「世界水泳選手権2023」開催!〜スポーツファーマシストの役割とは?〜
7月14日(金)、世界水泳選手権2023福岡大会が、いよいよ開幕します。福岡市での開催は、アジア初開催となった2001年大会から、22年ぶり2回目とのことです。約200の国と地域から約2400人の選手が集結し、7月30日(日)までの17日間、各会場で熱戦が繰り広げられます。
https://www.fina-fukuoka2022.org
さて、私たち薬剤師の中には、活躍するスポーツ選手の裏方として、薬やサプリメントの適正使用に携わる「スポーツファーマシスト」という専門家がいます。
スポーツファーマシストは、薬剤師の認定資格のひとつで、最新のアンチ・ドーピングに関する専門知識を持つ薬剤師です。正式には「公認スポーツファーマシスト」と言います。
世界的にも「アンチ・ドーピング」の流れが強くなったことから、2009年に国内でも、公益財団法人日本アンチ・ドーピング機構(JADA)により「公認スポーツファーマシスト認定制度」がスタートしました。公正なスポーツ環境をつくることを目的とした公益財団法人であるJADAが、日本薬剤師会の協力を得て資格の認定を行っています。
公益財団法人 日本アンチ・ドーピング機(JADA)ホームページは、コチラ↓
https://www.playtruejapan.org/activity/pharmacist.html
スポーツファーマシストの主な仕事は、最新のアンチ・ドーピングの知識を用いて「スポーツ競技者や指導者、スポーツを楽しむすべての人へ薬の正しい使い方などアドバイスを行うこと」なかでも、最も重要な役割は「ドーピングからアスリートを守ること」です。
公正さを重んじるスポーツ競技の世界において、ドーピング行為は重大なルール違反となり、選手資格やメダルの剥奪など選手生命に大きく影響を及ぼす可能性もあります。特に近年では、意図的なドーピングではなく、禁止成分が含まれていると知らずに使用してしまう「うっかりドーピング」が問題視されています。
ドーピングというと筋肉増強剤のイメージが強いですよね。
しかし、病院で処方される薬はもとより、薬局やドラッグストアなどでも購入できる一般的な処方薬やOTC医薬品、栄養補助食品などの中にも、ドーピングの規制対象となる成分が含まれている場合があります。アスリートが風邪をひいたり怪我をしたときに使用する薬や、筋肉をつける目的で摂取するプロテインなどに禁止薬物が含まれていないか相談にのり、適切な指導を行うこともスポーツファーマシストの重要な役割です。
また、教育・啓発活動も重要な役割の1つで、日頃から、小中高校でのアンチ・ドーピング教育や、各競技団体の指導者への情報提供も行っています。
※スポーツファーマシストについては、福岡県薬剤師会作成の「スポーツファーマシストって知っている?」をご覧ください。
https://youtu.be/ItiswtRRWXM
【ドーピングの相談窓口】
☆スポーツファーマシストがいる薬局にはステッカーが掲げられているので、ドーピングについて分からないことがあるときは、気軽に相談してください。また、JADAのホームページ内の「スポーツファーマシスト」で探すこともできます。
https://www3.playtruejapan.org/sports-pharmacist/search.php
☆医療用や一般用の医薬品名(商品名)や成分名をもとに禁止物質か否かを検索できます
https://www.globaldro.com/JP/search
☆薬剤師会アンチ・ドーピングホットライン(FAXでの相談窓口を各都道府県に設置)
https://www.playtruejapan.org/code/hotline.html
(福岡県は、福岡県薬剤師会くすりなんでもテレホン(FAX番号:092-281-4104)
私たち薬剤師は、薬の専門家として、アスリートの皆さんの気持ちに寄り添い、健やかなスポーツ人生を送れるようサポートしていきたいと思っています!!
福岡タワーに灯った「世界水泳」の文字。
8月11日まで、ライトアップされるようです♪