より新メンバー21名にて3月まで4製剤を作る。

【市薬薬局委員会】

日 時
平成9年7月10日(水)

議 事
○ 6月の業務報告
・患者さんが会員薬局から市薬薬局にUターンしている。
○ 代議員会での市薬薬局に対する質問について
・市薬薬局の実情が不明確な為の質問と思われた。
・江田薬局長より的確な説明を役員にしてほしいとの要望あり。
※市薬薬局のコーナー(P.78)参照
○ 学生実習
・7月28日〜8月8日 10名
・8月18日〜8月29日 11名
・長期研修生受け入れの件 病院薬剤部研修もカリキュラムに入れる。

【学術委員会】

日 時
平成9年6月6日(金)

議 事
○ 6月研修会の打合せ
・講師 青木知信 先生(こども病院)
・演題 大腸菌O−157感染症について
・座長 篠崎
・司会 市花
○ 平成9年度薬局実務研修について
・日程、講師、出勤者の検討
・講師との合同打合せ(7月初め)
・テキストの作成
・広報について 8月15日号市政だより
 県薬会報8月号にのせるように交渉
 他の研修会の受付において配ってもらう
・申込締切 8月20日
○ 今後の予定
・7/23緑内障について 九大眼科久保田先生

日 時
平成9年7月11日(木)

議 事
○ 平成9年度薬局実務研修について
・外部の講師と共に時間割の打合せ
・現在までの宣伝活動報告及び今後の予定について討議
・今年から事務処理と事務室留守番として1名勤務
○ 7月研修会の打合せ
・仕事の分担
・9月以降の予定について

【社保分推委員会】

日 時
平成9年5月14日(水)

議 事
○ 処方検討会の方法及び継続について
・市薬の処方検討会の継続及び方法は今まで通り
・発表薬局は必ず出席すること、又出席できない場合は社保委員が代理する。
○ 第61回九州・山口薬学大会発表の件
 (11/8・11/9)
○ 保険薬局見学実習について検討
・福岡大学薬学部4年生15名
 (夏休み期間の3月間)

日 時
平成9年6月10日(火)

議 事
○ 全体の処方検討会
・発表薬局の出席を徹底
 (必ず質問をする事)
○ 第61回九州・山口薬学大会 発表の件
・テーマ“面分業に対する患者の意識調査と今後の対応”
・アンケートの内容検討
・7月中にアンケート1,000例回収予定(九大・南福岡・医療センター院外処方せん窓口)
○ 保険薬局見学・実習について
・福大生15名(夏休み3日間)
  末田薬局・薬局白十字
  双和薬局・恵愛団薬局
  市薬薬局

日 時
平成9年7月7日(月)
場 所
居酒屋「陽光」

議 事
○ 九大病院事業移管の報告
・6/28県薬代議員会にて
・4/1をもって県薬より市薬に移管する事を決議
○ 両分業に対する雁患者の意識調査についてアンケートを回収
・九州・山口薬学大会で発表
 九大     500例
 医療センター 500例
 南福岡    200例
 合計     1200例
○ 保険薬局の見学実習
・7/11説明会 福大生15名
        研修薬局9ヶ所
  市薬薬局

【在宅委員会】

日 時
平成9年7月9日(水)

議 事
○ 福岡県薬剤師会、公的介護保険委員会発足
・7/5(土)14:00〜17:30公的介護保険研修会報告
○ 在宅委員会としてホームページを作る案
○ 7/30(市薬)在宅医療研修会の件
・福祉計画課、松田課長講演予定
○「まちかど相談所」(名称未定)の趣旨作成の件
・各薬局にアピールし参加を募る

【組織委員会】

日 時
平成9年6月13日(金)

議 事
○ 定款の監督官庁の審査の遅れについて説明
○ 会員と非会員の区別を徹底すること
・あらゆる場面、機会において
・会員カードの見直し
○ あらゆる行為(依頼事項)に対して、会員の方々の無料化に徹するべきかの基本的な考え方の議論を行った。

日 時
平成9年7月8日(火)

議 事
○ 定款改正案について
・現在、提出中の定款改正案について、薬務課より疑義が出ている。
○ 選管のあり方について検討
○ 市薬代議員会(6/23)の報告
○ 県薬代議員会(6/28)の報告

支部だより

〔南〕

南区薬剤師会この一年の歩み

あっという間の一年でした。今期(平成8年度)南区薬剤師会としては、薬剤師の対外的なPR、薬局の外に飛び出していく元気のいい薬剤師のイメージ作りの年として努力致しました。先生方のご協力によりかなりの成果をあげられたと思います。そして、来期(平成9年度)は、いよいよ実働の年です。

医療法改正等で暗くなりがちな薬剤師会ですが、薬剤師職能をレベルアップして地域住民の健康づくりに貢献できるように医療人として努力していきたいものです。

また、南区薬剤師会内においては、処方検討会を中心に薬剤師職能の向上のために、新しい試みも加えて幅広く研修会を続けていこうと思っています。

平成8年度南区薬剤師会の地域連携における活動報告

(1)公民館シルバー健康教室での「くすりの話」 講師派遣
(2)「第1回 区民との薬草観察ハイキング」
(3)「南区健康フェア」
(4)「在宅医療における薬剤使用の実態調査」のモデル事業
(5)「三師会」との連携事業

平成9年度南区薬剤師会の地域連携における活動予定

(1)公民館シルバー健康教室での「くすりの話」 講師派遣
  東花畑公民館 5/23 太陽薬局 中島先生
  長住公民館  6/19 木村薬局 木村先生
  西弥永公民館 6/27 スユタ薬局 未田先生
  大池公民館  11/26 予定 
(2)「第2回 区民との薬草観察ハイキング」
  10/5 「天拝山」
(3)「健康フェア」10月
(4)「在宅医療における薬剤使用の実態調査」のモデル事業報告会
  8/25 アミカスホール
(5)「三師会」との連携事業
  研修会、ソフトボール大会、懇親会
(6)南区健康づくり会議
  長丘公民館  5/20
  大池公民館  6/5
  東若久公民館 6/20
  大桶公民館  7/4
  弥永公民館  9/19
  野多目公民館 10/24
(7)南区在宅医療、福祉、健康検討委員会 南保健所

(末田順子)

 

〔西〕

西区薬剤師会総会

日 時  平成9年6月28日(土)
場 所  三四郎

 当日正午、福岡市を通過した台風にも負けず、藤原市薬会長にも足を運んで戴き多数の出席の中開会することができた。今回は、初めて出席された会員の先生方が多く、特に総会後の親睦会は大きな意義を成した。

(津田和敏)

<在宅患者訪問薬剤管理指導届書について>

在宅医療あるいは在宅保険医療とよく言われますが、現実に我々の薬局で在宅医療に参加している薬局はごく一部の限られた薬局しかありません。この理由は、薬局側としては医師から「要訪問指導」と記載された処方箋が出てはじめてこの在宅医療業務に携わる事が出来るからです。

そしてこの処方箋によって調剤し、患者宅まで薬を届け、薬の服用方法、保管方法などの指導を行います。これらの在宅医療業務に対して在宅患者訪問薬剤管理指導料550点が、月2回を限度として請求できるわけです。

但し、薬局はあらかじめ“在宅患者訪問薬剤管理指導薬局届書”というものを県知事に届け出る必要があります。(※表1参照)

これは、市薬剤師会にありますので必要事項を記入して市薬剤師会に提出するだけで費用はいっさい要りません。

将来面分業が広まれば、ひょっとして“要訪問指導”と記入された処方箋が回って来るかも知れません。まだこの届書を出されていない薬局は、是非届書を出される事をお奨めします。それからこの“要訪問指導”の処方箋を受ける時には医師から“情報提供用紙”という患者情報をもらわなければなりませ ん。

そして薬局側からは、在宅医療業務をした後に医師に対して“訪問薬剤管理服用指導報告書”というものを提出しなければなりません。この用紙はどちらも市薬剤師会にありますので必要な方はもらって下さい。

色々と面倒な手続が多くて、なかなかこの処方箋が現実に回って来る事は少ないようです。しかし薬局側から積極的に医師の方に働きかけて1枚でも多くの“要訪問指導”処方箋を獲得して在宅医療に参加していないと将来の介護保険では薬剤師の入る余地はないようです。

(伸上一成)

 

〔東〕

東区薬剤師会総会報告

支部会員の皆様におかれましては、益々御健勝のことと存じます。去る、7月12日の東区薬剤師会総会並びに親睦会においては、多数御参加いただき有難とうございました。なお、市薬より藤原良春会長、林武彦県議(代理 寺崎秘書)、今林久県議、手島敏文市議(代理 古橋秘書)、東保健所長押領司文健先生に御来賓として出席していただきました。

平成8年度より東区会長をひきうけまして、初めて支部会費、支部入会金を徴収いたしました。会員の先生方の協力をえまして、100%徴収することができました。大変有難とうございました。

今、薬剤師会は、医療法改正(9月より)や規制緩和等、大変な時代にさしかかっております。9月の医療法改正により、患者さんがどのように行動するのでしょうか。県薬でシミュレーションした結果によりますと、老人(1割)社保本人(3割)家族(4割)位いの負担額になる様です。既存の薬局の処方せん枚数や売上げはどうなるのでしょうか?

又、ウオルグリーンのノウハウを使う、アールエックスネットワーク(RXN)という会社ができております。このRXNは、伊藤忠商事,ハックキミサワ,クラフト,ファミリーマート,CRC総合研究所,日本リース等が出資した調剤ネットワーク会社です。これにともない、ダイエー,イトーヨーカドー,キヨスク等も調剤に力を入れてくると思われます。

一方、OTC販売も規制緩和でどれくらい影響が出るか、わかりません。ただ、OTC販売は、いろいろ経営のしかたがありますので、個々の薬局の努力しだいではないでしょうか。

薬局は、OTCと処方せん調剤の両輪を同時に持って経営していかなければなりません。薬剤師会は、今まで対行政,対医師会等に力を入れてきましたが、もっと個々の薬局のために力を入れなければならないと思います。今こそ会員が力を合わせて、団結する時です。

今年1年がんばりますので、よろしくお願いいたします。

(藤野哲朗)

 

〔中央〕

平成9年度 中央区支部総会・講演会・並びに懇親会

日 時  平成9年6月14日(土)午後5時
場 所  福岡ビューホテル
総 会
 1.開会の言葉
 2.支部長挨拶
 3.来賓祝辞
 4.議長選出
 5.議   事
  (1)報 告
   第1号 平成8年度会務並びに事業報告
   第2号 第38回福岡市薬剤師会通常代議員会報告
  (2)議 案
   第1号 平成8年度鼠入歳出決算認定の件
   第2号 平成9年度事業計画決定の件
   第3号 平成9年度歳入歳出予算決定の件
   第4号 市薬代議員選出及び承認
 6.その他
  (1)新入会員の紹介
 7.閉会の言葉
  特別講演
  [演題]医療法改正による保険薬局の今後
  [講師]福岡県薬剤師会常務理事 小野信昭先生
  懇親会
   1.開会の辞 中央支部長   梅末 芳彦
   2.来賓祝辞 福岡県薬会長  梶原 敬史
         福岡県議会議員 早麻 清蔵

このたび行われた中央支部総会において、平成8年度事業とその決算が承認された。そして平成9年度事業として中央支部は秋に20周年を迎えることを中心に大きな企画と今年度の支部のあり方について梅末支部長から説明が行われた。

その中で20周年事業の成功のために各部会の協力が必要と呼びかけてい る。今後発表される内容に支部一丸となって取り組むことをきっかけに薬局間の連携を強め、今後の運営に当たってはアイディアを出し合えるように発展して行くことを願うものである。

総会終了後に行われた特別講演では医療法改正に関する最新情報を県薬小野常務理事より紹介された。今後の医療を取り巻く環境、目薬等で議論されている事など問題とされる部分について経緯を分かり易く解説いただいた。その後の懇親会においては、三津家市薬顧問の乾杯の御発声で祝宴が始まり、もっぱら20周年事業の企画等、今後の中央支部の抱えるテーマをどう充実させるかについて笑顔と美酒に酔いながら宴は盛り上がっていった。

執行部を始め各会員の相互の協力と行動を共にすることが、今年度の中央支部活動の目標である。

平成9年度事業計画

・中央支部発足20周年事業の成功
・市薬事業の推進
・中央支部組織の充実化(特に部会強化)
・処方検討会の充実(特にA会員の積極参加)
・広域基幹病院対策
・三節会対策
・市民への薬局のPR
・健康フェアの充実と積極的参加
(各部会ごとに催しを考える)
・在宅ケア関連
(保健所との定例連絡会の推進)
(ホットライン・協力薬局システムの強化)
・会員相互の親睦を図る
(ソフトボール大会,ボーリング大会への積極参加)

 

〔博多〕

第30回日本薬剤師会学術大会(東京)発表について

1.発表形式  学術大会会員発表(ポスターセッション)
2.発表演題名 「在宅への能動的薬品情報提供の効果」
 募集テーマ 地域医療と薬剤師
3.発表者氏名 森千恵子,蔵元良行,木原三千代,松尾浩民,澤田康文
4.発表要旨
近年、在宅医療の推進は極めて重要な課題となっている。その中で、医薬品適正使用の観点から薬剤師の役割は期待されている。薬剤師は在宅患者への単なる医薬品の運搬人としてだけでなく、能動的な薬品情報の提供活動を実施する必要がある。

我々は新規構築した薬品情報(薬の説明、使用法など)を患者、患者の家族、看護婦あるいは保健婦に積極的に提供し、その効果を研究した。その結果、医薬品に対する関心が高まり、適正使用につながることが明ちかになった。


薬の配達でなく情報の配達を!
 =澤田教授との出会い=

分科会担当の大波さんから、以前都薬雑誌に書かせてもらったことがあるもので、お久し振りですとのコメントつきで、発表著名確認のFAXが送られてきた。見ると、共同研究会の津田先生の肩書に、九州大学教授とある。あれ!肩書や所属を書いた記録がないのにどうして澤田先生が九大教授とわかったのかしら、応募用紙を取り出してみた。やっぱり、発表者5人の氏名だけしか書いていないのだ。

しかし、謎はすぐに解けた。この原稿依頼とともに送られてきた都薬雑誌39ページに先生の名前があるではないか。そして、澤田先生が薬剤情報を提供するときに一ばん参考になるのがTIP誌だからと、過去何年分かを貸してくださったが、別府安国先生の書かれたものが、掲載されているのも嬉しい。

とてもハンサムな津田教授東大から九大に来られた澤田先生と出会ったのは1年半前。福岡県薬務課の下川技官からの電話で「ボクの先輩で、素晴らしい先生ですから」と紹介された。大同生命の助成で、地域保健福祉に関する研究『在宅患者の服薬実態、その問題点と解決法に関する研究=医薬品適性使用のための薬剤師による能動的活動=』を共同でやりませんかとの申し出であった。そこで、博多区薬剤師会では早速共同研究をさせていただくことになった。

その研究は、今年3月町田市、相模原市で開催された日本薬学会・第117年会(医療薬学部会)で発表した。その間打合せのために、何度か今回発表する森さんと九大の薬剤学教室に澤田教授を訪ねたが、帰りには、いつも彼女が連発する「澤田先生って、妙に説得力ありますよねえ」に、深く深くうなずくのが日課となっていた。

その“澤田語録”の中の一つが、今回発表する情報の配達なくして、なにが薬剤師ぞ!であり、もう一つは開局薬剤師のレベルアップなくしては、薬剤師の地位の向上はあり得ない。ところで、薬剤師会ではどんな勉強会をしているの?であった。

そして、こちらの方はなんとも贅沢な澤田ゼミナールの開講へとつながった。

もちろん、テーマは薬物相互作用である。在宅医療の場合は、病状が安定した患者であることから当然のことながらDO処方が多い。14日処方で月2回訪問するとなると、2回目はどうしても配達だけになりがちである。

また、月が変わってもDO処方であればなかなか新しい薬剤情報を持っていくことができない。訪問看護婦さんやヘルパーさんのように、実際に患者の看護や介護をする職種と違って、薬剤の管理指導で参加する薬剤師は、在宅医療に参加する意義が見つけられず悩むことになる。

福間市博多区では、隔月ごとに在宅医療に関わっているいろんな職種の人たちが、夜間にそれぞれが事例を持ち寄って事例検討会をしているが、薬の配達人になりがちであることに自信をなくすと報告をした薬剤師がいた。

すかざず、澤田語録にある情報の配達しかない!が登場することになる。O−157でパニックとなった昨年は、消毒薬の使い方やパンフレットを持って行ったこと。また、初回訪問時には、地方紙に紹介された「薬剤師が訪問、服薬指導」の新聞記事を見せると、口で説明するよりも、ずっと訪問薬剤師制度の理解が得やすいことなど。

そして、患者・介護者だけでなくく在宅医療に関わるいろんな職種の人たちにも必要とされる薬剤情報は、どうあるべきかをテーマとしている。

今回の発表会では、とっておきの薬剤情報のありかたを発表しております。ぜひお出かけください。

〜都薬雑誌10月号 学術大会特集「見どころ開きどころ」投稿原稿から〜

(木原三千代)

 

〔早良〕

【学薬のページ】

日時
平成9年7月23日(水)17:00〜18:00
会場
地下鉄西新駅前・コンコース
趣旨
最近の薬物乱用の現状は、中・高校生による覚せい剤乱用事犯や、暴力団絡みのシンナー密売事犯が発生するなど、本格的薬物への移行、少年層への蔓延が危供される深刻な状況にあると ころから、地域と学校・行政・警察などの関係機関団体が一体となって薬物乱用防止街頭キャンペーンを開催し、薬物乱用防止意識の高揚を図ろうとするもの。
主催
西警察署・少年補導員連絡会・西福岡防犯協会

当キャンペーンに市薬からも4名が出題し西新駅コンコースで、うちわ、ティッシュ、チラシを配った。ホークスぬいぐるみ、ミス福岡も参加したが、なんといっても、中村学園・九州女子等、中高生の配布参加は効果があった。

しかし、後援が、福岡県・福岡市であるのに、私立中学・高校の学校協力のみで県立高校・市立中学等の参加がなかったのは残念である。参加された両校の生徒さんたちにはたいへん感謝します。

市薬執行部へ一言、案内書を拝見して残念なことに、主催者でもおかしくないところに後援、協賛どころか参加団体にも市薬の名がなく、後で参加団体に名が書き加えられたというおそまつさ。お金もなく多忙なのは充分わかってはおりますが、対外を特によろしくお願いします。

(津田 和敏)

 

薬物乱用問題の展望(財)実験動物中央研究所前臨床研究部 部長
東京慈恵会医科大学客員教授 医学博士 柳田知司


麻薬の話(1)アヘン、コカイン

はじめに

 麻薬は魔薬などと呼ばれ恐れられているが、アへンやコカ葉とのつきあいは古くて長く、これらは人類に多くの利益と害をもたらした。時代の変遷とともに抽出や合成などの化学技術の進歩に注射器の発明が加わり、麻薬は人類にますます大きな恩恵を与えると同時にたいへん危険な存在ともなった。今回は、麻薬と称される薬物についてその起源といくつかの歴史的エピソードおよび依存性と危険を紹介したい。まず、麻薬の代表であるアヘン類(アヘン、モルヒネ、コデイン、ヘロイン)とコカインをとりあげる。

1.麻薬とはどういう薬物を指すか

 ひとが麻薬というときのイメージはひとさまざまである。あるひとは乱用される危険な薬物の総称として、あるひとはモルヒネやヘロインを指してロにする。テレビ番組や雑誌の企画などで「麻薬をとりあげたいので」と相談を受けると、いつも「どのような種類の薬物をお考えですか」と尋ねることにしている。麻薬の種類がしっかり把握されているケースはごく稀だからである。

 麻薬は、昔はアヘン類を指した。しかし、時代の変遷とともにその内容は多岐にわたるようになり、今日では「法律的に麻薬に指定されたものが麻薬」とされるに至っている。

 では、どのような薬物が麻薬に指定されているだろうか。日本で麻薬に指定されている主な薬物は表1のとおりである。それらは、幻覚薬のように国際条約では麻薬と呼ばれていないもの、反対に大麻のように国際条約では麻薬であるが国内では大麻取締法で規制されていて麻薬ではないものもある。少しややこしい話なので、その違いを表に示す。日本では日本の法律にしたがって呼ぶべきはもちろんである。

2.アヘン類とコカインの乱用 薬物の中の地位づけ

 アヘン、モルヒネ、ヘロインなどのアヘン類とコカインは取締法ができた当初から麻薬に指定されてきたが、これらの薬物が乱用薬物全体の中に占める地位はどうであろうか。

 これらの薬物のランクを相撲の番付けに見立てて筆者の見解を示すと、アヘン類が東の横綱、コカインが西の横綱である。なぜなら、両者とも最強の依存性があり乱用される危険性がきわめて高いからである。事実、両者は人類に最も古くから乱用されてきた薬物である。

 両者の相違は、アヘン類が抑制作用を持つのに対しコカインは興奮作用を持つという点であるが、依存性の強さのほかにも、(1)天然の植物由来の物質であること、(2)古くから人類とのかかわりが深いこと、(3)医療の目的に用いられると同時に乱用もされてきたこと、などの類似点を持つ。

 ついでに大関以下も表2に示す。東は抑制系の薬物、西は興奮・幻覚系の薬物である。アルコールはいろいろな意味では別格なので張出とした。

3.アヘン類について

(1)アヘン類の起源と乱用の歴史

 特定のケシの花から得られるアヘンは、人類の歴史と共に存在した薬物であり、スイスの潮から五千年も昔のケシの実がまとまって発見され、当時すでに人類はケシを栽培していたと考えられている。中東のスメリア地方では紀元前四千年頃と推定されるケシの抽出物に関する記録が発見されている。

 紀元前9−8世紀のギリシャの詩人ホメロスは、その詩オデッセのイ中で薬物による静かな心地良さと多幸の陶酔境をうたっている。ローマ文明では、眠りの神ソムヌスがケシの絞り汁を入れたとみられる容器を持っているところが描かれているという。ひとがその精神作用のために用いた物質としてアヘンはアルコールを除けば最も古いものであろう。

 17世紀後期の医師シデナムは「神は、病める人のためにアヘンをお授けくだされた。数多の病を克服するのにこれほど強力な武器はない」と述懐している。医療の神様と崇められたギリシャの医師ガレノスは、アヘンは頭痛、痛痛(胆道結石、尿道結石など)、鬱血性心不全、心臓喘息によく効くと述べている。天然起源の薬物は、その有効成分が抽出分離されることによって新しい展開をみせる。

 1805年にドイツの化学者ゼルチュルナーは、アヘンからモルヒネを分離して、彼はこれをギリシャ神話の夢の神モルヒウスに因んでモルヒネと名付けた。また、1853年にウッズにより皮下用注射器が考案され、これらによりモルヒネの作用の発現が速くなり、用量の調節が可能になり、アヘンの時代に比べると鎮痛の技術は急速に進歩した。

 しかし、アヘンの使用が普及すると同時に危険もみられるようになった。16ないし17世紀の頃すでに医師ジョーンズはアヘンの危険性について「アへン中毒者が連用を急に止めるときわめて危険である。激しい苦痛、不安、鬱状態に襲われ、再びアへンを使用しないかぎり悲惨な死に至る」と警戒している。

 南北戦争と普仏戦争ではモルヒネ注射が普及し、そのため多数の兵士がモルヒネ依存症になった。さらに1875年にヘロインが合成されるに及び、以後今日まで魔薬の手は、モルヒネよりもヘロインが中心となった。

(2)アヘン類麻薬の種類と医療用途

 現在、アヘン製剤は、アへンそのものをはじめモルヒネおよびコデイン類が鎮痛薬あるいは鎮咳薬として用いられている。鎮痛薬は今までに多くの麻薬および非麻薬性の薬物が合成され医療に用いられているが、モルヒネは医学薬学が進歩した今日でもなお鎮痛薬の王座にあり、医療用に大量が使われている。

 その主な用途は、むかしガレノスが云ったのとあまり違わず、痛痛、がん性痺痛、狭心症などであるが、近年、QOL(生命の質)という観点から、がん患者の自宅療養に麻薬が使えるようになったことは大きな革命である。

 ヘロインは最初は鎮咳薬として登場し、モルヒネのような依存の危険性はなく安全と主張されたが、これは内服で使用されたためで、その後注射されるようになると強い依存性があることが明らかになった。一方、医療上モルヒネを凌ぐ優れた点はなく、医療用の適応は除外された。

 ヘロインがモルヒネより依存性が強いのは、ヘロインは静脈内注射するとモルヒネより速やかに脳内に移行して強い陶酔感を起こすからである。そのためアへン類の乱用は、もっぱらヘロインの静脈内注射に限られるようになった。ヘロインは医療用から除外されたため正規の製剤は市場から消えたが、その高い需要のために密造密貫が盛んで、これに国際的に大規模な密売組織が絡んでいる。

(3)アヘン類の依存性と乱用の危険性

 アへン、モルヒネ、ヘロインなどは、著明な耐性を持ち、身体依存を強く形成して激しい禁断症状を起こし、また、静脈内に注射すると強烈な陶酔感がある。その禁断症状はきわめて苦しいことから摂取を止めさせなくする強い精神依存性がある。

 そのため、どんな犯罪を犯してでもくすりを手に入れようとする。それにつけ込んで密造密売組織が暗躍してもろもろの社会的弊害が起こっており、また、個人の健康も侵されている。ヘロインでは摂取する量を誤って呼吸麻痺により死亡する例が非常に多い。連用の急な中断でも脱水による激しい禁断症状で死亡する例がみられている。

4.コカインについて

(1)コカインの起源、医療用途、および乱用の歴史

 コカインは南米のアンデス地方に生成するコカノキの葉から採れる。インカ帝国の初期には、コカインは太陽の神から初代インカ統治者に授けられた贈り物とされ、使用は王侯貴族と僧侶に限られていたという。神からの贈り物とされたのは、空腹を癒すので豊富なカロリーがあると考えられ、疲労を回復させ活力と多幸感を与えるという不思議な力があると考えられたからである。やがて一般の者も使用するようになり、インカ帝国で良く発達した郵便網の飛脚は、コカ葉を噛んで疲れを知らず走ったという。

 1533年スペインのピサロがペルーを侵攻して以来、スペインの支配者はインディアンにコカ葉を与えて苛酷な労働を強いた。山岳高地の金鉱におけるインディアンの驚くべき働きぶりは、コカインの作用によると考えられている。

 19世紀後半にはコカ葉が大量にヨーロッパに送られるようになり、1859年にイタリアの神経学者マンデガッツアは、精神機能と運動能力の増強や抑欝の解消などのコカ葉の効用を本にしてその使用を推奨した。コルシカのマリアニは商売に敏く、コカ葉の抽出液をワインに混ぜてマリアニワインとして売り出 し、万病を癒し幸福にさせる健康増進時好品として大勢の医師の支持を得て、法王から市民栄誉章を授けられたという。

 1886年に米国ジョージア州のベンバートンはコカワインのワインをカフェインを含むコーラの実のエキスで置き換え、希釈液として炭酸水を用い今日のコカコーラの基を作った。20世紀に入るとコカインの危険性を認識されはじめ、コカコーラも批判されてコカインが抜かれ代わりにカフェインが添加された。これが現在のコカコーラである。

 一方1860年にドイツの化学者ニューマンはコカ葉から純粋なコカインを取り出し、同時にコカインに局所麻酔作用があることをみつけた。フロイドは、純粋なコカインを用いてためした結果、コカインを不安と抑欝およびモルヒネ中毒の特効薬であるとして熱狂的に推奨し、19世紀の終わり頃には広範に処方されるようになった。

 また、コカインは、20世紀はじめに合成の代替薬が登場するまで局所麻酔薬として医療に汎用された。一方、コカインは粉末に精製され、注射の技術が生まれると一気に大量が摂取されるようになり、精神障害や痙攣などの事故が急増した。

 フロイドの身近なモルヒネ中毒者はコカインを与え続けられた結果コカイン精神病になってしまい、コカインは、アルコールとモルヒネに次ぐ人類を苦しめる第3の敵とみなされるに至った。

 従来のコカインの乱用は、粉末を鼻粘膜に擦り込む、粉末をストローで鼻の中に吸い込む、水に溶かして静脈内に注射する、などであったが、近年は、コカインを塩酸塩にする前段階のクラックと呼ばれるペースト状のものをアヘンのように燃やしてその煙を吸う方法が流行している。クラックは、値段が純末よりも安く使用も簡便なため若者たちに好んで用いられている。

(2)コカインの依存性と乱用の危険性

 コカインは誇大妄想型の自己過信と強烈な陶酔感を起こし、ヘロインと肩を並べて最強の精神依存性を持つ。どんな手段によっても薬物を手に入れたくなり、犯罪行為に及ぶ。ヘロインのような強烈な身体依存を起こさないが、その代わりに連用したときの精神障害が強く、危険性はどちらが高いといいがたい。

 妄想幻覚は、特に肌を無数の虫が這う感覚に襲われ皮膚を自ら傷つけることが特徴とされている。精神障害の状態はコカイン精神病と呼ばれている。急性毒性も強く、一時に大量を摂取すると痙攣や心臓麻痔で死亡する。

(KNOW1996.9.第37号)

次号は同じく柳田知司先生の覚せい剤の話を掲載します。お楽しみに。

第3回 学薬理事会報告理事 女賀信子


日 時 平成9年6月20日(全)
場 所 市薬第1会議室
出席者 藤原会長、木原副会長、有馬常務理事吉村、女賀、竹尾、中野、深見、井上各理事、野口監事

議題
1.(報告)

1.市教委との学校保健懇談会が5月28日行われた。その席上、O−157問題が改めて検討された。昨年、配布の「消毒剤の使用」の資料を今一度熟読し、徹底した衛生管理を望む旨、指導された。また、給食室には必ず、検便陰性後初めて立ち入る事が出来るという事を再認識して頂きたい。

2.粕屋薬剤師会からのプール水検査の依頼を受け、6月27日、7月4日実施する。

3.6月11日、県薬務課主催による、薬物乱用防止研修会が合同庁舎で行われた。

2.(協議)

1.上記3.に於ても要請されたが、6月26日の「ダメ。ゼッタイ。」キャンペーンに参加する。特に今年からは学薬のみならず、市薬全体の取り組みの一環として参加し、薬剤師職能のアピールを行う。

2.今回、粕屋薬剤師会から依頼のプール水検査は学薬理事のメンバーで行い、独自の研究項目として取り組む。(報告2.参照)

3.今年も各区学薬研修会を開かれて会員相互の研鎌と親睦を図られたい。

第4回 学薬理事会報告理事 女賀信子


日 時 平成9年8月5日(火) 場 所 市薬会館第2会議室 出席者 藤原会長、木原副会長、有馬常務理事、吉村、横田、女賀、坂田、竹尾、中野、深見、井上各理事

議題
1.(報告)

1.前回報告の粕屋薬剤師会から依頼のプール水検査終了し、来年度からの事業展開に弾みが出たと喜ばれた。

2.8月10日、学校保健理事会が開催される。
平成10年1月24日(土)(於、市薬)第1回の福岡市学薬主催による学校保健研究大会を開催する。
学校保健に於ける学薬活動の積極的な取り組みをサポートする意味で実例や実践を報告、発表する。各事業には助成金を申請中である。今回の新たなる事業は他の2師会にも相当なアピールになるものと期待される。

2.(協議)

1.平成9年度学薬表彰の被表彰者として下記の方が決まりました。
 県教育文化功労者  小松 秀美先生
 市教育委員会表彰者 藤原 良春先生
 県学校保健功労者  本川  条先生
 市学校保健功労者  内田 文子先生
 市学校保健功労者  石井多嘉子先生市学校保健功労者
 
2.学校保健活動の報告書のスタイルを一新し、多目的に使用出来る様に作成しました。担当校に於ける日常生活の報告書として、積極的に活用される事を望みます。

3.支部研修会が各区に於て活発に展開中!!
 7月12日 東区
 7月26日 中央区
 7月29日 博多区
 詳細は次号にて。

【女子薬のコーナー】「薬剤師さーん!出番ですよー」(株)九薬 二日市営業所 後藤洋子

女子薬の監事の先生に勧められ会員になったものの何も分からないままに今日迄来たが入会して先ず諸先生方の活躍振りとウーマンパワーの凄さに圧倒された。

今月4日の筑紫薬剤師会の例会で福岡県薬剤師会理事の末田先生に“在宅介護における薬剤師の役割”というタイトルで講演を依頼し、非常に実践的な話を一時間程して頂いたが、残念な事に筑紫薬剤師会の先生方の中で現在在宅介護に取り組まれている先生はほんの数名しかいらっしゃらない様だ。

しかし、在宅介護に非常に前向きに取り組まれている末田先生の熱の籠った講演で刺激を受けられた先生方もきっと多かった筈でこれを機にこれからと私は密かに期待している。

病院勤務薬剤師は病棟へ、又、開局薬剤師は患者宅へと、要するに薬局の中から外へとここ数年の間に薬剤師としての仕事の内容も少し変わって来た事を実感している。

在宅医療となると薬の副作用、薬物間の相互作用は勿論の事だが特に飲食物との相互作用が重要であり、増々我々薬剤師が本領を発揮出来るチャンスが到来した訳で、その期待に答える為にもこれから益々研鐙を積まなければならないと肝に銘じている昨今である。

 

「研修会のお知らせ」
『ホスピスの今』−終末医療の中で薬剤師に望む事−

平成9年度第2回福岡県女子薬剤師会研修会を下記の要領で開催いたします。女子薬剤師会会員以外の方、男性薬剤師の方の参加も歓迎いたしますので、皆様お誘い合わせの上、多数御出席下さいますようお願い致します。

           記

 日時 平成9年9月21日(日)午後1時〜3時
 場所 福岡県薬剤師会館4階講堂 (TELO92-271-3791)
 講師 医療法人福岡亀山栄光病院理事長 藤江良郎先生

 先生は、熊本大学薬学部を御卒業の後、医学部に進まれ、現在熊本大学医学部第二外科、産業医科大学医学概論非常勤講師、末期ガン在宅医療小委員会委員他をされています。

※生涯研修の対象になっていますので研修カードを御持参下さい。

 

【商組のページ】

お知らせのコーナー

文芸

中医略史(6)

「踏雪軒の葉」

「なぜあのようなことをしたんだ」普段は穏やかな劉先生がいった。

「私が脈を取って治らないとした患者に対して、なぜ針をして帰した。使いのものが来て息を吹き替えしたのでありがとうございましたと、丁寧に挨拶をして今し方帰っていった」

「申し訳ございませんでした」葉桂は深々と頭を下げたが、それから上げることはできなかった。

「甥の趙の友達だというから私は弟子にして目をかけていたのに・‥」劉先生は続けた。

「幸いうまくいったから良かったものの、一歩間違えば危ない。一本の針は人を殺すことができる。よくよく注意しなければならない」

諭すようにいった。そして劉先生は後ろを振り返ってどうしたものか考え込んでしまった。

その時あわただしく扉をたたく音が聞こえた。

「劉先生お話があります。甥の趙でございます」

「どうぞ」劉先生はすぐに答えた。「あわてて何事ですか」

「お話があって伺いました」入ってきた趙は葉桂を見て会釈をしてから劉先生の顔色を伺った。劉先生の顔は幾分青ざめていた。

「実は葉桂殿のことですが」趙はもう一度葉桂に会釈してからいった。「私はもう黙っているわけにはまいりません。すべてお話しします。実は葉桂殿は踏雪軒という診療所を開いておられる南陽先生なのです」

「それは本当ですか」劉先生はびっくりしていった。

「失礼いたしました」葉桂は観念していった。「本当のことでございます。どうしても劉先生の針が勉強したくてこれまで嘘をついてまいりました。ただただ勉強をしたいという思いだけで他意はありません。どうかお許しください」

劉先生は考えをまとめるように天を見上げて黙っていた。

「私が悪いのです」趙はすかさず話し始めた。「実は2年前私が肺を患ったとき、叔父さんの診療を受けましたがなかなか芳しくなく、温病に優れたと評判の葉桂殿を訪ねたのです。そしてあれほどこじれた温病が日に日に良くなっていったのです。本当に葉桂殿は命の恩人なのです」

「私が悪いのです」葉桂は顔を上げていった。「私が無理を承知で趙殿に頼み込んだのです。劉先生の針はすばらしいと評判でしたので、何としてでもご教授願いたいと常々考えておりました。そこへ趙殿が診療を受けに来られて趙殿の叔父だと言うことを聞き及びまして、これは本当に天の恵みと失礼を顧みず趙殿にお願いしたのです。それから2年間劉先生には本当によくしていただきました。

弟子として親身に教えていただいたことは感謝の仕様がありません。ただ今回の患者は私の経験から陣痛の強さが原因と思われましたので処置いたしました」

そこまで話すと葉桂は劉先生の言葉を待った。

「これはこれは本当にびっくりしました。あなたが葉天士殿であったとは…。掃葉荘の薛雪先生と肩を並べておられる踏雪軒の葉先生だったとは・‥。葉桂先生を掃うとか、薛雪先生を踏むなどと張り合って仲が悪いと噂になっておりますが、私も名前だけは開いておりました。それほどの先生が私のようなものの弟子になろうとはびっくりしております」

「劉先生本当に申し訳ありませんでした。私は14歳の時父を亡くし、暮らしを立てるために医業を継ぐことにしましたが、見様見真似でやっておりましたので書籍を読んでも基礎が出来ていないため内容を把握することが出来ませんでした。そこで私は家財の一部を売り払って色々な先生について勉強してまいったのです。

十数年の歳月をかけ17人の先生について勉強してまいりました。そして劉先生の針についても学びたいと思いながらなかなか好機に巡り会えず悶々としていたのです。その時趙殿より叔父であることをお開きして、失礼とは思いながら名前を語ってしまいました」

「葉桂殿‥・」劉先生は感激して葉桂の手を取りながらいった。「あなたのお考えはすばらしい。私で良かったら経験の全てを教えましょう」

葉桂の著書は少なく、後に門人が医案をまとめて『臨証指南医案』を著わした。時に1764年のことである。薛雪は『湿熟条弁』を著わした。後に『臨証指南医案』をもとにして当時の学説をまとめて呉鞠通が『温病粂弁』を著わし、温病学説が更に発展していった。

葉桂が鍼灸術に長けた劉医師の弟子になったことは記録に残っている。葉桂が何歳の頃のことかは定かではない。

(上村義徳)

うちの看板娘

セジマ調剤薬局編

セジマ調剤薬局に勤務して1年4ケ月、現在、彼氏大募集中のピチピチ(?)26才です。勢島先生の厳しくも優しい指導の下、毎日楽しく仕事をしています。

趣味は読書、瀧行、野球観戦(ダイエーホークスの大ファン)と、最近ピアノでMr.Childrenを弾こうと努力を惜しまない(・・?)毎日です。

「心は20歳、感じたら走りだせ!」の言葉を胸に、いつも新鮮な気持ちで何事にも取り組みたいと思っています。いつも笑顔を忘れずに頑張っています!!

会員の移動

会 務 日 誌

6月12日 支部長会 19:30
     試験センター連絡協議会 富山市 14:00
  13日 組織委員会 19:30
  16日 議事運営委員会 19:30
  18日 学術研修会 19:00
     広報委員会 19:30
  19日 市戦没者合同追悼式 市民会館 12:55
     県薬代議員予備会議 19:30
  23日 第39回臨時代議員会 19:30
  24日 急患委員会 19:30
     在宅医療委員会 19:30
  26日 処方検討会 19:00
  27日 薬局委員会 19:30
  28日 県薬代議員会 県薬講堂 14:00
  30日 広報委員会 19:30
7月4日 常務理事会 19:30
  7日 社保・分推委員会 19:30
  8日 組織委員会 19:30
  9日 在宅医療委員会 19:30
  10日 市薬薬局委員会 19:30
  11日 学術委員会 19:00
  16日 第291回理事会 19:30
7月18日 市医師会との打ち合せ会 市医師会 19:00
     薬物乱用防止啓発展キヤナルシティ博多 10:00
  23日 学術研修会 19:00
     薬物乱用防止キャンペーン地下鉄西新駅 17:00
  24日 処方検討会 19:00
  25日 広報委員会 19:30
  26日 薬局委員会 19:05
     山崎拓政経懇談会 ニューオータニ 8:00
  28日 情報委員会 19:30
  29日 薬局委員会 19:30
  30日 在宅研修会 19:30
  31日 社保担当理事会 19:30
8月1日 献血推進協議会 サンパレス 14:00
     石井環境庁長官との懇談会 アクロス 14:00
  5日 国民健康保険運営協議会 東急ホテル 16:00
  6日 福祉のまちづくり協議会 市民会館 13:00
     社保・分推委員会 19:30
  7日 急患委員会 19:30
  8日 同和問題研修会春日市,クローバープラザ 13:45
     三役会 19:30
  9日 医誠会懇親会 西鉄ソラリア 19:00
  12日 定款検討委員会 19:30

[編集後記]

◇決断と実行

8月9日に田村夏祭りが雨の中で開催された。昼まで降ったりやんだりの天気でやきもきさせたが、3時頃晴間が見え始めて、決行の花火が上がった。しかし4時くらいから再び降ったりやんだりの天気で最悪の事態となった。何事も実行するのは大変だ。

雨の中で子ども会の夜店が開かれ、受付で花代のお礼にうちわなど袋詰めにして配り、そうこうするうちに早めの花火が打ち上がった。再び雨の中を浴衣の家族が傘をさして集まってきた。濡れながら思い出の夏祭りとなった。

3時頃の決断と4時以降の実行は非常に難しい事であった。決断と実行は常に難しいことだが、生き残っていくために薬業界もそれが求められている。在宅問題にしてもそうだし、OTC薬局にしても方向性の決断を迫られている。

広報委員会は今回初めて代議貞会議事録チームと在宅チームに分かれた。毎号柔軟な頭で決断と実行を繰り返している。さて今回は特に福岡先生の「環境問題」、柳田先生の「薬物乱用問題」が圧巻だ。

(上村義徳)

◇H2ブロッカー伝達講習会

心待ちにしていたH2ブロッカーのOTC化。タガメツトが発売されたのは1982年でした。「潰蕩の手術は必要なくなる」との宣伝どおりの画期的な薬でした。15年の間、改良を重ねながらラニチジン、フアモチジン、ロキサチジン、ニザチジンが発売され臨床の場で使い続けられ、貴重なデータが蓄積されました。また分子生物学的な解明が進みチトクロムPによる相互作用も明らかにされています。

このように充分吟味された医薬品ですので適切な服薬指導がなされれば、必ずセルフメディケーションの有効な力になることでしょう。

現実には販売上のいろいろな縛りや、安売りの対象品にされそうな気配など問題はあります。情報のない薬は物にしか過ぎず、充分な情報をプラスして初めて薬になるという薬剤師としての基本的な姿勢を保つことによって、H2ブロッカーがOTC医薬品として定着するとおもいます。そうすれば次もきっと地域のかかりつけ薬局を活性化するような医療用医薬品がOTC化されるでしょう。

思い入れのあるH2ブロッカーの伝達講習会でしたので取材のつもりで県薬に出かけましたが、いつのまにか伝達講習をする当事者になってしまい唖然。皆様にご迷惑をおかけしました。終わって見れば広報委員会の仲間に支えられ見守られて、幸せな出来事でした。

(M.I)

◇ジャーナルを活用しましょう

広報委員になる前、同住所複数薬剤師薬局に会員数だけジャーナルが送られて来、もったいないと思っていた。しかし、最近1部はとっておき、他は病院に行くとき持っていくことにした。処方箋を面へ出されていない医師と話すきっかけにしてみた。

特に、今9月号は、「特集・南区在宅モデル事業ウオッチング2」がある。けっこう目を通してもらえ ることに感動した。「薬剤師もここまでしてもらえるとネ」というのが大半の医師の方々の反応である。(もっとも当部会は三師会のコミュニケーション不足の為なのかもしれないが)

最も反応がよかったのは、100床前後の病院の事務長の方々だった。「ナースセンター等にも回覧してみたいので次号が出たらぜひ持って来て下さい」と言って頂き有難かった。

委員会も、いいものを作ろうと一生懸命です。「またなんか送って来とう」ではなくぜひ活用して下さい。ジャーナルが生きてくれると増冊は可能です。支部長を通して市薬へ必要冊数申し出て下さい。

目標・・・面分業100%!!

(津田和敏)

  

  

平成9年9月10日発行
福岡市中央区今泉1丁目1番1号
社団法人 福岡市薬剤師会 T E L 092-714-4416
発行人   藤 原 良 春
編集人   北 島 啓 子
 委 員  伊 東 美 穂
      上 村 義 徳
      小 松 公 秀
      津 田 和 敏
      戸 田 昭 洋
      東   美 代
      堀之内 真 紀
担当副会長 細 井 徹 一
印刷所   (有)興英社印刷