第93回東区薬剤師会研修会
本日は福岡市歯科医師会より
九州大学大学院歯学研究院 口腔顎顔面病態学講座 顎顔面腫瘍制御学分野
九州大学病院 顎顔面口腔外科
をお招きしました。
特別講演
『医師および薬剤師との連携が必要な口腔外科疾患』
~薬剤連携顎骨壊死と口腔粘膜疾患を中心に~
01 口腔と全身の関わり
健康日本21
「歯・口腔の健康」から健康寿命の延伸へ
・糖尿病の合併症の6番目に歯周病があるように口腔環境の管理が必要である。
・オーラルフレイムとは、噛む機能が低下するので柔らかいものを食べる。
口腔機能の低下⇒心身機能の低下の負の連鎖
02 薬剤関連顎骨壊死のアップデート
呼称の統一:薬剤関連顎骨壊死(MRONJ)
【原因薬剤】
・ビスホスホネート製剤(BP製剤)
・デノスマブ(Dmab)
・血管新生阻害剤(ベバシズマブ、スニチニブ)
・抗スクレロチン抗体(ロモソズマブ)
BP製剤・Dmab服用患者の抜歯について
歯学的に必要であれば行うのが良いと考えられる。
ポジションペーパー(2023)では、
「原則として抜歯時にARAを休薬しないことを提案する」としている。
MRONJの臨床症状とステージング、治療について写真を用いて解説いただきました。
03 医歯薬連携が必要な口腔粘膜疾患
・口腔カンジダ症
急性偽膜性カンジダ症
特徴:ガーゼなどで容易に取ることが可能
慢性肥厚性カンジダ症
特徴:偽膜が厚くなって粘膜に固着
慢性萎縮性カンジダ症
特徴:必ずしも偽膜を伴わない
口腔癌の臨床像
・2週間以上経過しても治癒しない口内炎
口腔軟膏の処方が長期になっていないか確認をしてください。
最近のTopic
・抗狭心症治療薬(ニコランジル)による口腔粘膜の難治性潰瘍
⇒ニコランジル服用中止が必要
・MTXリンパ増殖性疾患(MTX-LPD)による口腔粘膜の潰瘍
⇒関節リウマチ治療薬(メトトレキサート)服用中に生じる口内炎
・糖尿病治療薬であるジペプチジルペプチダーゼ4(DPP-4)阻害薬およびその配合薬による類天疱瘡
専務 小西先生より
・歯科医師と連携したフレイル予防
フレイル事業へのオーラルフレイル
・東区薬剤師会 プラボトル事業についてお知らせ
10月よりスキームの変更
ボトルの回収が登録制に変わります。
翔薬に毎月3週目(月~金) 専用袋を用いて回収いただきます。
回収してもらう前にボトルの重量を記録用紙に記録してください。