【西日本新聞】百薬百話~尿酸値に気を付けよう~
血液中の尿酸値が7ミリグラム/デシリットルを超える状態を、高尿酸血症といいます。高尿酸血症が長く続くと、尿酸が血液中に溶けきれず結晶化してしまいます。その結果、突然足の親指の付け根などが激しく痛む急性関節炎(痛風)や、腎障害の原因となることがあります。
尿酸値が高くなる理由として「尿酸を作る量が多くなる」「排せつされる尿酸の量が少なくなる」の2通りが考えられます。それらは遺伝的体質や生活習慣による要因が大きく関わっているといわれています。
生活習慣せ注意するポイントは、以下のようなことです。
①肥満傾向の人は標準体重まで減量する。
②プリン体を多く含む食べ物を控える(プリン体の多い代表的な食べ物=肉や魚の内臓類、マイワシ干物、白子、アンコウの肝、カキ、ウニ、カニ、エビ、昆布やシイタケなどの乾物類)。
③水分を十分に取る。
④野菜を十分に取る。
⑤アルコールを控える。
⑥食事は規則正しく、栄養のバランスに気を付ける。
⑦適度な運動を心掛ける。
⑧ストレスをためない。
日常生活の改善では不十分な場合、薬で治療します。
尿酸排せつが低下している人には、尿酸排せつを促す薬、尿路結石予防のため尿をアルカリ性にする薬。尿酸生成が過剰な人には、これを抑える尿酸降下薬が使われます。しかし痛風を伴う高尿酸血症では、尿酸降下薬がかえって痛風発作を悪化させることがあるため、発作中の薬には注意が必要です。
気になることや薬についての相談は、かかりつけの医師や薬剤師にご相談ください。
(広報委員会 委員長 古賀充)