第80回 東区薬剤師会研修会
5月24日(火)
第80回東区薬剤師会研修会を開催しました
Web、現地で73人の参加しました。
特別講演は
「子宮内膜症に対する当院の取り組み」と題し、
そらレディースクリニック 林 広典 院長にお話しいただきました。
子宮内膜症について病態の説明から始まり、診断、治療を説明。
子宮内膜症は腹腔内に病変が広がっていく病気で、難しい疾患である。腸と癒着した症例を動画で紹介され、内膜症が腸や膀胱周囲の神経を巻き込んでいる場合もあり、手術で剥離していくのはリスクを伴う。まずは薬物療法から始め、手術は最後の手段でと考えられていると話された。
薬物療法をメインに治療するが、女性のライフステージに合わせて薬も選択していく。
林院長は、若いうちから子宮内膜症の疑いがある場合は(月経困難症など)積極的にホルモン治療を行っている。10代などは病変はないが月経痛がある場合が多い。早くホルモン療法を行うことで、症状悪化させないメリットがある。
若い人に処方するにあたり気を付けていることは、コストが安い、飲みやすい・使いやすい(用法、休薬期間)を考えて処方してる。
ホルモン製剤は飲み方、飲み忘れたときなど、指導が大事であることが多い。薬剤師の丁寧な服薬指導には感謝していると話された。
OC、LEPガイドラインを示し、血栓症のリスクが高い症例は避ける、兆候を見逃さない が大事であると話された。
講演の後、村田峰生 学術委員より「服薬指導には何を注意}と題し、
日本産婦人科医会のガイドラインを示し、今どのステージにいるのかを考慮しておくのも指導に薬に立つであろう。血栓症などは早期発見が大事であることから、薬剤師のモニタリングが大事であろうと考える。
服薬指導においては服用開始日、飲み忘れ時の対応、休薬期間の説明は大事である。休薬期間は薬剤師によって違うので、しっかりと説明しておく必要があると説明しました。メーカー作成のリーフレットは注意事項がまとめてあるので、活用することをお勧めします。
患者のプライバシー配慮がより求められる婦人科受診の方への服薬指導について、気を付ける事などを具体的に上げ、薬剤師としての職業倫理が大事であると説明しました。
婦人科の処方を受ける事は多くないと思われますが、患者に寄り添った指導を行うという事は、すべての薬剤師に求められることです。
そのための知識のアップデート、復習は大事であると感じた研修会でした。