福岡市薬剤師会

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市民のみなさま

第2 回 Pharmalink Study

「膵臓がん患者のフォローアップ事例の紹介」
大賀薬局 九大病院東門前店 汐待 加織 先生

令和2年診療報酬改定
「質の高いがん医療の評価」
特定薬剤管理指導加算2

膵臓がん

45歳 女性
膵臓がん StageⅡ

病院からの情報提供書
レジメン情報
・投与量
・スケジュール

治療による副作用

患者に応じた情報
・既往歴
・経口支持療法

情報提供書には、患者情報にとどまらずフォロー内容など記載があるので
有効活用を行い、薬だけのフォローではなく精神状態にも寄り添う必要がある。

・イリノテカンの下痢・便秘症状への対策。
イリノテカン使用前から便秘気味の方には下剤を継続して治療時にも服用してもらう必要がある。

酪酸菌、リナクロチド毎日服用、酸化マグネシウムは自己調節を行っている。

・末梢神経障害
身の回りの日常生活動作を確認する必要がある。
・食事
・排泄
・身支度 など

83歳 男性
膵切除後の膵性糖尿病

下痢による血糖への影響も考えられる。

食欲不振の原因
・味覚異常
 亜鉛などのサプリメント提案など

シックデイへの対応について医師と患者が話せているかを確認する必要がある。

患者に確認すること
・低血糖症状の頻度
・低血糖症状はじぶんでわかるか?
・リブレの端末を常に携帯すること
・運動時、農作業時は捕食を持参
患者だけではなくご家族の方にも確認をすることが必要となる。

膵臓がんは予後不良のため、テレフォンフォローなど継続的な副作用管理が必要。
栄養面でも支援が重要

テレフォンフォローのタイミング
・患者の私生活を考慮(仕事など)。
・副作用の出やすいタイミングにフォローを行うことが大切。

「膵癌患者に寄り添う薬学的ケア-知識が活きる共感的アプローチ-」
九州大学病院 薬剤部 池田 宗彦 先生

がん患者の治療の軌跡
病状説明(がんの診断)→(がんの再発・転移)→(抗がん治療できない)→(BSC)
治療が目的なのか、延命が目的なのかそれぞれの状況にあった対応が必要。

抗がん治療にともなう身体的苦痛の緩和
疾患によって生じた身体的苦痛の緩和
精神的苦痛・社会的苦痛・スピリチュアルな苦痛の緩和
家族ケア

感謝の背景を考慮して対応が必要となってくる。

がん患者が抱える課題と医療者へのニーズ
患者のニーズを予測して、医療者が支援していく必要がある。
患者の困りごとを予測して寄り添う必要がある。

シェアード・ディシジョン・メイキング
「共有意思決定」として、患者と医療者が対等なパートナーシップ
患者と医療者が協力して治療方針を共同で決定するプロセス

副作用情報
・どのように対応したら良いのか?
支持療法の情報
・どんな支持療法があるか?
自宅でのセルフケア方法

膵臓がんについて
膵癌診療ガイドライン2025年度版参照

膵臓がんで使用するレジメン
GEM+S-1療法
・ゲムシタビン1、8日目投与
・S-114日間投与
   併用薬の確認が重要

S-1単独療法
・28日間内服(4週投与2週休薬)
 4コース
腎障害のある患者は投与量の調節が必要
・副作用
粘膜が刺激されやすい薬剤であるの具体的にわかりやすいように説明を行う。

口内炎:ブラッシングやうがいなどを行うことが重要
    口腔ジェルも有効

GEM+nab+PTX療法
・パクリタキセル1、8、15日点滴静注
・ゲムシタビン1、8、15日点滴静注

・副作用
脱毛が多いのでウィッグの準備があるか声掛けをしてみたり、肌荒れの対策を説明。
黄斑浮腫が実際どのような症状か確認をしておく必要がある。
眼科に行く必要があるのかを判断する。

FOLFIRINOX療法
・オキサリプラチン
・レボホリナート
・イリノテカン
・フルオロウラシル
・フルオロウラシル
催吐リスク:高度
・副作用
好中球減少、悪心・嘔吐、末梢神経障害、脱毛

nal+IRI+5FU+LV療法
イリノテカン リポソーム製剤 1日目点滴静注
レボホリナート 1日目点滴静注
フルオロウラシル 46時間持続静注
・副作用
骨髄抑制、脱毛

末梢神経障害の評価
Gradeの評価判断
1.痺れるけどできる
2.頑張ればできる
3.できない

具体的な症状を説明しておくことでフォローがしやすくなる。
症状が出始めは軽いものほど落としやすくなる。

日常生活動作の制限について
具体例を用いて確認を行うと気づきがある。

デュロキセチン
痛みを主症状の場合、有効。しかし、痺れや感覚異常に対しては効果の確実性が乏しい。

プレガバリン
ミロがバリン 2剤眠気、ふらつきがあるので車の運転がある方には説明が必要。

下痢の対応
ロペラミドの使用方法
初回4mg、以降は4時間毎に2mg追加。日投与量16mgは超えない。

早発性の下痢:コリン性が原因
遅発性の下痢:24時間以降、イリノテカンの活性代謝物SN-38による腸管障害が原因
 半夏瀉心湯をお湯に溶かすのが有効。

情報提供時、排便の性状のモニタリングが重要。(ブリストルスケールを用いて報告)

下剤の作用発現時間を考慮して服用時点の決定が必要。
寝る前に飲んでしまうと睡眠時に排便をしてしまうことがある。

疼痛コントロール
心窩部痛と背部痛を訴える方が多い。
入浴で腹部の痛みが軽減する。温めることで緩和する。

オピオイド導入前の患者への配慮
新しい痛み止めが追加になりますがなにか不安に感じることはありますか?と問いかけてみる。

・麻薬を使うと中毒になるか?
・麻薬をつかると早く死んでしますか?
  論文で否定されている。

痛みの性状表を使用することで患者も表現しやすくなる。

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