第81回 東区薬剤師会研修会
6月13日(月)
第81回東区薬剤師会研修会を開催しました。
シリーズ2回目
「調剤業務で知っておきたい漢方知識~虚実・寒熱の概念について~」
(株)ツムラ福岡営業所 森田 英久 所長に講演いただきました。
医学部でもコアカリに漢方薬が入ったため、若い医師は漢方薬に抵抗がなく処方する。
医師が処方しやすいように、ツムラでは「育薬」とよぶエビデンス構築を積極的におこなう活動している。
エビデンスが集まっている商品が、ツムラでの売り上げトップ10となっている。
漢方薬はすでに医薬品として販売されている薬であるが、作用機序などが不明なものが多い。
ツムラでは作用機序を解析したり、副作用の発言頻度も臨床研究をしていると紹介。一般的な医薬品と逆の手順でエビデンスを構築しているといわれた。
漢方薬は足し算の文化、いろいろな成分を足して効果を目指した物であろうと思う。いろいろ試して、経験から、一番いい組み合わせ、分量となったと思われる。漢方薬の面白いところであると話した。
「虚実・寒熱の概念」の話では、まずは難しく考えず、見た目やイメージから考えてもらうとわかりやすい。考え方はシンプルで、足らない所を補う。充実しているときは減らす。
虚実・寒熱の方向を間違えなければ、薬の選択は幅があり、どれから始めても大丈夫である。
漢方薬の有害作用と使用上の注意を紹介。西洋薬の成分との重複や、疾患との関係性なども注意していきたい。
麻黄(エフェドリン)での不眠、血圧上昇、尿閉などを例に挙げ、構成成分を考えれば、副作用回避に役立つと話した。
ツムラの「MEDICAL SAIT」を紹介 無料で資料などを閲覧できるので、登録いただきたいと話した。
最後に村田委員より、「漢方 飲ませ方 工夫」と題し、「飲ませる」ことが難しい小児に対する服薬指導に関しての工夫やアドバイスなどをはなし、今日の話をまとめた。
奥が深い漢方薬。医師から処方される機会も多く、最新の漢方薬の話が聞けて服薬指導に役立つと感じた研修会であった。