【西日本新聞】百薬百話~乗り物酔い、大丈夫ですか~
いよいよゴールデンウィーク。楽しいお出掛けでも乗り物酔いが心配な人もいるでしょう。
乗り物酔いは、揺れや刺激による平衡感覚の混乱や自律神経の乱れで起こり、吐き気やめまい、頭痛などの症状が出ます。
乗り物酔いに使う薬には抗ヒスタミン薬(嘔吐中枢の興奮を抑え、吐き気・めまいなど鎮める)▽副交感神経遮断薬(平衡感覚の混乱を抑え、吐き気やめまいを抑制する)▽中枢神経興奮成分(中枢神経に働いて脳の感覚の混乱を抑え、頭痛や眠気を和らげる)があります。この3成分が大半の市販の酔い止め薬に入っています。
酔い止めには、持続時間が4時間ほど(1日2~3回服用)と、8~12時間(同1回服用)があるので移動時間に応じて選んでください。年齢制限では子どもは3歳以上からです。3歳未満は自律神経が未発達で酔いにくいためです。錠剤やカプセル、ドリンクタイプなどのうち、3歳から5歳未満は錠剤の誤飲を防ぐためにドリンク剤を選んでください。5歳以上で錠剤の苦手な人には口の中で溶けるタイプやドロップもあります。気分が悪くなってすぐに飲んでも効果がありますが、服用のタイミングは一般的に乗り物に乗る30分前から1時間前。薬を飲むことで精神的に安心するという暗示効果も期待できます。酔い止めには眠気や喉の渇きなどの副作用の他、持病によっては飲めないこともあるので、お気軽に薬剤師にご相談ください。
(広報委員会 委員 田城涼子)