第97回東区薬剤師会研修会
令和6年9月6日
九州大学大学院歯学研究院
口腔顎顔面病態学講座 口腔顎顔面外科学分野
九州大学病院 顎顔面口腔外科(旧 歯学部附属病院第2口腔外科)
森山雅文 教授
令和6年度診療報酬改定
服薬情報等提供料に「医師」だけではなく「歯科」が明記されました。
薬学教育にも「口腔ケア」が追加になりました。
プライマリケア、セルフメディケーション
歯科への受診勧奨が期待されている。
歯周病は第2位の傷病となっている。
現在も増加傾向
『歯周病』
予納が一番大切!
歯周病は多岐にわたる疾患につながる。
歯ブラシを20分間程度ながらで行うのがおすすめ!!
強い力で磨かないように。
『歯周病』と『糖尿病』の関係
『歯周病』『アルツハイマー』の関係
『歯周病』『妊娠』の関係
薬剤師に求める『歯周病』啓発
・歯周病とは?
・歯周病は慢性の細菌感染症であり様々な全身疾患に影響を与えること
・患者の処方内容から全身疾患を把握し、歯周病との関係を説明し、予防を啓発
・歯周病予防のセルフケアについて説明し、歯科受診を勧奨。
『細菌性心内膜炎』
予防投与
・アモキシシリン 2g(8錠)
普段の1錠服用と違うためきちんと服用をしているかを
薬剤師は服薬フォローを行う必要がある。
→患者の判断で原料をしないように管理が必要
『薬剤関連顎骨壊死』
・ビスホスホネート(BP)、デノスマブ(Dmab)による治療歴
・8週間以上持続して口腔・顎・顔面領域に骨露出を認める。
・原則として顎骨への放射線照射歴がない。
または顎骨病変が原発性ががんや顎骨へのがん転移ではない。
なぜ起きる?
歯茎は薄い口腔粘膜、感染源となる口腔内細菌、顎骨に炎症が波及しやすい。
予防的休薬
原則として抜歯時にARAを休薬しないことを提案
歯科への患者紹介
・アモキシシリン2g 術前投与前に紹介をしてください。
薬剤関連顎骨壊死 関連薬剤の服用患者
・口腔トラブルのある方
・無歯顎でも紹介は必要
『シェーグレン症候群』
唾液の役割:潤滑、洗浄、抗菌作用、再石灰化、味覚、食物の消化、保湿
治療(市販):保湿ゲル、うがい薬
治療(医療用):
・サリベート(人口唾液)→冷蔵庫に入れるとスッキリする。
・漢方薬
・唾液分泌促進薬(サリグレン、サラジェン)
副作用(多い)胸焼け、発汗
コンプライアンスを高めるために
→ステップアップ法 少量から開始
→口腔リンス法 うがいをして吐き出す。
禁忌:、虚血性心疾患、喘息、てんかん、パーキンソン病、虹彩炎
『口腔カンジダ症』…真菌の一種
乾燥により発症することが多い。
問題:日和見感染
▶︎偽膜性カンジダ症
▶︎肥厚性カンジダ症
▶︎萎縮性(紅斑性)カンジダ症
赤みがありはくたいがない。
入れ歯に付着していることが多い。
『薬剤性口内炎』…化学療法と口腔ケア
アメリカでは、
がんと診断されたら歯科治療が一般的
口腔内照射線治療は非常に痛みがあるため、
キシロカインビスカスが含嗽剤に含まれる。
『その他の薬剤による口腔粘膜炎』
ボナロン錠を飴玉のように舐めることでも重症口内炎になる。
→注意事項は守るように!!
DPP-4阻害薬による類天疱瘡への適切な処置
→薬剤師による管理が求められる。
休薬後、改善まで時間がかかる。
口腔についての気づき
口腔は全身の臓器に影響を与え、全身の臓器の障害は口腔にも影響をきたす。
→予防の重要性