会報第36号 平成2年7月31日
 ■ 巻 頭 言

 ◆就任御挨拶

(社)福岡市薬剤師会 副会長 松枝 茂雄

 去る6月14日 第23回臨時代議員会に於いて副会長に選出されました。分不相応とは思いますが私なりに努力を重ね三津家会長を補佐して参りたいと思います。何様経験に乏しい私ですので会員の皆様から充分の御助言を承りながら対応してゆくのが肝要かと思います。

 今薬局薬剤師に求められる職能と責任に就いて衆目を集める所となっており、会の運営については、より重要な時代に突入して参りました。現在医療の進歩、医薬品開発(治療用)は目を見張るものがあります。薬務行政42年の流れを見ても、最初の医薬品の確保、製造開発、不良品の駆遂、有効性の確立等主としてメーカーを対象とした従来の行政から、医薬品情報の伝達、服薬指導等、末端に於ける薬の使用段階に着目した行政に移って来ていると思います。

 その為の仕組みとして分業が必要と成って来るのではないでしょうか。必然的に医薬分業は進むものと確信する者の一人です。ここで出て来たもの之が凡てではありませんが所謂日薬の言う基準薬局の問題点に到達するのではないのでしょうか。それを踏まえた上で医師との機能連携を深め保健と医療と福祉の中に看護婦、保健婦、栄養士等トータルで考える時がやっと来たのではないのでしょうか。薬剤師会が保健所の運営委員会に参画しているのもその現れと思います。

 会員の凡てが基準に沿った態勢を一口も早く整え批判に耐え得る薬局作りに邁進しようではありませんか。世間の風潮、時代の流れを充分認識しながら常に精進し、住民との対話を怠らず、魅力ある薬局作りを考え実行したいと思います。

 分業の要因は我々薬局薬剤師の行動如何によります。これからが正念場です。火の粉は我々薬剤師目身に降りかかっているのです。これから忙しくなります。目身が充分認識のある行動をする為にも研鎖の場には必ず参集願うと共に、意見をどしどし出しあって欲しいと思います。

 我々が安定して初めて会も安定した運営が行えます。又それにはそれなりの痛みも伴うわけですからお互いに分かち会う経済力も伴わなければ美事麗句に終りかねません。会としてはその薬局の経営に関して経済的基盤をよく調べ(会員の皆様の本音の対応が必要)自由経済下の中でどう生き残るか、その戦術も大切なことです。

 性格的には多量廉価販売店(利益追求主義)と異にしておりますが、この対策も平行して対応してゆく必要があります。公共性の上に立ち地域住民の健康と医康に従事する立場の者として、利益追求主義も困ったものです。その評価はその地域住民が定めることです。その信頼を得れば、自ずとゆとりある生活を保証するだけの利益は確保されるという自信を持とうではありませんか。

 咋年取得した百道の土地家屋も国立中央病院の移転開業と共に何等かの行動をしなくてはなりません。この結論もなるべく早いに越したことはありません。何度も申し上げますが、会の運営は会員の皆様の双肩に掛っています。そして期待される薬剤師会を作り上げましょう。下地はあるのですから、御指導、御鞭撻の程宜敷くお願い致します。


 <特別寄稿> 「医・薬連携について」

博多区医師会 会長 安部 龍秀

 本年4月正日から博多区医師会長をいたしております安部でございます。 先日からは福岡市薬剤師会博多支部総会にご招待いただきありがとうございました。 市薬会報お送りいただき、ゆっくり読ませていただきましたが、薬剤師会のご活躍にあ らためて敬意を表する次第でございます。

 区医師会レベルにおきましては、博多区医師会は三師会の役員懇親会をはじめ、三師会ゴルフ会・ソフトボール会・マージャン会、博多区健康フェスティバル、その他色々の機会で薬剤師会との交流を深めさせていただいております。

 博多支部総会でのご挨拶でも申し上げましたが、本年4月の保険点数の改正で院外処方点数が大幅にアップされ、院外処方が増えることが予想され、薬剤師会の皆様に色々とご面倒をおかけすることが多くなるかと思いますがよろしくお願い申し上げておきます。

 Informd Consent・説明と同意は、薬剤の投与に際しましても適応されることでございまして、本来、医師は薬を患者に投与する場合、患者に薬の内容は勿論ですが、その効果、また、その副作用等につきましても充分に説明し、患者の同意が必要とされております。 私は整形外科でございますが、手術に際しましても、手術の同意書は勿論のこと、手術の内容、その危険性まで説明し、その上での患者の同意が必要であり、その説明内容はカルテに記録として残すようになっております。

 投薬に際しましても、添村説明書には、殆どショック等まで記載されておりますが、もし重篤な副作用の場台、医療訴訟の対象になります。

 投薬に際し、その投薬による危険性は、患者は、医師が充分の時間をかけて説明いたしましても、実際には充分の理解が得られないのが実状でございます。この投薬に際しての説明と同意・Informd Consentの問題にいたしましても、医・薬の連携の必要性を感じる次第でございます。

 薬学の進歩もめざましいものがあると思いますし、区医師会レベルでの意見の交換、共催学術講演会等、医・薬連携・交流が必要かと思う次第でございます。こうした医・薬の連携・交流が、これからの医薬分業の基礎・基盤になるのではないかと思います。

 博多区医師会長就任のご挨拶と医師会と薬剤師会の連携の必要性の一端について述べさせていただきました。福岡市薬剤師会の今後益々のご発展と会員の皆様のご健勝を心からお祈り申し上げる次第でございます。


 <特別寄稿> 「医薬分業の中での高齢化社会」

福岡市地域婦人会連絡協議会 会長 磯田 スミ子

 「プライマリ・ケア学会」という、私にとっては初めて聞くこの学会の全国大会が、福岡市に於いて6月16日〜17日、電気ホール一帯を会場として開催された。

 その一部会に、県薬剤師会の担当する「−今なぜ医薬分業か−プライマリ・ケアに於ける医薬分業の問題点を探る」のテーマで 県薬剤師会会長荒巻善之助氏をコーディネーターにして、それぞれ専門的お立場での先生方とともに4名の中に主婦の立場から参加した。

 医薬分業の基本理念は、いうまでもなく医学と薬学の分離・独立であり、患者の人権保守が根底にあるが、これに付随して処方内容の公開、薬局選択の自由ということが義務づけられている。

 このことから点と点の分業、いわゆるマンツーマン或は門前薬局という分業形態から、面分業つまり地域ぐるみの分業に大きく変換を迫られている現状である。

 医師の側からすれば、気の合った信頼出来る薬剤師が近くにいて、処方せんにヒモをつけておいた方が医療の完結という意味からも都合がよい。.然し、薬局はこれでは社会的機能を果たしているということにはならない。

 このための薬局側の受け皿づくりが急務であるが、同時に医師側の認識の変輩も必要であろう。

 国は福岡県を含む、8都道府県を医薬分業基盤整備事業の対禦地区として指定し、また37の国立病院に外来処方せんは30%の院外発行を通知しているが、ここでいう「医薬分業」とは「面分業」であり本日の論議の対象となる分業も面分業の意である−(当日資料より)普通、私たちの「お薬」との関りは、病気の時病院に行き
 @その病院の処方せんによって窓口で貰う。
 A処方せんをもって調剤薬局に行って貰う。
 B薬局で薬品会社の薬品を買う。(勿論漢方薬も含めて)

 以上のような方法で薬を入手するのが殆どだと思うが、今日論議される医薬分業論も、まず第一は、受け手の私たちにとって、どんな方法がより適切妥当か、どこにメリットがあるのか等々は家族の健康管理者としての私たち主婦は大いに関心をもつべき事柄であり、最善の方策をお願いする次第である。

 我が国が、世界に類のない速さで高齢化社会を迎えた今、老人医療の問題の現状は、如何であろうか。

 いくつかの病気を患い、複数の医療機関をかけもちする老入がふえているという、その前に知らずに薬の重複投与が行われ、副作用による薬害もあるとか、又、老人医療の無料化は、自分の財布から直接出るわずかしか考えず、大きな国家予算が背後にあることには余り気づいていない。

 医療費が1兆円という莫大な金額に増大している現在、徒らにあまえることなく、自らの健康管理も自助努力すべきであろう。

 老人の薬品3点セットは、1.精神安定剤 2.緩下剤 3.健胃剤だという。病気が病気を生むことなく、若い頃から美しく老いる為の努力が必要である。精神生活の安定、食生活のバランス、物事へのチャレンジ精神、大勢の友だちをもつ等々。福岡市も健康ヘルスセンターの建設をすすめ各白の健康管理の環境整備を始めるとか。

 気軽に相談出来るかかりつけの医師ホームドクターをもつことは大事だが、これからはそれにもましてかかりつけの薬剤師、薬局を身近にもつことも大事だと思う。これらの要望に応えられるよう、県市薬剤師会皆様方の益々のご精進を祈念致します。

第13回日本プライマリ・ケア学会について

日時 平成2年6月17日(日)10時30分
場所 電気ビル地下2F 8号室
演題 「プライマリ・ケアにおける医薬分業の問題点」

 上記のように、一今なぜ医薬分業か一というテーマで、5名のシンポジストをお迎えして開催された。その中で厚生省保険局の植木薬剤管理官は、次のように発言された。

 分業で薬物療法の社会的チェックを

 医薬分業によって「社会的薬物療法のチェック機構」をつくることが、出来高払い制のマイナス面をカバーし、ひいては農質で効果的な医療を提供することができると、分業の意義を強調された。

 面分業で循環的な薬価低落の防止を

 過当競争により値引きに応じざるをえないメーカーと、処方したものを自ら調剤する医師の強すぎる「バーゲニングパワー」が薬価差を生み出す原因と指摘し、バーゲニングパワーに秩序を持たすのが一番であるとし、改めて面分業の意義を説いた。


 <特別寄稿> 「福岡市経済代表団の顧問として
         フランスボルドー市の国際見本市に参加して」

福岡市薬剤師会 顧問 久保田 秀己

 私は去る4月19日から、東西ドイツ、ミュンヘン、オーストリヤ・ウイン、ギリシヤ・アテネを視察し4月28日帰福したばかりでありましたが、咋年施行のアジア太平洋大博らん会にボルドー市長のシャバンデルマスさんがボルドー市の行政、経済、スポーツ界等で、編成された170名の市民団を引率来福され、博らん会のボルドー・デー等の催しにより、国際的意義を大いに盛り上げて頂きました。

 当時不肖私は博らん会の促進協議会の会長を致して居りましたので、そのお礼を申し述べるよい機会でもあり訪問団の顧間として参加した次第であります。

 一行は5月10日成田空港から12時25分発の日本航空機に搭乗し、一路新潟上空から日本海を北上シベリヤ上空に至りそして西に飛びレニングラード、ヘルシンキを経て南下し、飛行12時間で、ロンドン・ヒースロー国際空港に、時差8時間でありますので同日16時35分無事到着致しました。

 同夜宿泊したホテルは、日本航空関係者が多く利用して居る、モント・カァルムホテルでありましたが、翌朝5時頃目をさまし、部屋のドアの下から入って居る新聞を手に取って見ると5月11日附の朝日新聞の日本語版で、其の内容記事は株式、スポーツをはじめとして、全く、日本で見る新聞と同じでありました。

 日本から遠く離れたロンドンで、どうして日遅れでない日本新聞を見ることが出来るのかと、不思議に思い、よくみると宇宙版と印刷されて居りました。

 よく考えてみると日本から電披で通信衛星を利用し版を流しロンドンで直接印刷すると、同日附の日本新聞を見ることが出来るのが、理解されました。

 科学技術の進歩といえ全く驚き入った時代になったと一入で感心した次第であります。同日午後ロンドンを出発しトルコ・イスタンブールに向い、ローマでは日本貿易振興会のローマ駐在所、安河内所長さんよりイタリヤの経済情勢並びに1922年のEC経済統合についてのお話を聞き大いに参考となりました。

 次で5月15日にパリに至り凱旋門の裏側通り5キロ先に建設中の新しい都市ラ・デオンス地区の再開発を見学、21世紀に向かって企画されて居る都市像に驚き入りました。

 そしてその都市像の説明の中で、21世紀の経済においては、その競争は地球的規模になると、申し述べられました。

 このことは私達日本人が、とかく目の前のことばかり集中して居ると、将来世界からとりのこされる惧れがあると感じました。

 5月16日パリ、オルリー空港を出発約一時間で最終目的地のボルドー市に到着致しました。ボルドー市はワインの生産で有名なフォンテーヌ地方の中心都市で入口約20万であります。そしてふるくはローマ帝国の統治下にあった時代もあり、又イギリス領となった時代もあり、その時代には無税都市として栄え河川を利用した同市の港には、貿易船が500隻も停泊した国際港の街でもあったとのことです。

久保田先生提供 久保田先生提供
                         ボルドー市記念碑前の一行

 翌17日は早朝より市内のローマ帝国時代の名残りの観光を行い、更に同市商工会議所を表敬し、同市の経済、将来の計画等をスライドを使い副会頭より一時間以上に及ぶ説明を聞き、其の後一行は同所貴賓の間に於ける昼食に会に招かれ歓待されたのであります。

 其の夜は答礼も兼ね市長不在の為、第一助役で市議会議員フランス国の上院議員でもあるジャック・バラード夫妻をはじめとしボルドー政界経済界の方々をお招きしレストランで饗宴を張り、長時間に汎り和やかに歓談し成功裏に終了することが出来ました。

久保田先生提供 久保田先生提供
 挨拶されるジャック・バラード上院議員   シャバンデルマス・ボルド市長と会談

 ボルドー市にはかつて天理大学に柔道で留学された柔道7段のシュドール氏がおられ終始流暢な目本語で通訳して頂き感謝の至りでありました。

 歓談の中でワインの飲み方の話となり、ワインは女姓に対するように優しくそして香りを楽しみながら静かに飲むものだと教わりました。ワインの知識は極端に言えば赤玉ポートワイン位しか知らない私にとって貴い知識を得る事が出来ましたが、良質の年代物のワインの高価なことには驚きました。

 ボルドー市長のシャバンデルマス氏は、市長でもありフランス国の下院議員でもありミッテラン大統領とは非常に近しく、かつてはフランスの首相をも務められた方で、現在でも老令乍ら月の内三分の二以上パリとボルドーを往来し国務にも励まれて居るとの事であります。

 次の18日は市長室に於いて、団長の末藤助役からシャバンデルマン市長に対する桑原市長のメッセージを丁重にお渡し致しますと共に、持参した博多織の掛け絵を差し上げそして色々と会談に及び、私からもアジア太平洋博覧会に御協力頂いたことに対しお礼を申し述べました。

 会談後市庁舎応接間に於ける市長主催の屋食会が行われ、歓待をさらに受け感謝した次第であります。其の際応接室の飾り棚の中に古い有田焼の絵皿等が飾られているのを見るとかつてボルドー市が国際貿易港であったのが偲ばれました。

久保田先生提供 久保田先生提供
  昼食会で挨拶されるボルドー市長

 ボルドー最授の日19日は18日から開催されている国際見本市会場でジャパンデーを催して頂くとの事で会場にバスで向かいました。我々一行が到着すると見本市協会長をはじめとした役員の方々がすでに待機されており間もなくジャパンデーの開幕式となりました。

 式は日本フランス両国旗掲揚のもとフランス空軍軍楽隊の日本国歌の吹奏にはじまり、次でフランス国歌の吹奏で終り会場見学となりました。外国で見る日の丸、君が代の吹奏を聞くことは何かジンとしたものを覚え感激の至りでありました。

 見本市は川畔の広大な湿地帯を埋めた広大な地に、長さ500米巾50米と言う大きな建物の中と外で行われて居り、その展示内容はボルドー市が海の街であります関係上、魚介類、各種船舶の模型の展示にはじまり、乳牛等の家畜類塞石までもある広汎な物が展示されてありました。

 日本からの展示は私達の福岡市のみでコーナーには博多入形、マルティグラス等が出展されて居り、展示員の説明によりますと博多人形の人気は大したものだそうであります。将来県にも相談し、福岡県の物産を数多く展示する必要があると思いました。

 しかし英国で作られたヤマハのモーターボートが展示されてあったのには興味深く感じました。

 会場見学後、見本市事務所応接間で見本市会長のご招待の昼食を頂戴しながら見本市の印象等について歓談し将来に於いても出展協力することを約束し更に本日のお礼を申し述べたのちお別れの挨拶を終りバスにて空港に向かいました。

 15時05分ボルドー空港を出発パリ・オルリー空港に16時10分到着。バスにてシャルル・ド・ゴール国際空港に移動し、同空港20時10分発の日本航空機に搭乗。機中一泊2日成田空港を経て20時45分福岡空港に帰福したのであります。

 今回のボルドー市での行動を振り返ってみると、国民外交の大切さをしみじみかみしめる事が出来るのであります。

久保田先生提供
昼食会でフォテーヌ地方の副知事と同席


 「福岡大学創立30周年 記念講演会・同窓会のお知らせ」

1. 記念講演会(一般公開講座)
日 時 9月15日(祭)午後1時半〜4時
場 所 電気ビル8号会議室

演題と講師

  「一般的な癌の集学的な治療」
  国立九州ガンセンター病院長 大田満夫先生
  「薬用人参と記憶学習」
  東京大学薬学部教授 斉藤洋先生
 薬と医療の接点をわかりやすく講演して頂く予定です。一般の方にも無料で参加して頂けますので、多数のご友人をお誘いください。

2. 記念同窓会総会
日 時 9月15日(祭)4時半〜6時半
場 所 「ホテルニューオータニ博多」3F 芙蓉の間
 是非多数の同窓 兄姉のご出席を賜りますようご案内申し上げます。
               福岡大学薬掌部同総会 会長 山内辰郎


 <会員のひろば> 「副院長先生の研修医講話から」

浜の町病院 薬剤部長 豊福 和登

 私は毎週2回火曜日と木曜日午前9時30分から病院長先生の病棟回診へお供をしています。約2時間のお供ですが、病院長先生は主冶医や婦長さんから病状説明を受け又患者さんに問いかけながら、打診、触診、聴診をされています。約2時間程ですが各階を歩いて廻るのも大変に重労働です。

 或る時病院長先生が"回診もゴルフのハーフ廻ったぐらいのきつさがあるだろう"と言われた事があります。体のきつさだけではなく病室へ入室しいろんな状態の患者さんと接する訳ですからやはり緊張せざるを得ません。

 けれど、主治医や看護婦さんは患者さんと仲良く会話を交わしている状態を見て私達薬剤師も200点業務を遂行する為にはあの様に信頼し合える状態を作り出さねばならないなと思います。

 お供には副院長先生も一緒で、色々とお話を致します。その中で興味有る事がありました。研修医のオリエンテーションで"医学を学ぶことと、医療を学ぶことの違いについて"を講話されたそうです。共鳴する点が多々ありましたので原稿があれば読ませて欲しいとお願いして原稿を頂きました。その内容をかい摘まんでご紹介致したいと思います。

 断っておきますが、副院長先生には私の原稿へ書かせて頂くことを承諾して貰っていますので盗作ではありません。文献引用であります。

 内容は当然といえば至極当然なことを問題提起してあります。私達も同じ医療人として反省しなければならない"当然のこと"なのです。

 ※"あなたは医学部を出て医学的知識さえあれば医療行為が出采ると思っていたらそれは錯覚である"

 実例:入院中の心外膜炎の患者さんが外泊することになって看護婦さんが"あの患者さん外泊させていいんですか?"と主治医である研修医に聞いたそうです。そうしたら"うん、心外膜炎の外泊時の死亡率は23%だ。大丈夫だろう。"看護婦さんは呆れたそうです。

 これが答案用紙の上での"医学的解答"なら間違いではないのですが、看護婦さんの期待する"医療的解答"にはなっていなかったのです。

 ※"医療的解答"はどうでしょうか。

 "うん。外泊は少々心配だが、子供さんのことでどうしても家族で相談しなくてはならないことがあるそうなので、外泊中注意すべきことを十分伝えた上で外泊を許可したよ"と言うべきだったのです。

 この様な非常識なことがいつの間にか当り前の事として実行され、とんでもない事態発生する危険性はおおいにあると講話されています。

 ※"その原因は?"

 その1:一番むつかしい医学部への挑戦。その為に知能的には非常に優秀な人材が集まった。けれども医師になりたくて、病人を救いたくて医学の道を選んだ入は極々少数で、その殆どが自分の能力を試してみたい為ではなかったか?副院長先生は"チャレンジ精神は大切である。が、医師というものはそんなに知能は優秀でなくて良く、程々有り、むしろ心温かく思い遺りのある常識人であった方が良い"と言われています。その理由はこれからの問題は答案用紙に完璧な解答を記入するのではなく、対象は常に"人間"である。と……。

 その2:医師社会の特殊性にある。5月31日まで学生だったのが6月1日から突如周囲から"先生"と呼び始められる様になった。しかし一般社会では会社へ入社して半年は見習研修期間であり、一人前の社員扱いはされず、学習、訓練の繰り返しで社会人としての常識を次第に身につけて一人前に育つのです。この大きなスタートの違いが時として非常識な行動をとる原因となっているのではないでしょうか。

 ※"医学的知識が豊富なだけでは医療行為は遂行できません。

 患者さんやその家族に信頼される医師になるべく研鎖を積まなくてはなりません。これは一朝一夕で出来ることではありませんが、単に医学的知識や技術を詰め込むだけではなく、絶えず患者さんの感情の波長に合わせながら治療する経験の中で次第にそれは習得されるものなのです。

 患者さんの感情の波長に合せる治療法の"こつ"をどうして掴むかといいますと、問診、視診、打診、聴診、触診、等の医師の五感による診断を疎かにしないことです。回診の時、毎日とまではいいませんが、せめて一週に一回くらい、患者さんの体をたたき、聞き、触るという医師の原点に返ってみることです。

 最後に、医師としての"作法"です。"作法"とは"その社会で守ることが望まれる 言語、動作の決まり"とあります。医師にはどうもきちっとなされていない様です。その二三を上げてみます。先ず初めての患者さんのベッドを訪れる時は、"私は今後あなたの病気の治療を担当する主治医の〇〇です"と明確に伝えます。そして朝訪室した時は、それが大部屋でも、皆に分かる声で"お早ようございます"と言って入って行きます。……"

 締めくくりとして、
 ※"医療は正しい答えを出しさえすれば良いというものではありません。

 その答えを出す過程で、患者さんやその家族に"ぬくもり"を感じさせるものでなくてはなりません"と言葉を結んであります。私はこの原稿を読み医療人としての全ての人に当て嵌まることだと思いました。又、患者さんやその家族に対する "思い遺りの気持ち"、"Quality of Life"をよく理解しより良い行動をしなければならないと痛切に感じた次第です。

 私は新入看護婦オリエンテーションでの指導の折には、この講話を引用させて貰っています。最後になりましたが、監事として任命を受けました。任期中は優しく、厳しく勤めたいと思っています。どうぞ宜敷くお願い申し上げます。


 <会員のひろば> 「支部長を拝命して」

南支部 支部長 大庭 秀臣

 国立病院、内科医会との面分業の推進、基準薬局の認定など、変動期に支部長を仰せ付けられ「大変だな!!」との実感あるのみです。

 薬剤師に対する社会の要請の一つに処方箋応需による医療人としての責務が上げられると思います。今や大衆の目は薬局に対し厳しいものがあります。6月7日(木)西日本新聞の「仁術問答」に傾聴すべき御意見が載っていました。

 @分業のデメリット面A患者に対する姿勢と調剤態度B薬の説明、についての質問でしたが、薬剤師として反省すべきものでした。後日、木原三千代先生が、@服薬指導A薬歴管理による医薬分業の大きなメリットを当欄で的確に説明されていました。

 そこで私達は、それぞれ職域が異なるとしても、薬剤師として、医瞭人として、国民の「健康と生命を守る」ことに貢献している事を認識しなければと思います。

 申すまでもなく、医瞭は相互信頼関係の上に成り立っています。医師と患者は信頼の絆で結ばれています。これからの薬剤師は、医師と患者の中間に立って双方の信頼を得て、絆を、より強いものにしながら医療人としての地位の向上を計る事が大切だと思います。大衆に対しては、事ある毎に分業の「メリット」を啓蒙し、接客においては、生活指導などしながら薬剤師の存在を知って貰うべきではないでしょうか。

 医師への信頼は、生涯研修(自習、受講)を通して、自己啓発に務め、その知識を社会に役立てて頂く様になって出来るでしょう。職能の研鑽により、経済的安定を得て、天職となし得た時、薬剤師冥利に誰きると信じます。

 その道ば険しいでしょう。日々の医学の進歩に合わせ、大学で深く学べなかった医療薬学的な勉強は並大抵ではありませんが、医師は、皆様やっています。私達も出来ない事はないと思います。行政としても、老齢化に備え保健医療供給体制の整備のために薬剤師の資質の向上と医薬分業の促進を望んでいます。

 先輩各位が切望した分業も間近いものと信じます。その日の為に私は、県薬⇔市薬⇔支部会員の意志の疎通と情報の交換を計りつつ、皆様と共に分業の推進と、地域社会の中で薬剤師の存在を一股大衆に知って貰う様、努め度いと存じます。又出来れば「有志による勉強会」なども心掛けて見ようと思います。


 <会員のひろば> 「リビングウィルによせて」

博多南部会 福博堂薬局 渡辺 久代

 私の友入で、痴呆症老人センターで、看護婦をしている人がいます。彼女から、いろいろ苦労話を聞くのですが、その中で、悲劇とも喜劇ともつかないこんな話しを聞きました。一見紳士風、老人性痴呆症(こんな呼び方は好きではない)。おじいさんが、働いている彼女の側へ、つつ………とよって来て、
「しょ、しょ、」
「まだ、明るいでしょ」
「そうだねえー」

 ある日、一人の可愛いおばあちゃん(ピンクのトレーナー、水玉模様のソックス)の姿が見えません。センター中を探し廻り、外に出ようとすると、なんと男性部屋のベッドに可愛いおばあちゃんが寝ているではありませんか。例の「しょ、しょ、」のおじいさんの部屋のベッドである。「えっ、それで、なには終っていたの?」これば、私のはしたない言い草です。

 皆さんは、どう想像されますか?トレーナーの上に、立派なガウンを着たおじいちゃんは、ポケットに手を突っこんで胸をはり、鷹揚に「いいから、いいから寝かせておいてあげなさい」と指示する様に言われたそうです。

 友人の曰く「地位も名誉もお金にも縁のなくなった人でも少しは昔にこだわりをみせ、人間そのものになってしまう」妄想幻覚、徘徊など、介護する者にとっては、大変な仕事ではあるが、現実に近いうちに、日本人の四人に一人は高齢者になり、人口推計にあてはめると、2000年には120万人2015年には185万人の痴呆性老人が存在するというのですから、私もその中の一人にならないとは言えない。

 「さようなら、いろいろお世話になりました。皆で仲よく暮らして下さい。どうもありがとう」と、苦しい呼吸の下でせっかく虫の泣く様に言っても、あくる日には「穴という穴に管を入れられ、血管には針がさされ、ペットに縛られているというのはいやですね。

 医者曰く、「あれは、いやだね、僕のところにも90才を過ぎたおばあちゃんがいるよ」家族がやめてくれと言えば、すぐやめるんだがね」「ポックリ死にたいものだ」

 6月20日の朝日新聞に「尊厳死宣言(リビングウィル)」が急増(生前発効の遺言書)
@ がんなどで死期が迫っていると診断されたときは、延命措置を拒否する。
A ただし、麻薬など苦痛を和らげる処置は希望する。
B 植物状態になった時は、一切の生命維持措置をやめてほしい
の三ケ条からなっていました。

 人間らしい終末を求め、登録者が八千入超えるとありましたが、刑法に自殺関与の罪に関する規定があり、治療不能を宣言する医師や医学に全幅の信頼を寄せられるまでにはなっていないという事でした。

 さて、先日木原三干代先生に市薬の階段でどさくさにまぎれる様に封筒を渡され、あのソフトな声音で「趣味の事について、書いて下さい。聞きましたよ」との事です。はてと、もしかしたら忘年会の歌代りにと始めたマジック(手品)の事かしら。西日本奇術クラブに入会して、まだというべきか、もうというべきか三年になります。

 皆さんも新聞などでご存じの方もいらっしゃると思いますが、マジック医師で知られる生松原病院の副院長の伊藤実喜医師といっしょである。先生の場合は手品のハトを飼い、タキシードにチョウネクタイ、シルクハット、スティッキ持参というのめり込み様。

 手品の大原則に、
@ あらかじめ演技の内容を話さない。
A 同じ奇術をその場で繰返さない。
B 種明しをしない。
 というのがありこの三つが、見る人に「不思議な夢」を呼ぶらしい。月2回の例会に出席し、しっかり覚えたと思って家に帰って家人の前でやって見るともう出来ない。あっちひねり、こっちひねり、どうしても合わない道具だげが押入にたまるばかりです。 誰かがその辺りで、ボケが始まって来ているよ一、と言っている様な気がする。幻覚かな!


 <フレッシュさん紹介> 「再スタートにむけて」

別府調剤薬局 重松 美樹

 四月に福岡市薬剤師会に入会、今の職場、別府調剤薬局の管理薬剤師としての仕事を紹介していただきました。

 大学を卒業後、済生会山口総合病院での一年を経て、高校まで育ちました両親のおります福岡に帰りましての、再スタートです。

 病院薬剤師としての一年間とは全くちがう緊張の中、"患者さんのため"をまず第一に考え、未熟ながら一生懸命やっております。服薬指導に関する事だけでなく、"お薬をいただいただいて心配することなく、娘の嫁ぎ先に遊びに行くの"とおっしゃるお年寄りや、"このお薬を飲んで、今日の給食はブドウパンだからおうちにいるの"と何故か元気そうな女の子との会話。

 在庫管理、問屋さんへの注文、メーカーさんとのやり取り。大きな病院では経験できなかった面がいくつもいくつも見え、この責任の重さを日に日に実感しております。

 薬剤師という一つの言葉からいくつもの枝葉に分れる仕事があり、それぞれの仕事内容が多様であっても、"人の命"を忘れる事のできぬ事の大きさがそこにあります。机上の事だけで終らすことなく、私なりに未熟さと戦いながら"人の命"を大切にして行きたいと思います。

 会員の諸先生方、市薬の一員としてがんばって行きたいと思いますので、今後とも、どうぞ御指導よろしくお願いいたします。
               (H2. 福山大学卒業)


 <部会紹介> 「壱岐部会紹介」

部会長 (有)青々園薬局 坂牧 修

 西区薬剤師会壱岐部会は、部会員さん13名で構成されていて、吉田支部長、占部副支部長ともに壱岐部会です。壱岐といえば壱岐対馬かと時々まちがわれますが、壱岐小学校 壱岐団地等と使われています。

 東は清流室見川で早良区と境し、西は生の松原ゴルフ場から飯盛山に続く小高い山で、今宿、糸島方面と隣あっています。この田園に、ここ10数年の間に十指に余る団地や分譲地が続々連なり、山裾の緑が少なくなっています。

 海水浴シーズンともなれば、道路は車の列が続きます。又その昔の古戦場跡であり、遺跡の宝庫となっており、団地や分譲地の整地が始まると、遺跡が出たから当分の間工事を中止するという声を時々耳にします。

 このように新旧入り交った地域特有のいろいろな問題や品揃え等、頭の痛いことも多くありますが、美しい環境の中、大型店もなく個人経営の店が多く、乱売の心配もなく、何事にも協力的で和気あいあいの部会です。

 ひとたび事あれば正義感に燃えた吉田西区会長の決断で大事にならずに済み、部会員さんは皆な大船に乗った気持で、地域の保健衛生の向上に頑張っておられます。私など西も東もわからぬまま、吉田西区会長の指導のもとこのような大役を続けさせて頂いています。この壱岐の地が、美しい目然を少しでも多く残した地域作りであって欲しいと願っています。

 皆様のご繁栄をお祈りしながら終わらせて頂きます。

「壱岐部会を構成する13名の部会員さん」

(有)大晃調剤薬局 岩穴口康男 第一 S55
野方セントラル薬局 占部吉章 第一 S39
川添薬局 川添成入 第一 S46
姪浜薬局拾六町支店 川原重行
(有)青々園薬局 戸畑ミヤ子(坂牧修)
ナカガミ薬局 仲上一成 福岡 S46
ナカガミ薬局支店 仲上恵子 福岡 S46
原薬局野方店 原守男 福岡 S41
アビロス薬局福重店 渕上 栄一
(有)吉田薬局丸共店 吉田清子 第一 S43
(有)告田薬局南店 吉田百合子 福岡 S46
(有)吉田薬局上山門店 吉田斌 福岡 S40
アルファ薬局上山門店 山本幸男 北海道 S49


 <トピックス>

市薬 学術委員会

 高層居住家族の育児態度が小児の発育に影響する!

 高層居住児の成長・発達について母子保険の立場から延べ1000人を超える乳幼児についての調査から、
@高層階(14階以上)に住む幼児は、低層階(5階以下)に住む幼児に比べ、あいさつ、排便、排尿、靴・衣服の脱着などの基本的日常生活習慣の自立が遅れる。
A夜尿児、紙おむつ使用の乳児が高層児に多い。
B母乳で育てる母親が高層に多く、時間を決めておやつを与える母親が低層階に多い。など高層居住の母子の特性が把握された。

 高層居住児にみられる自立の遅れは解析の結果、[高層居住の母親の外出不足]→[児の外出不足]→[母子一緒の機会が増加]→[児に対する母親の干渉機会の増加]→[母子密着傾向の進行]→[児の母親への依存傾向の増大]→[児は自発行動が苦手]→[生活習慣の自立の遅れ]というチャートにより説明され、この現象は高層という物理条件よりも居住環境に対する結果と解釈された。

 その他、外出制限による運動不足、高所感覚の麻痺、小動物・土・樹木など自然界との接触不足、遊び場の限界や階下・周囲への音発生への気遣い等々。高層居住なる居住条件は決して無視出来るものではなく、建築側と居住者側双方からのアプローチにより解決すべき問題である。

図表

医学のあゆみ Vo1153 No1 1990.4.7

 コーヒーの飲み過ぎは心臓病の元?

 「コーヒーを飲み過ぎると心臓病にかかる危険性が高くなる」という研究が発表された。オスローにあるノルウェー国立保険調査センターの研究者等で、9年間に渡り延べ約3万9000入を対象にコーヒーと心臓病との因果関係を調べたところ、コーヒーの摂取量が増えるにつれて血液中のコレステロールの量が増え、その結果として冠動脈性心臓病で死ぬ人の割合も増加することがわかった。

 報告は、具体的な死亡率には触れていないが、1日に7杯以上もコーヒーを飲むグループは、特に発病の確率が高かったと指摘している。

英国メディカル・ジャーナル3月2日発売

ピルの常用で乳癌の発癌率が高まる

 「長期間にわたって経口避妊薬(ピル)の服用を続けている女性は、乳癌にかかる危険性が高い」という調査結果が発表された。

 1987年に米国で15〜44歳の全女性の23%に当たる1320万人がピルを服用しており、独身女性の、半数、既婚女性の5分の1が常用しているとみられている。一方、乳癌は50歳までの女性のうち毎年10万人に33人の割合で発症しているが、
@サンフランシスコの50歳以下の乳癌患者を調査しだところ、ピル常用者の方が2.7倍も発癌率が高かった。
A8年以上、常用した40歳以下のスウェーデン女性の発癌率は非服用者の4.4倍であった。
B25歳未満から服用を始め、4年以上常用しているロスアンゼルス在住女性の発癌性は2倍であった。などピル常用と乳癌の関係を示す報告が続出しているという。理由として、ピルに含まれる。2種類のホルモンの内エストロゲンは動物実験で乳癌を促進する働きがある。

 またプロゲスチンも腫瘍の成長を助ける働きがあるなど、発癌の危険性を高めている。欧米の医師等はFDAの指導に怠りがあったと批判している。

クリニカル マガジン

 光化学オキシダントについて

 学校薬剤師会

 最近福岡市においても、新聞等にオキシダント注意報が頻繁に載るようになりました。地域医療、環境衛生に従事する薬剤師にとりましても知識は必要と思われます。

〇発生機構

 工場、事業所、自動車等から排出される窒素酸化物と炭化水素が、太陽の紫外線により複雑な光化学反応を起こして発生します。

 オゾンパーオキシアセチルナイトレート ニ酸化窒素・過酸化物等、(酸化物質)生成
 ホルムアルデヒド・アクロレイン等 エーロゾル、(環境物質)生成
 光化学反応によって生成される酸化性物質のうちに二酸化窒素を除いたものを光化学オキシダントといいます。

〇オキシダント濃度が高くなりやすいとき
1. 天気がよく、日差しが強い時
2. 気温が高くて、湿度が低い時
3. 風が弱い時

〇光化学オキシダント注意報
1時間値がO.12ppnm
光化学オキシダント警報
 1時間値が0.24pp皿

〇人の健康への影響
1. ホルムアルデヒド、アクロレインによる目の刺激(チカチカ、流涙)
2. のどの痛み、いがらっぽい感じ、苦しいせき、たん
3. 頭痛、胸苦しさ、めまい等
 1、2については水洗い、うがい。3は室内で休むことによって良くなる。


 <学薬のページ> 「学校保健安全委員会と学校薬剤師」

福岡市学校薬剤師会 前副会長 坪根 百彦

 学校保健安全委員会は児重生徒が心身ともにすこやかに成長するため学校、地域、家庭の関係者が協力して児童生徒の自主的な活動を促進すると共にできるだけ安全衛生的に環境を整備し、健康な生活の確立をめざして協力して話し合いを進める組織であるということで、毎学期一回行うことになっております。

 会は校長先生の指示により開かれますが保健主事、養護教員等の先生方は大変ご苦労されますし又学校医の先生方は休診されて出席されるわけで大変貴重な時間を使って行われます。

 普通保健委員会は養護教員より生徒の現況報告があり保健主事より生徒の行事とその結果報告などが行われ、これらの発表にもとついて話し合われますが、健康のための注意や病気についての話しなど家庭で役に立つ事柄を聞く事が出来ます。

 学校薬剤師は季節により必要に応じて色々な検査を行っており、この検査の結果は執務日誌に記入し又別紙にて報告していますが検査の結果や事後措置等については学校もPTAも殆ど知っていないのではないかと思います。

 叉検査している事もあまり知らないのではないでしょうか。毎学期保健委員会が行われれば学校薬剤師が毎学期行っている検査の目的、方法又その結果を発表し事後の助言等を行うことが出来検査の効果をあげるのに役立ちますし学校薬剤師の仕事の紹介にもなります。

 又学校薬剤師は検査項目以外の件につきましても環境安全衛生に関しては適切な助言をしなければなりません。保健安全委員会においては、学校薬剤師が児童生徒の心身の健康について責任ある助言をすることは薬剤師として地域社会に貢献出来る醍も良い機会であります。

 私は保健委員会の後で説明や返答のまずさや言い足りなかった事に後悔することがよくあります。検査の結果によって助言するにも程度や状況によって助言も変ってくると思いますし、又児童の健康に対する助言も日頃から勉強しておかねばなりません。特に検査についてはより良い方法や助言の考え方等を学校薬剤師会にて検討し、意見の統一をしておく必要があると思います。


 <広 報> 「日大板橋病院・さくら調剤薬局を見学して」

福岡市薬剤師会 理事 小野 信昭

 国立中央病院の院外処方せんが徐々にではありますが、発行されつつあります。国立中央病院の場合は、まだ、少ない発行枚数、特殊な立地、4年後の移転、等の理由により他の大型病院に見られる院外処方せん発行時の様々な問題が表面化していませんが、国立中央病院移転後と枚数増加に伴って超きる問題を事前に勉強するため、5月12日に日大板橋病院とさくら調剤薬局を見学してきました。

 日大板橋病院は12000床30科一目外来2500名で住宅・商店街が混在した下町に在ります。さくら調剤薬局は総面積300坪3階建1F処方せん受付及び患者待合室2F調剤室(自動調剤ライン及び大型コンピューター)3F事務所及びバックヤードとなっていて従業員数60名(薬剤師数43名内パート6名)で24時間年中無休体制をとっています。一日処方せん枚数平均1100枚で、備蓄は約2200品目となっています。

 さくら調剤薬局の本社はクラフトKKで東京近郊に54店舗(年間150万枚の処方せん取扱い)年商50億の開業医を中心とした調剤薬局チェーンです。

 日大板橋病院は89年11月から全面的に院外処方せんに切り換えて75%をこのさくら調剤薬局で、残りを院内会計窓口の横に地図で掲示されだ各地区の薬局で応需しています。処方せんが受け付けられず、病院に戻ってきた時は当該薬局を薬剤部長が地図上より削除している、とのことです。

 病院の前に既存の薬局がありますが、このさくら調剤薬局は病院入口からアーケーを設けて人の流れを変え40〜50M離れた夜間専用入口付近にも、もう一店舗夜間専用薬局を開設して処方せんを集中させています。

 さくら調剤薬局の調剤システムはコンピューター化されていますが、ピーク時はかえってこのシステムを通過しないと薬が出ない為患者の待ち時間が40〜50分かかっているし本来の薬歴管理も不可能に近い状態でした。

 ただ組織的には社員も皆30才前後と若く各部門の担当が明確で対大型病院との交渉において、現在の市薬に欠ける専門家集団としてのチームワーク、十分なバックアップ入員、豊富な資金力をうらやましく思いました。

 将来、国立等の大型病院を相手に会営薬局等を考える場合現在のように数名の理事だけが前線に出て、市薬剤師会として交渉事を進めても、バックアップすべき市薬会員に十分な理解と協力そして努力がなければ、大型の門前薬局の軍門に下ることになると思います。

 会員目身が、大型の門前薬局では手の回りにくい、患者さんの為の、つまり、面分業本来の中身の濃い調剤を目指して、生涯、研修につぐ研修を重ね、質的レベルアップをはかること、つぎに会としては広範囲に会員の薬局が存在していることが武器になるような組織作りを急ぎ、会員が薬剤師会員であって良かったという強力な組織にならなければ、会の存在すら問われることのなると思いました。

 なお、今回の見学に際し若松区の井上章治先生、小倉区の小田利郎先生にお骨折り頂いたことに深く感謝いたします。


 <広 報> 「西日本新聞より−仁術問答」

 西日本新聞健康欄「仁術問答」は、医療問題について毎週木曜日に載っていますが、これは福岡市医師会の企画によるものです。

 今回「医薬分業に一言」として患者側の意見が取り上げられました。これに対し医師側の解答も出ていますが、薬剤師としての意見も出されたらという福岡市医師会のご好意により答えさせて頂きました。西日本新聞では紙面の都合上少しカットされていますが、私が送った原稿の方を紹介いたします。(6月21日付け朝刊)

 「薬剤師さんへ」

 先日のこの欄に、医薬分業になって不便になったという患者側の意見や批判の声と、それに対する医師側からの見解が出ていましたが、肝心の薬剤師さんの意見はどうなんでしょうか。
(福岡市・会社員58才)

 「薬剤師さんから」

 医薬分業は決して国のためでも、医師の税金対策のためでもなく、患者さんのための制度なのです。しかし、患者さんにとって薬をもらうために、ニカ所の医療機関を回らされたうえに、医療費が割高になるだけでは、誰のための医薬分業なんだ!と言われても仕方ありません。この点は国の制度を改めなければなりません。

 しかし、医薬分業はプラス面があるのです。たとえば「今日は内科の病院へ行き、明日は整形外科に行かねばならない」というようなことはありませんか?内科で風邪薬をもらい、整形外科で腰の痛み止めをもらったらどうなると思いますか。

 風邪薬と痛み止めの中に入っている劇薬の量が二倍になって「どうも変だなあ、この薬をのむと頭がボーッとしてフラフラするよ」と言うこともおこります。お若い方ですとこれくらいですみますが、ご老人の場舎だと倒れたりして、大変なことになるのです。

 このようなことを防止するためにあるのが、本来の医薬分業なのです。この内科の処方せんと整形外科の処方せんを、日頃から気軽に何でも相談している薬剤師がいるお近くの薬局にお持ちになって下さい。その薬局では、患者さんの一人一人について薬歴カードを作成していて「あっ、これは昨日内科から処方された薬と同じ成分だから、この整形外科からの痛み止めは一緒にのんではいけない」と分かりますので、そのことをすぐに医師に連絡するのです。

 このことは薬歴管理といって医薬分業の大きなメリットだと思います。そのような医薬分業を目指して、厚生省は先日、大きな病院からの院外処方せんのファックスを認めました。それはどういうことか、といいますと、次のような使い方をするのです。

 患者さんは、病院で長い時間お薬を待たずに、帰りにご近所の行きっけの薬局へ行けば、病院から直接その薬局ヘファックスで送った処方せんが届いていて、お薬ができているのです。薬剤師は患者さんがもらってきた処方せんをもう一度確認したうえでお薬を渡します。もし熱があったり、気分が悪い時は遠慮なくご白宅までの配達をお願いして下さい。

 そして、お薬ののみ方や保管の仕方など、何でもご相談下さい。お医者さんが処方されたお薬をきちんとのんでいただくようにするのは、薬剤師の一襤大切な仕事なのですから。

 「医薬分業になって本当によかった」と患者さんや医師に思っていただけるような医薬分業を私達薬剤師は目指しています。

 先日のこの欄で、赤いマニキュアをして、おしゃべりばかりしている薬剤師のことが出ていましたが、お恥ずかしい限りです。私達は、更衣室で白衣に着替える時は、身につけているアクセサリーはすべてはずし、長い髪は束ねるようにと教えられています。それが守れない入がいるなら困ったことです。

 薬剤師会で行っている「薬剤師の生涯教育」では、新しい薬品や病気の知識だけではなく、もっと大切な薬局における基本的態度についても、勉強のやり直しをしなければならないと思います。この欄に載った薬剤師へのご指摘を、薬剤師会では「みなさん、身に覚えはありませんか」と注意いたしました。
(福岡市薬剤師会理事・木原三千代)

 これまでは、福岡市薬の広報部は会報の編集、発行が業務でした。しかし、昨年あたりから、担当理事の木原先生と医師会広報部との接点ができ、対外的な広報活動にもこれから取り組む必要性が感じられてきてました。

 6月7日付西日本新聞朝刊の仁術問答が医薬分業に関する質問だったので、医師会広報理事の先生より、西日本新聞社の担当者を紹介して頂き、薬剤師としての考えを木原先生より伝えて頂きました。

 新聞社としても薬剤師会の回答が欲しかったということで、医師会の了解を得て、上記木原先生の文章が掲載されることになりました。文中2ケ所ほど修正がなされ、「そして、薬の飲み方や……(中略)…… 薬剤師の一番大切な仕事なのですから。……(中略)……私たち薬剤師は目指しています」の部分が割愛されていました。

 ある先生からこの回答では少し物足りないという意見も聞かれましたが、この服薬指導に関する部分が削除された点もあると思います。また今回は医師会の企画を使わして頂くという立場でしかなく、一般の新聞紙上に「福岡市薬剤節会」の名前が登場できたということだけでも評価できると思います。

 その後、西日本新聞社との話し合いで、割愛された服薬指導に関する事については、再度、仁術問答を使わして頂けるようになりました。このように、今後、広報部は対外的PRのため、マスコミとの接触も図っていきます。会内でも大いに議論を交わし、一般市民の支持を得られる論陣を張っていかねばなりません。
(文責 冷川)


 <支部だより> 「各区薬剤師会総会」

●博多区薬剤師会第13回定期総会

博多区薬剤師会 会長 高杉正典

 博多区薬剤師会は、5月19日(土)午稜5時から、会員70入参加のもとに、ホテルステーションプラザにおいて第13回定期総会を開催した。

 総会は鶴原先生の司会により山口副会長あいさつ。高杉会長の冒頭あいさつに続いて三津家福岡市薬剤師会会長、並びに荒巻福岡県薬剤師会会長よりそれぞれ来賓祝辞が述べられた。

 次いで、冷川議長のもとに議事に入り、報告事項、議案はいずれも承認可決された。最後に役員選挙が行われる予定であったが、市薬役員が未決定のため、役員改選は次回臨時総会にもちこされた。執行部より4月21日に行われた市薬役員選挙に対する緊急動議が提出された。賛成多数で可決され、議長より三津家市薬会長に手渡された。(資料掲載)

画像

 総会終了の後会員80人の参加のもとに懇親パーティーが催され、来賓として安部博多区医師会会長、堀尾博多区歯科医師会副会長、井上、新宮各県会謹員。北岡、友杉、南原各市会議員が出席。和気あいあいとして盛会を極め、当日の全日程を終えた。 当日の総会において決定の平成2年度事業計画は下記のとおり。

@ 支部組織の拡充
A 部会活動の促進
B 研修事業への積極的参加
C 二師会との積極的対応
D 政治力の高揚
E 役員相互の親睦促進事業
F 急患医療、学薬への積極的参加

【博多区薬剤師会 部会長会】

日 時 6月20日 午後7時30分
場 所 市薬会館

 市薬役員が決定した後、部会長会を開催して役員を協議した。案はでき上がったが、総会を開催する時間がないので、会員に署名で賛否を問うた。その結果117会員中賛成116、反対1という結果になり、総会に替えて承認されたものとする。

博多区薬剤師会役員名
会 長    高杉正典
副会長    冨永雄造
専務理事   山口利英
監事     坪根百彦
理事(会計) 蔵元良行
理事(組織) 森川公雄
理事(薬局) 石井那明
理事(広報) 鶴原潔
急患委員  北島麻利子
博多保健所運営委員会委員    冨永雄造
博多区健康づくり実行委員会委員 山口利英

(資料)

会長 三津家正友殿

要望書

 去る4月21日市薬代議員会が開催され、役員改選が行われた際の不正常な事態の解決のために、市薬会長が左記の件につき指導性を発揮されんことを要望します。

1、 本人の了承も取らず、役員候補に推挙し、代議員会を混乱させた西、早良、中央、東の各支部に対して、薬剤師会の運営について成熟できるように指導を徹底させること。
2、 早急に臨時代議員会を開催し、不正常な事態の打開をはかること。
3、 この間の市薬剤師会の対応について会員に説明すること。
  以上
 平成2年5月19日
 第13回博多区薬剤師会総会
 議長 冷川嚢
 福岡市薬剤師会

●城南区薬剤師会総会

日 時 5月24日(木)午後7時
場 所 城南市民センター
出席者 13名(会員数32名中)
来 賓 三津家市薬会長

議 事
平成元年度 事業報告
決算報告と次年度予算
平成2年度事業計画
城南支部規約規定案
城南区薬剤師会役員
会長 栗田邦彦
副会長 松島照幸
副会長 小林智

●中央支部平成2年度定期総会

日 時 5月23日(水)午後7時
場 所 城山ホテル
出席者 113名

来 賓

  三津家市薬会長
  早麻清蔵県議
  久保田秀巳市議

1.開会挨拶
1.支部長演述 松枝支部長

1.来賓挨拶
 県議会議員 早麻清蔵氏
 市議会議員 久保田秀巳氏

1.議事

@ 報告 1号 平成元年度事業並びに決算報告
     2号 平成元年度決算認定の件 監査報告
A 議案 1号 平成2年度事業計画案
     2号 平成2年度予算案及び会費決定の件
B 役員選出の件
C その他
新入会員の紹介
市薬中央支部選出県薬、市薬代議員紹介
平成元年度被表彰者の紹介

1.閉会挨拶
 本年は国立中央病院院外処方、内科医会との協議等を実行していかねばなりません。よって会員相互の懇親に重点を置き、会員、家族、従業員の皆様に多数出席をいただき会員数110名(店舗数42、出席者数113名)と盛会裏に総会を終えられたことを嬉しく思います。
(記 小野信昭)

●東支部総会

日 時 6月23日(土)午後7時
場 所 松崎「臣本店」
出席者 17名

議事

@ 昭和63年度、平成元年度事業及び会計報告
A 国立中央病院、院外処方せん発行問題について(指定薬局の件)
B 医師会(内科)の対応について
C 分業推進委員について
D 役員改選
東支部 支部長  松井昌也
    副支部長 藤野哲朗
〃        村田博昭
(報告 松井


 「第23回臨時代議員会」

日 時 平成2年6月14日(木)午後7時
場 所 市薬会館講堂

出席者 三津家会長 藤原、長谷川各副会長 冷川専務理事 細井、正岡、松枝、合澤各常務理事 成澤、小野、藤田、市花、木原、各理事 豊福監事

代議員
東支部  藤野哲朗 吉村順二
博多支部 冨永雄造 石井雅明 森川公雄 岸田秀明 鶴原 潔 渡辺久代 蔵元良行 碓井正治
中央支部 森田 明 副島恒夫 戸田重雄 国武一人 山手陽一 西森基泰 光安龍彦
早良支部 野田靖夫 糸岐良次 本村精也 清水達三 波多江敬三 豊原伸一 有馬 純 南島敏彦
城南支部 栗田邦彦 小林 智 深江暉夫
西支部  吉田 斌
南支部  古賀茂次 大庭秀臣 具島圭次 深見俊彦 中島英之
勤務   唐沢博順

議事

司会 藤田理事

1.開会あいさつ

1.会長演述

 本日の臨時代議員会は、副会長選挙の件でお集まり頂いております。4月21日の代議員会において、議事はすべてスムーズにご承認頂けましたが、副会長もう一名の決定を見ませんでした。そこで先日支部長会に諮りましたところ、臨時代議員会を開催すべく決定され、本日の開催となりました。

 先日の代議員会で会長を任されてより、理事の選出も無事終わり、5月30日第一回目の理事会を開催致しました。なお参院補欠選に当たっては皆様にご協力頂きありがとうございました。

栗田議長 冨永副議長登壇
栗田議長:代議員59名中30名の出席。よってこの代議員会は成立する。
議事録署名人 光安龍彦 石井雅明

@選挙
副会長選挙

 副会長の選出については選考委員制をとることなく、議長より松枝先生の立候補がある旨の提案がなされ、代議員に賛否を問う方向で進められた。

質疑応答

石井:副会長もう一名については、調剤部門よりお願いしたい。

大庭:選考委員制よりも、お願いをする形のほうが良いので、立候補よりも推薦候補を出したほうが良いのではないか。

西森:議長にお尋ねするが、松枝先生は本当に立候補なさったのか確認をお願いしたい。

栗田議長:松枝先生は立候補されたのではないが、どうしてもということであれば、協力は惜しまないとのご返事をいただいている。

深江:それでしたら、松枝先生から抱負を伺いたい。

松枝:調剤薬局もOTC薬局もありません。両方を兼ねてするのが本筋であり、それを踏まえて面分業へどう進んでいくかを模索してゆくものです。

栗田議長:松枝先生を副会長に選出するのに賛成の方は挙手をお願いする。 〈挙手多数〉
よって、本日の臨時代議員会は松枝先生を副会長に選出する。

1.閉会あいさつ


 「部会連絡協議会」

日 時 6月16日(土)午後4時
場 所 タカクラホテル福岡

出席者 三津家会長、藤原、松枝、長谷川各副会長、冷川専務理事 細井、正岡、合澤、深江各常務理事 高杉、城戸、瀬越、青谷、成澤、鶴原、小野、藤田、市花、 木原各理事 礒田監事

部会長

東支部  松井昌也  吉村きく子
博多支部 冨永雄造  石井雅明 府内幸子 森川公雄
中央支部 森田 明  大石愛子
早良支部 南島敏彦  有馬 純、野田靖夫、糸岐良次、本村精也、清水達三、波多江敬三
城南支部 栗田邦彦  松尾照幸 小林 智 高木美智子 大賀昌子
西支部  吉田 斌  竹尾真一
南支部  岩佐周一郎 大庭秀臣 熊沢和子 中島英之  小林正治

1.会長あいさつ

 週末のお忙しいなかご出席頂きましてありがとうございました。先日の臨時代議員会において、もう一名の副会長に松枝先生が選出されまして、これで会長、副会長、監事の役員がすべて決定されました。本日の部会連絡協議会は、新執行部がスタートいたしまして第一回目の協議会でございます。国立病院、内科医会等処方せん発行問題や平成2年度の事業計画にっいて忌憚のないご意見を出して下さい。

1.通常及び臨時代議員会報告
 冷川専務理事より報告
1.平成2年度事業計画について
 冷川専務理事より説明
1.国立病院、内科医会の経過報告及び対策
 社保担当小野理事より報告
 国立病院よりの院外処方せんを調剤拒否した2薬局にっいて説明。調剤拒否をしないという指定薬局の誓約書を再確認すべきであるとの提言がなされた。

質疑応答

 冨永顧問:国立病院の院外処方せんを受け付けて困った。備蓄薬品リストを早く作ってほしい。

小野理事:6月末にはコンピューターが入るので7月末までにはリスト及びFAX網が整う。

城南区松島先生:指定薬局の看板を見て訊ねられたが、院外処方せんが割高になる件についての対応は。

小野理事:負担金がかからない患者さんから院外にすることも考えられたが、院外処方せんによる待ち時間の短縮、薬歴管理、1Dosepackage等メリットも多く考えられるので院外処方せん発行については患者さんに任せる形になる。

1.閉会あいさつ


 「理事会他会議報告」

【第1回理事会】

日 時 5月30日(水)午後6時
場 所 市薬会館

出席者 三津家会長 藤原、長谷川各副会長 冷川専務理事 細井、松枝、正岡、 篠崎各常務理事 瀬越、合澤、木原、城戸、小野、藤田、成澤、(鶴原)、 市花各理事 豊福、礒田監事

議事

1. 会長あいさつ
 先の通常代議員会で会長職を任じられ、新執行部体制での第1回目の理事会です。副会長もう一名については、次の臨時代議員会まで空席になっておりますが、国立病院、内科医会との院外処方せん発行機運の高まりのなか、たくさんの事業が目白押しです。理事の先生方にはご協力お願い申し上げます。

2. 会務報告
冷川専務理事より報告
@ 北九州市薬剤師会総会案内
 5月26日(土)午後6時 千草ホテル 三津家会長出席
A 薬物療法研究会
 5月17日(木)午後7時
 出席者数 77名
B 第26回全国身障者スポーツ大会実行委員会
 実行委員 三津家会長就任
C 自民党県連「福岡地区各種団体懇談会」
 5月16日(水)午後10時 全日空ホテル 三津家会長出席
D 第12大都市学校保健協議会
 5月20日(日)午前9時15分 市民会館
E 支部総会開催状況について
 早良支部 5月16日 ジョイントファイブ
 博多支部 5月19日 ステーションプラザ
 中央支部 5月23日 城山ホテル
 城南支部 5月24日 城南市民センター

3. 委員会報告 別記

4. 協議事項
@ 理事者の職務分担について
A 国立病院、内科医会の経過報告及びその対策について
B 参議院議員補欠選挙について

 住吉のりひこ氏支援体制についての協議 C 日本プライマリ・ケア学会への出席要請について
D 臨時代議員会の開催時期については2週間後ぐらいを検討する。
E 部会連絡協議会の開催について
F 常置委員会委員の構成について
○ 組織、薬局、急患委員会については各区より一名の委員を支部長にお願いする。
○ 社保、広報については委員構成を別に考慮する。

【第2回理事会】

日 時 6月27日(水)午後7時
場 所 市薬会館

出席者 三津家会長 松枝、藤原、長谷川各副会長 冷川専務理事 細井、正岡、深江、 合澤、篠崎常務理事 木原、高杉、藤田、小野、鶴原、青谷、成澤、城戸、市花、 獺越各理事

議事

1. 会長あいさつ
 6月14日の臨時代議員会において、松枝副会長が選出され、理事者ともに全員の決定を見ました。本日はその職務分担を決め、また委員会の構成についてもご協議頂きたいと思います。

2. 副会長就任あいさつ
 松枝副会長
 長谷川副会長

3. 会務報告
@ 住吉候補選挙事務所開き
 6月6日 午後1時 会長他役員多数出席
A 国立福岡中央病院との協議について
 6月13日(水)午後4時
 冷川専務理事 正岡常務理事 小野理事国立病院薬剤課長と協議
B 臨時代議員会について
C 部会連絡協議会について
D プライマリ・ケア学会について
 市薬会員多数出席
E 日薬試薬センター運営委員会
 6月22〜23日 於箱根 三津家会長 城戸室長出席
F 県薬支部連絡協議会
 6月28日 午後2時 三津家会長 各支部長出席
 福岡県薬剤師会による基準薬局について

4. 委員会報告 別記

5. 協議事項
@ 理事職務分担について
A 国立病院、内科医会の経過報告及び対策について
 国立病院については、8月ごろに処方せんの形式の変更をめどに進展するものと思われる。内科医会については、役員の変更等のため再考を要する。
B 委員会の構成について
C その他

〔第1回支部長会〕

日 時 5月28日(月)午後7時
場 所 市薬会館

出席者 三津家会長 藤原、長谷川各副会長、冷川専務理事 細井、正岡常務理事 栗田議長 冨永副議長 松井、高杉、松枝、糸岐、吉田、大庭各支部長

議事

会長あいさつ
 会長就任後約1ケ月立ちましたが、専務理事をはじめ理事の選定を終わり、5月30日第1回目の理事会を行うことにしている。
 この間の事業、その他会務については前任者に行って頂いたが、本日はその報告並びに連絡事項、また参院補欠選についてのお願いもあるので、第1回の支部長会を開催した。今後の事業遂行は支部中心になるのでご協力をお願いしたい。 なお、臨時代議員会開催問題については、議長、副議長さんにも出席して頂いているのでどのようにするかご協議頂きたい。

1. 分業推進とその対策について
 国立病院、内科医会との経過報告及び対策 正岡常務理事より説明
2. 第13回日本プライマリ・ケア学会の出席以来について
 5月22日現在39名の申し込みあり。60名予定しているので、後日支部にお願いする。
3. 参院補欠選については、選挙事務所への出動割り当てをする。
4. 部会連絡協議会並びに市薬政治連盟の開催について
5. 臨時代議員会(副会長選出)開催について
 4、5ともに後日、日時を決めて連絡する。


 「委員会報告」

【社保委員会】

委員会活動報告

5月22日 正岡常務理事 藤田理事、国立病院受入れ薬局パネル配布
5月28日 正岡常務理事 小野、藤田各理事、鶴原委員、国立病院受入薬局地図作製
5月30日 小野、藤田各理事、南区分業推進会議出席
6月7日 正岡常務理事、藤田理事、早良区分業推進会議出席
6月8日 小野 藤田、鶴原各理事、備蓄薬品リスト及び地図作製
6月9日 正岡常務理事 藤田理事、国立病院薬剤科長と受け入れ薬局(大賀薬局福ビル店etc)を視察
6月21日 粕屋郡に、国立病院院外処方せん発行のための受入準備について説明に出向。
6月11日 小野、藤田、鶴原各理事、受け入れ薬局全市地図作製、備蓄リスト集計、 コンピューターソフト打ち合わせ
6月13日 国立病院との協議、冷川専務理事、正岡常務理事、小野理事、現在、国立病院内で使用中の処方せんが終了しだい、院内、院外共通処方せんに、8月ごろに変更される。それが院外処方せん発行の一応の目安になるものと思われる。

【学術委員会】

日 時 5月8日(火)午後6時半
場 所 市薬会館
出席者 長谷川副会長 篠崎常務理事 成澤理事 久池井委員

1. 5月17日開催予定の薬物療法研究会についての打ち合わせ及び当日の役割分担
2. 次回の学術研修会について
3. 今後の研修会のあり方について
@ 県薬の研修会の動向を見る
A 新入薬剤師の研修のあり方について討議

【急患委員会】

日 時 6月28日(木)午後6時
場 所 市薬会館
出席者 冷川専務理事 成澤、市花各理事 小松、深見、竹尾、馬場、北島各委員

1. 新急患診寮センター薬局のレイアウトについて
2. 平成元年度業務量統計について
  S58年度比 土曜日2%、日祭日11%、年末年始20%の増加
3. 新規出動者説明会
  神崎、重村、福沢の3氏
4. 急患診療センター出動表の作成


 「社団法人 福岡市薬剤師会 役員紹介」

正・副会長,監事 略歴

【会長】
三津家正友 先生
S2年4月9日生(63才)
S25年 熊本薬学専門学校卒
前福岡市薬剤師会 常務理事

【副会長】
藤原良春 先生
S15年1月2日生(50歳)
S38年 熊本大学薬学部卒
前福岡市薬剤師会 専務理事

【副会長】
松枝茂雄 先生
S3年1月1日生(62才)
S22年 長崎大学薬学部卒
前福岡市薬剤師会 常務理事
福岡市薬剤師会 中央支部 支部長

【副会長】
長谷川宏明 先生
S13年1月11日生(52才)
S35年 長崎大学薬学部卒
済生会福岡総合病院薬剤部長
福岡県病院薬剤師会 理事
福岡市薬剤師会 勤務部会 副会長

【監事】
礒田正之 先生
S2年5月2日生(63才)
S22年 熊本薬学専門学校卒
元福岡市薬剤師会 理事

【監事】
豊福和登 先生
S9年7月28日生(54才)
S33年 京都薬科大学卒
浜の町病院 薬剤部長

※会報誌の校正をしていて気づいたのですが、何と市薬副会長は、お三人とも一月生まれなのですね。一月生まれは副会長になれる…?

市薬会員数

      A会 員  572名
      B会員数  238名
      C会員数   25名
      賛助会員  32名
      合 計  867名


 「薬連だより」

1. 津島厚生大臣を囲んでの朝食会

日 時 平成2年6月2日(土)午前8 :00
場 所 西鉄グランドホテル「真珠の間」
出席者 三津家会長 冷川専務理事 細井常務理事

 県三師会、市三師会よりそれぞれ3名ずつ出席し、津島雄二厚生大臣を囲んでの朝食会が持たれた。安部医誠会会長の進行で、大田誠一議員による、参議院議員補欠選挙の状況と、津島厚相の紹介がなされた。

 続いて、津島厚相から厚生行政の現況報告が行われた。これからの高齢化社会におけるゴールドプランの作成、プライマリーケアの充実、在宅医療の支援といった行動する厚生省でありたいと話された。

 また今年度は保険法と医療法の改正の年であるが、どちらも小幅な改正にとどまるということであった。

 その後食事をしながら、それぞれ三師会の代表より質問が出された。医師会からは救急医療について、歯科医師会からは不良歯科材料について、薬剤師会からは社会保険審査への薬剤師審査官の登用が提言された。大変なごやかな中で閉会になった。

2. 参議院議員補欠選挙

 小野明参議院議員の死去にともない、6月10日補欠選挙が行われた。当福岡市薬剤師会は自民党の住吉候補を応援したが、残念ながら落選した。5月25日より連日選挙事務所へ出動して頂いた先生方、忙しい中を大変ご苦労さまでした。支部ごとの出動者は次のとおりです。

 女子薬 4(2日)学薬 7(3日)南 2 早良 5(2日)東 0 中央 8(2日)博多31(2日)西 2 城南 4

3. 福岡市薬剤師連盟総会

6月16日 部会連絡協議会に引き続き、福岡市薬剤師連盟総会が開かれた。
(1) 会長あいさつ
(2) 平成1年度事業報告
(3) 平成1年度決算認定の件
(4) 平成2年度事業計画
(5) 平成2年度予算の決定
(6) 役員改選
 以上審議が行われ、それぞれ承認された。
新役員は次のとおりである。
会 長 三津家市薬会長
副会長 藤原、松枝、長谷川 各市薬副会長
総 務 冷川市薬専務、細井市薬会計、松井、高杉、栗田、糸岐、吉田、大庭、 各支部長
(中央支部は未定)
監事 磯田、豊福 各市薬監事


 「談話室」

専務理事 冷川 襄

 去る4月21日通常代議員会において三津家新会長が選任され、その新会長より、専務理事に指名されました。未熟者ではありますが精一杯会務を勤めさせて頂きます。今号より新企画としてこの「談話室」を受け持ちます。

 代議員会で承認された事業計画の1.組織の強化のひとつとして会報の充実があります。今まで会報は、会からの情報を会員に伝えるだけでしたが、各会員がどうかんがえているか、何を望んでいるか、そういう事項を吸い上げるのも会報の役目だと考えます。

 従いまして、この欄では各会員の先生方が、会に対して日頃考えていることを取り上げて、答えていきたいと考えます。ですから、何でも結構です。会に対する不満でも分からないこと、疑問に思うこと、こうしてほしいことなど思いついたことがあれば市薬専務宛に投書して下さい。

 この紙面で解答させて頂きます。もちろん、匿名でも構いません。この会報の記事に関しても、おもしろかった記事、おもしろくない記事、これから取り上げてほしい企企画等是非投書して下さい。広報部員とともにいい会報になるように努力致します。そしてこの薬剤師会が本当に入会して良かったといわれる会になるように、微力ではありますが全力を尽くす所存です。

 では心から先生方の投書をお待ちしています。

 「お 願 い」

 会報の原稿及び表紙写真募集について随筆、詩、俳句など、どんなジャンルでも結構です。広く会員の方々からご寄稿いただきたいと拝します。

 表紙写真については、白黒のキャビネ版、タテ型の物をお願いします。 皆様のご寄稿を心からお待ち申し上げます。


 「市薬会報の会員外送付先」

福岡市役所衛生局
東保険所  所長 田上昭夫
博多保健所 所長 花田咲子
中央保健所 所長 神宮純江
早良保健所 所長 横田剛男
南保健所  所長 廣津留瑛子
西保健所  所長 松本邦博
城南保健所 所長 原口美智子
福岡県庁 薬務課
福岡市医師会
福岡市歯科医師会
日本薬剤師会
福岡県薬剤師会
福岡県薬剤師会 薬事情報センター
税理士 堀家明雄
福岡市内科医会 会長 中村裕一
東区医師会   会長 入江 公
博多区医師会  会長 安部龍秀
中央区医師会  会長 清沢 晋
南区医師会   会長 大山幸徳
城南区医師会  会長 岸 営美
早良区医師会  会長 八田喜弘
西区医師会   会長 道永 顕
朝日新聞   社会部 内村直之
西日本新聞  文化部 竹井広太
読売新聞   社会部 藤野博史
毎日新聞   社会部 福岡賢正
フクニチ新聞 報道部 永津純子
薬事日報社  大阪支社
薬業事報社  大阪支社


 「俳  句」

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 「川  柳」

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 「会務日誌」

5月1日 西支部総会
  7日 社保委員会 13:00 コンピューター選定会議 14:00
  8日 学術委員会 18:30
  16日 早良支部総会 19:00
  17日 薬物康法研究会 19:00
  19日 博多支部総会 17:00
  23日 中央支部総会 19:00
  24日 城南支部総会 19:00
  28日 支部長会議 19:00
  30日 理事会 18:00

6月2日 県市三師会・厚生大臣を囲む朝食会 8:00西鉄グランドホテル(三津家、冷川、細井)
  4日 社保委員会 13:00
  4日 身障者スポーツ大会実行委員会 サンヒルズホテル 15:00(三津家)
  7日 商組研修会
  10日 参議院議員補欠選挙
  13日 国立病院協議会 16:00(正岡、小野、冷川)
  14日 臨時代議員会 19:00
  16日 三役会 14:00
     部会連絡協議会 16:00 タカクラホテル
  17日 第13回日本プライマリ・ケア学会 電気ホール
  19日 戦没者舎同追悼式 12:55 市民会館(冷川)
21〜22日 日薬試験センター運営委員会 箱根(三津家、城戸)
  23日 勤務部会総会 14:00 武田(三津家)
     東支部総会
  25日 県薬試験センター運営委員会(城戸)
  27日 理事会 19:00
  28日 県薬支部連絡協議会 14:00
     急患委員会 18:00(冷川)
  29日 全国給水衛生検査協会総会(城戸)
  30日 国体実行委員会 11:00 東急ホテル(三津家)

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 備蓄薬品リスト作りに威力を発抑するため先日市薬においで願ったコンピューターさんです。シッカリ頑張って働いて下さ〜い。


 「編集後記」

・ 博多の男ちゃ、なしてこげんよかおとこばっかりかいな!博多の夏まつり祇園山笠も終わって一気に夏になりました。特別寄稿をお願いした安部先生が書いて下さっていますが、私は先日、博多区医師会の研修会に参加させて頂きました。

・ 石原内科循環器科病院、石原保之先生による「高血圧、心臓病の薬物療法」のご講演でしたが、薬剤師の私にもよくわかる内容でした。「内科医会との協議会」等のように大上段に振りかざしたものでなく、会員個々の草の根交流こそが、面分業への第一歩なのではないかしら…。

・ 西日本新聞の竹井文化部長から、原稿内容の問い合わせの電話があった時「かなり長い話中のようでしたが、5月号編集後記の電話料金の物議は、お母さんの長電話もかなり貢献しているのじゃありませんか…」とのこと。5月号から、報道関係にも市薬会報を送るようにしたのです。

・ 福大病院に入院され、ご病気療養中だった古賀隆先生は、もうすっかり元気になられました。「おかげで患者の立場で、薬剤部の松田先生を通して、200点業務を体験させてもらいましたよ」とおっしゃってましたので、次号にはぜひ書いて頂くつもりです。

・ 「古賀先生、おなかの脂肪はどこへやっちゃったんですか、すっかりスマートになられて」 新執行部理事の職務分担及び各委員会のメンバーも正式決定され、いよいよ三津家体制のスタートです。

 広報部も若い?男性が一人加わりましたが彼は今、市薬のコンピューターに備蓄薬品のデーターを入れるため、毎日夜遅くまで頑張っています。そのため広報の仕事は何もしてくれませんでした。次回はシッカリやってもらおうと、手ぐすね引いて待っていますからね。

・ 今号から、印刷屋さんもコンピューター処理をされるようになり、字体が少し変わりました。
                     (木原)

平成2年7月31日発行(隔月年6回発行)
福岡市中央区今泉1丁目1番1号
社団法入 福岡市薬剤師会
  TEL 092-714-4416
発行人 三津家正友
編集人 木原三千代
印刷所 給サ英社印刷