第89回 東区薬剤師会研修会
3月1日(水)第89回東区薬剤師会研修会を開催しました
講師に松田耳鼻咽喉科病院 江﨑嘉十(えさき よしと)理事長兼院長をお招きし
「花粉症治療に関する最新の話題」と題しご講演いただきました
疫学調査を見ると、アレルギー性鼻炎は年々増加しており、スギ花粉症においても増えてきている。
2019年では10代における有病率は49.5%とおよそ半分が花粉症を患っていることになる。
20年で2倍以上増加しており、低年齢化している。
都道府県別でみてみると2019年1位は山梨県65% 2位は栃木県56.7% 3位埼玉県56.1%となっており、関東の山間部に多く、北海道、沖縄は低い結果となっている。
ちなみに福岡は24.4%と低い方であったと、全国の患者背景を説明された。
治療法に関しても、まずは花粉を回避する事は大切で、普段の生活において注意すべきことを説明。薬物療法だけではなく、合わせて行うが大事であると話された。
内服治療において、近年取り入れられている「舌下免疫療法」について紹介。唯一効果が持続する治療法であると紹介された。
重症患者に対し治療される、生物学的製剤(ゾレア)を紹介。
皮下注射での治療であるが、内服、点鼻で効果がない、内服薬は副作用でつづけれない人に適応があるが、高額であることも紹介された。
内服薬治療において、眠気が問題となることが多い抗ヒスタミン治療薬であるが、「ビラノア」は眠気が少なく副作用も少ないので自動車運転も禁止となっている。また、高齢者や腎、肝機能障害や緑内障、前立せん肥大など、禁忌もなく、使用しやすいと紹介した。
患者に寄り添った指導は薬剤師の本領発揮の部分でないかと思います。
国民の半分が患っている花粉症ですから、しっかりと薬剤師も支えていかなければいけないと感じた研修会でした。