福岡市薬剤師会

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博多区・東区薬剤師会研修会

8/16 博多区・東区薬剤師会研修会

薬理・薬物動態に焦点をあてる

(4回シリーズ)

第 2 回薬学的視点から見た調剤後薬剤管理指導料

糖尿病および慢性心不全患者へのフォローアップ

講師:九州大学大学院 薬学研究院 薬物動態学分野 講師

   濵村 賢吾 先生

 

講演内容

⚪︎調剤後薬剤管理指導料とは?

⚪︎糖尿病患者へのフォローアップ

⚪︎慢性心不全患者へのフォローアップ

⚪︎調剤後薬剤管理指導料とは?

2024年度診療報酬改定

(新)調剤後薬剤管理指導料

1.糖尿病患者に対して行なった場合   60点(月に1回)

2.慢性心不全患者に対して行なった場合 60点(月に1回)

 

・フォローアップについて

 一斉メールは無効

 調剤日の当日ではなく後日であること

→算定時期は算定要件を満たした上で、次回来局日の処方箋持参時
 

⚪︎糖尿病患者へのフォローアップ

 対象患者:

  糖尿病用剤を使用している糖尿病患者であって、

  新たに糖尿病用剤が処方されたもの又は

  糖尿病用剤の用法・用量の変更があったもの

 

・診断、治療方針

・経口血糖降下薬の作用機序、特徴

 血糖依存性薬剤:血糖値が高い場合は血糖値を下げ、正常の場合は降下作用を示さないとされる薬剤

・薬物治療のアルゴリズム

・フォローアップ_副作用

 ▶︎血糖降下薬_特徴的な副作用の早期発見

  【DPP-4阻害薬】

  ・水疱性類天疱瘡:皮膚症状の確認

  ・間質性肺炎:咳や息切れの確認

  【ビグアナイド薬】

  ・消化器症状:下痢、悪心、食欲不振、腹痛

  ・ビタミンB12欠乏:貧血や脊髄・末梢神経障害

  ・乳酸アシドーシス:初期症状(胃腸障害、筋肉痛、倦怠感)

  【SGLT2阻害薬】

  ・尿路・性器感染症:排尿時の痛み、頻尿、残尿

  ・正常血糖ケトアシドーシス:意識障害

 ▶︎血糖値

  【低血糖】

  SU剤、速効型インスリン分泌促進薬

 ▶︎体重

  【体重の増減】

  増加:SU薬、チアゾリジン薬、速効型インスリン分泌促進薬

  減少:SGLT2阻害薬、GLP-1受容体作動薬、チルゼパチド

 ▶︎合併症

  急性合併症:糖尿病性昏睡、急性感染症

  慢性合併症:細小血管症(網膜症、腎症、神経障害)、大血管症(脳血管障害、虚血性心疾患、末梢血管障害)、その他(認知症、骨粗鬆症、歯周病)

 ▶︎Sick day

 ▶︎その他

  歯周病との関係

 

⚪︎慢性心不全患者へのフォローアップ

 対象患者:

  心疾患による入院歴のある

  作用機序が異なる複数の治療薬の処方を受けている慢性心不全患者

・定義

  なんらかの心臓機能障害、すなわち、心臓に器質的

  および/あるいは機能的異常が生じて心ポンプ機能

  の代償機転が破綻した結果、

  呼吸困難・倦怠感や浮腫が出現し、それに伴い運動

  耐用能が低下する臨床症候群

・診断

 急性心不全:血行動態の悪化を急激にきたす状態

 慢性心不全:代償機構が長期間働き、血行動態の悪化が徐々に起きる状態

 

 左室駆出率(LVEF):1回の収縮で左室拡張末期容積の何%が駆出されるか

  低下した心不全(LVEF40%未満):HFrEF

  保たれた心不全(LVEF50%以上):HFpEF

  軽度低下した心不全(40%以上 50%未満):HFmrEF

・治療薬

・フォローアップ

 ▶︎心不全増悪による再入院の誘因

  塩分・水分制限の不徹底、感染症、治療薬服用の不徹底、過労、不整脈、身体的・精神的ストレス

 ▶︎フォローアップの必要がある患者

  1.新規処方・処方変更時

  2.服薬アドヒアランス不良

  3.ハイリスク薬処方時

  4.手技不良時

  5.副作用等発現時

  6.ポリファーマシー・相互作用

  7.服薬に対する不安・不都合

 ▶︎多職種介入による包括的管理

 

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