【西日本新聞】百薬百話~あなたの街の薬剤師~
「最近の薬局はいろいろ聞いてくるけん、しゃぁしかぁ。痛み止め買うのもおおごとばい」。こんな苦情をご近所さんにこぼされました。
薬局の薬剤師は、薬を売るだけでなく、安心・安全に薬を使えるようにさまざまな情報を提供しています。注意事項など必要な薬の情報を正しく伝えるためには、薬を使う人の状況を伺うことが欠かせないのです。
これは、処方箋をもとに医療用医薬品を渡すときも同様です。薬を正確に渡すまでが薬剤師の仕事といわれていましたが、これからは渡した後も薬の責任を持つ必要があります。
かかりつけ薬剤師制度が、2016年4月に始まりました。かかりつけ薬剤師は電話などで緊急の相談にも応じます。薬だけでなく、健康食品やサプリメントなどの相談も受けます。自宅に薬がたくさん残って困ったときは、その整理をお手伝いすることがあります。さらに医療や介護に関する相談にも関係機関と連携しながら対応しています。薬局の薬剤師は、薬を渡すだけでなく、皆さんに寄り添って薬の適正使用をアドバイスします。
あなたの“かかりつけ薬剤師”を決めてください。薬剤師の問い掛けには、しゃぁし(うるさ)がらず、皆さんが薬でおおごと(大変)な目に遭わないように、できるだけご協力をお願いします。薬で困ったら、かかりつけ薬剤師に遠慮なくご相談ください。
(一般社団法人 福岡市薬剤師会 副会長 木原太郎)