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2022 NO DRUG,KNOW DRUG キャンペーン 今年のテーマ『大麻の有害(危険)性の周知』

6月から7月は、「第五次薬物乱用防止 5か年戦略」(平成30年8月3日薬物乱用対策推進会議決定)に基づく、「薬物濫用防止強化期間」として関係団体が協力し広報していくことを政府が定めている期間です。

それに伴い、今回は、乱用される薬物の一つである「大麻」について書きたいと思います。先日福岡の地方紙の第1面「大麻罪の意識薄い若者」と題し、「大麻の現状と問題」についての記事が掲載されました。昨年九州7県の県警が大麻事件で636人を摘発していたことから、大麻の現状と問題を取材した記事でした。

 

福岡県においてはどうでしょう?

令和3年中、398人が検挙され、その内20歳未満は65人でした。

約16.3%が未成年ということです。若者の間で広まっていることがわかります。

                                            

                                            《福岡県薬務課HPより》

 

では、乱用されている大麻とは、どういった物でしょう。

アサ科の一年草で、茎から丈夫な繊維がとれるため、昔から栽培、利用されてきました。しかし、現在日本では無許可での栽培や所持等は法律で禁止されています。

春から夏にかけて生育し、成長が早く、大きいものは草丈が3mにもなり、種子をつけた後は枯れます。

葉は、細長い柄の先に、3~9枚の小葉が集まって、手のひらのような形をしています。

大麻の花や葉に含まれる有害成分、THC(テトラヒドロカンナビノール)は身体に様々な悪影響を及ぼします。

大麻の有害性とは、以下のように身体や行動等に様々な悪影響を及ぼします。

特に、青少年期に構築される脳・神経系の正常な発達および成熟に障害を起こす可能性が強く示唆されています。

〇大麻の慢性使用(長期的影響)

薬物依存、退薬症候の発現

統合失調症、うつ病の発症リスクの増加(特に、若年からの使用はハイリスク)

認知機能、記憶等の障害

時間感覚の歪み、短期記憶の障害

他の薬物使用のリスクを高める

〇大麻の急性使用(短期的影響)

高揚感、脱抑制

吐き気、抑うつ、興奮、錯乱、眠気、パニック発作

音刺激、触覚に対する知覚の変容

時間感覚の歪み、短期記憶の障害

自動車の運転への影響、運動失調と判断力の障害

 

<出典>大麻等の薬物対策のあり方検討会とりまとめ
厚生労働省「大麻等の薬物対策のあり方検討会」(2021.6.25)

 

 

「大麻を使用したきっかけ」の聞き取り調査では、「誘われて」「興味本位で」が多く報告されています

インターネットなどでは「大麻は他の薬物より安全、害がない」 「大麻は依存にならない、いつでもやめられる」 「海外では大麻が合法化されているから安全」という情報もあり、警戒心を薄れさせていますが、そうした情報は誤りです!

また、現在はコロナ禍で海外に行く機会が減っていますが、アフターコロナになれば、旅行や留学などに行く機会が増えてきます。

いくつかの国では、条件付きで大麻の使用が認められていることもあり、旅先での一時的な使用やお土産に関して注意喚起が出ています。

大麻の有害性や依存性など正しい情報を知り、自分の身を守りましょう。

                               

                               《出典》海外渡航者向け広報啓発ポスター厚生労働省HP

 

学校薬剤師委員会 常務理事 吉村宏

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