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知っておきたいマダニと感染症(SFTS)のお話

最近、ニュースなどで耳にする機会が増えた「マダニ」と、マダニが媒介する感染症「SFTS」。秋の行楽シーズンを安全に楽しむために、その特徴と対策を詳しく見ていきましょう。

SFTSとは?

SFTSウイルスを保有するマダニに咬まれることで感染するダニ媒介感染症です。すべてのマダニがSFTSウイルスを保有しているわけではなく、保有率は数%と言われています。

英名のSevere Fever with Thrombocytopenia Syndromeを略してSFTSと表記されます。日本語では「重症熱性血小板減少症候群」となります。

主な症状は発熱と消化器症状(嘔吐、下痢など)で、倦怠感、リンパ節の腫れ、出血症状なども見られます。重症化すると死亡することもあります。

 

増え続ける患者数は?

今年は例年になく報告数が多くなっているため、テレビのニュースなどに取り上げられる頻度が増えています。2025年8月3日までに報告された患者数は124人で、2024年の患者数120人を上回っており、過去最多だった2023年の134人を超えるだろうと言われています。今年の死亡者数は13人で、最多だった2014年の16人に迫っています。西日本からの報告が多くを占めています。

 

意外な感染経路

ペットがマダニに咬まれてSFTSを発症し、そのペットから咬まれることで、感染した事例が報告されています。また、SFTSを発症した野生動物やペットの血液や分泌物からの感染、SFTSを発症した人の血液からの感染も報告されています。

 

SFTSの治療法

ワクチンはまだありません。現れた症状に対する対症療法が主になります。抗インフルエンザ薬として開発された抗ウイルス薬のファビピラビル(商品名:アビガン)が、2024年にFSTSの治療薬として認可されました。早期の服用で重症化を防ぐことが期待できます。

 

マダニが原因?牛肉や豚肉が食べられなくなる「α-gal症候群」

マダニに咬まれることで肉アレルギーを発症する場合があります。マダニの唾液に含まれるα-galが体内に入ることで、抗体が産生され、牛、豚、羊などの哺乳類の肉や製品を摂取したときにアレルギー反応を起こします。摂取後3~6時間後に、皮膚のかゆみ、蕁麻疹、腹痛、下痢、吐き気などの症状が出ます。治るまでに数か月~数年かかると言われています。血液型がA型、O型の人が発症しやすく、B型、AB型の人が発症しにくいという特徴があります。

 

マダニに咬まれたら?

マダニは、ヒトや動物に取り付くと、皮膚にしっかり咬みつき、長時間(数日から、長いものは10日間以上)吸血します。気付かない場合も多いと言われています。吸血中のマダニに気付いた際、無理に引き抜こうとするとマダニの一部が皮膚内に残って化膿したり、マダニの体液を逆流させてしまったりするおそれがあるので、医療機関(皮膚科)で処置(マダニの除去、洗浄など)をしてもらってください。また、マダニに咬まれた後、数週間程度は体調の変化に注意をし、発熱等の症状が認められた場合は医療機関で診察を受けて下さい。

 

何はともあれ、肝心なのはマダニに咬まれないようにすることです。しっかり対策すれば過度に恐れる必要はありません。虫除けスプレーの選び方など、分からないことがあれば薬剤師にご相談ください。

 

 

 

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