【西日本新聞】百薬百話~漢方薬の四神~
青竜 白虎 朱雀(すざく) 玄武と聞いて何を想像されますか。東西南北の方角を守る四神と称されますが、漢方薬にもこの名前を持つ薬があります。
青竜湯(とう)、白虎湯、十棗(じゅっそう)湯(朱雀湯)、真武(しんぶ)湯(玄武湯)などです。中でも、今の季節に使用が増えるのが青竜湯です。青竜湯には大と小があり、ともに配合されている成分の麻黄が青いことなどから名付けられたともいわれます。
小青竜湯には麻黄(発汗、気を上げる)、甘草(炎症を和らげる)をはじめ、8種類の生薬が配合されています。他の生薬には▽消化管、気管支を整える▽体を温める▽滋養作用がある▽体内の水をさばく▽筋肉の緊張を和らげる―などの効用があります。
大青竜湯は麻黄、甘草は小青竜湯と同じですが、他の生薬が違います。5種類が入り、▽せきを和らげ便を出す▽体を温める▽消化管を整える▽消炎効果がある―などが効用です。
小青竜湯は鼻水や涙目、せきなどの症状に使用します。大青竜湯は熱の有無にかかわらず、感冒、腎臓病などの身体疼痛(とうつう)、浮腫の症状に使用されています。一般的には小青竜湯がよく使われています。
冬から春に向かう季節、ブルッと冷えを感じ、鼻水が出そうであれば、青竜湯の出番かな、と思い起こし近くの薬局で相談してみませんか。
(広報委員会 理事 川本健司)