表に示す様に、第一世代薬は上気道の感染症(咽喉頭炎、扁桃炎)が主な適応症であり、インフルエンザ菌にはペニシリン系の方が良い。又第三世代薬は、G(−)菌に対して強く、ブ菌には弱いのでインフルエンザ菌が主役の1つとなる気道・肺の感染が適応となる。
緑濃菌が関与する場合は、ニューキノロン系に委ねるべきである。第二世代薬、ことにCTMーHE(パンスポリソーT)は、G(+)、G(−)菌に対する抗菌力が比較的バランスよくなっている。従って急性の上気道、下気道の感染症、中等症までの肺炎、慢性気管支炎の急性憎悪が適応症となろう。
ニューオーラルセフェムは抗菌力の増強・拡大はあるものの、その分だけ成分含量は少なく、用量は低く設定されている。その為、第一世代薬を対照とした比較試験で明確な有意差はない。しかし、ニューオーラルセフェムは選択毒性が高く、安全性に優れている点からも増量して用いるべきであろう。当初、3日間位は十分量を確実に服用させることが予後を好転させるポイソトである。
PTU.Vol.15.2(2)OCT.1990
非ステロイド性抗炎症外用剤の正しい使い方
ヒトに単回使用後の体内動態は皮膚組繊薬物濃度が一番高く、深部になるにつれて低く血液中濃度は更に低い。このことは、全身的副作用が他の剤形よりも低率になることが伺われる。
経口剤、ゲル、貼付剤を比較した組繊内濃度は上図のごとく、皮下脂肪、筋肉、滑膜においてほぼ同等である。従って限局された筋肉・腱の炎症、中小関節疾患でも同様な効果、有用性が得られるとおもわれる。臨床試験では各剤とも経口剤とほぼ同等の有効率を示している。副作用では各剤とも全身作用は認められず、局所においては1.8〜5.6%と低率である。
〔薬剤特性を生かした使い方〕
@比較的病変が表在性で限局された病巣が望ましい。
A肝、腎機能の低下がみられる患者や高齢者の治療には全身作用がないので、安心して使える。
B貼付剤は湿布剤ではなく薬の入っている貼り薬であることを十分伝え、貼る場所、使用量についてチェックする。
C小児においては使用が容易で苦痛の伴わないので外傷後の腫脹・疼痛、筋肉痛に抵抗感がなく使用できる。
D妊婦、授乳婦でどうしても非ステロイド抗炎症剤が必要な筋肉痛、外傷後の腫脹・疼痛、上腕骨上顆炎、腱・腱斡炎、腱周囲炎などの場合は全身的副作用を考慮すると抵抗なく使用できる。
E胃腸管に対する直接刺激による不快感もなく、食事にも無関係で使用できる。
F局所副作用発現の場合、ただちに中止にすれば重篤な症状にならず消失する。
G使用部位の運動量に応じ使い分ける(大きく動く部位、露出部位、複雑な形態部位には軟膏剤。保持的効果を期待する場合や衣服に隠れる部位、自分の手が届かない部位には貼付剤等)。
H非ステロイド抗炎症剤を2種類以上必要な時は経皮呼吸剤の併用が安全である。しかし括抗作用があるものもあるので使用薬剤の種類は考慮が必要。
I呼吸に際し、皮膚の状態、使用部位、外的因子に左右され呼吸量が一定しない、呼吸量が少ない等問題がある。経皮呼吸局所型非ステロイド抗炎症外用剤は湿布薬ではなく非ステロイド抗炎症剤のー剤形であるとの認識を新たにし、使用する場合は最適な剤形を考慮する必要がある。
<文 芸>
〔短 歌〕
秋 桜
稲刈りし 後の田んぼの 広々と
刈穂の上を ポクポクと踏み行く
もみじ葉の 敷きつめられし 土手の上
小春日和に 咲きしこすみれ
水澄みし 小川の岸辺 はこべさく
脊振の野辺は まだ冬の中
「梶原峠にて」
〔短 歌〕
六 平
霧かかる 久住の峰は 姿なく
風にあおられ たどる山道
長曽我部 四国統一 目指せども
関ケ原にて 露と消え去り
高知城 維新の夜明 夢かけて
坂本龍馬 命果つとも
遠来の 島津大軍 迎え撃つ
立花山に 篭る宗茂
富士仰ぐ 駿河を離れ 江戸へ発つ
耐えて家康 天下を握る
年暮れて 賀状欠礼 届きしに
在りし日偲び 冥福祈る
〔俳 句〕
花 筏
晴れし空 その花優し 薬師草
渋滞の 九酔峡に 紅葉照る
七五三 帰る親子の 影長く
会議終え 帰る夜道に 時雨くる
花梨の実 貫いてその香を 喜ばん
朝寒も 日曜市に 活気満つ
小春日に 登る山道 心晴れ
バスを待つ 肩に散りくる 銀杏の葉
一年の 苦楽流さん 忘年会
〔川 柳〕
冗 平
連休は 車進まぬ 行楽地
九州は やはり優勝 千代ノ富士
室戸沖 今年台風 当り年
晴れの宴 詰まる言葉に もらい泣き
宴席も 広報魂 本を売り
暖冬に 売れゆき伸びぬ 風邪薬
面分業 成功の鍵 組織力
<広 報> 「国立福岡中央病院との協議会」
社会保険委員会 理 事 小野 信昭
12月12日 出席者 冷川・正岡・小野・藤田
院外処方箋発行枚数 発行年
10月 255枚 2.9%
11月 432枚 5.5%
平成3年度には
診療部長クラス及び看護科をもいれた開局薬局の見学を実施。
医師による開局薬剤師の講習会の実施。
薬剤科による開局薬剤師研修を継続して実施。
(但し薬剤科による院内研修は4月以降から再開)
国立福岡中央病院医薬品集の配布。
保険請求上の諸問題は実例をもって対処していく
<支部だより> 「東 区 健 康 展」
東支部支部長 松 井 昌 也
日 時 平成2年10月12日(金)9:00〜16:00
場 所 東保健所
出勤者 松井、柴田、篠崎
入場者 211名
相談者 10名
内 容 薬草展、パネル展示、薬の相談と健康茶の試飲
初めての健康展への参加で、準備にとまどい、おまけに薬草の展示を依頼され、今夏の猛暑のため、薬草の種類が少ないと思っておりましたが、清田先生(宗像支部)のおかげで、揃える事ができました。(18種類)
健康茶は4種類(ウーロン、自然茶、どくだみ、よもぎ)で、よもぎ茶が好評でした。
相談は漢方薬についてが多かったようです。
当日は残念なことに雨天のため、入場者数が少なかったと思います。お土産に、ティシュとか、健康茶があれば良かったのではないか‥‥‥と、本年度の反省にしたいと思います。
<支部だより> 「早良区健康フェスティバル」
早良支部支部長 糸 岐 良 次
日 時 平成2年10月5日 9:00〜16:00
場 所 早良保健所2階会議室
テーマ @薬と薬草の展示及び健康相談
A漢方薬の処方のしくみ
B薬草茶の試飲
出動者 本村、豊原、松尾、清水、南島、糸岐、青柳、西岡、冨永、有馬、本村(敏子)
入場者 145名
<支部だより> 「南 支 部」
南支部長 大 庭 秀 臣
【部会長会議】
日 時11月10日(土)午後7時
場 所 アミカス
出席者 大庭、岩佐、石田、熊澤、林田、川畑、高嶋
1)支部費、部会費の件
支部費、年間、1軒につき、3,000円を6,000円とする。部会費は部会にて決める。新規入会金10万円とする。
2)基準薬局の現況報告
月末〆切、来月認定。
3)国立中央病院処方箋応需の件
調剤拒否の無いよう徹底する。
4)南区医師会アンケートの件
未だ結論は出ていない。設問ができて、理事会で検討中。
5)南支部規定(案)検討
6)代議員選出の準備依頼
【南区市民健康フェア実行委員会】
日 時11月22日(木) 午後6時
場 所 南保健所
議 題 第6回南区市民健康フェアの結果について
〔唐津留洪子保健所長談〕
成功でした。皆様の御協力に感謝します。
来年は、シンポジウムと相談コーナーを充実したい。
「荒巻善之助先生厚生大臣表彰祝賀会」
日 時 平成2年12月6日 午後6時
場 所 タカクラホテル
祝賀式次代
司会 冷川市薬専務理事
開会の挨拶 藤原市薬副会長
発気人代表挨拶 三津家市薬会長
来賓祝辞 元村福岡県保健環境部次長
久保田市会議員
友人代表祝辞 藤野市薬顧問
古賀県薬副会長
記念品贈呈 高木日薬会長
(代理)
花束贈呈 大坪県薬情報センター室長
城戸市薬試験センター室長
乾杯 神谷薬剤師国保理事長
祝電披露 冷川市薬専務理事
祝い目出度 山手、松枝、峰松各先生
万才三唱 岩橋県薬副会長
開会の辞 木村県薬専務理事
会場スナップ
◎古賀県薬副会長の友人代表挨拶で「荒巻先生は自動車の運転免許をお持ちではありません。自転車は二輪でひっくり返るのでお乗りではありません。それで仕方なく歩かれるしかないのですが、それを健康法とされています。しかし実際は車や自転草に乗れないので歩いておられます。」と健康法のウラをバラされた。これに対し荒巻県薬会長、「私の名誉のために申し上げますが、私は自転車には乗れます。ただ今の古賀先生のお話は全くの誤解であります」ということでした。
◎もう一人の友人代表藤野顧問、「今回の荒巻先生の受賞は陰で支えられた奥様の御苦労の賜物であります。」謝辞の中で荒巻県薬会長、「私がこれまでこれたのは、ホントウに女房の……」と言葉が詰まってしまわれ、会場一瞬鎮黙、そして励ましの拍手、思わずもらい泣きでした。
◎会場の片隅、通りかかる先生方をつかまえては、読売新聞藤野記者の「ドクターNOW」を売り込む木原理事。料理もほとんど食べず見上げた広報魂。これを手伝うは吉田西支部長。木原理事いわく「私が困った時、吉田先生は必ず助けてくれる方です」ということでした。
◎司会を受持った冷川専務理事。代議員会でのあの勢いはどこえやら。すっかり上ってしまい声が上ずりっぱなし。「今まで、結婚式の司会でちゃ、3回もして上ったこたなかったちゃばってん、今回は上ってしもうてすったりやったやんね」
<新春インタビュー> 「久保田市議に聞く」
日 時 1月4日 午後3時
場 所 ホテル・ニューオータニ博多
「今日は、三つの年賀パーティをかけ持ちです」とおっしゃる先生の空き時間を頂いてのインタビューです。
Q:先生が薬剤師会に入会された経緯について伺いたいのですが。
久保田:私が入会いたしましたのは、昭和36年、まだ市会議員になる前でございました。私は薬剤師ではございませんが、伯父が薬剤師であり、片山化学を創めたのを機に入会しました。その頃の県薬会長は四島先生で、会館は御供所に在ったと記憶しています。
Q:市議になられてからの薬剤師会との関わりについて、お話しください。
久保田:まず最初は市薬というより、学校薬剤師会・友納会長との関わりでした。無料で奉仕して頂いていた学校薬剤師の先生方に、わずかでしたが報酬を差し上げられるようになりました。
市薬とは藤野会長のとき、市薬会館建設用地のご相談を受けてからです。市が持っておりました「公益質屋」跡地の払い下げにあたり、フクニチ新聞との折半で話をすすのておりましたが、途中で薬剤師会単独で買い取られることになりまりした。
その節、先生方はかなりの御負担をなさって大変だったと思いますが、今は、あれほどの資産を手にされたのですから良かったと思っています。
Q:ところで市議は、市政の中でどんな委員をしていらっしゃるのですか。
久保田:衛生局・民生局・環境局の第二委員会と都市交通の四つです。特に第二委員会は先生方に大変お世話になるところです。
Q:急患センターや学校薬剤師の出動手当てが、北九州市と福岡市では、かなり差がありますが。
久保田:私は、先生方におっしゃって頂かなければ分からないのです。市にご要望がありましたら、資料を揃えて提出してください。資料がないと何ともいえませんので。
Q:薬剤師会ができる一般社会への活動として、学校薬剤師があります。未検査施設の飲料水検査、シンナーの教育問題など取り上げたいのですが。
久保田:ああいう事件がありましたので、私立幼稚園飲料水検査については、ぜひ前向きに検討したいと考えています。
シンナーについては、おたくの会報の何月号でしたか、載っていましたので取っております。年に一回でも、中学に出向いて講演されると良いですね。ぜひどんどん提言してください。
Q:本日はお忙しい中、拙いインタビューにお付き合い頂きまして本当にありがとうございました。
先生には「福岡試験センター」の認可についても大変なご尽力を頂きました。また、新会館の建設のおりには、一方ならぬご助力を頂き、前にも増して素晴らしい会館ができ上がりました。これらのことは、先生のお力添え無くしては成し得なかったことです。
今後も先生にはお願いしなければならないことがたくさんあります。薬剤師会としても今回の市議選には、どうしても当選して頂かなくてはなりません。
ただ単に、中央支部だけの推薦候補者ではありません。福岡市薬剤師会あげての候補者です。みなさん、頑張りましょう!
(インタビュアー:木原)
「会 議 報 告」
【第6回 理事会 支部長会】
日 時 平成2年11月22日(木)午後7時
場 所 市薬会館会議室
出席者 三津家会長、藤原・松枝各副会長、冷川専務理事、細井・合澤・篠崎各常務理事、木原・高杉・藤田・小野・鶴原・青谷・成澤・城戸・市花・獺越各理事、豊福監事、松井(東)・栗田(城南)・糸岐(早良)・吉田(西)・大庭(南)各支部長
議 事
1.会長あいさつ
支部長会と理事会と合同で行います。支部長の先生方には御世話かけます。11月11日の市長選につきましては、御協力依頼が遅れ、申し訳ございませんでした。御蔭をもちまして、市薬で推薦していました桑原啓一候補が再選されました。11月19日市長が当選のお礼に見えられました。来年4月の地方選におきましては、支部サイドで推薦者を決定して下さい。本日は基準薬局、市内科医会および国立中央病院の現状報告と、今後の対応について協議をお願いいたします。
2.会議報告 冷川専務理事報告
(1)10月27日 桑原選挙事務所開き10:30 (三津家、冷川、細井)
(2)10月28日 親睦ソフトボール大会 タケダ薬品流通センター・グランド
(3)10月30日 内科医会分業協議会19:00 王府 (三津家、冷川)
(4)11月2日 基準薬局認定委員会19:00 (藤原、冷川)
(5)11月6日 商組30周年記念祝賀会 セントラルホテル17:00(三津家)
(6)11月8日 県薬ブロック別研修会 19:00
(7)11月10〜11日 日薬学術大会 高地 (三津家、冷川、城戸)
(8)11月11日 福岡市長選挙
(9)11月16日 国立病院受入薬局講習会19:00
3.委員会報告 各委員長より報告
(1)組繊委員会
(2)薬局委員会
(3)急患委員会
(4)学術委員会
(5)試験センター
(6)広報部
(7)社保委員会 小野理事
4.関連団体報告
学薬、勤務部会、女子薬、商組、各担当理事より報告
5.支部現況報告
東、博多、城南、早良、西、南、各支部長より報告
6.協議事項
(1)会計中間報告 細井常務理事
(2)各支部健康フェアの反省と来年の布石
(3)ソフトボール大会の反省と来年にむけて
(4)国立中央病院の対応について
(5)内科医会との対応について
(6)その他、今月の基準薬局申請は26日までとする。来月以降は20日締切りとする。
【第7回理事会】
日 時 平成2年12月20日(木)18:30
場 所 滝の茶畳
出席者 三津家会長、藤原・松枝各副会長、冷川専務理事、細井・正岡・深江・合澤・篠崎各常務理事、木原・高杉・藤田・小野・鶴原・青谷・成澤・城戸・市花・獺越各理事、豊福監事
議 事
1.会長あいさつ
いよいよ今年も残り少なくなりました。今晩は、この後忘年会を行いますので、楽しく過ごして下さい。
2.協議事項
(1)今年度の積残し事業について
薬局、組織、社保、学術、急患各委員長より報告。広報、試験センター各担当理事より報告。
(2)次年度予算について
細井常務理事より概略説明
(3)次年度事業について
各委員長および担当理事は1月16日迄計画書を提出する。
(4)その他
「委 員 会 報 告」
【社保委員会】
日 時11月5日(月)正午
場 所 市薬会館
出席者 正岡常務理事、小野・藤田・鶴原各理事、清水委員
1.国立福岡中央病院との協議会における事項について検討
2.国立福岡中央病院処方箋受け入れ薬局以外のサポート策の検討
3.内科医会との分業促進策の検討
4.学術講習会の社保関係資料の準備
日 時12月4日(火) 午後1時
場 所 市薬会館
出席者 正岡常務理事、小野・藤田・鶴原各理事
1.患者向けの国立福岡中央病院処方箋受け入れ薬局リスト入りパソフレット作成
【急患委員会】
日 時11月7日(水)午後6時
場 所 市薬会館
出席者 成澤・市花各理事、小松・深見・馬場・竹尾・北島各委員
1.急患センター出動者増員によるローテーション組換え
2・九州山口薬学大会急患センター連絡協議会報告
3.年末年始出動表作成
4.新規出勤者説明会
日 時12月10日(月)午後6時半
場 所 市薬会館
出席者 成澤・市花各理事、深見・馬場・小松・竹尾・北島各委員
1.新規出勤者説明会について
2.出勤者ローテーション原表改訂について
3.委員会新年会について
4.出動著懇親会について
【学術委員会】
日 時11月19日(月) 午後7時
場 所 市薬会館
出席者 長谷川副会長、篠崎・深江各常務理事、成澤・市花・藤田各理事、久池井・中島各委員
1.次回学術研修会の打合せ
2.1月の行事について
3.3月の行事について
4.「福岡県薬剤師研修ガイドライン」の内容検討
5.レーザーポインターの機種選定
【広報部会】
日 時12月3日(月)午後7時
場 所 市薬会館
出席者 冷川専務理事、木原・鶴原各理事
1.11月号の反省
2.新年号の編集について
3.市薬だよりNo.2の発行について
4.広報委員会の扱いについて
5.対マスコミ対策について
「研 修 会 報 告」
社保委員会
【国立中央病院外方処方箋受入薬局必須議会】
日 時11月16日(金) 午後7時
場 所 市薬会館 講堂
演 題 病院薬剤業務と院外処方箋
1.今なぜ分業が必要か
2.病院内薬局で今何が行われているか
講 師 国立福岡中央病院薬剤科長
兼 重 佳 和 先生
出席者数 150名
薬局委員会
【漢方学術講演会】
日 時11月21日(水) 午後7時
場 所 市薬会館 講堂
演題と講師
講演T 漢方薬はなぜ効くか
−柴苓湯を中心に−
国立京都病院 主任研究員
田 代 眞 一 先生
講演U 老人性痴呆と漢方医療
福岡大学薬学部
教授 藤 原 道 弘 先生
出席者数 105名
潟cムラ共催
学術委員会
【学術研修会】
日 時11月27日(火) 午後7時
場 所 市薬会館 講堂
演 題 高血圧治療における薬物療法
講 師 九大病院
内科医局長 上 野 達 雄 先生
出席者数 100名
「広 報 通 信」
11月・12月 次の記事が新聞に掲載された。
西日本新聞 朝刊
11月1日 飲料水汚染(管理の重要性再認識)
11月8日 クスリの服用(避けたいミルクに混入)
11月15日 医療薬からOTCへ(安全性認められ薬局にも)
11月22日 クスリの服用時間(効果上げるため守って)
11月29日 薬の保管の仕方(子供の手が届かぬ所に)
12月66日 二日酔いのクスリ(空腹時の用が効果的)
12月13日 お酒と薬(許されぬ「これぐらい」)
12月20日 救急薬(暴飲暴食ぎみの正月家庭常備忘れずに)
フク二チ新聞 とっておきのクスリ箱
11月9日 痔主は結構多いみたい
11月16日 妊娠検査薬って何だろう?
11月23日 ごぞんじですか? 入浴の効果
11月30日 急を救う 救急箱です
12月14日 年末年始の胃は大変
12月21日 糖尿病はファジィが嫌い
12月28日 ピタミソB群で受験生ファイト!
「N紙のT記者との出会い」
10月に医薬品の臨床試験実施基準(GCP)が決定され、厚生省から各病院に通達されたことについて、12月6日(木)、西日本新聞に「新薬臨床試験におけるインフォームド・コソセント」という記事が掲載されていた。
読まれた方はお気づきかもしれないが、内容はタイトルとは少し違った展開になっている。かなり薬剤師サイドにたった書き方であり、医薬分業を後押しするものとの思いで読ませてもらった。
同じく福島医師へのインタビュー記事が、12月18日朝日新聞の朝刊にあった。この二紙を読み比べてみるとよくわかる。文中では、西日本と同じく医薬分業が必要となってはいるが、朝日の中見出しのあつかいは、―患者は消費者の自覚を・大学病院偏重は「幻想」・「医」は仁術から化学へ―となっていて、医薬分業が必要の文字はない。
さる11月28日(金)フクニチ新聞の「開業医の四季」のなかに―医薬分業でもうけてる?重くなる患者負担をうれう―との記事が掲載されていた。これを読まれた薬務課の今地先生から、光安県薬理事を通して「このままほっておいても良いのですか?」との指摘を受けた。
フクニチのこの記事は、共同通信から送られているものであり、編集者に相談したが、ハッキリとした返事は得られなかった。
その後、N紙のT記者に会う棟会があり「じつは、薬務課の今地さんからフクニチの記事について、ほっておいていいのですか?と言われているんですよ」と相談した。その時は「あー、そうですか」といわれただけであった。
そして6日の「欠かせぬ医薬分業―関係法律、条文改正も必要―」の記事。医師のコメントよりも、薬剤師のコメント部分の方がはるかに多い。とりたててお礼をいったりすると嫌がるT記者だから、私はこの記事についてはひとことも触れないでいる。いえば「私は、決して貴方がおっしゃったから、書いたわけではありませんよ。必要だと思ったから書いたまでです」と否定されるのが日に見えている。
しかし「薬剤師会のPRは取り上げられませんけど、新聞記者にアピールはしていいんですよ。それが広報さんの大切な仕事です」と教えてくれたのはT記者だ。
福岡市薬剤師会・広報担当としてT記者と出あって半年。いま広報活動のあり方の重要性を認識させられている。
(文責・木原)
<西日本新聞記事>「患者へ説明、同意を」
インフォームド・コンセント 大阪でのシンポから
医師ら医療の改革訴え 欠かせぬ医薬分業 関係法律、条文改正も必要
長年の間、慣習化されてきた”医者におまかせの医療”が、いま大きな転換期を迎えている。十月には「薬の臨床試験の実施基準(GCP)が厚生省から各病院に通達された。患者の同意を得ないまま効果、副作用を探る治験薬の比較試験などに歯止めをかけるのが狙いだ。先日、大阪市で開かれた「インフォームド・コンセント(患音への説明と同意)」についてのシンポジウムで、医療の改革を準えた医師らの意見を紹介しよう。
「患者の人権を守る開かれた医寮」を実現するためには、医師は必ず患者に病状を説明し、処置の内容について患者の納得を得た上で治療を始める、インフォームド・コンセントの実施が必要だ。愛知県がんセンター内科・福島雅典医長は「インフォームド・コンセント、医薬分業、GCPの実施はわが国の医療の改革の原点だ」と主張した。
■日米の違い
福島医師はシンポジウムでこんな体験を報告した。
「乳がんを病む米国人の女性から最近、相談電話がかかってきた。東京の大病院で治療を受け、二種類の抗がん剤とホルモン剤を飲んでいる。先日ニューヨークに一時帰国し、かかりつけの医師に相談したところ、抗がん剤のうち一種類は飲む必要がないと言われた。どう考えるか‥‥」
東京の医師が薬の詳しい説明をしてくれないので、不安にかつれての相談だった。福島医師は「米国の医師と同意見だ。あなたはいらない薬を飲まされている」とアドバイスした。
人権意識が強い米国人の女健でも、薬や治療方針についての疑問を直接、主治医にぶつけられない、国際的には異様な雰囲気がわが国の病院には漂っているようだ。
「医薬分業はインフォームド・コンセントの完全実施には欠かせない。当面分業を促進するために処方せんの開示を義務づけることが必要だ。またインフォームド・コンセントの考え方に沿って医療関係の法律、条文を改正し、GCPを実施することが、医の倫理と科学、患者の自己決定権のために必要だ」と同医師は報告した。
■ドイツでは
インフォームド・コンセントが普及すれば、患者が医師にうその病名を告げられ、不利益を被っても裁判に勝てない、医師の裁量権偏重は改められ、がんを含む真実の病名の告知は、主治医の十分な配慮のもとで、患者のため前向きに実施される。
旧西ドイツに十一年在住した薬剤師の越智勝子さんは、わが国では「医者にもらった薬がわかる本」がベストセラーになっているのに鷲かされたという。ドイツでは医薬分業が完全に実施され、患者は医師から処方せんを受け取る際、治療薬の名前、用法、用量、治療方法などを納得のいくまで説明を受けられる。
薬局は入院患者用の院内薬局と外来患者用の開局薬局の二種に分かれ、外来患者はどのような病院に受診しても全国統一様式の処方せんをもらい、どこの薬局でも処方せんを提示して薬を受け取れる。副作用などが明らかになっている薬は、薬剤師から情報を却らされて服薬指導を受け、医師以上に詳細な説明をされる。
■人権守ろう
越智さんは「ドイツでは医師、看護婦、薬剤師、家族が一体となって患者の治療に協力する。だから薬のすべてについて家族も知っていることが必要だ。また医薬品のマージンは法律で決まっているので、病院は薬のマージンに頼って余分な薬を飲ませることもない。情報を開示し、一緒に病気の治療に参加することがわが国でもぜひ必要だ」と説いた。
「医薬品の臨床試験の基を作成委員会」に参加した沢田徹国立循環器病センター脳血管部長は「患者の人権を無視した病院での治療は今後、GCPによって患者に説明し、文書で同意をとらなければならないので難しくなる。これまで患者に説明せず、安易にメーカーから治験を引き受けて、研究費などの獲得の手段としていた医師には痛手となりそうだ」と指摘した。
同医師の報告によると、偽薬を用いた非人道的な新薬の比較テストは、今後は医師が患者に”いい薬を使ってやるからね…‥”などと偽って危険性を説明せずに実施することはできなくなり、患者の利益と安全が図られる。(西日本新聞12・6)
<訃 報>「竹 尾 啓 二 先生」
亨年 62才
昭和24年 熊本薬学専門学校卒
元福岡県薬剤師会 常務厘事
元福岡県小売商業組合 副理事長
前福岡市薬剤師会 副会長
福岡市薬剤師会の前副会長を務めておられました竹尾啓二先生が12月24日、亡くなられになりました。
謹んで御冥福をお祈り致します。
弔 辞
今は亡き前福岡市薬剤節会副会長竹尾啓二君のご霊前に福岡市薬剤師会を代表して、謹んでお別れの辞を申し上げます。
かねてより病床にあられた竹尾君の訃報に接しましたのは、12月24日の朝でありました。ご家族の懸命なご看病と我々会員あげてのご回復への祈りも空しく、62歳の若さで不帰の客となられました。人の世の定めとはいえ、誠に痛恨の極みであります。今ここにかけがえのない同志を失い、永遠のお別れをしなければならないことを思いますと、会員一同深い悲しみに包まれて言葉もありません。
思いを馳せれば、竹尾君は幼少の頃宮崎県延岡の地にあり、長じては青雲の志を抱いて熊本の地に遊学し、薬学及び薬剤師としての道を学ばれたのであります。そして昭和24年春、人生の第一歩を福岡の地に踏み出されま した。その後、昭和29年姪浜にタケオ薬局を開局され、地域住民の健康管理とその増進に当たるべく邁進して来られました。
竹尾君はこの40年の間、ひたすら薬剤師としての職能発揮に努められ、また薬剤師会の発展にも尽力されました。昭和34年、福岡市薬剤師会の理事に就任されて以来、役職を歴任され、昭和63年には福岡市薬剤師会の副会長としてその職責を果たされました。その間には福岡県薬剤師会の理事として、県薬剤師会の発展にも尽されております。
一方、昭和31年から学校薬剤師として、また学校薬剤師の理事として、児童生徒の保健衛生活動に従事されました。ここに感謝申し上げます。
このように永きに亘るご活躍は、竹尾君の情誼に厚く誠実な人柄によるものであります。その多大なご功績により、平成元年4月公衆衛生活動による文部大臣賞、また同年10月には薬事功労による厚生大臣賞を受賞されております。竹尾君は正に戦後の混乱期から今日まで、多方面に亘りご活躍され、薬剤師会の発展と機を一つにして歩んでこられました。
今このように有能な人材を失うことは、薬剤師会にとりましても大きな損失であり、誠に残念でなりません。残された我々会員一同は、竹尾君が示されたご道志に沿うとともに情熱ある行動を範として、一丸となって努力して参る覚悟でございます。
竹尾君、どうかご家族の方々のお幸せを天国よりお見護り下さい。
我々会員に対しましてもご加護あらんことをお祈り申し上げまして、お別れの辞といたします。
竹尾啓二君、安らかにお眠り下さい。
平成2年12月27日
(社)福同市薬剤師会 会長 三津家 正 友
弔 辞
謹んで竹尾先生のご霊前に弔辞を捧げます。
永いご闘病のあとの本日のご葬儀、奥様はじめご家族のお悲しみ如何ばかりかと胸さける思いで言葉も出ない有様です。
竹尾さん、あなたは見知らぬ姪浜に開業して三十数年、一途に店の発展を祈念し地域との密着に努力されました。また業界においてもその「名」に生き常に周到な準備の下、即実行の人でした。
先輩後輩として、また竹馬の友のごときお付き合いをさせて頂いたこの間、何度あなたのお助けを受けたことでしょう。そのお礼を云う間もなく本日を迎えることは、何とも申し訳ない思いでいっぱいです。
走馬灯のごとく浮かぶあなたとの思い出は余りにも多くここに語りつきませんが、ただ一つ、蘇陵会復活に於けるあなたの素早い行動には感謝のほかありません。諸先輩がつぎつぎにご他界になり、蘇陵会総会も疎遠となるを耳にするや、直ちに友人に呼び掛け在福名簿を作成。昭和59年学長先生をお迎えしての盛大な総会、その熱心さには驚きのほかありません。熊本に次ぐ多数の同窓を持つ福岡の復活は、学校としては真に心強く深く感謝されていますことを、あなたに対するお礼とともにご報告申し上げます。
竹尾さん、あなたが常に心掛けてこつれた「地域の発展なくして自店の発展なし」の地域との密着により育った竹尾薬局は老舗の風格さえ漂っております。長男真一くんも立派に成人され、店頭にて活躍中です。
また今は、あなたを失ったショックで悲しみの極みにおられる奥様も、あなたと歩いた「無」からの出発を思い出され、必ず早い時期に真一くんを助けられる姿を店頭に見ることができると存じます。
竹尾さん、苦しかった闘病を忘れ安らかにお眠りください。
合 掌
平成2年12月27日
蘇陵会福岡支部長 冨 永 泰 資
弔 辞
竹尾さん、残念です。さぞかしあなたは無念だったと思います。私があなたに幽明別離の辞を述べる最も悲しい役目を負うことになりました。誠に無惜という外はありません。
あなたの人となりは、あなたが尊敬した先輩の方々から紹介をされながら、あなたに対する心からの賛辞が送られました。この様な弔辞を頂いたことは、これまでのあなたが歩いて来た人生、そこにあなたが積んだ徳、その外の何ものでもありません。
今あなたの前で虚しい繰り言を述べておりますが、その言葉も我が心にあなたを置いて一方通行で話す虚しさが悲しいです。
あなたとは30有余年のお付き合いです。私が一番あなたとのことを知っているつもりです。あなたと私は、その性格が正反対ですが、これまで薬剤師として、薬業人として仲よく来れたのも、あなたが持前の辛抱強さと謙虚さによって私に合わせてくれたからです。このことに感謝をし、お礼を申します。
あなたがこの夏再入院して以来5ヶ月の間、ひとときも気の休まることがありませんでした。渾身の看護をなさった奥様や家族のためにも、もう一度元気になって退院されることばかり祈っておりました。それにしてもあなたは忍耐強く、ぐちも言わず、人間としての尊厳を見せつけてくれました。
あなたはスポーツ好きで、特に青年期水泳では「中学新」を作りましたね。これはあの古橋広之進さんと同等の記録でしたね。そして日大に進学し水泳を続けたかったとき、あなたは父上よりの許可が得られず、熊本薬専に学ばれたことも聞いております。
スポーツは万能で、野球、ゴルフ、ボーリソグ等、その上とことんまで熱を入れていました。この様に身体を鍛えたあなたが、この様に早く逝くとは思いもしませんでした。
昨年の秋、薬事功労によって厚生大臣賞を受賞され、古賀隆先生その外の方々の肝入りで祝賀会を致しました。奥様、お孫さんまでつれて来られたあの時の、あなたの顔が忘れられません。
また、あなたには珍しく奥様同伴でのグループ、少しぜいたくな軽井沢、上高地旅行をしたことなども忘れるごとが出来ません。
あれやこれや、よき友として過ごした楽しかったこと、惜けなかったこと、悔しかったことなどが走馬灯のように思い出されます。
天地の悠久に比べたら寸陰の経過かも知れませんが、あなたの60有余年、国の消長、産業・経済の大変革した時代に生きたあなたの薬剤師として常に前向きの姿勢、そして経験に基く見識と人並はずれた責任感には、ただ感じ入るばかりです。私に残された人生の手本と致します。
重い病床にあって、必ず「私の務めは終わった」として永眠につかれたと思います。
最後に、終始変わらぬ温いご交誼に対し厚くお礼を申し上げ、あなたの在天の「みたま」が安らかに、平和に、とこしえに鎮まられんことを祈ります。
平成2年12月27日
(社)福岡市薬剤師会 顧問 藤 野 義 彦
<会員の移動>
<新刊紹介> 「新・佐賀の薬草」
監修 九大薬学部教授 西岡五夫
発行 社団法人 佐賀県薬剤師会
編集 佐賀県保健環境部薬務課
佐賀県薬業指導所
この本は佐賀県内で見られる野生、栽培の365種がカラー写真で収載されている。配列は50音順になっていて、植物学的知識の少ない人でも大変見やすい。後部の方は有毒植物がまとめられている。また、検索同定に便利なように、巻末に「葉による簡易系統鑑別法」が載せられている。
福岡市は脊振山地で佐賀県とは背中合せになっていて、福岡市と共通に見られる種類もかなりあるので、非常に実用的な本である。
また私達と同じ薬剤師の手でこういう本が出版されたことは、大変嬉しく、刺激にもなる。一般書店には販売されていないので、希望の先生は市薬(専務理事)まで御連絡下さい。
発刊にあたって
私たちが日頃見なれた植物の中には、薬用として十分利用できるものが、沢山あります。美しい風物として、気軽に見過している自然界には、多くの薬用植物が自生しています。その中には、薬用価値が十分あるにもかかわらず、ただの雑草、雑木として顧みられすに、ただ何となく朽ち果てさせているのは、本当に惜しいと思います。
特に最近目立つことは、経済の急速な発展によってもたらされた生活様式の急変によって、かつてのような自然を友とした生活意識が年々薄れ自然の恵み、そのすばらしさ、大切さを忘れつつあることではないでしょうか。
もともと薬には、天然資源である多くの薬用植物が使われてあり、その点から漢方ブームも根づよいものがありますが、何時に薬草に関心を寄せる人も増えつつあるのは喜ばしいことと思います。
この身近にある薬草の利用は、薬用植物についての基礎的な知識があれば、老人や子供でも、いつでも、とこでもたやすくできますから、もつと薬草についての知識を豊富にして、大いに利用し自前の健康管理に役立てていただきたいと思います。
この薬草に親しむための手引として、昭和49年に「佐賀の薬草」が刊行されてありますが、絶版となったため、この度、昭和35年に佐賀県、薬業六団体共催で始まった「自然と薬草の集い」が第30回を迎えるのを記念して、佐賀県薬務関係の諸先生の御指導、御協力を得て、本書の発刊を企画いたしました。この編集にあたり佐賀県薬剤師会では、毎年実施されております「薬と健康の週間」(10月17日〜10月23日)の薬草展に寄せられる県民の皆様方の勧要望にもこたえ、さらに多くの方々に関心をもっていただくためのさまざまな工夫を試みだところであります。薬草も薬である以上、安易に取扱ったり、乱用することは避けねばなりません。
本書を御活用のもとに、正しい知識の吸収と、使用にあたって用法、分量には十分気をつけていただき、さらに薬草に対する関心と種目を深められ、日々の健康つくりの一助にしていただければ幸いに存じます。
まだ、本書の刊行にあたり、御協力いただいた関係者各位並びに編集に携わった方々に心から感謝申し上げ刊行の御あいさつといたします。
平成2年10月
佐賀県薬剤師会 会長 福 島 正 義
<談 話 室>
専務理事 冷 川 襄
現在、市薬は国立福岡中央病院の処方せんを面で受ける体制を、強化中である。今号笹野先生が、一枚の国立病院からの処方せん応需について書かれている。原部会紹介で有馬先生が、面分業確立の方策に触れておられる。一昨年の厚生省の後追しによる分業体制が少しずつ進んできている。我々薬剤師にとっては100年の悲願がやっと彼方に見えてきたような気がする。しかし、この追い風も、「医薬分業は患者第一」ということを忘れないようにしないと、たちまち吹き止んでしまう。まだまだ国民のコンセンサスは得られていない。
クリニカルマガジソ1月号に「新春特別インタビュー 元厚生大臣小沢辰男氏 医療のペレストロイカを語る」という記事が掲載されている。これはクリニカルマガジン社の安藤俊一氏と小沢元厚生大臣の対談記事である。全文を紹介することはできないが、我々薬剤師にとって見のがせない発言があるので、その部分を原文のまま紹介する。
安藤 あと、もう一つ心配なのは、薬価基準の問題です。
小沢 私はね、完全医薬分業以外にはないと思っています。医者は薬を手離し、処方せんを書き、後は薬剤師が責任を持つ。そして、末端の薬局からメーカーまでは一般のマージンで行く。中医協の会長だった円城寺さんは、医薬分業になると、処方せん料で取られ、調剤手数料で取られ二重取りになるから、調剤手数料は廃止しましょうと言う。その代わりマージン率全部いきなさいと。私もこれ以外にはないと思いますよ。今のままでは医者はまけろ、まけろと言う。だからまた下がり、同じことの繰り返しです。これでは日本の薬の程度が下がるし、大切な研究費も出ないでしょう。こうなると日本の製薬企業は成長しないし、良い新薬も出ない。初めは実費でやろうと考えたのです。買った値段を全部払うように。しかし、個別銘柄制度だから、どうにもうまくいかない。
− 中 略 −
安藤 その悪循環は、診療報酬が安すぎるからだが。どこでストップさせるかですよ。
小沢 だからそれは医薬分業以外に手はないんです。または、医療機関が薬を買った値段そのままを、患者さんに払ってもらうかです。
− 以下略 −
医薬分業に言及した部分は、もう少しあるが、スペースの関係で全部は転載できない。しかし、医薬分業がどのような方向に向うか一つの目安にはなるだろう。今回あえて自分の論評は避けるが、このような方向が我々の目指す分業の方向であろうか。今後一層、患者のための分業、植木薬剤官が主張していた、良質で効率的な医療実現のための医薬分業を、国民から理解されなければならない。
<会 務 日 誌>
(平成2年11・12)
11月2日 基準薬局認定委員会19:00
3日 身障者スポーツ大会開会式 9:00 博多の森競技場
5日 社保委員会13:00
6日 商組30周年記念祝賀会17:00 セントラルホテル(三津家)
7日 緊急委員会18:00
8日 県薬ブロック別研修会19:00 県薬会館
11日 福岡市市長選挙
12日 天皇即位の礼
14日 県薬研修者会議14:00 県薬会館
16日 国立福岡中央病院受入薬局講習会 19:00(三津家)
19日 学術委員会19:00
21日 漢方学術講演会(ツムラ共催) 19:00(松枝、冷川)
22日 理事、監事、支部長会19:00
27日 学術研修会19:00(長谷川)
29日 勤務部会例会18:00 パピヨン24ガスホール
12月3日 広報部会19:00(冷川)
4日 社保委員会13:00
福岡市医師会忘年会18:30 日航ホテル(三津家、松枝、冷川)
6日 学校保健大会13:00
市役所(三津家)
荒巻県薬会長厚生大臣表彰受賞記念祝賀会18:00タカクラホテル
10日 健康づくり惜報システム検討委員会13:30 市役所(三津家)
緊急委員会18:30
11日 組織委員会19:00 千本(三津家、冷川)
12日 国立福岡中央病院協議会16:00(冷川)
社保委員会18:30 かがわ(松枝、冷川)
13日 久留米薬剤師会史出版記念祝賀会19:00(三津家)
19日 県薬支部連絡協議会14:00
20日 三役会15:00
理事会18:30 滝の茶屋
21日 福岡市健康週間実行委員会11:00 市役所(三津家)
25日 第2回基準薬局説明会19:00 (藤原、冷川)
26日 天皇陛下即位奉祝県民の集い13:00 国際センター(三津家、城戸)
28日 仕事納め
<編 集 後 記>
○未年は、羊の持つ柔かいフワフワとしたイメージとは裏腹に、激変の年だといわれているが、新年はマサに世界的動乱を秘めての幕開けのようだ。
○福岡市医師会の村山専務理事と山本理事、そして前会報編集委員長の栗田先生から年賀状を頂いた。お三方とも「市医報」の編集後記で何度も名前を見た先生方であり、私は市薬の広報を通じてお目にかかった。
頂いた年賀状は、それぞれに手作りの素敵に温かいものばかり。なかでも村山専務理事の「寝正月」のイラストは、本当に村山先生にそっくり。今度お目にかかるチャンスがあったら、どなたの作なのかぜひ伺いたいと思っている。
○市薬会報をお届けしたあとのリアクション。
「人の悪口を平然と書いて、あとでどんな顔をして会長にあうのですか」は、市医師会の山本理事。「かなり読ませて頂くところがありましたが、あんなこと書いて大丈夫ですか」は西日本の竹井部長。読売の藤野記者からは「ある薬局の先生から、『あんたんとこが書いちゃーばい』と教えられた記者が、コピ―して編集局中に配りました」という報告。
皆さんに心配をかけるので、今年から悪口を書くのは止めよ−っと!
○しかし県薬の荒巻会長は、一見ク―ルで冷ややかにお見うけしますが、内に秘めた情熱をお持ちなんですね。私は先生の涙を二回も見てしまった。一回目は旧市薬会館の落成式のご挨拶、そして今回の厚生大臣表彰で。
○読売新聞福岡総局から「どくたあNOW」出版記念会の案内が届いた。
発起人のお名前が30ほど並んでいるが、県医会長、県歯会長についでナソト!三番目に見慣れた荒巻県薬会長の名前を発見。
これで読売新聞さんにも、福岡県には三師会があることを分かってもらえた。
前言は取り消し。今年も編集後記には、セッセと悪口を書くことに……。(木原)
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