福岡市薬剤師会

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市民のみなさま

「2021災害派遣薬剤師育成研修会(シリーズ全3回)」~災害時に地域を支える薬剤師・薬局へ~

災害派遣薬剤師育成研修プログラムの取り組みについて

福岡市薬剤師会災害対策本部

福岡市は、災害対応「福岡市地域防災計画(令和3年6月福岡市防災会議)」を進めるにあたり、指定地方公共機関として福岡市薬剤師会を指定しています。

2018年12月「災害時における医療救護活動に関する協定」を交わし、その中に各種災害の内、●医療救護班の編成・派遣 ●安定ヨウ素剤の配布・服用 という役割が明記されています。市薬剤師会会員の薬剤師・薬局がそれらに協力し対応を担う事となります。

そこで、2019年より災害派遣薬剤師を育成する福岡市薬剤師会の研修プログラムを立ち上げ研鑽に取り組んでいます。

毎年参加して継続学習を行っている会員も多数です。市民のために貢献できる薬剤師育成プログラムとして福岡市薬剤師会の魅力ある研修の一つです。

市薬へ入会し、会員として是非とも本研修会を受講していただきたいと願っています。(未来を担う薬学生は受講できます。事務局にお問い合わせください)

 

「2021災害派遣薬剤師育成研修会(シリーズ全3回)」

 

2021年も福岡大学薬学部の江川孝教授プロフィールを講師に迎え、災害派遣時に、また災害を被った際に対応できる薬剤師を育成し、災害有事対応できる薬剤師・薬局となるよう事例・実例に基づき災害薬事に関する対応と活動と学ぶ本研修会を企画しています。

 

2021.10.15日 第1回 災害研修の意義

10月15日に第1回が開催された。第1回では、今まで日本で起こった地震・豪雨などの災害の歴史や発生時の被災地の状況、医療提供体制、整えられてきた法律・制度など、当時の現場写真なども含め実際の貴重な事例をお示しいただきながら学ぶことができた。

災害発生時の避難所では避難所をはじめ、医薬品や衛生環境の管理も大変重要となる中で、「薬剤師に早く来てほしい!」、「災害に強い薬剤師を求めている!」というような声があがったと聞き、平時から災害時に私たち薬剤師が求められる事、果たすべき責務を学ばなければならないと感じた。

次回は、「CSCA/TTT」私たちの行動をどうしたらいいのかをテーマに学ぶ予定だ。

必ず有事では勿論、日々の薬剤師・薬局に役立ち、感性にも響く本シリーズ研修会。多くの方の参加を期待している。

 

 

   

 

2021.10.21日 第2回 災害時に必要とされるもの

第2回目は実際に災害が起こった時の被災地に必要なものや私たち医療人に必要とされるものについて「制度・連携・知識・装備」などを今回も実際の被災地の事例を示していただきながら学んだ。

江川教授が最初に私たちに伝えたメッセージは「災害が起きたらスイッチを入れて」でした。まずは現場での指揮命令・連携・安全・情報伝達・評価を確立させ、選別・処置・配送で薬事サポートをするという、災害医療で重要となることについて「スイッチを入れて」動き出すことが必要となる。

災害医療に携わるには知識と装備が不可欠であることも学んだ。1日でも早い復旧と被災者を守りたいという熱意だけで被災地に行っても現場が混乱してしまうこともありうる。今回のような災害研修により知識を積むことが大切である。それによって、被災地で最大限の力を発揮して、被災者を守ることができる。

次回が最終回となるが、江川教授から今年も多くのことを学ことができる良い研修であると実感している。

  

 

2021.10.29日 第3回 災害時の薬事関連法規・通知

第3回目は災害救助に関わる法規や実際の現場での調剤・報酬制度、モバイルファーマシーについて災害時の事例を基に勉強した。

災害医療を行う際には様々な法規に従って活動を行わなければならない。医薬品の調剤に関しても災害用処方箋と外来処方箋では取り扱いが異なることや、薬局が被災してその場で業務ができない場合の対応、災害時での保険、患者が保険証や処方箋を持っていない中での対応なども必要となる。私たちが災害時の薬事法規を知らずに活動をすることは現場を混乱させてしまうだけではなく、被災者にも負担をかけてしまうことが起こりうる。技術のみではなく法規等についても事前に学ぶことが必要だと感じた。

福岡にも2台あるモバイルファーマシーについてもその機能と活用方法について学ぶことができた。被災地でのモバイルファーマシーの機能は大変優れたものであり、被災地からは「モバイルファーマシーがあって良かった」などの声が上がったとの事であった。しかしながら機能が優れていることにより、モバイルファーマシーが常駐している被災地とモバイルファーマシーが無い被災地では提供できるものに大きな差があり、被災地・避難所間で活動に実際差も出てきた。どの被災地・避難所でも被災者に同様のものを提供できるような運用方法も求められている。

3週間にわたって開催された災害派遣薬剤師育成研修プログラム、日本の災害対策の第一人者である江川教授から今年もとても多くの事を学ぶことができ、また薬剤師として災害時にも積極的に貢献したいという心構えも備えることができた。災害はいつ起こるか分からない、研修を継続して行い最新情報のアップデートも必要となる。来年も研修会の開催を企画したい。

大変お忙しい中に今年も薬剤師に学びの機会を与えていただいた江川先生に心より感謝申し上げます。

  

(職能対策委員会:清水)

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