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【西日本新聞】百薬百話~スポーツと薬~

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8月にブラジルのリオデジャネイロで4年に1度の世界的なスポーツ祭典が開かれます。日本代表選手たちの活躍が楽しみですね。スポーツの世界ではドーピング問題が後を絶たず、昨年も世界の陸上界で大きな問題が起こりました。選手たちは薬物に頼らず正々堂々と戦ってもらいたいと思います。

ドーピングには故意に薬物を使用するケースと、規制薬物と知らずに使ってしまう「うっかりドーピング」があります。日本ではほとんどが後者です。アスリートの方々はご注意ください。

日本プロ野球界では2007年にドーピング違反がありました。薬はなんと発毛剤。実はこの薬物はフィナステリドという医療用医薬品で、今も男性型脱毛症(AGA)の治療に使われています。この薬は男性ホルモンの合成を抑えて抜け毛を防ぐ効果があり、髪質の改善効果が十分に期待されます。しかし、その作用にドーピングをごまかす効果があるとされ、世界アンチ・ドーピング規程の禁止薬物になっていました。09年に禁止薬物から外れましたが、当時、対象になった選手には気の毒な話です。とはいえ、アンチ・ドーピングはスポーツの平等性を維持し、アスリートの健康を守るためであり、禁止薬物の見直しは毎年行われています。

フィナステリドは、今はアスリートも使えます。しかし、他の発毛や育毛剤の塗り薬の成分には禁止薬物の対象になるものもあります。髪の毛で悩んでいるアスリートの方は、使用前に医師・薬剤師にお尋ねください。

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(副会長 木原太郎)

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