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第90回 東区薬剤師会研修会

4月11日(火)第90回東区薬剤師会研修会を開催しました

『メトホルミン処方指導のコツ ー多嚢胞性卵巣症候群も含めてー』と題し

岡田内科クリニック 岡田 朗 院長にご講演いただきました

岡田先生は福岡市における糖尿病サマーキャンプにも深くかかわっておられ、糖尿病には精通された先生です。

ビグアナイド系の歴史の紐解きから始まり、メトホルミンはいったん評価が下がったが、再評価により使われるようになった薬であると本日のテーマであるメトホルミンについて解説。

「糖尿病の治療目標は、血圧、血糖の検査値をよくするのではなく、合併症を減らし、死亡率を減らすことが大事。この目標を見失うといけない。薬を選ぶうえでここを間違えないようにしないといけない」と話されました。

薬剤師もこの目標に向かって治療が行われているか考えてほしいといわれました。

 

糖尿病治療薬は種類が多く、現在のトレンドはDDP4が圧倒的に多いが減少傾向である。それに対しビグアナイド薬は微増 SGLT2阻害薬は増加傾向であると全国調査のデータを紹介。

欧米でのデータではメトホルミン高用量使用がスタンダードで、ほかの薬に比べて死亡率を優位に減らしている

メトホルミンは用量依存なので増やせばA1cは下がる。DDP4よりも下がっている。

日本では使用量が少ない傾向であるが、用量依存なのでメトホルミンは下痢などの消化器症状の副作用が出なければ効果が出る量まで増量していくことがいいと思うと話されました。

 

メトホルミンによる遺産効果を紹介。

10年くらい飲んでいる人が服用をやめても死亡率を下げる効果は持続している。そこを鑑みると、メトホルミンを第一選択薬で開始し飲んでいると死亡率をを下げることが期待できると話された。

 

メトホルミンは強い血糖改善、単剤で低血糖なし 体重増えない、心筋梗塞脳卒中の減少、価格が安いと優秀な薬である。

腎機能障害の患者には使用目安がある。ステージに応じて減量する必要がある。

高齢者にも高用量には注意が必要であるが、eGFRで判断すればいいのではないかと話された。

 

服薬でネックになるのが服用回数が多いことであるが、分2 分3で効果に違いがあるか調べた論文を紹介

分2、分3では血中濃度には差があるが、効果には差がないことが分かっている。分3で飲めない人は分2への変更もいいと思うと話されました。

 

多嚢胞性卵巣症候群に関しては

稀な疾患であるが、効果があるという事で特別承認した経緯を説明。糖尿病でなくても使用することがあることを知っておいてほしいと話された。

 

メトホルミン錠は古くからある薬で注目されることが少ないため、しっかりと学ぶ機会がなかったが、古い薬だからこそデータも多く、医師も使いやすい薬であるのだと感じた研修会でした。

 

本研修会は岡田先生のご厚意により、資料を提供いただいております

会員ページの研修会資料に掲載しておりますので、ご興味のある方はご覧いただければと思います

 

 

 

 

 

 

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